大開口と大空間
可能にする構造計算

世界に一つの注文空間、
だからこそ安全性について1棟1棟
数値による確認を実施

構造計算

最大15mの無柱空間・天井高2m80cm


室内空間を立体的に自由にデザインしよう。~ 天井高2m80cm~

天井高2m80cm
一般的な住宅の天井高は2m40㎝。「白馬の家」は、リビングなど居室により天井高2m80cmも可能。40cmの違いで同じ広さの部屋でも開放感がまったく違います。窓だってそのぶん大きくなります。

最大15mの無柱空間
柱や壁は一定の広さごとに必ず必要になります。8畳間3.64m×3.64mの空間であれば問題になりませんが、ビルトインガレージや20畳のリビングなど計画したら柱や壁がないほうが使い勝手が良いこともあります。最大15mの無柱空間はプランの自由度を高めます。


大開口と大空間はどんな家でも安全につくることが可能なんでしょうか?
~ 全棟構造計算実施 ~

全棟構造計算実施
そんな不安も構造計算をすれば、しっかりと確認できます。白馬の家では圧倒的な大開口と大空間を全棟構造計算により可能にします。

2倍厳しい偏心率

構造計算では建物全体のバランスもより厳しく求められます。偏りにより、ねじれて倒壊しないように、偏心率が計算されます。偏心率はその数値が大きい程、偏心の度合いが大きくなります。

構造計算では、偏心率0.15以下 となっているのに対し、平成12年(2000年6月以降)新耐震基準2000年基準で定められた四分割法による場合は、偏心率0.3以下で良いとされています。偏心率は低いほうがより望ましいので構造計算で家を作るときはより厳しい基準が定められています。

強さ最大7倍の耐力壁

構造計算をしている家と簡略化された仕様規定による家(構造計算していない家)とでは、安全性の確認の上で違いがあるのはもちろんですが、それ以外にも実は大きな違いがあります。

建築基準法では、地震力に耐えられるだけの強さがある耐力壁の壁量や壁倍率について定めています。仕様規定による壁量計算による場合は壁倍率5倍、許容応力度計算などの構造計算をすることで壁倍率は7倍までと定めています。

壁の強さが2倍になれば壁の長さは半分で済みます。下記の例)のような54m必要な壁も、壁倍率5倍なら10.8m、7倍なら約7.8mあれば良いことになります。

壁倍率7倍が大開口を可能にする

※耐力壁は東西南北それぞれの方向にバランスよく配置する必要があります。床面積100㎡の家が仮に正方形なら、一辺10mです。窓や玄関などの開口部もあり、そもそも54mもの耐力壁を単純に壁の長さだけでの計算では実現できません。そこで、耐力壁には壁倍率という壁の仕様によって壁の強さが設定されています。

※建築基準法における新耐震基準(2000年基準)では、震度6強から7の地震で倒壊しない、震度5強程度の地震で損傷しない壁量とされました。

平成12年(2000年4月)施行された住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)による住宅性能表示制度では、耐震性能について等級1から3が定められ、

・等級1は建築基準法新耐震基準(2000年基準)
・等級2は等級1の1.25倍の地震に対抗できる壁量
・等級3は同1.5倍の地震に対抗できる壁量

とされました。また、平成21年(2009年6月)施行された長期優良認定住宅の普及の促進に関する法律の長期優良認定住宅では、等級2以上とされました。

多くの木造住宅は構造計算をしていない。

構造計算についてご存知でしょうか?

建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低の基準を定めて、国民の生命、健康及び財産の保護を図り、もつて公共の福祉の増進に資することを目的とすることが定められている法律、建築基準法(昭和25年5月24日法律第201号)。この中で構造計算について定められています。

構造計算は、建築基準法第20条第1項一~三号等について許容応力度等計算、保有水平耐力計算、限界耐力計算、時刻暦応答解析により安全性の確認をします。建築物について自重、積載物、積雪荷重、風圧、土圧及び水圧並びに地震その他の震動及び衝撃に対して安全な構造のものであるかを確認し、建物にかかる重さが力としてどのように伝わり、その力に耐えられるか、建物が地震によって瞬間的に大きく傾いたときにどこまで粘り強く耐えられるかなどを計算して確認します。


建物の安全性は構造計算により確かめなければなりません。

ところが、多くの木造住宅ではこの構造計算をしていません。なぜでしょう?

建築基準法において、建築主は建築物を建築しようとする場合、当該工事に着手する前に、その計画が建築基準関係規定に適合するものであることについて、確認の申請書を提出して建築主事の確認を受け、確認済証の交付を受けなければならないとされています。こと確認申請について、建築基準法6条1項4号で規定する建築物については、建築基準法6条の4第3号によって建築士が設計したものであれば、建築確認の審査を簡略化することができるとされる、いわゆる4号特例というものがあります。

建築基準法6条1項4号で規定する建築物とは、木造建築物であれば2階建て以下・延べ面積500m2以下・高さ13m以下・軒の高さ9m以下の建築物です。2階建ての戸建住宅の多くが該当することになります。4号特例では、構造計算に代わる簡便な方法とし認められている、いわゆる仕様規定の「壁量計算」による安全性の確認のみでよいとされています。そのため、右の図のように、多くの木造住宅では構造計算をしていないのです。

木造住宅の7~8割が採用している木造軸組工法の住宅でも、多くは仕様規定により床面積に応じて一定以上の筋交い等の耐力壁を設け、壁量計算を行うことで構造計算をしていません。しかしこの壁量の規準を満たした状態の建物についても、構造計算をしてみると強度が不足している場合もあります。また、ハウスメーカーにおいて工業化された住宅には、型式認定による安全性の確認のみでよいとされる住宅もあります。

構造計算をしていない家がただちに危険な家ということではありません。もちろん定められた仕様規定や壁量計算、型式認定などにより安全性は考えられています。ただ、安全性を確認するために構造計算をしてはいけないということではないのです。

大規模建築物で利用される計算ルートで行う構造計算

「白馬の家」は、1棟1棟オーダーメイドで間取りや仕様を決めます。安心や安全を考えれば、1棟1棟構造計算による確認をした方が望ましいのは言うまでもありません。構造計算については、国の定める計算ルートに沿って確実に行い、安全性の確認をします。

生命、健康及び財産の保護を担う家の性能について、木造2階建て住宅であっても、大規模建築物と同じように構造計算を実施し、計算書報告書を提出しています。

「白馬の家」は国で定められたルートにより全棟構造計算を実施しています。

構造計算をしていない住宅と構造計算を行った住宅の違い

主な内容 一般住宅 (構造計算をしていない住宅) 構造計算をした住宅
地震に対して 数百年に一度発生する大きさの力に対して、損傷は受けても、人命が損なわれるような壊れ方をしないこと。 数十年に一度発生する大きさの力に対し、大規模な工事が伴う修復を要するほどの著しい損傷が生じないこと。 数百年に一度発生する(住宅の密集する都市で震度6強から震度7程度)地震に対して、倒壊・崩壊しない。 数十年に一度発生する(住宅の密集する都市で震度5強程度)地震に対して、損傷しない。
地震保険 割引なし 耐震等級3 50%割引 耐震等級2 30%割引
特殊な空間提案 大空間・スキップ・大屋根 狭小地 制限なし(設計者の判断のみ) 各部の検討を行う事で根拠ある空間提案ができる
部材の検討内容
建物の面積に応じた量を確保 必要量の1.5倍の量を確保(等級3) かつ、地震等に対して必要な量を計算して確保 壁の強さを適正に判断し検討する
壁のバランス バランスよく配置(四分割法) バランスが悪くても一定量を確保すればよい(0.3以下) 偏心率により計算(0.15以下) バランスよく配置が原則、悪い場合は壁量の割増し計算をする
引抜き金物(柱) 告示による配置またはN値計算 耐力壁の強さに応じて建物の重さから必要な金物を決定
引張り金物(梁) 金物をつけること 地震力等による耐力上必要な金物を決定
火打 隅角部に入れる(長方形の家なら4本のみ) 地震力等に対して必要な量を計算して配置 火打ちと水平の合板を検討し横揺れに対して検討
建物の高さと重さで柱のサイズを決める 建物の重量を割り出し、柱1本にかかる重さで計算し柱のサイズを決める
梁の中央、下端を欠きこまない 梁の中央、下端を欠きこまない 梁にかかる重さを計算で割り出し梁1本1本を検討 梁、小屋梁、母屋、大引、垂木 強風時の横からの梁の曲げを検討
土台の検討 基礎と緊結 柱の重さで土台にめり込まないか検討 地震時等の時に土台の曲げを検討
基礎 一定の基準を満たしてる事 べた基礎 径9㎜以上@300以下 厚さ120㎜以上 立上り基礎 立上り幅120㎜以上 根入れ120㎜以上 上下主筋12㎜以上 補強筋9㎜以上@300以下 全ての基礎の部位を建物の重さから 必要な鉄筋量とコンクリート厚を決める べた基礎 建物の重さと立上り基礎の配置により 厚みと鉄筋径を決定 厚さ150㎜以上 径13㎜@150~200 立上り基礎 建物の重さを出し地震時と平常時での検討 上下主筋を上記の条件で検討 根入れ250㎜を確保 補強筋は建物の条件から決定
屋根葺き材 風や地震で落ちない事 仕上げ材毎に建物の高さでの風速により検討する
基礎アンカーボルト 土台と緊結、量の規定なし 必要な量を割り出し配置