住宅関連新聞記事
住宅関連新聞記事ダイジェスト No.379 2011/4/7~2011/4/13
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住宅関連新聞記事ダイジェスト No.379 2011/4/7~2011/4/13 Vol.1
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【日本経済新聞】
1 4つの視点からエコを取り入れる
2 福島原発事故によるアパートの家賃と解除について
【朝日新聞】
3 首都圏の中古マンション成約、3月は前年比2割減
【読売新聞】
4 地震感知し自動解錠する装置
5 シェアハウスの契約トラブル増
6 液状化、東京・千葉・神奈川で1100棟損壊
7 地震保険支払額334億円、東北は1割だけ
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1 4つの視点からエコを取り入れる 2011/4/11 日本経済新聞
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等々力渓谷や多摩川など、都内にして豊かな自然を擁する、東急大井町線「等々力」駅から徒歩12分。閑静な住宅街に、3階建て総戸数43戸の「パークホームズ等々力レジデンススクエア」が竣工した。CO2削減のためパッシブデザイン、エネルギーデザイン、モビリティーデザイン、コミュニティーデザインの4つの視点からエコを取り入れ、2009年国土交通省「住宅・建築物省CO2推進モデル事業」に採択されたマンションである。
まず、パッシブデザインでは、坪庭や打ち水といった工夫のある京都の町屋を参考に、コの字型に配された住居棟を囲むようにクールスポットとしての中庭をつくり、保水機能のある舗装材・打ち水ブロックを敷いた。住戸内では、複層のエコガラスのほか、サッシにストッパーを設けて通風と防犯性を確保したパッシブウィンドウシステムを採用。また、バルコニーには緑のカーテン用のフックを設置している。
次に、エネルギーデザインでは、共用部電力に活用される太陽光発電のほか、高効率ガス給湯器・エコジョーズや、共用部と専有部のダウンライトにLED照明を使用している。また、東京ガスと共同開発した、家庭内のエネルギー消費量やCO2排出量を表示するガス給湯リモコン「セーブ・アース・ディスプレイ」によって、CO2削減量を「見える化」した。 モビリティーデザインでは、ハイブリッドカー(1台)と電動アシスト付き自転車(4台)によるシェアリングサービスの導入のほか、電気自動車用充電コンセントを2基設置している。
モビリティーデザインでは、ハイブリッドカー(1台)と電動アシスト付き自転車(4台)によるシェアリングサービスの導入のほか、電気自動車用充電コンセントを2基設置している。
最後に、コミュニティーデザイン。売主である三井不動産レジデンシャルのWEBサイト「すまいのECOチャレンジ」では、オリジナルの環境家計簿が作成できたり、エコ関連商品と交換可能なポイントが付与されたりすることで、日々のエコ活動の助けとなる。また、エコライフのヒントが散りばめられたエコスタイルブックを入居者全員に配布した。
なかでも面白いのは、マンション入居者の専用サイトを開設したことだ。このサイトでは、マンションに設置された太陽光発電の発電状況や、中庭の温度と湿度をリアルタイムで表示し、自然換気を促す「リアルタイムモニター」のほか、セーブ・アース・ディスプレイのデータを1カ月単位でグラフ化し、マンション内での消費量や削減率の順位が表示される仕組みが備わっている。
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2 福島原発事故によるアパートの家賃と解除について 2011/4/7 日本経済新聞
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(福島県 30歳代 会社員 男性)
私は、福島第一原発から半径30キロメートル以内のアパートに住んでいます。屋内退避地域に指定された日から勤務している工場も実質休止状態ですので、実家のある福島市に移動しました。
お伺いしたいことは、家賃の支払いと契約解除のことです。自主避難した場合、その間の家賃の支払い義務はあるでしょうか。
また、このまま契約を解除する場合、契約書通りに1カ月前までに連絡しなければいけないのでしょうか。よろしくお願いします。
契約を超えた特別な事情として話し合いを
(住宅ねっと相談室カウンセラー 司法書士 石田 光廣)
大変なご様子お察しします。健康不安だけでなくお仕事のご不安も重なり、周辺のみなさんはさぞご苦労が絶えないことでしょう。
さて、ご相談の件ですが、現在20キロメートル圏内のみなさんは、避難指示が出ていると聞いております。このような場合は、家賃の対価である住居の使用ができないので、当然にその間の家賃は発生しないこととなります。退去期間の日割りで計算します。解除の場合も、退去期間が1カ月以上に及ぶ場合、通告すれば直ちに可能となります。
他方、屋内退避地域に関しては、住居の中での生活は安全とされているため生活可能状態ということで、いまだ家賃の支払い義務は消滅していません。相談者のように自主避難している場合も同様です。ただし、大家さんとの話し合いで当事者間の合意があれば家賃の免除や軽減も可能ですので、大家さんに相談してみることをお薦めします。
契約の解除ですが、これも同様に、法律的には契約書の内容に従うとしか言いようがありませんが、事態が事態だけに、特別事情として大家さんと話し合うことが良いと思います。
もっとも、すぐにでも解除したい思っても、引っ越しの荷物を運び出すことすら大変でしょうから、現実に即した判断を大家さんとしてみましょう。お互い犠牲者同士として腹を割って話してみましょう。
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3 首都圏の中古マンション成約、3月は前年比2割減 2011/4/11 朝日新聞
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首都圏(1都3県)で3月に中古マンションの取引が成約した件数は2495件で、前年同月より19.2%減った。前年同月を下回るのは4カ月ぶり。中古不動産市場の調査を手がける財団法人の東日本不動産流通機構が11日発表した。
東日本大震災で首都圏でも液状化現象などの被害が生じたこともあり、取引を控える動きが強まったという。ただ、1平方メートルあたりの平均価格は39万1800円と、前年同月より1.3%上昇した。
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4 地震感知し自動解錠する装置 2011/4/13 読売新聞
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地震の揺れを感知すると自動的に錠を解除する装置を、建設業「三愛物産」(名古屋市中区)三重支店(三重県津市藤方)が三重大の協力を得て開発した。
東日本大震災を受け、災害用の食料倉庫や非常口、鍵の保管庫などへの活用が期待され、同社は「地域の防災意識が高まっており、人命救助に役立ててほしい」としている。
「地震自動オープン錠」と名付けたこの装置は、高さ25センチ、幅15センチ。センサードライブと言われる感知器が、震度6弱以上の揺れに反応。装置から伸びるワイヤが、鍵の留め金部分を外す構造になっている。バネの力で動く機械式のため、停電時でも作動する。震度6より弱い揺れや外側から物でたたくなどの衝撃には反応しない。
同社が2008年10月から昨年12月までの約2年間をかけて開発した。三重大工学部の平林典久特任助教(32)(建築学)の技術指導を受け、阪神大震災(震度7)や新潟県中越沖地震(同6強)などと同じ揺れを起こす装置で振動実験を繰り返した。
昨年3月には、性能試験を行う建材試験センター(東京)の実験でも品質の高さが認められ、今年1月から販売開始し、県内の自治体から予約が数件あるという。
当初は食料倉庫への取り付けを勧めていたが、徳島県の自治体から「鍵の保管庫に応用できないか」との要望を受け、装置を内蔵した保管庫「鍵キャビネット」も開発した。
同社の小掠伸(おぐらひろし)・環境開発グループ長(78)は「東日本大震災のような超非常時に、合鍵を持った人の到着が遅いと迅速な災害対応ができない。鍵の保管庫さえ開けば、人命救助に役立つ」と説明する。
また、平林特任助教は「実験を繰り返し、精度の高い商品ができた。自主防犯組織などでの活用を広げてほしい」と話している。
本体価格は6万8000円から。取り付けは別料金。問い合わせは同社三重支店(059・228・5101)へ。
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5 シェアハウスの契約トラブル増 2011/4/11 読売新聞
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「退去時に解約料の請求」「デポジット返還されず」…
台所や風呂などを共同で使う「シェアハウス」が、入居者の交流や賃料の安さで関心を集めているが、契約トラブルも増えている。
契約の手続きが一般の賃貸住宅と異なることや、不動産会社を介さないことが多く、退去時にトラブルになりやすいようだ。転居シーズンを迎え、専門家は注意を呼びかけている。
シェアハウスは寝室である個室でプライバシーを守りつつ、食堂や居間、トイレ、浴室、玄関などを共用する新タイプの賃貸住宅だ。共同生活の楽しさが味わえると若者を中心に人気があり都市部で急増中。震災後は、被災者が住居を見つけるまでの仮住まいとしても注目されている。
家賃の低さも人気の理由だ。4・5~10畳の個室で月4万~10万円ほどと、条件の似た賃貸住宅と比べて安く設定されている。長期間の入居を想定していないため、礼金や敷金を求められない場合が多い。
都市部を中心に800か所以上と広がるシェアハウスだが、トラブル防止のガイドラインなどは定められておらず、入居者からの相談が増えている。東京都消費生活総合センターには2008年から昨年末までに21件の相談が寄せられ、年々増加の傾向にある。
40代の女性は、都内の一軒家に4人で住む物件をインターネットで見つけ、喫茶店で家主と契約。「他の入居者がルールを守らない」として入居翌月に退去を申し出たところ、解約料30万円を請求されて戸惑った。
ほかにも「敷金の代わりに支払った『デポジット』(預かり金)が返ってこない」「退去時に残っていた契約期間の家賃を請求された」などの相談があった。
背景に、契約手続きが一般の賃貸住宅と異なることがある。具体的には、〈1〉プロの不動産業者を介さず、貸主がインターネットなどで入居者を募集し、重要事項の説明が十分行われないことがある〈2〉入居期間を定めた「定期借家契約」を結ぶことが多く、期間途中に退去する際にトラブルが発生しやすい――などだ。
一般の賃貸借契約では、貸主が契約更新を拒む場合には正当な理由がなければならないが、定期借家契約では、期間満了後の更新は原則として行わないという違いもある。
東京都消費生活総合センターは「契約の際は、契約書の内容をよく確認してほしい。不明な点があれば説明を求める必要がある」と話す。
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6 液状化、東京・千葉・神奈川で1100棟損壊 2011/4/8 読売新聞
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東日本大震災で、千葉県浦安市などで大きな被害が出た液状化現象が、東京湾岸地区の埋め立て地で広範囲に発生していたことが自治体などの調査で分かった。
少なくとも東京、千葉、神奈川の1都2県の11市区で約1100棟が損壊したほか、道路や公園などの公共施設も使用不能となるなどした。被害地域は震源から約400キロ離れているが、専門家は、マグニチュード9・0の「強く長い揺れ」が過去最大規模の液状化を引き起こしたとみている。
千葉県では、千葉、浦安、船橋、習志野の4市の沿岸部で計30棟が全壊、半壊も1046棟に上った。特に浦安市では、市内全域の85%が液状化し、約3万3000世帯が断水した。
都内では、江東区の沿岸部で大量の土砂が噴出していたのが確認されたほか、江戸川区内では住宅8棟が液状化で傾いた。港、中央、大田の3区では公園、道路などで地割れが発生。神奈川県内でも、横浜市金沢区内のマンション敷地内の地盤が沈下するなど、液状化が原因とみられる被害は同市と川崎市で計6か所確認された。
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7 地震保険支払額334億円、東北は1割だけ 2011/4/7 読売新聞
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日本損害保険協会は6日、東日本大震災に伴う地震保険の保険金の支払い件数が5日現在で3万1627件で、支払額は334億693万円になったと発表した。
地域別では、「関東・甲信越・静岡」が計2万8029件、約287億円で全体の9割近くを占める一方、被害の大きい「東北」は計3452件、約45億円と全体の1割程度だった。
東北地方では多額の支払いが見込まれているが、生活の立て直しが優先されて保険金の請求に至っていない被災者が多いとみられる。
損保協は6日までに、保険金が満額支払われる「全損」の地域として、「岩手県陸前高田市の一部」「宮城県気仙沼市の一部」など5地域を認定した。全損地域は今後も増えるため、東北地方での支払い総額は大きく膨らむ見通しだ。
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住宅関連新聞記事ダイジェスト No.379 2011/4/7~2011/4/13 Vol.2
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【日経産業新聞】
8 立川ブラインド、開閉音が静かなカーテンレール
9 マンション住人に建て替えノウハウ、旭化成ホームズが研究所
10 ユニバーサルホーム、バリアフリーの長期優良住宅
11 三協立山アルミ、車庫設計柔軟に 変形した敷地も有効活用
12 屋上緑化の住宅、瓦屋根並み価格 西和不動産販売
13 都心5区のオフィス空室率、過去最高を更新 民間調べ
14 ミサワホーム、リフォーム・中古仲介事業を強化
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8 立川ブラインド、開閉音が静かなカーテンレール 2011/4/13 日経産業新聞
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立川ブラインド工業はカーテンの開閉時の音を静かにするなど機能性やデザイン性を高めた4種類のカーテンレールを発売した。新製品の投入は昨年9月以来で、静音性が求められる病院や、カーテンの脇から光が漏れないためより暗い空間を好む顧客などの需要を取り込む。
静音性を高めたのは「ファインフィット」と「ファインエアー」の2製品。レールにフッ素樹脂加工を施すことでフックの動きを滑らかにし、音を静かにした。このうち「フィット」は天井に直接取り付けて大部屋の間仕切りに使える。施工業者が特殊な機械を使ってカーテンレールを曲げられるのが特徴。L字型にすることで病院のベッドの間仕切りにも使える。
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9 マンション住人に建て替えノウハウ、旭化成ホームズが研究所 2011/4/13 日経産業新聞
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旭化成ホームズは1日、マンション建て替えに関する情報を収集、分析する「マンション建替え研究所」を設立した。これまでに手掛けた建て替え案件で培った情報を踏まえ、マンション管理組合や区分所有者向けに建て替えを検討する際に役に立つ情報などを提供。実際の建て替え受注の獲得に結びつける考えだ。
研究所は5人体制で発足。今後は管理組合や区分所有者へのアンケート調査を実施するほか、同社が手掛けた建て替えの事例などを分析。管理組合に対する勉強会やセミナーを年4回程度開催し、研究所報や建て替えを実現した事業の事例集などの冊子も配布する。
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10 ユニバーサルホーム、バリアフリーの長期優良住宅 2011/4/12 日経産業新聞
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木造注文住宅のユニバーサルホーム(東京・中央)は、長期優良住宅に対応した二世帯住宅の新商品を発売した。トイレと洗面所などの水回りの位置を集約。親の介護が必要な際には手軽なリフォームを加えることで、介護の負担を軽減できる仕様に変えられるのが特徴。車いすでも生活しやすいバリアフリー設計を売りに、初年度は200棟の受注獲得を目指す。
新たに発売したのは長期優良住宅対応の「3世代しあわせハウス」。トイレと洗面所の位置が近いため、簡単なリフォームで一体化可能。介護の負担を減らせる。ゆっくりと閉まるドアの採用で手を挟みにくくしたほか、玄関に埋め込み式のベンチを設けるなど老人でも快適に生活できる仕組みを多数盛り込んだ。価格は1坪(3.3平方メートル)あたり34.7万円(税別)から。工事面積は45坪以上が必要となる。
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11 三協立山アルミ、車庫設計柔軟に 変形した敷地も有効活用 2011/4/12 日経産業新聞
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三協立山アルミは敷地の形状や玄関の場所に合わせて設置できる車庫「U.スタイルII」を発売した。柱と屋根を支える「梁(はり)」とを一体化したフレームの屋根との取り付け角度を従来品よりも広げた。2枚の屋根をL字形に設置できるようにもなり、設計の自由度を高め、変形した敷地でもスペースを有効活用できるよう配慮した。
今回の新製品は、2001年に発売した「U.スタイル」を10年ぶりに刷新したもの。フレームと屋根との取り付け角度をこれまでの14度から30度まで広げ、排水口や植木などを避けて柱を配置できるようにした。柱の長さも自由に替えることができるため、段差がある玄関先にも対応する。
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12 屋上緑化の住宅、瓦屋根並み価格 西和不動産販売 2011/4/11 日経産業新聞
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西和不動産販売(滋賀県栗東市、福島正義社長)は、瓦屋根並みの価格で屋上に緑化庭園がつくれる木造住宅の販売を始めた。緑化資材開発・販売の東邦レオ(大阪市)の「プラスワンリビング」を採用した。滋賀県内で分譲・販売する。
ベーシックプランは屋上50平方メートル(3分の1が庭園)で約100万円。野菜作り型や家具付きのアウトドアリビング型など上位4プランも用意した。2012年3月期に25棟を販売し、7億5千万円の売上高を目指す。
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13 都心5区のオフィス空室率、過去最高を更新 民間調べ 2011/4/8 日経産業新聞
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オフィス仲介大手の三鬼商事(東京・中央)は7日、3月末時点の東京都心5区(千代田・中央・港・新宿・渋谷)のオフィスビル平均空室率が前月比0.09ポイント高い9.19%になったと発表した。上昇は3カ月連続で、過去最高だった昨年8月末の9.17%を更新した。
3.3平方メートル当たりの平均募集賃料(共益費含まず)は1万7495円と前月比17円、0.1%下落した。新築ビルのテナント募集は比較的堅調だったが、既存ビルへの誘致は苦戦した。同社では「東日本大震災の影響はまだ、大きくは表れていない」としている。
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14 ミサワホーム、リフォーム・中古仲介事業を強化 2011/4/8 日経産業新聞
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ミサワホームは、住宅のリフォームや中古物件の仲介事業を強化するため、「ストック事業本部」を新設するなどの機構改革を実施した。同本部の下に、営業推進本部にあったリフォームを担当するホームイング推進部を移管し、新たにストック事業企画部も設けた。今後の需要拡大が見込める事業を手掛ける部門を統合し、効率を高める。
ストック事業本部には36人を配置した。リフォーム事業は22人、中古物件の仲介や家事代行などの住宅関連事業は14人が担う。
住宅関連新聞記事ダイジェスト No.378 2011/3/31~2011/4/6
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住宅関連新聞記事ダイジェスト No.378 2011/3/31~2011/4/6 Vol.1
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【日本経済新聞】
1 マンション管理組合は「地震リスク」とどう向き合えばいいのか?
2 今借りているマンションの所有者が被災された
3 資材不足で緊急調査、国交省「仮設住宅用は確保」
4 吉村靖孝氏がコンテナ規格の被災者用住宅を提案
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1 マンション管理組合は「地震リスク」とどう向き合えばいいのか? 2011/4/4 日本経済新聞
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3月11日午後2時46分、読者の皆さんはどこで何をしていただろうか?――東日本を襲ったマグニチュード(M)9.0の巨大地震の発生から3週間余り、応急仮設住宅の建設や公営住宅への入居受け付けが開始されるなど、被災者の生活再建への第一歩がようやく踏み出された。復興へ向けた支援活動も本格的な動きを見せ始めた。
政府の試算によると、今回の地震による直接的な被害額は16兆~25兆円にのぼるそうで、9.9兆円(兵庫県の推計)だった阪神淡路大震災の最大2.5倍に相当することになる。地震エネルギーが2004年のインドネシア・スマトラ沖地震(M9.1)に匹敵する規模だったことに加え、堤防がまったく役に立たないほどの巨大津波が襲ったことが、被害額を上積みさせてしまった。阪神淡路では復興資金として16兆円が投入され、復興までにおよそ5年の年月が費やされた。今回の東日本大震災では何年かかるか、今後の支援体制によってくるが、険しくも必ずゴールがあることに疑いはない。被災者の皆さんは“その日”を信じて、試練を乗り越えてほしいと思う。
わが身を振り返った場合、地震列島日本で暮らす限りにおいて、地震から逃れることは不可能だ。東京では首都直下地震、また、東海・南海・東南海方面ではM8クラスの大規模地震が切迫性を高めている。そうした中、今後はどうやって地震と向き合っていけばいいのか、すべての人に危機対応能力が問われることになる。もちろん管理組合も例外ではない。マンションを管理する団体として、管理組合には安心・安全な生活を居住者に提供する重要な役割がある。「自分たちだけは大丈夫」といった考えは捨てて、真剣に自宅マンションの自衛策を練る必要があるだろう。
今回、その一助となるよう、本コラムでは管理組合向けに防災のためのノウハウをまとめてみた。パニックは不知から始まる。自分の財産は自分で守るしかないことを肝に銘じ、できることから1つずつ実践に移してもらいたいと思う。
■マンションは「生活の拠点」 些細な被害でもダイレクトに日常生活に悪影響を及ぼす
日本に分譲マンションが誕生して半世紀、今では主要な居住形態としてすっかり定着したマンションだが、そのルーツ(原型)をさかのぼると1923年の関東大震災にたどり着く。同震災では全体の9割近く(約9万2000名)の尊い命が火災によって奪われたことから、火災に強い建物を建設しようと鉄筋コンクリート製の住宅(同潤会アパート)が考案された。その後、1950年に建築基準法が施行され、大震災発生のたびに耐震性についての基準が強化されていった。そして、現行(新耐震基準:1981年改正)では、震度6強から震度7程度の地震に対し、建物が倒壊・崩壊しない程度の耐震安全性が設計上、確保されるまでになっている。一般にマンションが火災と地震に強いとされるのは、こうした経緯のお陰といえる。
この新耐震基準は今回の東日本大震災でも一定の成果を上げており、(社)高層住宅管理業協会が東北地方の会員会社(=各マンション管理業者)にヒアリングした調査結果によると、78.8%の分譲マンションで巨大地震による目立った被害はなかったことが判明した。大規模な補強や補修が必要となる「中破」が2.4%、ひび割れなどの補修が必要となる「小破」が18.8%あったものの、致命的な打撃を受ける「大破」は幸いにしてゼロだった(下表参照)。
東日本大震災による東北地方の分譲マンション被害状況 大 破 中 破 小 破 軽微・損傷なし 合 計
組合数 0 26 208 872 1,106
比 率 0% 2.4% 18.8% 78.8% 100%
(出所)高層住宅管理業協会 (3月16日午後2時時点)
※青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県の6県を対象に、3月16日までに目視調査できた分譲マンション(1106組合)の集計結果。
とはいえ、楽観視していいというわけではない。筆者が耳にしたある管理会社の話では、窓ガラスに亀裂が入ったり、水道管が破損して漏水事故が起こるなどのトラブルが発生していた。どちらも震度5強の強震を観測した東京都内の分譲マンションでの話だ。同じ建物でもオフィスビルや工場とは異なり、分譲マンションはその人の「生活の場」そのものとなる。生活の拠点であるだけに、些細な被害でもダイレクトに日常生活に悪影響を及ぼす。こうした事例が稀(まれ)なケースであればいいのだが、ほかでもしばしば見られるようだと事態は深刻だ。もしも自宅マンションが遭遇した場合、どう事態を収拾すればいいのか、管理組合には危機管理能力が問われることになる。
■安心・安全な生活を居住者に提供するのが、管理組合の使命であり存在理由でもある
そこで、緊急時の対応策を練っておくことが重要となる。何の準備もできていない管理組合は、これを契機にさっそく取り掛かってもらいたい。
<管理組合に求められる10の防災対策>
1. 防災対策委員会を立ち上げ、専属の業務機関を新設する。
2. 世帯数や築年数、居住者の属性(例:子育て世代が中心)などに応じて独自の防災計画や防災マニュアルを作成する。
3. 安否確認がスムーズにできるよう、居住者名簿と緊急連絡簿を作成しておく。
4. 上記の名簿のほか、設計図書や竣工図・会計報告書類・保険証書などの重要資料が地震で紛失しないよう、管理場所や管理方法をあらかじめ決めておく。
5. 共用施設が充実したマンションでは被害状況が把握しやすいよう、管理組合財産の目録(備品台帳)を作成しておく。
6. 水や食料、救護用具などの備蓄品をそろえておく。
7. すべての居住者(区分所有者、賃借人)へ地震リスクに対する啓蒙活動を行い、防災訓練にも積極的に参加してもらう。
8. エレベーターに地震時管制運転装置がない場合は新たに装備する(後付け可能)
9. 耐震診断を行い、その結果に応じて耐震改修を実施する。
10. 埋立地に建設された沿岸部のマンションでは、液状化による被害を念頭に敷地の地盤調査をしておく。
まず、やっていただきたいのが防災対策委員会の立ち上げだ。理事会とは切り離された専属の業務機関を新設することで、日常の組合運営に忙しい各役員に余分な負担を掛けないようにする。たとえ警備会社が常勤していたとしても、管理組合主体の自治組織として設置してほしい。次に委員会では参加委員を募ってメンバーを確定した後、委員長や副委員長、広報担当、救護担当といった役割分担を決めていく。そして、世帯数や居住者属性などを加味しながら、各マンションの特性に合わせた震災時の活動マニュアルを作成する(以下のリンク参考)。これによりイザというときに、慌てず冷静な行動が可能となる。
層住宅防災対策「震災時活動マニュアル策定の手引き」(東京都中央区のホームページ)
と同時に、緊急連絡簿や財産目録も準備しておくと安心だ。巨大地震でマンションが大打撃を受けた場合、担当委員が手分けして全世帯の安否確認を行うことになるが、その際、名簿があると役に立つ。また、たとえばシアタールームやフィットネスルーム等の高額機材が被害を受けた場合など、財産目録があると被害の状況把握が早くなる。保険に加入していれば保険金の請求時にも一役買うことになる。そして次に、エレベーターに地震時管制運転装置がない高経年マンションでは、この装置を後付けすることをお勧めする。一定の揺れを感知すると最寄り階に自動停止し、閉じ込め事故を防いでくれる装置だ。旧式のエレベーターでも制御盤に手を加えることで新機能を追加できる。費用はかさむが人の命にかかわるだけに、導入することをお勧めしたい。
そして最後に、液状化についての危機意識も持っておくようにするといいだろう。今回の巨大地震では江東区の新木場や千葉県の浦安、幕張などで、液状化により水道管がダメージを受けて断水したマンションがあった。埋立地で被害が多発していると聞く。沿岸部のマンションでは地盤調査をしておくと、もしものときの被害低減に役立つはずだ。
繰り返しになるが、管理組合にはマンションを管理する団体として、すべての居住者に安心・安全な生活を提供する重要な役割がある。被災地では全員が被災者だ。自助努力の原則にのっとり、できる限りの自衛策を講じておくことが安全・安心なマンションライフへの近道となる。
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2 今借りているマンションの所有者が被災された 2011/3/31 日本経済新聞
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(東京都 40歳代 会社員 女性)
私たち家族は現在、東京都江戸川区で、分譲マンションの所有者から仲介業者を通してお部屋を借りて住んでいます。住み始めたのは3年前で、契約期間は5年間の定期借家契約です。
間接的に聞いた話ですが、宮城県の気仙沼市にお住まいの所有者さんが、このたびの津波で家をなくされたそうです。所有者さんは、以前このマンションに住んでおられたのですが、4年ほど前にご出身地に戻られたそうです。
仮に、所有者さんがこのマンションに住むから出て行ってくれと言われたら、私たちは、出て行かなければいけないのでしょうか。もしそうだとすれば、立ち退き料などいただけるのでしょうか。
原発による被曝(ひばく)問題もあり、私たちも出身地の関西に戻った方がよいのかなど、不安だらけの毎日です。よろしくお願いします。
明け渡しの必要性次第です
(住宅ねっと相談室カウンセラー 司法書士 石田 光廣)
ご不安なお気持ち、お察しします。今回の災害は地震だけにとどまらず、津波や原発事故などの二次災害の影響が大きく、ご苦労されている方も広範囲に渡っていることから、私も心配しております。私の住む京都にも、災害地から多くの方が避難され始めております。
さて、ご心配の点ですが、仮に契約が一般の借家契約の場合、大家さんに正当事由があれば明け渡しを迫られることがあります。具体的には、大家さんの所有する家が今借りている家しかない場合、あるいは、どうしてもその家に戻らなければいけない理由がある場合などは正当事由になり得るでしょう。この場合、適当な引っ越し準備期間終了後、出て行かなければならない可能性もあります。立ち退き料も、事情および大家さんのそのときの資力次第です。
もっとも、相談者の場合は5年間の定期借家契約ですから、少し考え方は少し異なります。定期借家契約は、期間限定の明確な契約です。もともと大家さんにとっても計画が立てやすい有利な契約ですから、正当事由の判断も一般の借家契約と当然同じではありません。もし仮に大家さんが今お住まいのマンションを必要だとしても、後2年で確実に取り戻せます。そこで、その期間、大家さん側がほかの方法でつなぐことができないかという判断も生まれます。たとえば、2年間は仮住居施設に住むことができないか、あるいは、2年間ほかのマンションを借りることができないかなどです。もし裁判になっても、裁判所はそれらを総合して明け渡しの必要性を判断してくれるはずです。
今回の震災は、日本人に助け合いと感謝の気持ちを呼び覚ましてくれました。相談者のケースも、もし仮にご心配のような事態になったとしても、お互いの事情を明確にして、法律上の権利とは違った角度からの譲歩も導き出せるよう、じっくりと当事者間で話し合ってみてください。
また、相談者ご自身も原発事故問題に関し、単なる風評に惑わされることがないよう、冷静な判断をお願いいたします。
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3 資材不足で緊急調査、国交省「仮設住宅用は確保」 2011/4/6 日本経済新聞系
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国土交通省は4月5日、林野庁、経済産業省、環境省と共同で実施した住宅用建材に関する需給状況の緊急調査の結果を公表した。東日本大震災の影響で合板やパーティクルボード、グラスウールなどの供給量が減少する一方で、注文が増加。一部の資材で需給バランスが崩れている実態が明らかになった。国交省は当面、動向を注視し、関係業界に適正取引を指導する方針だ。
4月5日、東京・霞が関の国土交通省で開かれた「被災者向けの住宅供給の促進等に関する検討会議」の第2回会合
調査結果は、国交省が「被災者向けの住宅供給の促進等に関する検討会議」(座長:池口修次・国土交通副大臣)の4月5日の会合で提出した。検討会議は、国交省のほか、総務省、厚生労働省、農林水産省、林野庁、経産省、環境省、防衛省、消費者庁の局長クラスで構成する。
調査は3月24日から31日まで、住宅生産者や建材メーカー、建材商社、木材関連業者など約1600社を対象に実施した。構造用合板など19品目の資材の流通量について、震災前後の状況を聞いた。
震災による生産施設の損傷、物流の停滞、計画停電の影響などによって、資材の生産量は軒並み落ち込んでいる。調査時点の生産量は例えば、構造用合板が約3割減、パーティクルボードが約2割減、グラスウールが約3割減となっている。増産や被災工場の操業再開、輸入拡大などで4月以降の供給量回復を見込んでいる。
被災地では、資材不足で応急仮設住宅の供給が遅れる懸念が強まっている。国交省は、震災後2カ月で建設予定の仮設住宅3万戸分について、必要な数量はおおむね確保できるとの見通しを示した。
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4 吉村靖孝氏がコンテナ規格の被災者用住宅を提案 2011/4/5 日本経済新聞系
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吉村靖孝建築設計事務所(東京都渋谷区)は東日本大震災の被災者に対し、コンテナ規格の住宅を設計し被災地に届けるプロジェクト「エクスコンテナ・プロジェクト(EX-CONTAINER PROJECT)」を立ち上げた。吉村氏が以前、設計したコンテナ規格のホテル客室ユニットで得た設計ノウハウを活かし、応急仮設住宅だけでなく、再建住宅やコミュニティ施設として利用できるようにする。
4月4日時点で想定するのは3タイプ。20フィート・コンテナを横に2つ並べる「仮設住宅スタンダードタイプ」(広さ約28m2)、縦に2つ積む「仮設住宅2階建てタイプ」(広さ約26m2)、2つのコンテナの間に空間を設け広さを約50から60m2にする「常設住宅タイプ」だ。いずれのタイプの住宅にも、洗面、バス、トイレ、キッチン、居室が付く。工場で内装まで仕上げることを想定しており、現場への資材搬入や建設作業を削減できる。
吉村氏によると、一般的な応急仮設住宅の建設コストは1戸当たり約300万円かかり、これを2年で撤去すると月額12万円以上のコストになる。エクスコンテナ・プロジェクトの仮設住宅スタンダードタイプの建設コストは300万円を目標にする。仮設住宅2階建てタイプは400万円、常設住宅タイプは500万円がそれぞれ目標とする建設コストだ。仮設住宅と常設住宅を別々にデザインするのではなく、共通化して、仮設と常設を横断する選択肢を提供する。
現在、ホームページ(http://exc.ysmr.com/)で、寄付を募集している。賛同者が集まり始めており、設計の支援を申し出る人や、建材を提供したいというメーカーも出てきているという。
まずは仮設住宅のプロトタイプを1棟建てる予定だ。4月4日現在、半年で20棟、1年で50棟程度を当面の目標として活動している。
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住宅関連新聞記事ダイジェスト No.378 2011/3/31~2011/4/6 Vol.2
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【日本経済新聞】
5 仙台の賃貸住宅需給が逼迫、個人・企業・自治体が確保に動く
6 環境配慮の青山ビルが完成、坪2.3万円で募集
7 天災でも適用する「地震補償保険付き地盤保証」を開始
8 東芝グループ、仮設や復興住宅に向けて太陽電池や蓄電池、省エネ家電の組み合わせシステムを100世帯分無償提供
【朝日新聞】
9 義援金、日住協関係で3億3000万円に
10 東京・渋谷で6月12日コンサート 震災復興支援募金も 住友不販
11 ワイズ 太陽光発電システム搭載型カーポート・ガレージに新タイプ
12 応急仮設住宅「3万戸を追加」国交相が住団連に要請
13 東京・六本木で建て替え工事に着手 森ビル
14 東日本大震災影響で景気指標が低下 TDB調べ
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5 仙台の賃貸住宅需給が逼迫、個人・企業・自治体が確保に動く 2011/4/5 日本経済新聞系
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東日本大震災の影響で、仙台エリアにおける賃貸住宅の需給が逼迫(ひっぱく)し始めた。被災者の入居需要が高まる一方、地震や津波の被害で今すぐに貸し出せる物件が減ったためだ。地震発生から3週間が経過した現在も、物件の被害確認に追われるオーナーや管理会社は多く、事態が好転するめどは立っていない。
宮城県は2万戸以上の仮設住宅建設を予定するほか、民間住宅1万戸を被災者向けに確保する考え。原則として2年間、県の負担で民間住宅を借り上げる予定で、間取りに応じて月額賃料の上限を設けている。例えば1Kやワンルームなら5万2000円まで、2LDKならば8万8000円までといった具合だ。「物件のグレードにもよるが、悪くない家賃水準だ」(地元不動産会社)。
問題はそれだけの住戸を実際に用意できるかだ。仙台周辺エリアではここ1~2年、県外から移転・進出を決める企業が相次いだ。これらの企業が従業員向けの住宅を求めたことで、一時は9割を切っていた賃貸住宅の平均稼働率が上昇に転じていた。こうしたなかでの震災発生。被災者が自ら移転先を探したり、臨海部で津波に襲われた工場が、近隣に住んでいた従業員のために新たな住宅を探したりと、住宅需要は確実に増している。
退去勧告の築浅マンションも
逆に地震被害によって、空室の供給は細っている。3月は引っ越しシーズンだが、ガソリン不足や物流の乱れなどで、やむなく取りやめるケースが出ている。
全住民に退去勧告が出されたマンション 物理的な被害も無視できない。例えば、JR仙台駅に近い戸数200超の大型賃貸マンション。2年ほど前に完成した新しい物件だが、3月15日、オーナーである不動産会社から全住民に対して退去が勧告された。建物全体が重大な損傷を受け、使用不能であることが民間検査機関の調べで明らかになったという。具体的には、大梁や外壁へのクラック、タイルの剥離(はくり)、玄関ドア枠の変形といった被害が生じた。今後、詳細な診断を行うとしているが、再び賃貸できるかは不透明だ。
外からは問題ないように見える物件でも、内装や設備に被害を受けているケースも散見される。地元不動産会社によると、特に電気温水器の転倒が目立つ。阪神・淡路大震災の経験を踏まえ、取り付けに際しては温水器を金具で固定することが一般化しているが、今回の揺れはその対策を上回るレベルだった。工場の被災で修理用金具の供給が滞っているとの話もあり、空き物件を市場に出せない一つの原因となっているもようだ。
県内の賃貸住宅着工は2006年をピークに大幅な減少を続けてきた。仙台市内のマンション計画地でも、地震を理由に着工を延期するケースが出ている。短期的に需給ギャップを解消するのは難しく、被災者の一時的な県外移住を含めた対策が必要な情勢だ。
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6 環境配慮の青山ビルが完成、坪2.3万円で募集 2011/4/4 日本経済新聞系
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戸田建設が中規模賃貸オフィスビルの環境配慮型モデルとして開発を進めていた「TODA BUILDING 青山」が3月31日、港区赤坂8丁目に完成した。窓面への日射を発電に利用する透過型太陽光発電パネルなど、50項目の環境配慮を施した。1坪あたり共益費込み2万3000円でテナントを募集している。
ビルは、地下鉄青山一丁目駅から徒歩約3分の外苑東通り沿いの自社所有地に建設した。地上8階建て、延べ床面積3755m2、基準階面積397m2。制震ブレースで地震時の揺れを抑える構造だ。
完成時点でテナントは決まっていない。環境性能向上による賃料の割り増しはせず、周辺相場に合わせた。建設費は設計費別で約9億円。延べ床面積1坪あたり約80万円だ。多数の環境技術を導入したことによる建設費の増加分は10%ほど。ビル運営に要する費用は、一般のビルと同等と見積もっている。
ファサードは、透過型太陽光発電パネルを組み込んだダブルスキンカーテンウオール構造とした。二重構造内部の暖気を冬期には室内に取り入れ、夏期には排出するなどして空調負荷を軽減する。ほかにも、地中熱を利用したふく射天井空調システムを2階の事務室に導入した。6階エレベーターホールには、光ダクトを使って自然光を取り入れている。
試算によると、運用段階の1m2あたり年間エネルギー消費量は約1361MJ(メガジュール)。同規模の平均的なオフィスビルの約6割だ。テナントも応分の電気代を節約できるとみている。屋上に設置した太陽光発電パネルとファサードの透過型太陽光発電パネルで、照明用電力の約7%を賄う計算だ。施工段階のCO2排出量は従来に比べて約25%削減できた。
環境格付けのCASBEE(キャスビー、建築環境総合性能評価システム)で最上位のSランクの認証を取得した。一方、東京都の建築物環境計画書制度に基づく建物断熱性能を示すPAL低減率は25.1%、設備の省エネ効率を示すERRは39.4%。いずれも最高位に位置づけられる。
テナント誘致からビル運営まで一貫して戸田建設グループが手がけ、環境ニーズを把握して省エネ効果を検証する。長期間保有する方針だ。戸田建設はこのビルをプロトタイプとして、環境配慮型中規模賃貸オフィスビルの受注拡大を目指す。
名称:TODA BUILDING 青山
所在地:港区赤坂8-5-34(住居表示)
最寄り駅:地下鉄青山一丁目駅徒歩3分
面積:土地623.71m2、延べ床3755.01m2、賃貸可能床2657.66m2
構造、階数(地上/地下):S造(制震)、8/0
駐車台数:9台(うち平面3台)
事業主:戸田建設
設計・施工者:戸田建設
運営会社:千代田土地建物(戸田建設グループ)
工期:2010年6月~2011年3月
建設費:約9億円(設計費別)
CASBEE:Sランク(環境効率を示すBEE値は4.2)
PAL低減率:25.1%、ERR:39.4%
太陽光の発電量見込み:屋上部14000kWh/年、ファサード部2000kWh/年
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7 天災でも適用する「地震補償保険付き地盤保証」を開始 2011/4/4 日本経済新聞系
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地盤調査や地盤保証サービスなどを手がける地盤ネット(東京都江東区)は4月1日から、地震や津波の被害を受けた場合に保険金を受け取れる「地震補償保険」をセットにした「地震補償保険付き地盤保証」サービスを開始。従来から地震補償保険を展開してきた日本震災パートナーズ(東京都新宿区)と業務提携して立ち上げたサービスだ。6月末までの期間限定で申し込みを受け付け始めた。
同社の地盤保証の保証期間は、対象となる建物の引き渡し日から10年。保証額は事故1件に対して上限5000万円。保証期間を20年間とする特約も設けている。保証内容は、不同沈下による建物の損害に対する現状回復のための補修工事や、補修期間中の仮住まい費用など。これに「地震補償保険」をセットし、地震などによる地盤沈下の場合でも最大300万円を受け取れるようにした。
地盤の不同沈下などの際に適用される地盤保証は一般に、地震などの自然災害に起因する場合は対象外。「東日本大震災でも、首都圏などを含めて液状化による住宅の沈下被害も多数生じたが、既存の地盤保証の枠組みでは保証を適用できない」(地盤ネットの山本強社長)。他方、一般的な地震保険は火災保険に付帯する契約であり、火災保険金の総額の範囲で金額が決まるので、実際に被害を受けた場合に十分な復旧費用にならないケースもあるという。
「今回の災害を踏まえ、少しでも生活再建の費用になる仕組みを用意する必要があると考えて、保険と保証をセットにして試験的に展開し始めた。この種のサービスとしては、恐らく初めてではないか」と山本社長は話す。
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8 東芝グループ、仮設や復興住宅に向けて太陽電池や蓄電池、省エネ家電の組み合わせシステムを100世帯分無償提供 2011/4/1 日本経済新聞系
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東芝は、東日本大震災の被災者への仮設および復興住宅に向けて、同社グループから太陽光発電システムや省エネ型家電機器を100世帯分無償で提供すると発表した。提供するシステムや機器は、
・住宅用太陽光発電システム
・蓄電池システム
・液晶テレビ
・エアコン
・冷蔵庫
・洗濯機
・炊飯器
・LED照明
である。発電システムと蓄電システム、そして省エネ家電機器を組み合わせることで、今後逼迫が想定される電力需要の中でも家庭での最適なエネルギー管理が可能とする。東芝は今後、被災地での仮設住宅や復興住宅に関する行政の具体的な計画に併せて今回のシステムを提供すると共に、行政からの要請に基づいて省エネ家電機器をさらに提供することを検討していくとする。
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9 義援金、日住協関係で3億3000万円に 2011/4/5 朝日新聞
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主に中堅クラスの不動産会社で構成する日本住宅建設産業協会(日住協)は、東日本大震災における同協会関係の義援金が3億3000万円になったと発表した。
内訳は、同協会が1000万円、会員会社が3億500万円、会員会社の役員社員が1500万円。4月1日までに日本赤十字社ほかに寄託された。
なお、3月末時点の同協会の正会員数は563社・賛助会員が127社。
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10 東京・渋谷で6月12日コンサート 震災復興支援募金も 住友不販 2011/4/5 朝日新聞
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住友不動産販売(本社・東京都新宿区)は6月12日、東京・渋谷のオーチャードホールで「第81回サマーステップコンサート」を開く。抽選で2150人を無料招待する。今回は“東日本大震災の復興支援コンサート”と位置付け、当日は会場に被災者支援のための募金箱を設置。集まった募金は日本赤十字社を通じて被災地復興のために活用する。コンサートはバリトン歌手の宮本益光氏をゲストに迎え、ヴァイオリニストの千住真理子氏、現田成夫氏指揮の新日本フィル交響楽団で、クラシックからポピュラーまで親しみのある楽曲を提供する。
参加希望者は、郵便はがきに代表者の(1)郵便番号・住所、(2)氏名(フリガナ)、(3)職業、(4)電話番号、(5)参加希望人数(本人含む)、(6)それぞれの年齢を記入の上、〒163-0819新宿区西新宿2の4の1、新宿NSビル19階、住友不動産販売(株)「第81回サマーステップコンサート」事務局まで。インターネットの場合は同社ホームページから。締め切りは5月17日必着。応募多数の場合は抽選。
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11 ワイズ 太陽光発電システム搭載型カーポート・ガレージに新タイプ 2011/4/5 朝日新聞
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ワイズ(大阪府)はこのほど、駐車場スペースを利用した太陽光発電システム搭載型カーポート・ガレージ「ソーラーピット」に、新たにアルミカーポートタイプ2機種を追加した。従来は鉄骨組みのガレージ3タイプ、カーポート3タイプだった。アルミ材を採用することで施工性・汎用性が高まり、幅広いニーズに対応できるという。
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12 応急仮設住宅「3万戸を追加」国交相が住団連に要請 2011/4/5 朝日新聞
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大畠国土交通大臣は4月5日、住宅生産団体連合会と会談し、東日本大震災の被災者のための応急仮設住宅を、これまで要請していた「2カ月で3万戸」に加え、その後3カ月で3万戸を追加供給するよう要請した。会談後、住団連の樋口武男会長は記者団に対し、「最初の3万戸はメドが立っている。追加の3万戸も段取りできない事はないと思っている」と説明。また、大畠大臣に対して、「建設場所の早急な決定を要請した」と話した。
応急仮設住宅を巡っては、岩手県、宮城県、福島県、栃木県、千葉県、長野県が計6万2290戸を要請している。一方、国交省によると、着工が決まったのは、4月5日午前10時現在、被災地70地区で6282戸となっている。
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13 東京・六本木で建て替え工事に着手 森ビル 2011/4/5 朝日新聞
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森ビルは4月5日、東京都港区六本木で計画していた「(仮称)21・25森ビル建替計画」の本体工事に着手した。同計画は、六本木21森ビルと六本木25森ビルを一体で建て替えるもの。アークヒルズと歩行者デッキで接続し、歩行者の回遊性を向上するなどしている。
竣工は2013年6月を予定。
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14 東日本大震災影響で景気指標が低下 TDB調べ 2011/4/5 朝日新聞
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帝国データバンク(TDB)の調査によると、3月の不動産業の景気DIは前月比5.4ポイント減の30.6となり、5カ月ぶりに悪化した。TDBは、3月11日に発生した東日本大震災による消費意欲の低下などを背景と見ている。また、事業者からは震災の影響について、「エンドユーザーの動きが悪くなると思われる」(戸建販売)や「物資の不足が続くと思われ、新規物件の供給に影響が出てくることを懸念している」(建物売買)といった声が上がっている。
景気DIの判断の分かれ目は50。それより上であれば「良い」、下であれば「悪い」を意味している。
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住宅関連新聞記事ダイジェスト No.378 2011/3/31~2011/4/6 Vol.3
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【朝日新聞】
15 マンション勧誘への規制強化、2011年度中に対応 規制・制度改革方針案
16 2010年末の大規模オフィスビル市場 東京23区の空室率微増 森ビル
17 大和ハウス工業 可搬式の電源装置販売 蓄電池と太陽光をパックに
18 2店舗新設、加盟店が累計123店舗体制にレオパレス
19 2月住宅着工は10.1%増 持ち直しも震災で今後は不透明
【読売新聞】
20 地震保険支払い1兆円も
21 照明・TVでも節電
22 エアコン・冷蔵庫 センサー駆使で省エネ運転
23 地震保険に関心高まる
【日経産業新聞】
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15 マンション勧誘への規制強化、2011年度中に対応 規制・制度改革方針案 2011/4/5 朝日新聞
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内閣府は4月5日、規制・制度改革に係る方針案を民主党の内閣部門・成長戦略・経済対策PT合同会議に報告した。方針案は、1月に規制・制度改革分科会が決定した改革方針中間案から各省庁との折衝や規制仕分けを踏まえ、まとめたもの。同8日に閣議決定する予定。
住宅・不動産関連では、規制仕分けで対象になったマンション投資への悪質な勧誘に対する規制強化について、省令や通達で対応可能なものは2011年度前半に措置を、法的措置は取引の安定性にも考慮して検討し、2011年度中に結論を得ることが盛り込まれた。また、賃貸借契約について、賃貸人による解約申し入れや更新拒絶による契約終了をめぐる紛争の適切な解決に資するため、借地借家法の正当事由制度が問題となった裁判例の整理・分析結果を2011年度に可能な限り速やかに公表するとしている。
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16 2010年末の大規模オフィスビル市場 東京23区の空室率微増 森ビル 2011/4/4 朝日新聞
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森ビルは2010年12月末時点の東京23区大規模オフィスビル市場動向調査をまとめた。1986年以降に竣工した延べ床面積1万平方メートル以上のオフィスビルを対象とした。2010年の新規需要は前年比2倍超の69万平方メートルだったが、供給量(85万平方メートル)を下回ったため、空室率は0.4ポイント増の6.3%となった。都心3区では新規需要(50万平方メートル)が供給量(36万平方メートル)を上回り、空室率は5.0(1.1ポイント減)。
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17 大和ハウス工業 可搬式の電源装置販売 蓄電池と太陽光をパックに 2011/4/1 朝日新聞
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大和ハウス工業は4月1日、リチウムイオン蓄電池と太陽光発電パネルを組み合わせた可搬式の電源装置「ソーラーストレージ」を発売した。
災害や停電の場合に、昼間太陽光発電パネル(520W)で創り出した電力を蓄電システムに蓄える。充電時間の目安は5~6時間。満充電状態で、照明(45W)3灯・携帯電話の充電10台分・ノートパソコン3台を約3時間使用できる。
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18 2店舗新設、加盟店が累計123店舗体制にレオパレス 2011/4/1 朝日新聞
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レオパレス21は4月、加盟店制度「レオパレスパートナーズ」賃貸2店舗をオープンする。昨年6月からの累計出店数を123店舗とした一方、国内直営店は昨年3月より30店舗閉鎖して156店舗となった。パートナーズによる3月の契約実績は121店舗合計で5286件の実績を上げた。
4月オープンは、蒲郡店(愛知県、松屋ハウジング)、米子中央店(鳥取県、ヨナゴ不動産センター)。なお、3月は日田店(大分県、セントラル都市開発)、調布店(東京都、ヒューテック)、藤枝店(静岡県、ライフコム)の3店舗を追加オープンしている。
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19 2月住宅着工は10.1%増 持ち直しも震災で今後は不透明 2011/3/31 朝日新聞
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国土交通省の調査によると、2月の住宅着工は前年同月比10.1%増の6万2252戸だった。季節要因を調整した年率値は87.2万戸。分譲マンションが9420戸で前年同月比103.9%増になるなど、持ち直しの動きが続いているものの、東日本大震災の発生により、今後の動向は不透明な状況だ。国交省は「震災がどの程度影響を及ぼしているのか現時点で定かではなく、まだ復興の絵姿が見えていない。今後を注視していく必要がある」と話している。
なお、持家は前年同月比6.0%増の2万2126戸、分譲戸建ては同12.7%増の9382戸、貸家は同3.8%減の2万840戸だった。
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20 地震保険支払い1兆円も 2011/4/6 読売新聞
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最大50万件「全損」で満額支給
東日本大震災で津波や火災の被害を受けた住居などに対する地震保険の支払総額が、6000億~1兆円近くに達する見通しとなった。
大手損害保険会社5社に4日までに入った加入者からの被災連絡は約27万件にのぼり、最終的な支払件数も最大の40万~50万件に達する見込みだ。
支払総額の見通しは、これまで最大だった阪神・淡路大震災の783億円を大幅に上回る。ただ、地震保険の支払いに備えた損保業界と政府の準備金は約2兆3000億円(2009年度末)あり、「1兆円近くになっても支払いは十分に可能だ」(損保業界)という。
見通しに大きな幅があるのは、加入者が保険金を満額受け取る「全損」の件数がどれぐらい増えるか読み切れないためだ。
全損は、建物の価値の50%以上が損なわれた場合に認定される。日本損害保険協会は、大きな被害を受けた街区全体を空撮写真により全損と認定する仕組みを始めた。今回の震災は、津波による沿岸部の被害が大きく、全損認定が増える可能性もある。
損害保険各社はそれぞれ約1000人を現地調査などの震災対応にあて、月内にも保険金の支払いを本格化させる。
空撮で全損と認定されなかった地域は、損保会社の調査員が、建物や家財などの破損具合を一つ一つ調べている。「半損」と認定されれば契約額の50%、「一部損」なら5%が支払われる。調査には1件あたり30分~1時間かかるため、認定作業は長期化しそうだ。
地震保険は単独で契約できず、火災保険とセットで加入する必要がある。東北6県で地震保険への加入率が最も高い宮城県でも32%だ。全国平均(23%)を上回る水準だが、損保業界は「地震保険への理解を求め、加入率を引き上げたい」としている。
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21 照明・TVでも節電 2011/4/5 読売新聞
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LED電球への買い替えも節電に効果的だ(東京・有楽町のビックカメラ有楽町店本館で)。家電製品で、エアコンと冷蔵庫に次いで消費電力量が多いのは照明(電球)、テレビなどだ。
これらも、節電性能に優れた製品に買い替えれば、消費電力量は減らせる。東日本大震災による電力不足の対応策の一つになるだろう。
照明 LED、電力量8割減
ビックカメラ有楽町店本館では、LED(発光ダイオード)電球が売れているという。40ワットの白熱電球と、同程度の明るさのLED電球(485ルーメン)を比べると、LED電球のほうが約80%も消費電力量が少ない。LEDは光があまり広がらないため、廊下やトイレの照明に適している。約4万時間という長寿命を生かして、階段や玄関など取り換えづらい場所に使うと、手間も省ける。
一方、リビングなど全体に明るさが必要な場所には、光が全方向に届く電球型蛍光灯がよいだろう。消費電力量は白熱電球の4分の1とLEDに遜色ない。大手メーカーは、2012年中には白熱電球の製造をやめる見通しで、電球型蛍光灯への切り替えは自然に進むだろう。
TV センサーで明るさ調整
ブラウン管から液晶に世代交代したことで、テレビの消費電力量は、大幅に減った。その液晶テレビでも、節電への取り組みは進んでいる。一つは、LEDの採用だ。メーカー各社の最新モデルでは、映像を表示するために液晶パネルの後ろから照らすバックライトにLEDを使い、消費電力量を減らしている。
もう一つは、センサー。最新式のテレビでは、センサーが人の動きを検知し、テレビの前から人がいなくなると映像を消し、さらに一定時間がたつと自動的に電源が切れる。部屋の明るさをセンサーが検知して画面の明るさを調整する機種もある。画質や3D以外に節電機能をテレビ選びのポイントに加えてもいいだろう。
便座 洗浄水、使う時に温め
お尻を洗浄する温水では、常に温水をタンクにためておく「貯湯式」から、使う時に水を温める「瞬間式」に主流が移りつつある。瞬間式は貯湯式よりも約6割も電力消費を抑えられる場合もあるという。
便座を温める機能の節電も進む。パナソニックの最新機種では、便座内部のヒーターを改良し、温度を上げるスピードを速めたことで、待機時の便座の保温温度を3度下げた。洗浄水の「瞬間式」などと合わせて、従来の機種よりも年間消費電力量を約17%削減した。
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22 エアコン・冷蔵庫 センサー駆使で省エネ運転 2011/4/4 読売新聞
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消費電力量が大きいエアコンは、最新機種による節電効果が期待できる(東京・有楽町のビックカメラ有楽町店本館で)
東日本大震災による電力不足は夏場に向けて本格化する見通しだ。
「家電エコポイント」対象商品の購入期間は3月末で終了したが、今後も家電を買い替えるなら節電効果の高い機種が望ましい。そこで、比較的消費電力量の多いエアコンと冷蔵庫の最新の節電機能について調べてみた。
人の位置や動き検知
◆エアコン
日本冷凍空調工業会の調べでは、2010年型のエアコンは、00年型のものに比べ、年間消費電力量が約14%減った。
各メーカーの最新型は、節電効果をさらに高めるため、様々なセンサーを備えている。例えば、人の動きを検知するセンサーは、部屋のどこに人がいるか、動いているのかいないのか、といった状況を見極める。日射センサーは日差しの強さを、照明センサーは部屋の明るさを、それぞれ検知する。壁や床の温度まで測る機種もある。こうした情報をもとに、エアコンが自動的に風の温度や量、角度などをきめ細かく制御し、不要なときは運転を止める。
また、効率よく風を送るファンの形状や、フィルターの目詰まりを防ぐ「自動掃除」も節電効果を高めている。省エネ機能は、中上位機種により多く装備されているので、購入の際はカタログで調べたり、店員に尋ねたりして確認しよう。
扉の開閉頻度を分析
◆冷蔵庫
日本電機工業会によると、容量が401~450リットルクラスの冷蔵庫の年間消費電力量は、1999年度から09年度にかけて、およそ半分になった。冷気を作り出すコンプレッサーの効率化などとともに、最新型は、エアコン同様、様々なセンサーによる制御で節電効果を高めている。
例えば、パナソニックの上位機種では、4種類のセンサーで、「扉の開閉頻度」「部屋の明るさ」「室温」「庫内温度」をそれぞれ測る。特に、扉の開閉頻度は、過去3週間分の曜日ごと、1時間ごとの状況を冷蔵庫が記憶・分析し、当日の使用状況をも予測する先進ぶりだ。これらの情報をもとに、家人が寝ているのか、外出しているのかといったことまで判断して、省エネ運転をするという。
また、三菱電機の一部機種は、庫内に回転式の水平棚を採用している。奥にしまった食品でも、棚をクルッと回せば手前に持ってくることができるので、取り出しやすい。冷蔵庫の扉を開けている時間を短縮できれば、結果的に節電にもつながるわけだ。
家電量販店ビックカメラ有楽町店本館(東京)の関口篤(あつし)主任は、「エアコンも冷蔵庫も消費電力量が大きいため、買い替えによる省エネ効果は高い」と話している。
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23 地震保険に関心高まる 2011/4/4 読売新聞
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単独加入できず、火災保険とセットで
東日本大震災の発生で、地震保険への関心が高まっている。
損害保険最大手の東京海上日動火災保険(東京)では、地震発生から3月31日までに、7万件を超える被害の報告が寄せられ、一部で保険金の支払いも始まった。発生前は1日に数件程度だった地震保険に関する問い合わせ電話も、100件近く寄せられている。
また、全国で代理店「保険市場」を展開し、同名の保険比較サイトも運営している「アドバンスクリエイト」(大阪)には地震後、地震保険に関する問い合わせの電話が3倍に増えた。店頭にも「地震保険の詳しい内容を知りたい」「加入している保険の内容を確認したい」と、来店者が相次いでいる。
地震保険は、地震や火山の噴火、津波による住宅や家財の損害が補償の対象。地震の影響で起きた火災は、火災保険ではなく、地震保険で補償される。単独では加入できず、火災保険とセットで契約する。
保険金額は火災保険の保険金額の30~50%の範囲内で決められる。ただし建物は5000万円、家財は1000万円が上限だ。保険料は地域や住宅の構造によって異なる。
運営は政府と損保各社が共同で行い、補償内容も統一されている。現在、最大5・5兆円まで支払える態勢を整えている。
加入件数は2010年3月現在で1227万件で、阪神大震災前(1994年3月)の約4倍に増えた。全国で火災保険加入者が地震保険をセットしている割合は47%。今回の地震の被災地では、宮城県が67%と高かったのに対し、福島(39%)、岩手(42%)は全国平均を下回った。
日本損害保険協会(東京)の担当者は「火災保険の契約期間の途中からでも、地震保険をセットすることは可能なので、加入を検討してほしい」と話している。
住宅関連新聞記事ダイジェスト No.377 2011/3/24~2011/3/30
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住宅関連新聞記事ダイジェスト No.377 2011/3/24~2011/3/30 Vol.1
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【日本経済新聞】
1 14kmの下水道管が完全に閉そく、習志野市
2 ニチハは再開へ前進、アイジー工業は材料不足に
3 インフラなどの被害額は最大25兆円、内閣府が初の試算
4 中国・大連市で住宅と商業開発に参加、三井不動産レジデンシャル
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1 14kmの下水道管が完全に閉そく、習志野市 2011/3/30 日本経済新聞系
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東日本大震災で千葉県習志野市の下水道管が相次ぎ損傷。3月28日までに判明しただけで、管路が完全に閉そくした区間が約14kmに上るなど、約1万3000世帯に影響が及んでいる。同市は日常の上水道の使用量を目安に「100%規制」、「75%規制」、「50%規制」、「25%規制」の4段階の基準を地域ごとに設定し、下水道の使用の抑制を求めている。
習志野市都市整備部下水道課によれば、地震による地盤の液状化などで下水道が多数損傷した。マンホールに浮き上がりが生じた箇所で、継ぎ目から管内に泥水や土砂が流入。管が完全に閉そくしたり部分的に詰まるなどの障害が発生している。復旧を優先しているので被害状況は集計できていないが、完全に閉そくした下水道管の長さが合計で約14kmにも及ぶという。
マンホールの浮き上がりのほか、コンクリート管の破損なども発生した。管の浮き上がりも確認したが、鋳鉄管の破損は見つかっていない。
下流側から順次、復旧作業を進めている。管が破損した箇所では通常よりも浅い位置に仮管を埋設するなどして、早期の復旧を図る。完全に閉そくした箇所の復旧には、3カ月程度かかる見込みだ。
下水道の使用を「100%規制」している地域もあることから、同市は3月27日までに109基の仮設トイレを設置した。学校のトイレなども開放している。
千葉県では、浦安市でも下水道管が多数損傷。3月27日時点で市内の9地区で下水道の使用を制限している。同市も復旧作業を優先していることから、閉そくした箇所の管路延長などは集計できていない。3月28日時点で、近隣自治体の職員などが応援にきて調査などに当たっているという。
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2 ニチハは再開へ前進、アイジー工業は材料不足に 2011/3/29 日本経済新聞系
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旭トステム外装、ケイミュー、ニチハなど、大手の工場が被災して生産がストップしていた外装材メーカーだが、ようやく回復への光が見えてきた。ニチハは3月28日、同社のウェブサイトで、主要工場の状況などについて情報を公開。工場設備の点検を開始し再開に向かって動き出していることを明らかにした。
しかし懸念材料もまだまだ残っている。金属系サイディングメーカーのアイジー工業は29日、金属系サイディングの受注を一時的に停止することを発表した。原材料メーカーが被災していることが理由で、生産や出荷が困難になっているという。「アイジー断熱サイディング」の本体と関連部品すべて、および「モダンウッド」「断熱プレートi」を3月29日から4月3日までの期間限定で受注を停止する。
フル操業にはしばらく時間が必要
ニチハによると、いわき工場(福島県いわき市:窯業系外装材の「モエンエクセラード」を製造)と子会社である高萩ニチハの高萩工場(茨城県高萩市:窯業系外装材の「モエンエクセラード」「モエンサイディングW」を製造)の2拠点で3月22日から生産ライン設備の点検を開始した。
ニチハマテックスの習志野工場(千葉県習志野市:窯業系外装材の「モエンエクセラード」を製造)は3月15日から操業を再開している。しかし、東京電力が実施する計画停電などの影響で通常の操業に戻るまでには時間がかかる見込みだ。
金属系サイディングメーカーのチューオーは、若柳工場(宮城県栗原市)の再開に向けて準備を進めている。最終の量産テストを実施したあと、3月29日から操業を再開する予定だ。今後は燃料の調達や輸送体制の確立といった状況を見極める。フル生産、フル出荷の体制まで回復するには時間がかかる見通しという。
また、同社は、地震後に全ラインフル生産の体制をとっていた鹿沼工場(栃木県鹿沼市)と熊谷工場(埼玉県熊谷市)で、東京電力が実施する計画停電の影響が出ていることを明らかにした。3月下旬からは休日対応も含め、操業時間を大幅に変更して量産体制をとることを発表した。
全体として、被災した工場の体制が徐々に回復しつつあるが、各メーカーとも抱える問題も少なくない。窯業系、金属系の外装材市場とも、フル生産に戻るにはまだ時間がかかりそうだ。
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3 インフラなどの被害額は最大25兆円、内閣府が初の試算 2011/3/28 日本経済新聞系
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内閣府は3月23日、東日本大震災による社会資本の被害額やGDP(国内総生産)に与える影響などの分析結果を初めて公表した。社会資本と住宅、民間企業の設備の直接被害額は、被災地全体で最大約25兆円。このうち、津波の被害を大きく受けた岩手県と宮城県、福島県の3県だけで、約23兆円に及ぶと試算している。
試算の対象は北海道のほか、青森県と岩手県、宮城県、福島県、茨城県、千葉県の6県。道路や港湾、空港、建築物、ガスや水道、都市公園などのストック額にそれぞれ損壊率を乗じて算出した。
このうち、岩手県と宮城県、福島県の3県を分離して試算した。さらに、この3県を津波の被害を受けた地域と受けなかった地域とに分けたうえで、津波の被害を受けた地域は被害に応じて2通りの被害額を算出した。
一つは、津波の被害を受けた地域の損壊率を阪神大震災の約2倍として試算した場合。北海道と6県の被害総額は合計で約16兆円に及び、このうち、岩手県など3県の被害総額は、約14兆円を占めるとみている。
もう一つは、この損壊率を基本に、津波による建築物への被害が特に大きいと考えた場合。岩手県など3県の被害額は約9兆円増えて23兆円になり、北海道と6県の被害総額は約25兆円に上ると試算した。
いずれの場合も北海道と青森県、茨城県、千葉県は震度に応じてそれぞれ損壊率を設定。岩手県など3県の中でも津波の被害がなかった地域は、阪神大震災と同程度の損壊率と仮定して試算した。
試算には、内閣府の2009年の「都道府県別経済財政モデル用データベース」を採用。ストック額は、岩手県など3県の合計が約70兆円、北海道と6県全体では約175兆円とそれぞれ推計している。
阪神大震災で被災した兵庫県の場合、被災当時の同県のストックの総額は約64兆円。このうち、約9.9兆円が同震災による被害額と兵庫県では推計している。岩手県など3県のストックの総額は兵庫県より1割ほど多いが、被害額の合計は最大で兵庫県の2倍以上に及ぶ見込みだ。
一方、フローとしてGDPに与える影響も試算している。例えば企業の設備が損害を受けたことによって生産が減少。年間のGDPが約1兆2500億円~2兆2500億円、減少するとみている。
GDPへの影響としては、計画停電などの電力供給の制約がもたらす影響も考えられるが、これらの被害は不確実性が高く、具体的な被害額の算出は困難だとしている。
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4 中国・大連市で住宅と商業開発に参加、三井不動産レジデンシャル 2011/3/28 日本経済新聞系
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三井不動産レジデンシャル(本社:中央区)は2011年3月、中国遼寧省大連市で分譲マンションと商業施設開発プロジェクトに参画することを発表した。同社が手がける事業の規模は、分譲マンションが1900戸、商業施設が4万7200m2となる。2014年10月に竣工する予定で、マンションは早ければ2011年秋ごろに販売を開始する。
開発プロジェクトは、大連市の経済開発区である大連ハイテクゾーン(大連高新技術産業園区)で進められる大規模複合開発「大連ソフトウェアパーク2期」の一部だ。三井不動産レジデンシャルは、エリア内にあるサイトAおよびCと呼ばれる二つの区画の開発に参画する。
大連ソフトウェアパーク2期は、大連の中心市街地の西方約15km、大連周水子国際空港から約20kmの場所にある。香港のデベロッパーである瑞安(シュイオン)グループと、大連で不動産開発などを手がける億達(イーダ)集団が開発している。約27万m2の土地に、住宅、オフィス、商業、研究施設など開発を進めている。総延べ床面積は約354万m2に及ぶ。エリア内には、IBMなどの欧米企業も進出している。
三井不動産レジデンシャルにとって、中国での住宅開発プロジェクトへの参画は、丸紅の出資する上海好世置業有限公司との共同事業である「好世皇馬苑(ハウスフォアンマーユエン)」、シンガポール政府系のSSTECとシンガポールの長成(チョンセン)グループとの共同事業「天津エコシティ」に次いで3番目となる。今後も、上海、北京などの主要都市や、天津、大連など発展が見込まれる都市において積極的に開発プロジェクトに参画していく。
開発名:大連ソフトウェアパーク2期
所在地:中華人民共和国遼寧省大連市高新技術産業園区内
全体面積:土地2700万m2、延べ床約354万m2
サイトAの面積:土地約31万m2、延べ床119万m2(住宅約54万m2、商業施設約39万m2、オフィスおよび教育施設など約26万m2)
サイトCの面積:土地約132万m2、延べ床177万m2(住宅約57万m2、商業施設約14万m2、オフィスおよび教育施設など約106万m2)
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住宅関連新聞記事ダイジェスト No.377 2011/3/24~2011/3/30 Vol.2
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【日本経済新聞】
5 回復急ぐ建材・設備メーカー、計画停電が悩み
【朝日新聞】
6 敷金から修繕費「高すぎなければ有効」最高裁判決
7 首都圏、新築戸建ての平均成約価格が3.4%上昇アットホーム
8 全域的に改善傾向 東京カンテイ、中古マンション価格天気図
9 2月・首都圏の賃貸住宅 6カ月連続で成約増加 アットホーム
10 TOTO ブラジル市場に本格参入 現地法人を設立
11 土地情報サイトリニューアルへ 国交省
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5 回復急ぐ建材・設備メーカー、計画停電が悩み 2011/3/24 日本経済新聞系
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東日本大震災の発生から約2週間。工場の一部損傷や、電気・水道といったインフラが途絶えたことで操業を停止していた建材・設備メーカーが、徐々に再開し始めている。めどが立たない工場もまだ少なくないが、各メーカーとも急ピッチで再開作業を進めている。
ただ、ようやく工場再開のめどが立ってきたものの、頭の痛い問題もある。供給する電力が不足していることから東京電力が実施している「計画停電」と、生産する製品の原材料や部品が供給元から入手できない「原料不足」だ。工場の設備に大きな被害がなくても、生産量に影響が出かねない。中には、住宅会社の希望日に合わせて納品できないことをウェブページで案内しているメーカーもある。ここでは、主な建材・設備メーカーがウェブで公開している情報をまとめた。
住宅会社としては、建材・設備の納品が遅れることなどを事前に顧客へ説明するなど、トラブルにならないための対処も必要だろう。
建材・設備メーカーの状況(2011年3月24日1:00時点)
メーカー名(分類) 情報更新日 状況 情報ページのURL
サッシ
YKK AP
3月17日 生産拠点の東北事業所(宮城県大崎市)および宮城工場(宮城県大衡村)において、建物などで一部損壊などの被害。生産設備の被害は確認中。東北事業所、宮城工場は安全が確保され、生産に関わるインフラが復旧するまで操業を停止。これに伴い、注文製品の生産・出荷遅れが発生している http://www.ykkap.co.jp/
トステム
3月22日 一関工場(岩手県)と下妻工場(茨城県)は操業を停止中 http://www.tostem.co.jp/
三協立山アルミ
3月15日 生産工場および設備については影響なし。生産は通常通り行っているが、一部震災の影響を受けており、状況を現在調査中 http://www.sankyotateyama-al.co.jp/
外装材
旭トステム外装
3月22日 鹿島工場(茨城県)の操業は停止中 http://www.tostem.co.jp/
ケイミュー
3月16日 小田原工場(神奈川県・屋根材)、鹿島工場(茨城県)・足利工場(群馬県)(外壁材)が停止中 http://www.kmew.co.jp/kinkyu/index.html
ニチハ
3月15日 いわき工場(福島県いわき市、窯業系外装材製造) と子会社の高萩ニチハの高萩工場(茨城県高萩市、窯業系外装材製造)およびチューオーの若柳工場(宮城県栗原市、金属系外装材製造)が操業停止中 http://www.nichiha.co.jp/
アイジー工業
3月16日 3月16日より寒河江工場(山形県寒河江市、金属サイディング製造)、東根工場(山形県東根市、ガルバルーフ製造)が操業開始。 水戸工場(茨城県城里町、「アイジーヴァンド」シリーズ製造) は操業停止中。製品出荷・原材料納入が物流機能の停滞により困難を極めている http://www.igkogyo.co.jp/
東邦シートフレーム
3月14日 八千代工場の設備・施設の一部に支障が出たが、大きな被害もなく操業中(計画停電の状況に応じて操業) http://www.toho-sf.co.jp/
アイカ工業
3月23日 福島第一原子力発電所の事故により福島工場(福島県岩瀬郡鏡石町)を停止、3月22日より復旧作業を開始。一部製品を除き3月24日から生産を再開。生産開始が遅れる製品も間もなく生産再開ができる予定だが、それまでの間、甚目寺工場(愛知県あま市)にて代替生産を継続する方針 http://www.aica.co.jp/
ビニールクロス
サンゲツ
3月17日 主要仕入先が被災。茨城県、千葉県のプラントの操業停止により、壁紙・床材など塩ビ製品の主原料である塩ビ樹脂、可塑剤といった石油精製品の確保にも影響が出ている。計画停電などの影響もある http://www.sangetsu.co.jp/
換気扇
富士工業
3月18日 白河工場(福島県)が停止中。相模原工場(神奈川県)にて一部機種のみ生産中 http://www.fjic.co.jp/
衛生陶器など
INAX
3月22日 3月22日から筑波工場(茨城県)の操業を再開 http://www.jsgc.co.jp/
TOTO
3月17日 TOTOウォシュレットテクノ 茨城工場(茨城県)は断水のため3月末まで停止予定。茅ヶ崎工場(神奈川県)、TOTOハイリビング茂原工場(千葉県)、TOTOバスクリエイト佐倉工場(千葉県)、TOTOプラテック勝浦工場(千葉県)は計画停電により、生産、出荷に影響を受ける恐れあり http://www.toto.co.jp/News/info_eq2011/index.htm
パナソニック電工
3月23日 郡山工場(福島県郡山市)が3月23日より生産を再開 http://panasonic.co.jp/index3.html
キッチン
クリナップ
3月14日 鹿島システム工場は、水道/物流などのインフラや部材供給取引先の復旧を待つ状態で操業停止。関連会社のクリナップ調理機工業の久ノ浜工場は、津波の影響により操業を停止 http://www.cleanup.co.jp/
ヤマハLT
日付なし 浜松本社工場でインフラや部材供給先の地震による影響で、一部商品に遅延が発生 http://www.yamaha-living.co.jp/
断熱材
旭ファイバーグラス
3月14日 ほぼ平常どおり生産を行っているが、計画停電のためカスタマーセンターへの問合せがつながらない時間がある。出荷体制については、当日出荷を当面見合わせ、翌日出荷体制としている。今後、計画停電が実施される場合は、一定時間生産を停止することがある http://www.afgc.co.jp/
マグ・イゾベール
3月23日 明野工場(茨城県)は、復旧に2カ月以上かかる見込み。土浦工場(茨城県) は、製造可能な一部の製品から製造開始予定。梱包機破損により、住宅用、内装用バット品は当面生産できない状況 http://www.isover.co.jp/
旭化成
日付なし 旭化成建材境工場・ネオマフォーム工場(茨城県)は操業を停止中、生産再開の時期は未定 http://www.asahi-kasei.co.jp/asahi/jp/
カネカ
3月14日 鹿島工場(茨城県神栖市)は停止中 http://www.kaneka.co.jp/
防水紙
田島ルーフィング
3月23日 工場の被害は軽微だが、原材料メーカーの多くが被害を受け納入がストップ状態。このため22日から受注業務を停止 http://www.tajima-roof.jp/
旭・デュポン フラッシュスパン プロダクツ
3月22日 サービスセンター(栃木県宇都宮市)の生産設備の影響は軽微。先週末より、代替工場及び倉庫からの出荷体制を整え対応。ネーム入れ印刷については、3月28日ごろから生産再開見込み http://tyvek.co.jp/construction/
フクビ化学工業
3月18日 生産設備・物流センターに支障なし。ただし、受注が急増した場合、製品によっては大口注文を制限する可能性がある http://www.fukuvi.co.jp/
石こうボード
チヨダウーテ
3月16日 工場・事務所・製造設備等に重大な被害なし http://www.chiyoda-ute.co.jp/
吉野石膏
3月15日 工場設備に大きな被害はないが、計画停電、水道および燃料不足などによる製造への影響などが懸念される http://yoshino-gypsum.com/
表の内容は2011年3月24日午前1時時点。各メーカーの状況は随時変わるので、最新の情報は各メーカーのウェブページで確認が必要
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6 敷金から修繕費「高すぎなければ有効」最高裁判決 2011/3/24 朝日新聞
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賃貸住宅の敷金(保証金)を返す際、修繕費として一定額を差し引くと定めた契約条項(敷引〈しきびき〉特約)は消費者契約法に反するか――。この点をめぐって家主と借り手が争っていた訴訟で、最高裁第一小法廷(金築誠志裁判長)は24日、「不当に高額でなければ特約は有効」とする判決を言い渡した。
敷引特約は関西を中心とした商慣習。「消費者の利益を不当に害する契約は無効」と定める消費者契約法が2001年に施行された後、地高裁段階では特約を無効とする借り手側勝訴の判断が相次いでいた。今回の判決は、特約そのものは無効ではないと認めた最高裁の初判断で、同種訴訟に影響を与えそうだ。
争われたのは、06年8月~08年4月に京都市内のマンションの一室を借りた男性が、敷金40万円のうち特約で差し引かれた21万円の返還を家主に求めた裁判。家賃は月9万6千円だった。
第一小法廷は、通常の使用による修繕費まで借り手に負担させる敷引特約について、「消費者の義務を重くするものだが、修繕の必要性や金額をめぐるトラブルを防ぐ意味で不合理とは言えず、借り手の利益を一方的に害するものではない」と指摘し、一般的な有効性を認めた。
ただし、借り手側は修繕費に詳しくないことや家主側と交渉力に差があることを考慮し、「通常の修繕費、家賃額、礼金の有無などに照らして、差し引く額が高すぎる場合は無効になる」と述べ、額によっては違法となる余地は残した。
今回の事例については、差し引く額が賃借期間に応じて18万~34万円で家賃の2倍弱から3.5倍強にあたり、礼金の支払いもなかったとして「高すぎるとは言えない」と判断した。家賃の何倍なら不当に高額になるかという基準は示さなかった。
借り手側は「通常の使用によって生じる修繕費は家賃に含まれており、敷金から差し引けば二重の負担になる」と訴えたが、判決は「特約が成立している場合は、修繕費は家賃に含まれていないとみるべきだ」と退けた。
08年11月の一審・京都地裁、09年6月の二審・大阪高裁も特約を有効と認め、借り手側が敗訴していた。
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7 首都圏、新築戸建ての平均成約価格が3.4%上昇アットホーム 2011/3/29 朝日新聞
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アットホームはこのほど、2月の首都圏における新築戸建てや中古マンションの価格動向をまとめた。
それによると、新築戸建ての平均成約価格は、前年比3.4%上昇し、3158万円だった。東京23区で、比較的高額な物件の成約が堅調だったことなどが背景にあるという。また、23区が5カ月連続で上昇している一方、千葉県では6カ月連続の下落。「エリアによる違いが顕著」(アットホーム)という。
また、中古マンションの平均成約価格は、前年比1.1%上昇の2176万円。14カ月連続の前年比上昇となった。
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8 全域的に改善傾向 東京カンテイ、中古マンション価格天気図 2011/3/29 朝日新聞
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東京カンテイ(東京都品川区)はこのほど、47都道府県を対象にした2月の中古マンション価格天気図をまとめた。「晴れ」が10地域(前月比2地域増)、「薄日」が10地域(同1地域増)、「雨」が10地域(同5地域減)、「小雨」が13地域(同6地域増)。
前月から天気が改善したのは、北海道(1019万円、前月比0.6%上昇)、岩手県(1384万円、同0.3%上昇)、山形県(1119万円、同3.0%上昇)、岐阜県(1251万円、同2.8%上昇)、和歌山県(1157万円、同8.4%上昇)、福岡県(1338万円、同2.5%上昇)、宮崎県(1285万円、同1.2%上昇)など15地域に上った。
反対に悪化した地域は、福島県(1163万円、同4.1%下落)、奈良県(1174万円、同1.0%下落)、高知県(1328万円、同1.3%下落)、熊本県(1280万円、同0.2%下落)など。前月比では2地域減にとどまった。
秋田県(1318万円、同3.6%上昇)、茨城県(1381万円、同1.1%下落)、佐賀県(1257万円、同3.7%上昇)は「晴れ」で変動はないが、価格自体は強含んでおり上昇傾向にあると言える。
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9 2月・首都圏の賃貸住宅 6カ月連続で成約増加 アットホーム 2011/3/29 朝日新聞
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アットホームがまとめた首都圏(1都3県)・賃貸住宅市場動向によると、2月も成約数の増加が続いたことで成約増加は6カ月連続となった。成約件数は前年同期比7%増の2万5506件。成約の4割を占める東京23区内がシングル向け物件を中心に成約を伸ばしたほか、東京都下、埼玉県、千葉県でも増加率が2ケタを超えた。ただし4エリア共に増加率は縮小傾向に転じ、神奈川県は前年の反動で4カ月ぶりに減少した。
平均賃料は、マンション・アパート、新築・中古を問わず下落した。新築は2カ月連続で賃料が上昇していたが、需要がシングルに偏っているマンションの下落率が拡大したのが影響した。
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10 TOTO ブラジル市場に本格参入 現地法人を設立 2011/3/29 朝日新聞
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TOTOはこのほど、ブラジル市場に本格参入すると発表した。今後成長が期待される市場と見る。1月、現地に販売会社「TOTOブラジル」を設立した。市場参入の足掛かりとして3月25日まで開催されているブラジル最大の水まわり展示会に出展。販売チャネルや物流網の構築に取り組む。
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11 土地情報サイトリニューアルへ 国交省 2011/3/29 朝日新聞
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国土交通省は3月28日から、土地にかかわる制度や地価公示、土地関連統計などの土地に関する各種情報を一元的に収集・整備し、提供しているWEBサイト土地総合情報ライブラリーを、リニューアルオープンする。
リニューアルでは、デザインの変更のほか、情報の一覧性の向上やQ&A集・用語集の追加などを行っている。
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住宅関連新聞記事ダイジェスト No.377 2011/3/24~2011/3/30 Vol.3
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【読売新聞】
12 ガスボンベを再利用 被災地用まきストーブ
13 競売でも買い手ない秋田駅前の「ホテルハワイ」
14 オール電化住宅、普及裏目…原発2基分の消費増
【日経産業新聞】
15 知県と江南の9社、特産織物で家具22点
16 TOTOマテリア、岐阜の工場集約 年2億円のコスト削減
17 不動産各社、被災者に賃貸物件紹介 敷金や礼金不要の物件
18 2月の首都圏マンション発売、2カ月ぶり増 都心部がけん引
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12 ガスボンベを再利用 被災地用まきストーブ 2011/3/30 読売新聞
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長さ1メートルの廃材も燃やせる
家具・雑貨製作の「工房ジオ・パラダイス」(長野県小諸市)は、使われなくなったプロパンガスボンベを利用したまきストーブ「暖助(だんすけ)」を開発した。1メートルほどの長さの廃材をくべることができ、東日本巨大地震や県北部地震の被災地で使ってほしいと訴えている。
暖助は、横約1・3メートル、高さ約70センチ、重さ約40キロ。横にした廃プロパンガスボンベの内部で、廃材を燃やせるように加工したシンプルなまきストーブだが、30畳ほどの広さを暖めることができる。ボンベの上部に鉄板を取り付け、やかんでお湯を沸かしたり、フライパンで調理したりすることも可能。給湯カートリッジを内蔵しているため、ノズルで浴槽などと接続すれば、水を循環して温められる。
避難所で亡くなるお年寄りがいることを報道で知った同社の青野剛三代表(53)が、「被災者には暖房や、温かい食事が必要」と暖助の製作を決意。16日から取りかかり、20日に完成した。被災地で使いやすいように、長さ約1メートルの廃材でもくべられる大きさにした。
材料費や被災地への運搬費を含めた製作費は1台約5万円。東信地域を中心に16の個人や団体が、費用負担や材料調達、情報発信などで支援を表明している。26日午前までに3件の要望があり、今月末までに被災地に送りたい考えだ。
青野代表は「私には、ものづくりしかない。海風はまだまだ寒いでしょうし、少しでも被災者の力になれれば」と話している。同社は、小諸市や立科町に協力を要請しているほか、さらに支援者・団体を募っている。希望者には暖助の図面を提供する。問い合わせは同社(0267・26・5011)へ。
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13 競売でも買い手ない秋田駅前の「ホテルハワイ」 2011/3/30 読売新聞
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2年以上、手つかずのままになっている「ホテルハワイ駅前店」
秋田市千秋久保田町の「ホテルハワイ駅前店」(2009年閉鎖)の建物が所有者の破産により競売にかけられたものの、応札者が現れず、買い手が決まらないままになっている。
JR秋田駅前の千秋公園脇に位置する好立地だけに、不動産業者の注目度も高いが、老朽化などがネックになっているもようだ。周辺商業者などからは「再建か解体か、早く決まってほしい」との声が高まっている。
ホテルハワイ駅前店(約360室)は1972年に開業。主にビジネス客向けだったが、市内のホテル競争激化などの影響で、2009年の元日、系列2店とともに閉鎖された。所有会社(秋田市)は破産手続きに入り、駅前店の地上10~11階建ての2棟について、同年8月、秋田地裁で競売開始が決定された。
地裁の競売関係書類によると、2棟の建築年は72年と76年で、約40年間とされる経済的全耐用年数を迎えつつあり、老朽化も進んでいる。不動産評価額は計約7781万円。土地は千秋公園一帯の地主が所有しており、ホテルは地主側に地代を支払って営業していたが、地裁の調査に対し地主側は「土地の売買も可能」と説明したという。
入札は昨年3月から今年1月、3度にわたって行われたが、いずれも応札者が現れず、落札されなかった。このうち3度目の入札では、落札額の目安となる売却基準価格が、評価額の約4分の1の約1900万円まで下げられたが、応札者はいなかった。
3度の入札で落札者が決まらず、売却の見込みがない場合、地裁は競売手続きを停止できることになっており、土地の再活用に向けた同手続きが白紙に戻る可能性も出ている。
競売について、市内のある不動産業者は「超一等地で、関心は持っているが、ホテルとして再営業する場合は改装費や採算性が問題になるし、解体する場合も巨額の費用がかかるため、とても買おうという勇気は出ない」と明かす。
一方、付近の商業関係者は「観光地である千秋公園の目の前にいつまでも“廃虚”があると、市のイメージダウンにもつながる」と懸念を示し、「中心市街地活性化や千秋公園整備など街づくりとセットで考え、打開策を見つけていくべきだ」と語った。(佐藤直信)
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14 オール電化住宅、普及裏目…原発2基分の消費増 2011/3/23 読売新聞
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東京電力が、給湯や調理などすべてを電気でまかなう「オール電化住宅」の普及を推進してきたことが、今回の電力不足に拍車をかけている。
この3年間で戸数が倍増し、最大で原子力発電プラント2基分にあたる約200万キロ・ワット分の電力消費能力が増えた可能性がある。東電は、東日本巨大地震後、計画停電をせざるをえない状態で、オール電化の普及策は抜本的な見直しを迫られている。
東電によると、管内9都県のオール電化戸数は2002年3月末時点で1万3000戸だったのが、08年3月末に45万6000戸になった。10年末には85万5000戸に倍増した。「原子力は発電時に二酸化炭素を排出せず、地球温暖化の防止につながる。省エネにもなる」とアピールし、電気料金の割引を適用してきたが、急速な普及策が裏目に出た形だ。
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15 知県と江南の9社、特産織物で家具22点 2011/3/28 日経産業新聞
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愛知県江南地域の織物製造・加工9社と愛知県産業技術研究所などが江南地域の特産品である織物を使って軽量のイスやクッションなどの家具を開発した。4月以降、開発に携わった企業がインターネットなどを通じて販売し、特産品の需要開拓につなげる。
開発したのはイスやベッド、間仕切りの「和風パーティション」など22点。イスやクッションは丈夫なウレタンを高級感のあるインテリア織物の生地で覆って作った。
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16 TOTOマテリア、岐阜の工場集約 年2億円のコスト削減 2011/3/25 日経産業新聞
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TOTO子会社で内装タイルや大型陶板などを製造するTOTOマテリア(岐阜県土岐市)は生産拠点を統合する。2012年4月1日までに御嵩工場(岐阜県御嵩町)を閉鎖し、土岐工場(土岐市)に機能を集約する。
間接部門の統合などにより、年間2億円のコスト削減効果を見込む。TOTOは2017年度までの長期計画「Vプラン2017」を掲げており、国内生産拠点の再編を進めている。
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17 不動産各社、被災者に賃貸物件紹介 敷金や礼金不要の物件 2011/3/24 日経産業新聞
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東日本大震災で住宅を失った被災者に物件を紹介する動きが不動産業者の間で広がっている。被災者の大半はまとまった現金を持っていないため、長期間にわたって避難所に滞在するケースが多いという。敷金や礼金、仲介手数料といった初期費用がかからない物件を中心にあっせんする。
レオパレス21は青森県、岩手県、宮城県、福島県、茨城県の5県から転居する人を対象に、敷金や礼金、鍵の交換費といった費用を無料で部屋を貸し出す。滞在期間が30~100日と短い利用者向けには一部の部屋の利用料金を半額にする。
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18 2月の首都圏マンション発売、2カ月ぶり増 都心部がけん引 2011/3/24 日経産業新聞
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不動産経済研究所(東京・新宿)が公表した2月のマンション市場動向によると、首都圏(東京、神奈川、埼玉、千葉の1都3県)の新規発売戸数は前年同月比24.9%増の3468戸と2カ月ぶりに前年実績を上回った。地域別では東京都区部が40%増となるなど都心部で好調だったことが寄与した。
発売月に契約が決まった戸数の割合は84.8%と前月比11.5ポイント上昇。契約率が3カ月ぶりに80%を超えた。発売期間中にすべての住戸で契約が決まった割合も全体の13.8%を占めた。販売在庫も4725戸と前年同月から約1700戸減となり、低水準で推移。3月の発売戸数は約4200戸と前年同月より14%増えると予想している。
住宅関連新聞記事ダイジェスト No.376 2011/3/17~2011/3/23
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住宅関連新聞記事ダイジェスト No.376 2011/3/17~2011/3/23 Vol.1
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【日本経済新聞】
1 被災地発・仙台中心部:商店街でガラスの破損が相次ぐ
2 生コンポンプ車で150トン注水、福島第1原発
3 都心賃料相場のマイナス幅拡大を予想、DTZ
4 住宅向け透湿防水シート、旭・デュポンが再開にめど
5 城東テクノや大建工業、回復の動き
6 建築学会やJIA、被災地調査や情報交換を本格化
7 災害復旧を優先するよう全建が工事の中止を要請
8 計画停電、太陽光発電を家電製品に使う方法
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1 被災地発・仙台中心部:商店街でガラスの破損が相次ぐ 2011/3/23 日本経済新聞系
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東日本大震災では、仙台市中心部でも建物被害が多発した。高層ビルの倒壊といった深刻な被害は避けられたものの、あちこちで外装材や天井材が落下。窓ガラスが割れ、道路に散乱した。市内は深刻な物資不足で、営業を再開した店舗には人々の長い列ができた。現地入りした取材班は3月14日、15日にJR仙台駅近くの商店街を歩いた。
店舗のシャッターを掲示板に
3月14日、15日の両日、商店街のほとんどの店はシャッターを下ろしたままだった。商店街では「頭上注意」「立ち入り禁止」と書かれた紙が各所に張られ、歩行者に注意を促していた。
こうした中、営業を再開した店舗には、水や食料など生活必需品を求めて、人々が長蛇の列をつくった。混乱を防止するため、多くの店舗で入場を制限。「商品は1人5点まで」「5分以内での買い物にご協力ください」といった看板を掲げる店舗もあった。
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2 生コンポンプ車で150トン注水、福島第1原発 2011/3/23 日本経済新聞系
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東京電力は3月22日午後5時17分から、福島第1原子力発電所4号機に向けて生コンクリートを圧送するポンプ車を使った注水作業を始めたと発表した。ポンプ車による注水は初めて。
建屋の近くに鉄板を敷き、ポンプ車1台を配置。ポンプ車と海水くみ上げ用のポンプとをホースでつなぎ、午後8時32分まで3時間以上にわたって約150トンの水を注ぎ込んだ。
現地には、ブームの長さが50mを超すポンプ車が計4台到着している。生コン圧送装置の製造などを手掛けるドイツのプツマイスター社が、輸出用に横浜港に保管していたブーム長58mのポンプ車1台のほか、中央建設(三重県四日市市)が2台、丸河商事(岐阜県恵那市)が1台、それぞれブーム長52mのプツマイスター社製のポンプ車を派遣した。
今回は、プツマイスター社が横浜港から持ち込んだブーム長58mのポンプ車が注水作業に当たった。4号機の建屋は5階建てで、3月15日に起こった水素爆発によって外壁に穴が開いている。ポンプ車のブームを建屋の開口部まで延ばして、地上30mの高さの5階部分にある使用済み核燃料プールに注水した。
ブームの先端にカメラを固定。東京電力の関係者が、ポンプ車を派遣した建設会社のオペレーターなどから指導を受けて遠隔操作したとみられる。
中国からブーム長62mのポンプ車も
「詳しい状況は分からないが、使用済み核燃料プールへ的確に注水するためには長さ52mのブームでは少し短いかもしれないという話を聞いている」。丸河商事の担当者はこのように話している。
福島第1原発では、3月22日までに1~6号機すべてで外部から電源を供給するためのケーブルの敷設が完了。東京電力は今後、4号機の内部に備えたポンプで水を循環させて、原子炉や使用済み核燃料プールを冷却できないかどうか確かめる。内部のポンプを使った冷却が難しい場合は、中央建設や丸河商事が派遣したポンプ車の投入も検討する。
使用済み核燃料プールへの注水作業に使ったブーム長58mのポンプ車の同型機。写真のように、本来はミキサー車から打設場所までコンクリートを圧送するために使う(写真:プツマイスター社)
東京電力は、中国湖南省にある重機メーカー「三一重工」からブーム長62mの生コンポンプ車の提供も受ける。3月22日に中国・上海の港を出港し、24日に大阪港に到着。26日までには福島県内に着くという。
三一重工は、2010年にチリで起きた鉱山の落盤事故でも、救出用カプセルを引き上げるクレーンの設計や製造にかかわった実績がある。
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3 都心賃料相場のマイナス幅拡大を予想、DTZ 2011/3/23 日本経済新聞系
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英国の大手不動産会社DTZは3月21日、東日本大震災の発生を受けて、東京都心5区のオフィス賃料予想を引き下げた。従来は2011年を通じて賃料が6.5%下がると予想していたが、今回はさらに2.6ポイント引き下げ、マイナス9.1%にした。翌2012年は横ばい、続く2013年に回復を予想している。
これは、DTZと協力関係にある英国の研究機関Oxford Economicsが今回の地震を受けて、2011年の日本のGDP成長率予想を見直したことによるもの。以前のプラス1.3%から0.3ポイント引き下げ、プラス1%とした。
REIT(不動産投資信託)や不動産仲介会社が地震直後に実施した調査によると、都市部の商業用不動産のうち直接的被害を受けた建物は少ないことが判明している。また主に被災した3県(岩手、宮城、福島)が日本のGDPに占める割合は約4%に過ぎない。一方で、生産設備の被災や首都圏の計画停電などによる間接的な影響は広範囲にわたり、企業業績回復の足かせとなる恐れも出ている。
なお、DTZは2月にまとめた「2011 Global Outlook」のなかで、上記の予想の基となったベース・シナリオとは別に、日本のGDP成長率を0.3%のマイナスとしたダウンサイド・シナリオも発表している。この場合の都心オフィス賃料は10.7%下落すると想定していた。
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4 住宅向け透湿防水シート、旭・デュポンが再開にめど 2011/3/22 日本経済新聞系
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東日本大震災フクビ化学工業セーレン工場出荷タイベック東日本巨大地震透湿防水シート被害生産旭・デュポン. 東日本大震災の影響が、建材・設備メーカーにも及んでいる。住宅向けの透湿防水シートを扱う、旭・デュポン フラッシュスパン プロダクツ、セーレン、フクビ化学工業の3社の状況をまとめた。
被害を受けた旭・デュポンも生産再開
旭・デュポン フラッシュスパン プロダクツが発表した情報によると、栃木県宇都宮市清原工業団地にある透湿防水シート「デュポンタイベック」の加工工場および倉庫の一部に、地割れなどの被害があったという。現在もこの工場と倉庫は操業を停止しているが、設備への被害は少なかったとしている。3月28日ころには生産を再開する予定だ。工場の停止に伴って関西や九州の倉庫から出荷して対応していたため納品に遅延が生じていた。今後、宇都宮の工場が再開すれば出荷の遅延もほぼ解消できる見込みだ。
他方、東北地方に生産拠点を持たないセーレンとフクビ化学工業は、現在のところ通常通りの生産体制を継続しているという。
フクビ化学工業は3月18日、「通常の予想を超えた受注があると、原材料の確保や運送体制に一部支障を来す可能性がでてきた。大口の発注については、注文を断る場合がある」といった案内をウェブサイトで発表した。だが、同社に問い合わせたところ「透湿防水シートに注文が集中しているわけではない。扱っている建材全般について、急激に注文が増えると対応しきれない可能性があるという主旨だ」といった回答を得た。透湿防水シートに関しては、急激に市場から在庫がなくなるといったことはなさそうだ。
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5 城東テクノや大建工業、回復の動き 2011/3/22 日本経済新聞系
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建材・設備メーカーにも影響を与えた東日本大震災。工場の一部に被害を受けたメーカーや、物流の混乱で受注を停止していたメーカーが徐々に回復し始めている。城東テクノと大建工業について、同社のウェブページのリリースから情報をまとめた。
城東テクノ
基礎部分に使用するパッキン材などのメーカーの城東テクノは3月22日、一時的に停止していた受注業務を時間を短縮した形で再開することを発表した。23日以降に受注した分は28日以降の出荷となる予定だという。
同社の茨城工場や主要協力会社の生産ラインへの地震の影響は少なく、17日にすでに生産を再開している。
大建工業
高萩工場(茨城県)と会津工場(福島県)に生産拠点を持つ大建工業は3月22日、会津工場の生産の再開を発表した。高萩工場は建屋や設備に大きな被害はなく、点検・安全確認中だ。電気や水道などのインフラが回復すれば生産を再開できる見込みだという。両工場では、下地材などのインシュレーションボードを生産している。
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6 建築学会やJIA、被災地調査や情報交換を本格化 2011/3/22 日本経済新聞系
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日本建築学会や日本建築家協会(JIA)、日本建築士会連合会などの建築関係団体により被災地調査や被災建築物応急危険度判定も、少しずつ本格化している。ただし周辺地域からの被災地入りは制限されているため、東北の被災地では現地の会員が可能な範囲で調査や判定を実施している状況だ。首都圏の会員は、東北支部との情報交換を交わしつつ、まずは関東県内の調査・判定に専念している。
日本建築学会関東支部は、3月16日に関東支部地震災害調査WGを立ち上げ、支部内の1都7県に対する初動調査の実施を決定した。地震発生から2~3週間後をめどに緊急報告会を開き、同2カ月後に「関東支部地震災害初動調査報告書(簡易版)」、6カ月をめどに本報告書を完成させていく予定だ。また学会内に「災害情報収集支援室」を設置。メールで寄せられた各地の情報をウェブサイト上で公開している。
JIAでは、フェイスブックを用いた「JIA災害対策情報掲示板」を活用し、東北や静岡などの会員も含めた情報交換を行っている。被災地の建築家からは宮城県名取市や仙台市の被災状況を記録した写真画像が届いているほか、JIAが要請を受けている応急危険度判定支援の状況なども確認できる。
日本建築士会連合会で広い会員同士の情報交換が見られるのは、青年委員会のウェブサイトだ。各県の青年委員長からの断片的な現地報告が掲載されている。また地域の士会では、宮城県建築士会のウェブサイトで応急危険度判定の募集や実施状況報告を掲載している。
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7 災害復旧を優先するよう全建が工事の中止を要請 2011/3/22 日本経済新聞系
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「災害復旧に全力を尽くすため、必要に応じて工事中止命令の発令をお願いしたい」――。(社)全国建設業協会が大畠章宏国土交通大臣に提出した要望を受け、国土交通省総合政策局は3月16日、全国の都道府県と政令指定都市に対し、発注した工事などに必要に応じて中止命令を発するよう要請した。
国交省が都道府県などに要請したのは、「東北地方太平洋沖地震に伴う応急復旧工事等の優先的かつ円滑な実施等について(要請)」。建設会社や建設コンサルタント、測量会社などが被災地の災害復旧を優先して実施できるよう、施工中の公共工事などに一時中止を指示するよう要請。地震の影響などで施工できなくなった工事にも、一時的に中止命令を発するよう求めている。
●都道府県などに要請した工事の中止命令と前金払いの円滑化
さらに、応急復旧工事などを発注する際、前金払いや中間前金払いの手続きを柔軟に行うよう要請した。建設会社などが、必要な人員や資機材などを円滑に確保できるようにするためだ。
例えば、受注者と請負契約書を取り交わす前でも、受注者との間で暫定的な工期などを確認できる書類を取り交わし、概算の見積もりに基づいて一部を前金払いするよう促した。
請負会社が早急な前金払いを必要とする際は、保証事業会社がファクシミリなどで送信する保証証書の写しに基づいて、前金払いの手続きを進めるよう柔軟な対応を求めた。同省は、ファクシミリによる保証証書の写しの送信などを、保証事業会社にも要請している。
全国建設業協会が要望書を提出したのは3月15日。工事に中止命令の発令を求めるなど、4項目を盛り込んだ要望書を大畠国土交通相にあてて提出した。
要望を受けて同省は同日、北海道開発局と各地方整備局、沖縄総合事務局に向けて工事の中止命令と前金払いの柔軟な対応を取るよう通知。翌16日には、(社)日本建設業団体連合会と(社)全国建設業協会、(社)日本土木工業協会、(社)建築業協会、(社)日本建設業経営協会、(社)日本道路建設業協会、(社)全国中小建設業協会の7団体に対し、地方整備局や都道府県などに通知や要請を発したことを伝えた。
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8 計画停電、太陽光発電を家電製品に使う方法 2011/3/18 日本経済新聞系
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太陽光発電システムには停電時でも家電製品が使える「自立運転」の機能がある。通常は電力会社との間で電気を売ったり買ったりできる「連系運転」をしているため、発電した電気を直接利用できない。だが、自立運転に切り替えれば発電した電気を自立運転用のコンセントに供給するようになり、停電時でも家電製品を使うことができる。
切り替えは手動あるいは自動で行う。自立運転コンセントは室内型パワーコンディショナーの右側面や、室内の壁面などに設置されている。使用できる家電製品は最大電力1500Wまで。消費電力が1500Wを超える製品は使えない。パナソニックによると、主な家電製品の消費電力は、テレビ(50型プラズマテレビ)で約475W、DVDビデオで約32W、壁掛けエアコン(冷房最大出力時)で約800Wだという。
自立運転時は太陽光発電で発電した電力のみを使うため、天候の変化などで発電電力が不安定になることがある。そのため、医療機器やデスクトップパソコンなど、生命にかかわる機器や途中で電源が切れると故障する恐れのある機器は使用できない。
切り替えや自立運転の方法は、メーカーや機種によって異なる。詳細は取り扱い説明書に記載している。不明な点はメーカーや販売・施工店に問い合わせてほしい。主なメーカーの自立運転に関するウェブサイトを下の「関連サイト」に掲載した。
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住宅関連新聞記事ダイジェスト No.376 2011/3/17~2011/3/23 Vol.2
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【日本経済新聞】
9 壊れた太陽電池パネルは素手で触らない
10 住宅向け外装材、生産・流通のめどが立たず
11 住宅や電力、義援金の提供、不動産会社による支援広がる
12 日本建築学会が災害調査方針を決定
【朝日新聞】
13 55階まで30分…都心の超高層マンションに潜む不安
14 公示地価、三大都市圏で底打ち感 震災前の調査
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9 壊れた太陽電池パネルは素手で触らない 2011/03/18 日本経済新聞系
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太陽光発電協会は3月18日、東日本大震災の影響で壊れた太陽電池パネルについて、取り扱い上の注意点をウェブサイトに掲載した。
壊れた太陽電池パネルでも太陽の光が当たると発電する可能性がある。屋根から外れて家屋などのがれきと一緒に積み上げられた太陽電池パネルは、感電するので素手で触らないようにと警告している。以下に作業の手順を示す。
(1)素手で触らないこと。
(2)救助および復旧作業などで壊れた太陽電池パネルに触れる場合は、乾いた軍手やゴム手袋など絶縁性のある手袋をする。
(3)複数の太陽電池パネルがケーブルでつながっている場合は、ケーブルのコネクタを抜くか、切断する。可能であれば、太陽電池パネルに光が当たらないように段ボールや板などで覆うか、裏返しにする。
(4)可能であれば、ケーブルの切断面の中の銅線がむき出しにならないようにビニールテープなどを巻く。
(5)太陽電池パネルを廃棄場に運ぶ際は、念のため、ガラスを金づちなどで細かく破砕する。
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10 住宅向け外装材、生産・流通のめどが立たず 2011/3/18 日本経済新聞系
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東日本巨大地震の影響が、建材・設備メーカーにも及んでいる。各社対応を急いでいるが、混乱はしばらく続きそうだ。住宅向けの外装材メーカーである、旭トステム、ケイミュー、ニチハの3社に状況と今後の生産・流通のめどを尋ねた。
旭トステム外装
生産拠点として鹿島工場(茨城県)と一関工場(岩手県)を持つ旭トステム外装は、3月18日時点、同社のウェブサイトで窯業系サイディングの「AT-WALL」と金属サイディングの「Danサイディング」の受注を停止することを告知した。
AT-WALLを生産していた鹿島工場と、Danサイディングの生産工場である一関工場ともに設備が損傷しているほか、物流センターにも被害が出ているようだ。商品供給までには時間がかかる見込みと発表している。
同社の場合、鹿島工場と一関工場が大きな生産拠点となっていた。このため、操業を停止している工場の生産分を他の工場でカバーするのは難しいという。
ケイミュー
ケイミューによると、屋根材を生産している小田原工場(神奈川県)、外装材を生産している鹿島工場(茨城県)と足利工場(栃木県)の3拠点が災害で影響を受けた。鹿島工場と足利工場では設備の被害もある。それぞれの工場で生産していた具体的な製品は、小田原工場は「カラーベスト」、鹿島工場は「セラディール」、足利工場では「ネオロック」だ。
同社によると、滋賀工場や堺工場といった他の拠点でもこれらの製品を生産しているが、需要には追いついていないという。また、小田原工場は設備などの被害は少なかったが、東京電力が実施している計画停電などの影響が出てきた。生産力を回復するめどは立っていないという。
ニチハ
3月15日時点で同社がウェブサイトで公開した情報によると、ニチハのいわき工場(福島県いわき市、窯業系外装材製造)、子会社である高萩ニチハの高萩工場(茨城県高萩市、窯業系外装材製造)、子会社であるチューオーの若柳工場(宮城県栗原市、金属系外装材製造)の操業を止めている。
同社は他にも工場はあるものの、操業を停止している工場の生産分をカバーすることができない状況だという。
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11 住宅や電力、義援金の提供、不動産会社による支援広がる 2011/3/18 日本経済新聞系
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東日本大地震(東北地方太平洋沖地震)による被災地などに対して、不動産会社各社から様々な形で支援する動きが広がっている。
アパマンショップネットワークは震災直後の3月12日に、宮城県内にある鉄筋コンクリートの賃貸マンション10室を1カ月間、無償で提供することを決めた。被災者のなかで(1)65歳以上の高齢者、(2)10歳未満の子供のいる世帯、(3)妊婦または妊婦を含む世帯――が対象だ。定期借家契約で、先着順で終了となる。
森ビル(本社:港区)は東京電力の電力不足を支援するため、六本木ヒルズにある発電設備から電力を提供する。期間は3月18日~3月31日だが、4月1日以降も東京電力と協議のうえ継続する予定だ。6時~20時に4000kW(一般家庭1100世帯分相当)、20時~6時に3000kWを東京電力に提供する。
森ビルは併せて、5000万円の義援金提供を決めた。ほかにも寄付を表明した不動産会社は多い。三菱地所が1億5000万円の義援金を提供するほか、三井不動産(1億円)、住友不動産(1億円)、米ジョーンズ ラング ラサール(1億円)、森ビル(5000万円)、タクトホーム(5000万円)、アーネストワン(3000万円)などが寄付を決めている。
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12 日本建築学会が災害調査方針を決定 2011/3/17 日本経済新聞系
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日本建築学会の災害委員会(委員長、林康裕京都大学大学院教授)は、3月17日に、東日本巨大地震に対する災害調査の方針を決定した。
第1の原則は、各支部ごとに、各支部内の被害状況を調査すること。第2の原則は、各支部が対応できない場合には、「災害委員会+情報収集支援室」が調整役になって、支援体制を整えること。
これは、被害が甚大だった東北支部(仙台市)から、「今は、建築関係の調査団を受け入れることはできない、自重して欲しい」との要請を受けたための処置である。東北地方の被災状況の調査希望者および調査支援希望者は、今後、災害委員会を通じて行動することになる。
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13 55階まで30分…都心の超高層マンションに潜む不安 2011/3/23 朝日新聞
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東日本大震災では、首都圏の高層マンションで暮らす住民も大きな揺れに見舞われ、エレベーターの緊急停止で階段の上り下りを余儀なくされた。快適な摩天楼の暮らしに潜む不安や苦労も浮かび上がった。
東京都中央区の超高層マンションの55階に住む主婦(32)は11日午後2時46分、1人でいたリビングで地震に遭い、とっさにテーブルの下に隠れた。ゆっくりした横揺れが5分程度続き、天井のシャンデリアが30~40センチ揺れた。
度重なる余震が怖くてテーブルの下に潜ったまま、長男(5)と次男(1)を預けている保育園や夫に電話をかけ続けたが、1時間余り経っても通じない。午後4時ごろ、「らちが明かない」と保育園に迎えに行くことにした。
ところが、高さ約180メートルの55階から十数秒で1階に到達するエレベーターが緊急停止していた。巡回中の警備員から「故障がないか点検中で、復旧の見込みは立っていない」と聞き、やむを得ず非常階段を10分で駆け下りた。
約3キロ先の保育園はバスに乗れば15分で着く。だが、この日は保育園の送迎バスが中止され、路線バスも満員で乗れず、40分かけて徒歩で向かった。その途中で携帯電話が保育園とつながり、子どもの無事が確認できた。
子どもと一緒にマンションに着いたのは午後5時半ごろ。3階の共用ルームでエレベーターの復旧を待つうちに午後7時になり、子どもが空腹を訴えたため、まず1人で55階まで階段を上り、背負えるタイプのベビーカーを担いで3階へ。ベビーカーに次男を乗せて背負い、長男の手を引いて再び55階まで上った。
「長男も子供心に『大変な事態だ』と感じたのか、わがままも言わず、小さな荷物も持ってくれた」。それでも20階に1回ずつの小休止が必要で、上るのに30分かかった。結局、この日は自宅と保育園の往復に普段の8倍の4時間を費やすことになった。
15日夜、静岡県で震度6強を観測した地震で再び照明が大きく揺れた。4日前の恐怖がよみがえり、壁の額などを外した。医師の夫は被災地に派遣される可能性もある。「夫がいないときに地震が来たら子ども2人と非常階段で下りられるか、心配です」
■ひざを痛めた85歳、24階から階段降り…
JR三鷹駅に近い超高層マンションの24階に住む永守ヒロさん(85)は地震発生時、編み物をしていた。激しい揺れにしゃがみ込み、グランドピアノの脚にしがみついた。「どうしたらいいの」と叫んだが、息子夫婦は外出中で誰もいない。
船酔いするようなゆったりした横揺れで、食卓や食器棚からコップなどが次々に落ちて割れ、部屋のドアがバタンバタンと開閉した。
「とにかく外へ」と、自宅を出たが、エレベーターは止まっていた。調子の悪い腰とひざにも構わず、7~8分かかって階段を1階まで下りた。たどり着いた瞬間に足が痛み始めたが、フロントの担当者から渡されたひざ掛けとコーヒーで人心地ついた。
午後6時半ごろに非常用エレベーターが動き始め、自宅に戻った。「揺れが怖くて、もうだめだと思った。夢中だったから下りられたのでしょう」と振り返る。
地震以後、外出を控えるようになった。足の痛みに加え、再び大きな揺れがあってエレベーターが止まり、家に戻れなくなることが心配だからだ。被災地を思い、知人との食事会も取りやめた。17日に初めて買い物に出て米屋に並ぶ人の多さに驚いた。
■余震のたびに壁に亀裂
中央区の40階を超えるマンションの一つでも余震のたびに部屋全体が回るように揺れ、キー、キーときしむような音が天井や壁から聞こえた。
船酔いするような揺れは高層マンション特有のものだ。過去の地震でも同様の現象が起き、そのたびに管理会社が「構造に問題はない。揺れを逃がすための音」と張り紙で説明してきた。今回の地震でも、安全を強調する張り紙が次々と入り口やエレベーター内に張られた。
同じマンションで震災翌日、大型スーツケースを引いた中年夫婦がフロントを訪れた。「壁にひびが入って粉が落ちてきた。こんな危ないマンションには住んでいられない」と怒鳴った。慌てた管理会社員が引きとめ、夫婦と共に室内の点検に向かった。
31階に住む女性の住居では居間に2カ所、トイレに1カ所、壁紙に亀裂が入っていた。余震のたびに亀裂は上下に広がり、天井から床まで一直線に。はがれかけた壁紙の内側の石膏(せっこう)ボードにも幅1~2ミリの亀裂が入っていた。
管理会社によると、石膏ボードの継ぎ目がずれて亀裂が生じた可能性が高い。構造的な危険性はないが、全住戸を対象に被害状況のヒアリングを行っている。
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14 公示地価、三大都市圏で底打ち感 震災前の調査 2011/3/18 朝日新聞
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国土交通省が17日発表した2011年の公示地価(11年1月1日現在)は、全国で住宅地、商業地ともに3年続けて下落したものの、東京、大阪、名古屋の三大都市圏を中心に下落率が縮小し、底打ち感が強まった。ただ、11日発生の東日本大震災で、東日本を中心に評価額が土地取引の参考にならない事態となっている。
公示地価は、一般の土地取引や、公共事業用地を取得する際の価格の算定基準になる指標の一つ。全国2万6千地点を調査した。
全国の平均下落率は、住宅地が2.7%(10年は4.2%)、商業地も3.8%(同6.1%)と、前年に比べて縮小した。三大都市圏の下落率は、東京が住宅地1.7%(同4.9%)、商業地2.5%(同7.3%)、大阪は住宅地2.4%(同4.8%)、商業地3.6%(同7.4%)、名古屋は住宅地0.6%(同2.5%)、商業地1.2%(同6.1%)だった。
地価の上昇地点数は、前年の7から193に増えた。うち152地点は住宅地。地価が値ごろになり、金利優遇や住宅ローン減税なども下支えし、マンションや戸建て需要が回復した。
この動きは、商業地にも波及。前年の上昇地点数は全国で1地点だけだったが、今回は35に増えた。川崎市中原区や名古屋市中区などの商業地は、マンション開発がきっかけで上昇した。
だが、震災の発生で、事態は一変。今回、岩手県の下落率は横ばい、宮城と福島県は縮小したものの、津波被害が甚大だった太平洋岸を中心に評価は意味をなさなくなっている。国交省の岩城豊・地価調査課長は「1年ぐらいの短期では被災地の地価にマイナスに働く。ただ、復興次第で長期的には回復するかも知れない」とする。
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住宅関連新聞記事ダイジェスト No.376 2011/3/17~2011/3/23 Vol.3
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【読売新聞】
15 大震災に備える知恵 専門家がアドバイス
16 家庭での節電Q&A
17 地震保険、支払額最高に
18 「ご当地せっけん」17都道県42種
【日経産業新聞】
19 三大都市圏の公示地価、下落率が半分以下に
20 住生活、3工場で操業再開 建材やビル用サッシ製造
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15 大震災に備える知恵 専門家がアドバイス 2011/3/22 読売新聞
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地震保険 補償に限界も
東日本巨大地震の被災地救済と復興に向けては、ガソリンや電気の節約といったエコ生活の浸透が必要になる。
今後の危機に対する備えのテクニックも不可欠だ。そんな時代に必須の知恵は何か。読売新聞で好評の連載企画「くらし本」にこれまでに登場してもらった著者に今、改めてそれぞれの専門分野で“秘策”を披露してもらった。
はじめに登場してもらったのは保険に詳しいファイナンシャルプランナーの清水香さんだ。地震保険がどこまで役に立つのかを聞いた。
まず地震保険の仕組みだが、地震や津波で建物や家財が完全に流失したり破損したりした場合、契約していれば、保険金が払われる保険だ。多くの家屋が津波で流された今回の地震では保険契約額の100%が払われる例が多いと見られる。
ただ、これで万全、というわけでもないようだ。地震の揺れで門や塀が壊れたり、食器棚が倒れて食器が破損したりした場合、清水さんは「建物の主要構造部に損傷がない場合や、家財については、家財総額の10%以下だと、地震保険の保険金は払われない」という。
また、地震保険は火災保険とセットで契約しなければならず、設定できる保険金額は火災保険の50%までしか掛けられない。
「国や自治体から得られる支援金は限られているので、いざというとき、まとまったおカネが入るのはありがたいが、再建費用として十分とは言えないかも知れない」とも話している。
地震保険は、家計が成り立たなくなるような壊滅的な被害に備えるためのもので、なんとか負担できる程度の損害をカバーするものではないとの認識が必要なようだ。
地震保険の請求期限は事故から3年。保険証券がなくても契約は有効だ。支払い対象になるかどうか分からない場合も、念のため損害状況の写真を撮っておいたり、発生した費用の領収書をとっておいたりすると良い。
◇
家電 使用減らして
計画停電が実施されている地域で困るのがオール電化住宅。停電時はコンロも使えないので、カセットコンロなどを使うことになるが、ガスボンベも品薄なので節約したい。家事・収納アドバイザーの本多弘美さんは「ガスコンロで鍋物を作り、煮立ったら火を消して、鍋をタオルでくるんで保温しましょう」と助言する。
節電のため、洗濯機を回す回数も減らしたい。バスタオルは一度使ったら干して乾かすなどの工夫が必要だ。掃除も部屋の隅を雑巾などで毎日拭いておけば、掃除機は週1回でも快適に過ごせるそうだ。
◇
缶詰の汁 調味料に
手軽な「節約」食材である缶詰については、缶詰を使ったレシピ本「缶つま デラックス」の著者の間口一就(まぐちかずなり)さんに聞いた。「具材だけでなく、缶詰の中身も全部使い切ってしまいましょう」と提案する。缶詰の具を食べた後の汁やタレは野菜いためやチャーハンに使える。
間口さんのお勧めは、コンビーフとサバみその缶詰だ。味が濃く、ごはんやパン、めんなどと相性が良い。コンビーフにすき焼きのタレを混ぜ合わせて作るつくだ煮は、ごはんによく合う。冷蔵庫に入れておけば、2~3日は保存できるそうだ。
◇
非常用袋に現金を
震災時にどのぐらいお金を持っていたら良いかをファイナンシャルプランナー、横山光昭さんに聞いた。「非常時に財布に入れておく金額としては10万円が一つの目安だと思うが、それ以外にも、普段から、非常用リュックなどに、ある程度の現金を入れておくことを勧めたい」と話す。
その額については「『朝昼晩の弁当代×家族の数×7日』の計算式で決めると良い。3人家族で、1回の弁当代を500円とすれば、1週間で3万1500円。それにプラス・アルファした現金を非常用袋に入れて備えておけば、急な避難にも役立つ」と提案する。
◇
味濃いめで日持ち
スーパーなどでの品不足が指摘されているが、料理研究家の岩崎啓子さんは「どんな食材がどのくらい家族に必要かを落ち着いて考えてから買い物に行きましょう。節約にもつながります」と話す。
肉や鮮魚、野菜は「停電したらダメになる」と思われ、敬遠されているようだが、「3時間程度の停電なら、冷蔵庫を開けなければ、今の時期は鮮度に問題はない」そうだ。料理の味も少し濃いめにしておけば、より日持ちがするという。ジャガイモやニンジンといった「常温で比較的長く保存できる野菜を多めに確保しておくのも良い」という。
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16 家庭での節電Q&A 2011/3/19 読売新聞
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まずエアコン 調理器具などプラグ抜く
エアコンのフィルターのホコリを取ると、暖房効率が高まる
東日本巨大地震による電力供給不足で、家庭での節電が呼びかけられているが、効果的に行うためには、どんな点に気をつけたらいいのだろう。Q&A形式でまとめた。
Q 家庭内の節電といっても、何から始めればよいか。
A まずは、最も消費電力量の多いエアコンから。暖房時の目安は室温20度と言われてきたが、資源エネルギー庁は今回の地震を受けて、「19度以下に設定して」と呼びかける。6畳用エアコンの場合、設定温度を1度下げれば消費電力を10%削減できる。また、フィルターの掃除をすれば省エネ効果が6%高まる。
Q 暖かくないのでは?
A 設定温度を下げても重ね着すれば大丈夫。省エネルギーセンターの試算によると、ひざ掛けを使えば2・5度、カーディガンで2・2度、それぞれ体感温度が上がる。
また暖気が広く行き渡るように室内を片付けることも大切。夜はカーテンや雨戸を早めに閉めて熱を逃がさないようにする。
Q 冷蔵庫はどうだろう?
A 400リットルクラスの冷蔵庫では、設定を「強」から「中」に落として冷えすぎないようにすると11%の節電になる。食材を庫内の半分程度と控えめにしておくと、いっぱいに詰め込んだ時と比べ、8%ほど節電できるそうだ。
Q ほかの電気機器は?
A 照明はこまめに消す。つけたり消したりする時の電気を気にする人もいるが、つけっぱなしにする方が、より多くの電力を消費する。家族が同じ部屋で過ごし、使う照明器具を減らすといった工夫をすることも大事だ。
家庭内ではエアコン、冷蔵庫、照明器具、テレビの4種類で約7割の電気を使うことを知っておいてほしい。
Q まだ節電できることはあるか。
A 実は、家庭の消費電力量の6%を占めるのが、使わない時でもコンセントにプラグを差し込んだままの「待機電力」だ。パソコンや電気ポット、電気炊飯器、電子レンジなどは、使用時だけプラグを差し込むようにしたい。
アイロンやドライヤー、電気ストーブなどは停電復旧時に火災を招く危険性がある。プラグを抜けばその予防にもつながる。
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17 地震保険、支払額最高に 2011/3/18 読売新聞
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損保協会長が見通し
日本損害保険協会の鈴木久仁会長(あいおいニッセイ同和損害保険社長)は17日の記者会見で、東日本巨大地震に絡む地震保険の支払総額が、阪神大震災の783億円を上回り、過去最大になるとの見通しを示した。
具体的な金額には言及しなかったが、数千億円規模になるとの見方も出ている。
地震保険の支払いは、1150億円までは損保会社が負担し、それを超えた金額は国と民間で折半する仕組みのため、国の負担増も避けられない見通しだ。さらに、官民合わせた保険金の支払額が全体で1兆9250億円を超えた場合、超過額の95%分は国が負担することになっている。
保険金の支払い見込み額は、阪神大震災当時より地震保険の普及率が上がっていることなどから予測したという。支払額や件数は確定していないが、各社の業績については「経営に大きな影響を与えるほどではない」と強調した。
同協会によると、国と民間には合計2兆2919億円(2009年度末)の積立金があり、このうち民間分は約1兆円あるため、民間の保険金の支払い負担はこの範囲でまかなわれる可能性が高いという。
支払総額がまとまる時期について、鈴木会長は「一定の時間がかかる」と述べるにとどまった。
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18 「ご当地せっけん」17都道県42種 2011/3/18 読売新聞
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渋谷で展示、巨大地震の募金も
色や香りも様々なせっけんが集まる 地域の特産品などを使ったご当地せっけんを集めた展示会「にっぽん石けんコレクションin代官山」が、東京都内で始まった。
東日本巨大地震で被災した岩手、宮城県の2社も参加しており、会期中に募金活動も行う。
日本の物作りを応援し、地域活性化を目指す企画で、デザイン制作などを行う「プラスディー」主催。生活に身近で、地域色豊かな固形せっけんに着目して出展を呼びかけ、17都道県から42種類が集まった。
岩手県からは桑の葉エキスを使ったせっけん、宮城県からはレトロな包装の「坊っちゃん石鹸(せっけん)」が出展されている。2社は被災し、通常の業務にはほど遠い状況という。
他にも香川県・小豆島のオリーブオイルを使ったものや、静岡県の緑茶を使った鮮やかな黄緑色のものなどがある。色や香りだけでなく、泡立ちや使用後の感触も様々。手を洗って使い心地を試せるコーナーも設けている。
募金の他、せっけんの販売も行い、売り上げの10%を被災した2社へ送る。企画した杉原広宣さん(38)は「地域を元気にしようと企画したものなので、展示会を通して被災地へ応援しているという気持ちを届けたい」と話している。
入場無料。クリエイターズギャラリー&ショップ「プラスディー」(東京都渋谷区)で、29日まで(23日は休み)。問い合わせはプラスディー(03・5875・3675)へ。
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19 三大都市圏の公示地価、下落率が半分以下に 2011/3/18 日経産業新聞
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国土交通省が17日発表した1月1日時点の公示地価は全国平均(全用途)で前年比3.0%下落し、3年連続で前年を下回った。ただ下落率は改善した。基準地点約2万6000のうち前年比で上昇した地点は193と前年の7から増えた。
三大都市圏は住宅地、商業地ともに下げ幅はいずれも前年の2分の1以下に縮小。住宅地はマンション販売が回復傾向にあり、デベロッパーが都心部で用地買収を加速していることが影響した。
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20 住生活、3工場で操業再開 建材やビル用サッシ製造 2011/3/18 日経産業新聞
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住生活グループは17日、リビング建材製造のトステム須賀川工場(福島県須賀川市)など3工場で操業を再開したと発表した。東日本巨大地震の影響で操業を停止していたが、社員や生産設備の安全が確認できたため。今後は原料調達や物流、計画停電などの影響を見極めながら生産を続けるとしている。
ビル用サッシ製造のトステム土浦工場(茨城県土浦市)とサイディング製造のトステム岩井工場(茨城県坂東市)も操業を再開した。一方、住宅用サッシ製造のトステム一関工場(岩手県一関市)など地震の影響が大きかった4つの工場は操業停止を続ける。
住宅関連新聞記事ダイジェスト No.375 2011/3/10~2011/3/16
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住宅関連新聞記事ダイジェスト No.375 2011/3/10~2011/3/16 Vol.1
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【日本経済新聞】
1 被災地発・陸前高田 大津波で何もかも失ったまち
2 東証が住宅価格指数を配信開始
3 東日本大地震の被災状況、34REITで出そろう
4 【MIPIM】参加者は昨年比7%増、投資ムードの回復示す
5 特報:太陽光発電の自立運転で計画停電に備える
6 被災地発:都内では瓦や外壁の落下が多数
7 特報:東日本大地震で建材・設備の生産と納品に遅れ
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1 被災地発・陸前高田 大津波で何もかも失ったまち 2011/03/16 日本経済新聞系
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東日本巨大地震陸前高田市地震事故・トラブル被害. 東日本巨大地震で最も大きな被害が出たとみられている岩手県陸前高田市。気象庁が太平洋沿岸における津波注意報を3月13日に解除したことを受け、14日早朝から入った。
2010年に実施された国勢調査の速報値によると、陸前高田市の世帯数は7794。人口は2万3302人だ。岩手県のまとめによると14日現在、このうち9252人が避難生活を余儀なくされている。また死者70人、行方不明1282人の人的被害が判明した。国勢調査結果に比べ、県のまとめは1万人単位で人数が整合していない。つまり1万人以上の人たちが安否不明だ。また県は建物被害について、「家屋被害多数」と記すのみだ。
まず高台から被災地を俯瞰するため、同市高田町猪苗代地区付近で自動車を停めた。だが、建物はまったく見当たらなかった。大津波が襲った時間、このあたりでは濁流が渦巻いていたはずだ。
ぬかるみにはまりながら、海側を目指す
坂を下り、市街地中心から見て北東側から海側を目指した。比較的標高の高い被災地域では、巨大津波が運んだとても目の細かな泥が表面を覆っている。泥を撤去して復旧させた道路から外れた途端、長靴がぬかるみにはまった。なかなか前に進めない。周囲では何もかもが流されていた。
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2 東証が住宅価格指数を配信開始 2011/03/15 日本経済新聞系
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東京証券取引所は4月26日から、住宅価格指数の配信を開始する。財団法人東日本不動産流通機構(東日本REINS)が2000年以降に不動産仲介会社から収集した、中古マンションの売買成約価格に基づくもの。首都圏全体と、東京、神奈川、千葉、埼玉の各都県の指数を毎月ホームページで公開する。
この東証住宅価格指数は、米国の代表的な住宅インデックスであるケース・シラー指数を手本として、早稲田大学の川口有一郎教授が国土交通省の委託を受けて進めた研究に基づいて開発された。
ケース・シラー指数は、単純化されたモデルではなく市場での実際の取引価格から算出するのが特徴だ。リピート・セールス法と呼ばれる手法を使っており、ある住戸が中古市場で取引され、さらに時を経て再販された場合に新旧の価格を比較する。米国では戸建て住宅を対象とした指数が代表的だが、東証では多数のサンプルを集められることなどから、中古マンションを対象とした。同じ建物のうち、広さや階などの特性が同じ区画の取引価格を比較する。
サブプライム問題の発生以降、銀行のバランスシートを時価評価する手段の一つとして住宅価格指数は大きな注目を集めた。米国ではケース・シラー指数を使った先物商品も取引され、住宅の値動きに対するリスクヘッジ手段としても定着している。ただし、東証は今回の配信を試験公開と位置付けており、デリバティブの組成に利用することは当面認めていない。
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3 東日本大地震の被災状況、34REITで出そろう 2011/03/15 日本経済新聞系
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各REITの被災状況 東日本大地震(東北地方太平洋沖地震)に関連して、運用資産が九州に限定される福岡リート投資法人を除くREIT(不動産投資信託)34法人すべての被災状況が、3月14日までに出そろった。
日本リテールファンド投資法人では、仙台市泉区にあるイオン仙台中山において内装や設備に被害が出ており、営業を休止している。運用会社の三菱商事・ユービーエス・リアルティによると被害状況は調査中で、現段階では営業再開の時期について確定的なことは言えないという。
そのほか仙台においては、ジャパンリアルエステイト投資法人、日本プライムリアルティ投資法人、ユナイテッド・アーバン投資法人、ビ・ライフ投資法人などの運用資産に外壁クラックなどの被害が出ている。ただし、いずれも軽微なもので、運用に重大な影響を与えることはないもようだ。
一方、東京周辺でも被害を受けた物件があった。グローバル・ワン不動産投資法人と阪急リート投資法人が共有している、品川区東品川2丁目のスフィアタワー天王洲では、漏水が発生して一時は全館が停電になった。3月14日時点では一部のフロアを除いて復旧している。
森トラスト総合リート投資法人が運用するイトーヨーカドー新浦安店では、周辺地域の一部液状化現象に伴い、外構の一部が最大60cmほど沈下したという。
産業ファンド投資法人はIIF東雲ロジスティクスセンター、IIF新砂ロジスティクスセンター、IIF習志野ロジスティクスセンターで軽微な被害が生じたことを報告。また、3月14日付で取得予定だったIIF厚木ロジスティクスセンターII、IIF横浜都筑ロジスティクスセンター、IIFさいたまロジスティクスセンターの3物件については、念のため外部専門家による調査を実施することとし、取得の延期を決めた。
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4 【MIPIM】参加者は昨年比7%増、投資ムードの回復示す 2011/03/15 日本経済新聞系
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90カ国から参加者を集めたMIPIM。屋外でも活発な交流が持たれた 3月11日金曜日、今年22回目を迎えたMIPIMが閉幕した。対前年で7%増となる1万8400人余りが90カ国から参加し、不動産金融市場の回復傾向を実感させるものとなった。ファンドマネジャーなどの投資家層約4000人をはじめ、世界の不動産デベロッパー、設計事務所などが参加した。米国での不動産取引高の急回復を反映して、同国からの参加も例年になく増えた。
MIPIMの政治色も強まり、100人以上の市長や行政、政治家など公的機関のトップが会場を訪れた。ロンドン市長のBoris Johnson氏、ニューヨーク大学のNouriel Roubini博士らが基調講演を行ったのは、不動産金融が世界の政治・経済との強い関わりを持つようになった背景によるものだろう。
主催企業である仏Reed MidemでMIPIM責任者を務めるFilippo Rean氏は、最終日に行われた記者会見で、「今年はより国際的な参加者を得て、グローバル市場の動向を見極めながら前向きな戦略を構築する場となった。今後も不動産業界との結束を固めるとともに、公的機関との協力でMIPIMの重要性を高めていきたい」と語った。これに続き、Jones Lang LaSalle とCB Richard Ellis、Cushman & Wakefieldなどの大手不動産会社の代表が登壇し、グローバル市場の最新動向を発表した。
Cushmanは、2011年の世界の不動産取引高は、北米と新興国の回復に先導されて5~10%近く伸び、4850億ユーロ(約5兆6000億円)に達すると予測する。欧州市場では15%近い投資の増加を見込んでいる。中東の政情不安に起因する、資産家らの資金がロンドンに大きく流入しているのもその背景にあるようだ。一方、アジア市場には2010年、東京、上海などの主要都市を中心に約2940億ユーロが投資され、世界の取引の50%強を占めた。今年は中国の地方都市(セカンドティア・シティ)に注目が集まると予想する。
MIPIMが開催されたカンヌからは地中海らしい青い空と海が望めるものの、時折さすような冷たい風に見舞われた。参加者にとっても、金融不動産市場の現状そのものともいえる、遅い春の天候だったのではないか。
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5 特報:太陽光発電の自立運転で計画停電に備える 2011/03/14 日本経済新聞系
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東日本巨大地震自立運転太陽光発電太陽光発電所ネットワーク計画停電住宅. 東日本大震災の影響で、東京電力は地区ごとに3時間ずつ停電する「計画停電」の実施を発表した。これをうけてNPO法人太陽光発電所ネットワークは、「自立運転」の活用を太陽光発電ユーザーに呼び掛けている。
太陽光発電システムの自立運転とは、発電した電気を売電せず家電製品などに直接利用する方法だ。まさに停電に備えた機能と言える。これを利用できるのは「自立運転コンセント」を装備する機種に限られるが、約9割が該当するという。
手順は、住宅分電盤のブレーカーを主電源用、太陽光発電用の順に遮断し、本体を自立運転モードに切り替える。さらに、パワーコンディショナに付いている自立運転コンセントに延長コードをつないで、延長コードを電気製品に接続する。自立運転コンセントの位置や自立運転モードへの切り替え操作は機種によって異なる。
自立運転を終了後は、最初と逆の手順で元に戻す。
手順で厳守したいのは、自立運転コンセントを延長コードにつなぐこと。太陽光発電所ネットワーク理事の國井範彰さんは、「延長コードではなく家庭用の電気配線に直接つなごうとする人がいるが、そうすると近隣に発電した電気を供給してしまう恐れがある」と説明する。
使える容量は1.5kWまで
自立運転で使える家電製品には制約がある。まず、自立運転コンセントの容量は1.5kWを上限とする場合が多いので、容量がそれ以下の製品に限られる。例えば1.5kWを超えるエアコンやオーブンレンジは、起動しないか動作が不安定になるという。電源が切れると故障する可能性のあるデスクトップパソコンやハードディスクも、接続を避けた方がいい。
下の表は、太陽光発電所ネットワークの会員が自立運転でいくつかの家電製品を使ったときの結果だ。國井さんは、「太陽発電の出力が1.5KW以上になると、携帯電話の充電やブラウン管テレビ、電気ポットが安定的に使えるようになる」と話す。
太陽光発電所ネットワーク会員による自立運転の実験結果(資料:太陽光発電の賢い使い方 停電・災害時の自立運転コンセントの活用)
環境省は自立運転の詳しい解説書 「太陽光発電の賢い使い方 停電・災害時の自立運転コンセントの活用」をインターネットで公開している。太陽光発電所ネットワークが編集協力したものだ。
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6 被災地発:都内では瓦や外壁の落下が多数 2011/03/14 日本経済新聞系
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東日本巨大地震住宅ビル建物被害モルタル瓦外壁落下. 3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震は、東京都内に建つ戸建て住宅や中低層ビルにも、被害をもたらした。老朽化した建物からの瓦や外装材の落下が多く見られる。
中野区と国分寺市を歩いて見つけた被害を報告する。
中野区内に建つ木造賃貸住宅では、地震によって屋根の棟瓦が破損。道路には屋根に使っていた土が落ちていた。
応急処置に当たっていた瓦職人は「昔の棟瓦は積み重ねて土で固めただけなので、地震に弱い。棟以外の瓦はクギで固定していたので落下せずに済んだ。棟瓦は鉄筋や銅線で固定しておく必要がある」という。建て主によると築44年で、浴室の壁にもクラックが入ったという。
この建物の周囲には、同じように棟瓦が破損した老朽住宅が2棟あった。
地震によって外装材が剥がれた店舗も2棟見つけた。いずれもかなり劣化している。中野区内の1棟は、木造2階建ての木ずり板からモルタルが大きく剥落していた。
国分寺市内の鉄骨造3階建てビルでは、外壁のコーナー部分に大きな亀裂が入り、前面道路が通行止めになっていた。
総務省消防庁災害対策本部によると、地震で損傷した都内に建つ建物の棟数は3月14日15時30分までで234件。うち229件が一部破損だ。
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7 特報:東日本大地震で建材・設備の生産と納品に遅れ 2011/03/14 日本経済新聞系
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「キッチンが納品されない。どうすればいいのか」――。ツイッター(ミニブログ)にある工務店の悲痛なつぶやきが書き込まれた。それに呼応するかのように、他の住宅会社からも建材や設備の納品が遅れだしているという書き込みが続いた。2011年3月11日、世界最大級のマグニチュード9.0を記録した地震「東日本大地震」の影響が、住宅業界にもじわりと現れ始めたようだ。
そこで、いくつかの建材・設備メーカーに地震の影響を尋ねた。
納品に遅れが出たクリナップ
キッチンメーカーのクリナップは、拠点の一つである「いわき事業所」の生産がストップしている状態だ。同社の説明によると、工場の設備自体には大きな被害は出ていないという。問題は水道や電気、道路といったインフラが復旧していないことにある。ただし、部材供給元の企業にも一部地震の被害が出ているようだ。そのため、別の部材供給ルートを探すなどして対応を図っていくことも検討しているという。
3月上旬に受注した製品がまだ生産できていないと同社は説明する。インフラが回復し次第生産に取りかかる方針だが、いつからになるかは不明だ。
トステムは長期化すれば影響も
「地震の影響が長期化すれば西日本エリアなどにも今後影響が出る可能性もある」――。大手サッシメーカーのトステムは、こう説明した。
同社の場合、北関東から東北地方に掛けて複数の工場があるが、倒壊といった大きな被害を受けた工場はなかったという。例えば、岩手県にある一関工場では一部建物にひびが入ったり、設備がずれたりといった影響があった程度。現在は停電しているため内窓などの樹脂サッシの生産を止めている状態だ。
気がかりなのが、東京電力が予定している計画停電の影響だ。トステムによると、横浜市や前橋市の工場が計画停電の対象となるため、生産に影響を与える可能性があるという。今後、どのような生産計画を立てていくか、同社のウェブサイトなどで情報を提供していく予定だ。
YKK APは影響を確認中
YKK APは大規模工場の一つである東北事業所で地震の影響が出ている。宮城県大崎市にある同生産拠点では、住宅向けのアルミサッシ、アルミ樹脂サッシ、エクステリア、断熱玄関ドアなどを生産している。
工場の被害は少ないようで、建物などに一部損傷がある程度という。倒壊などの被害はない。設備に関する被害は調査中で、生産再開の見通しは立っていないという。同社によると、他の工場に生産を振り分け対応する方針だが、どの程度納品の遅延などに影響するかは分からないようだ。
ニチハ、セイホクは確認できず
状況が把握できていないため混乱しているメーカーもある。外装材メーカーのニチハは、厚物高級サイディングの専門工場であるいわき工場が被害を受けたようだ。「工場が倒壊したという情報はないが、生産は止まっている。社員の安否確認を優先しているため状況は分かっていない。設備の損傷状態などについては調査中で、対策についてもこれから検討する」と回答した。
宮城県石巻市の海沿いに工場が集中していた合板メーカーのセイホクは、工場との連絡が全く取れていないという。社員の安否を優先に状況の確認に注力している状態だ。
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住宅関連新聞記事ダイジェスト No.375 2011/3/10~2011/3/16 Vol.2
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【日本経済新聞】
8 特報:耐震補強中の長大トラス橋が損傷、首都高・荒川湾岸橋
9 日銀がREIT購入枠を拡大、震災対応で一段の金融緩和
10 【災害】仙台市では外観上で大きなダメージがあるビルも、三鬼商事
11 特報:停電時の便器洗浄法は? TOTOがウェブで公開<追加情報あり>
12 【災害】東日本大地震でREIT資産は軽微な損傷にとどまる
13 特報:原発事故、「揺れではなく津波が原因」と東電社長
14 【災害】巨大地震発生で各REITが被害状況を調査、海外では保険負担にも関心
【朝日新聞】
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【読売新聞】
15 復興住宅融資受け付け
16 敷金の返還 トラブル増加
【日経産業新聞】
17 サンウエーブとINAX、システムキッチンを刷新
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8 特報:耐震補強中の長大トラス橋が損傷、首都高・荒川湾岸橋 2011/03/14 日本経済新聞系
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東北地方太平洋沖地震によって、首都高湾岸線の新木場~葛西間にある鋼ゲルバートラス構造の荒川湾岸橋に損傷が生じた。首都高速道路会社が3月14日に発表した。この橋はIHIインフラシステムが耐震補強工事を実施中だった。
首都高速道路会社によれば、荒川湾岸橋は橋長840mの7径間ゲルバートラス橋で、1978年に供用を開始。08年6月に耐震補強工事をIHI(現在は橋梁子会社のIHIインフラシステム)が受注した。落札金額約68億円(消費税を除く)という大がかりな補強工事だ。
損傷箇所は19カ所。主に横支材と下横構との接合部、横支材と対傾構との接合部に損傷が生じている。耐震補強工事の内容はまさに、接合部である当て板を補強することがメーンだった。
同社によれば、損傷したのは未施工箇所だったようだ。通行止めを10日後には解除することを目標に、応急復旧を急いでいる。
一般的な高架橋に比べ、長大橋の耐震補強は設計と施工が難しいので時間がかかる。首都高をはじめ高速道路各社はここ数年、耐震補強対象として最後に残った長大橋の工事に取り組み始めたところだった。
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9 日銀がREIT購入枠を拡大、震災対応で一段の金融緩和 2011/03/14 日本経済新聞系
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日本銀行は3月14日正午から開始した金融政策決定会合において、REIT(不動産投資信託)を含むリスク資産買い入れのための基金を、5兆円程度積み増すことを決めた。このうちREITの買い入れ枠は500億円程度。2010年10月の「包括的な金融緩和策」で打ち出した500億円規模の買い入れと合わせ、総額1000億円規模のREIT投資口購入が可能になる。
東日本大地震(東北地方太平洋沖地震)の発生を受けて、企業マインドの冷え込みや金融市場におけるリスク回避姿勢の高まりが予想されている。これらが実体経済に悪影響を及ぼすことを日銀は警戒しており、リスク資産を買い入れることで、市場を下支えする考えだ。基金の増額は2012年6月末をめどに完了する。
地震の発生を受けて3月14日の東証REIT指数は、前日終値の1181から一時は973にまで下落。最終的には1005で引けた。日銀が2010年10月に初めてREIT購入の方針を打ち出した際には、東証REIT指数が大幅な上昇に転じているが、今回は災害規模が大きいだけに経済に与える影響も大きく、買い入れ枠拡大がどの程度のマインド改善につながるかは未知数だ。
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10 【災害】仙台市では外観上で大きなダメージがあるビルも、三鬼商事 2011/03/14 日本経済新聞系
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三鬼商事(本社:中央区)の調査によると、東日本大地震の影響で仙台市中心部の大通りに面した175棟のオフィスビルのうち、14棟に外観上大きなダメージがあることがわかった。倒壊や傾斜など、使用不能と思われるビルはなかった。
調査は13日に現地で実施した。仙台市の主要ビジネス地区(駅前、一番町周辺、県庁・市役所周辺、駅東、周辺オフィス地区)にある362棟のうち、大通りに面した175棟について外観から被害状況を判断したものだ。結果は以下のようになっている。
1)無傷
95棟
2)外観上ダメージはあるが、短時間の復旧で使用できそうなビル
66棟
3)外観上強いダメージがあり、復旧に時間がかかりそうなビル
14棟
4)倒壊やフロア崩壊、ビルの傾斜などにより使用不能に見えたビル
0棟
ビルとして使用可能であっても設備関係(エレベーターや空調など)にダメージがある場合には、復旧までに1カ月程度かかる可能性もある。調査結果は三鬼商事のウェブサイトでも見ることができる。
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11 特報:停電時の便器洗浄法は? TOTOがウェブで公開<追加情報あり> 2011/03/14 日本経済新聞系
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停電TOTO断水便器東日本巨大地震. TOTOはウェブサイトで「断水・給水制限・停電時のトイレ使用について」を公開中だ。断水時の便器洗浄法、給水制限などによる水圧不足時のタンクレス(水道直圧式)便器の洗浄法、停電時の便器洗浄法について、同社製品のケースを例に使用法の情報を公開している。URLはhttp://www.toto.co.jp/News/dansui_teiden/index.htm
<追加情報>INAX、パナソニックも同様の便器洗浄法をウェブで公開している。
INAX:http://www.inax.co.jp/img/notice_0314_01.pdf
パナソニック:http://sumai.panasonic.jp/teiden/toilet/index.html
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12 【災害】東日本大地震でREIT資産は軽微な損傷にとどまる 2011/03/14 日本経済新聞系
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全35REITの地震関連発表および被害状況 3月11日に発生した東日本大地震(東北地方太平洋沖地震)に関して、REIT(不動産投資信託)運用資産の被災状況が徐々に明らかになってきた。運用に重大な影響を与える被害は発生していないものの、一部のREIT物件では軽微な損傷が生じたもようだ。
仙台市内に運用資産を持つREITは16法人。運用資産は住宅26物件、オフィスビル13物件、商業施設2物件、ホテル1物件の合計42物件だ。その他の東北地方を含めると、17法人が47物件を運用している。
地震が発生した3月11日から14日早朝までの、各REITの地震関連発表を集計したところ、上記17法人のうち4法人は被害状況を調査中。12法人は「運用に重大な影響を与えるような被害は生じていない」としている。ユナイテッド・アーバン投資法人によると、仙台市のアルボーレ仙台で天井板の一部が剥離(はくり)したり、スプリンクラーの破損によって漏水が発生したりといった軽微な損害が発生しているもの、運用に大きな影響はないという。
一方、東北地方に運用資産を持たない18法人においても、14日早朝時点で10法人が何らかのコメントをウェブサイトに掲載している。このうち日本ロジスティクスファンド投資法人は、東京・神奈川・千葉・埼玉にある物件の一部で敷地の液状化や施設壁面のクラック、シャッターの破損といった被害が生じたことを明らかにしている。
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13 特報:原発事故、「揺れではなく津波が原因」と東電社長 2011/03/13 日本経済新聞系
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東日本巨大地震津波原子力発電所東京電力福島第一原発. 東京電力の清水正孝社長は3月13日夜、東北地方太平洋沖地震発生後に初めて記者会見を開き、福島第一原子力発電所1号機が被災した原因を「地震による揺れではなく、想定外の津波が非常用電源にかかり機能しなくなったため」と説明した。
地震動の揺れに対しては、地震発生直後に原子炉を緊急停止することに成功している。ところが、その後に炉を冷却しなければならないが、津波の影響で非常用電源などの設備が水につかったため機能しなかった。
国内の原子力発電所は、地震動に対しては厳しい耐震基準を設けている。一方、津波に対して十分な安全性を考慮していたかどうかは今後、議論になりそうだ。
同社はウェブサイトで、「過去最大の津波を上回る、地震学的に想定される最大級の津波を数値シミュレーションにより評価し、重要施設の安全性を確認しています。また、発電所敷地の高さに余裕を持たせるなどの様々な安全対策を講じています」と説明している。
福島第一原発が実際、どの程度の規模の津波を受けたのかは明らかではない。ただ、「過去最大の津波を上回る」規模を想定していたのなら、「想定外」という言葉を安易に口にすべきではない。
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14 【災害】巨大地震発生で各REITが被害状況を調査、海外では保険負担にも関心 2011/03/12 日本経済新聞系
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3月11日午後2時46分に発生した東北地方太平洋沖地震を受けて、REIT(不動産投資信託)各社が被害状況の把握に追われている。宮城県仙台市に運用資産を所有するREITは16法人で、物件数は42。東北地方全域では17法人、47物件に上るもようだ。
前日に仙台で2棟の賃貸マンションを購入したばかりのアドバンス・レジデンス投資法人は地震後、「保有物件への影響については調査中です。詳細は判明次第お知らせいたします」との発表をウェブサイトに掲載した。9物件と仙台で最も多くの物件を所有する日本賃貸住宅投資法人やその他のREITも、続々と同様のコメントを掲載している。
地震発生を受けて、不動産証券化協会(ARES)は3月11日と12日に予定していた「Jリートフェア2011」の開催を中止した。会場となった千代田区丸の内の東京国際フォーラムは、安全確保のため立ち入りが規制され、展示物の撤去ができない状況だという。
世界各国から支援の申し出が寄せられるなか、海外では早くも今回の地震に対する保険会社の負担にも関心が集まり始めている。Wall Street Journalは「壊滅的な被害だが、日本の住宅所有者や企業は保険を買うことに消極的なので、世界の保険市場が最も重い負担を強いられるということはないだろう」と報道。一方、Bloombergは「日本の保険会社と政府で負担は吸収されるが、その後に世界の再保険会社は100億ドル(8000億円)規模の損失に直面する可能性がある」との専門家のコメントを紹介している。
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15 復興住宅融資受け付け 2011/3/15 読売新聞
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住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)は14日、東日本巨大地震の被災者向けに、住宅の再建や補修費用などとして低金利で融資を受けられる災害復興住宅融資の受け付けを始めたと発表した。
住宅が全半壊したことを示す罹災(りさい)証明書の交付を受けることが条件で、融資額は新築の場合は最大3260万円、補修の場合は最大1020万円。問い合わせは被災者専用ダイヤル(0120・086・353)で受け付ける。
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16 敷金の返還 トラブル増加 2011/3/11 読売新聞
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「原状回復」正しく理解
これからの季節、就職や転勤などで引っ越しをする機会が増える。賃貸住宅の退去に伴い、家主に預けた敷金が返還されるが、返還金の金額などを巡るトラブルが後を絶たない。
国の指針では、経年劣化などによる修繕費は支払う義務はない。国民生活センターなどは注意を呼びかけている。
経年劣化、一般の損傷は家主負担
70歳代の女性は昨年、1年数か月間一人で住んでいた賃貸アパートを退去した。不動産仲介業者から「畳替えとハウスクリーニングの費用を請求する」と言われた。後日届いた精算書では、これらの費用が敷金から引かれており、返還額は数百円だけだった。女性の保証人を務めた親戚は「特に汚したり壊したりということはないのに、おかしいのでは」と話す。
賃貸住宅に入居する際には、借り主は家主に家賃の1~2か月分程度の敷金や保証金を納める例が多い。借り主が家賃を滞納したり、不注意などによって建物に損傷を与えたりした場合は、その分を差し引いた残額が返還される。
この敷金や保証金をめぐり、「家主が精算に応じない」「敷金を超える高額な費用を請求された」といったトラブルが増えている。全国の消費生活センターに寄せられた相談は2006年度から増え続け、09年度は1万6767件に上った。今年度も1月末までに1万1650件になった。
国土交通省がまとめた「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」によると、借り主の故意や過失などで建物に損傷を与えた場合は、借り主の負担で復旧する義務があるが、通常の使い方で生じた損傷や建物や設備の経年劣化を修繕する費用は、家主が負担すべきだとされる。
例えば、家具を設置したことによるカーペットのへこみや、壁のクロスの日焼け、新しい入居者を獲得するためのハウスクリーニングなどは、家主の負担とされる。一方、掃除や手入れを怠ったために生じた風呂やトイレの水あかやカビなどは、借り主の負担とされる。
国民生活センターは「原状回復は入居時の状態に戻すことではないが、家主、借り主の理解は進んでいない。認識のずれがトラブルにつながる例も多い。家主が負担すべきだとされる費用は支払う義務がないので注意を」と呼びかける。国交省のガイドラインに法的な拘束力はないが交渉の材料にできる。東京都はイラスト入りでより分かりやすい「賃貸住宅トラブル防止ガイドライン」をまとめており、都の都市整備局のホームページからダウンロードできる。
弁護士の犬塚浩さんは「退去時の立ち会いにはしっかりと準備して行くことが大切」と指摘。あらかじめ賃貸契約書を読み直し、ガイドラインと照らして負担が大きくないか確認しておくことを勧める。
また、賃貸住宅の契約では通常の使い方で生じた損傷や経年劣化の修繕を借り主の負担としたり、無条件で敷金の一部を控除したりする特約もあるが、こうした特約を無効とした判例もある。行政の無料相談や消費生活センターに相談することを勧める。
犬塚さんは「新しい賃貸住宅に入居する際にも、契約内容をしっかり確認して、納得してから入居を」と助言する。
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17 サンウエーブとINAX、システムキッチンを刷新 2011/3/14 日経産業新聞
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住生活グループ傘下のサンウエーブ工業とINAXは、システムキッチン3シリーズを全面改良して4月1日に発売する。サンウエーブが住生活グループ入りして初めての共同開発品で、サンウエーブブランドで販売する。
「サンヴァリエ リシェル」と「同アミィ」「同シエラ」の3製品。サンウエーブが強みとする収納機能とINAXが得意とする清掃性を両立した。
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住宅関連新聞記事ダイジェスト No.375 2011/3/10~2011/3/16 Vol.3
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【日経産業新聞】
18 積水化学、子育て世帯向け平屋 水回り手入れしやすく
19 総合地所と長谷工、長期間使用できるマンション
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18 積水化学、子育て世帯向け平屋 水回り手入れしやすく 2011/3/11 日経産業新聞
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積水化学工業は10日、平屋建て住宅の新商品を26日に発売すると発表した。「子育て主婦の応援」をテーマに受注活動を展開し、家事の負担を軽減する設備を導入。耐久性の高い部材を使用することでメンテナンス費用を抑える。大容量の太陽光発電システムを搭載すれば光熱費削減にもつながる。新商品投入で平屋商品全体の受注を年600棟にまで引き上げる。
発売する「楽の家ファミリースタイル」は、鉄骨系「セキスイハイム」と木質系「ツーユーホーム」に対応する。シャワーで流すだけで皮脂の汚れが落ちる浴槽や、手入れのしやすいトイレを標準で採用。約10年間フィルターの取り外しが不要なレンジフードも搭載しており掃除の負担軽減につながる。屋根の面積が広いため大容量の太陽光発電システムを搭載でき、光熱費をゼロに抑えることも可能という。耐久性の高い外壁材や屋根材を使用することで維持・管理費も抑えられるようにした。
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19 総合地所と長谷工、長期間使用できるマンション 2011/3/10 日経産業新聞
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総合地所と長谷工コーポレーションは埼玉県志木市で開発中のマンションを3月下旬に発売する。配管の交換などメンテナンスしやすい構造として長期間住み続けられるようにした。間取りを多様なパターンから選べる仕組みを取り入れる。2012年3月以降の入居を予定している。
「志木の杜(もり)レジデンス」は両社が開発する商業施設、住宅、高齢者福祉施設などを備えた複合施設「SHIKITO」内に設ける。建物は11階建て2棟で総戸数は319戸。住戸の広さは73~97平方メートル。価格は75平方メートルで2600万~2900万円の見通し。
住宅関連新聞記事ダイジェスト No.374 2011/3/3~2011/3/9
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住宅関連新聞記事ダイジェスト No.374 2011/3/3~2011/3/9 Vol.1
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【日本経済新聞】
1 世界最大の不動産コンファレンスが仏カンヌで開幕
2 テナントに省エネ分の還元を、共益費にも問題
3 不動産マーケットはこうして勝ち抜く:第5回「長期」「短期」以外のビジネスチャンス
4 標準内装で大量の未使用廃棄、オフィス研究会が見直し要望
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1 世界最大の不動産コンファレンスが仏カンヌで開幕 2011/3/9 日本経済新聞系
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MIPIMが開催されている仏カンヌの会場
現地時間の3月8日火曜日、仏カンヌで不動産コンファレンスのMIPIM(ミピム)が開幕した。4日間の会期中に集まる参加者は約2万人。欧州投資業界の中心的なイベントであると同時に、北米やアジアなどに拠点を置くグローバルファンドのマネジャーが集結するイベントだ。日経不動産マーケット情報は一昨年と昨年に続き、現地からの速報をお送りする。
今年のキャッチコピー「Building Connections」が象徴する通り、金融危機後のMIPIMは実務的な商談スペースとしての性格を年々強めてきた。欧州系のファンドや投資銀行のなかには数十人、百人単位で社員を送り込む会社も多く、普段は各国に散らばっている同僚たちが一堂に会する貴重な機会ともなっている。5月のカンヌ映画祭で知られる会場のパレ・デ・フェスティバル周辺は、高級ホテルが立ち並ぶ南仏屈指のリゾート地。しかし、今の時期は打って変わって、スーツ姿の人々で埋め尽くされている。
ロンドン、パリといった大都市から南太平洋の小国まで、世界各国から政府要人から来日して投資家へのアピールを繰り広げる展示会場で、これまで日本はどうしても埋没しがちだった。しかし、今年のMIPIMでは50を超えるパネル・ディスカッションや講演が予定されるなか、日本市場をテーマにしたセッションがイベントのオープニングを飾り、一定の存在感を示している。
建造キャピタルのLeonard Meyer社長の司会のもと、玄海キャピタルマネジメントの松尾正俊社長、三菱商事の村田弘一氏(新産業金融事業グループCEO補佐、不動産開発事業ユニットマネージャー)が登壇した。多くの海外投資家を含む会場の聴衆に対して、松尾氏は市場データから東京の不動産市況が底を打った現状を分析。国内の大手不動産会社が本格的に動く前の今のタイミングが、海外の投資家にとってまたとない“買い時”であると語った。東京からはJPモルガン証券のJesper Koll株式調査部長がテレビ会議で参加し、携帯電話の基幹部品やITサービスに代表される技術立国としての地位は揺るがないと解説した。
会期中配布される公式ニューズレターでは、西郷真理子氏(まちづくりカンパニー・シープネットワーク社長)が初日の表紙を飾った。香川県高松市丸亀町など複数の中心商店街の再生に関わっている彼女のプロジェクトは、10日木曜日に開催される都市開発分野のコンテスト「MIPIMアワード」にノミネートされている。このニューズレターには本誌も2ページの特集記事を提供し、海外投資家の日本への理解促進に向けて一役買っている。
今後、本誌では欧米ファンドのトップエグゼクティブを含めて、現地で拾い集めた参加者の生の声を届けていく予定だ。
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2 テナントに省エネ分の還元を、共益費にも問題 2011/3/7 日本経済新聞系
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「テナントオフィスビルの省エネ還元研究会」は、テナントに省エネのインセンティブが働くような仕組みが必要だと提案した。賃料とは別枠になっている共益費についても、見直すべきだと指摘している。共用部のエネルギー費・運用費と、専用部の時間内空調費とが同じ共益費の枠で計上されており、中身を把握しにくい形になっていることが理由だ。
(注)「テナントオフィスビルの省エネ還元研究会」の資料を基に作成
研究会はオフィスビル総合研究所(本田広昭代表)の呼びかけで2年前に発足。3月2日に東京都千代田区の丸ビルホールで開催した「テナントオフィスビルの新しい価値創造シンポジウム」で、研究成果を発表した。
自社ビルでは所有者と利用者の利益が一致するのに対し、不特定のテナントが利用する賃貸オフィスビルでは、所有者と利用者の利益が必ずしも一致しない。クールビズの導入とともにオフィスの室温が高く設定され、テナントが我慢を強いられたり作業能率が落ちたりすることがある。省エネがテナントの利益に結びついていない現状に対する疑問から、研究を開始した。この間、テナント企業、ビルオーナー、設計事務所、コンサルタント会社、オフィス仲介会社などの専門家が議論を重ねてきた。
省エネに関しては、エネルギー使用量とコストが連動し、エネルギーを減らした分だけコストが下がるようにするべきだと訴えている。これによってテナントの省エネ意識が高まり、ビルオーナーと一体となって納得ずくの省エネ活動が進められるという考えだ。
明朗な会計には、エネルギー使用量をテナントごとに計量することが前提となるが、セントラル方式の空調設備のように個別に対応できないビルも多い。実測できない場合は、標準に対する温度の高低や時間の長短といった精算方法をあらかじめ決めておき、運用することも可能だ。将来は、空調を含めてエネルギーの計測ができるような建物設備にして、テナントが自由にコントロールできるようにすることが理想だと説明した。
納得して入居することが大事
以下は、シンポジウムのパネルディスカッション参加者の主な話。
・省エネに熱心なテナント企業が、フロアの照明を自費でLEDに変えたいとビルオーナーに提案。オーナーから「どうぞご自由に。でも出ていくときには蛍光管に戻してください」と言われ、やめた話がある(原状回復の画一的な運用が、テナントの省エネ意欲をそぐ例として紹介)。
・入居前に電気代がいくらか聞かないのに、入ってから「思った以上に高い」と言うテナントがたくさんいる。これはテナントの責任だ。契約なのだから、電気代や空調費がいくらか確認して、納得して入ることが大事だ。
・エネルギー費の内訳をテナントに示せるビルもあれば、示せないビルもある。それはビル側の商品力の差で、テナントが評価する。内訳を出せないところが駆逐されるのは市場原理であって、しかたのないことだ。
・テナントにとって、データの見える化はとても大切。何も見えない形で進むのはいいことではない。見える化によってテナント側のコストが上がることになっても、「何がいくらで、だからこうだ」という説明がつけば、会社も納得する。
・CO2を減らさなければいけないのは、オーナーもテナントも一緒。減らすことに対してテナントにもインセンティブが働く仕組みにしたら、皆がハッピーになる。
・不動産業界では60年前の賃料モデルをいまだに引きずっている。実態にそぐわないのだから、変えればいい。
■パネルディスカッション参加者
<パネリスト>
金子衛氏 日本ビルヂング協会連合会
田村卓士氏 ソニー
奥山正秀氏 ドイツ証券
杉本健一氏 三井不動産
伊澤成人氏 CWファシリティソリューション
河原透氏 日建設計
<司会進行>
本田広昭氏 オフィスビル総合研究所
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3 不動産マーケットはこうして勝ち抜く:第5回「長期」「短期」以外のビジネスチャンス 2011/3/4 日本経済新聞系
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長期・短期という観点からは語ることができない「裁定を効かせた不動産投資」を考えてみます。不動産の利用の方法は様々であり、時代とともにその利用のされ方も変化していきます。それに伴って生じる価値のギャップに着目して利益を上げるのです。
不動産会社のなかには、賃貸中のマンションを1戸または複数戸単位で取得して、いずれ売却するというビジネスモデルで利益を得ているところもあります。家賃を受け取りながら運用した後に、賃借人が退去したタイミングで簡単なリフォームを施して、自己居住用の中古マンションとして売却するのです。
賃貸マンションの価格は「家賃収益÷利回り」で計算できる収益性に基づいて取引されますが、自己居住用のマイホームとしてのマンションの価格には、購入者が持つマイホームへの憧れやこだわりがプレミアムとして乗るために、通常は前者より後者の方が高くなります。本来、賃貸中のマンションとすぐ住めるマイホームは接点がないのですが、スター・マイカは、賃貸人が退去するまで待つという橋渡しをすることによって、両者の価格差を裁定しているのです。
このビジネスモデルの短所は、借地借家法によって守られている賃借人に強制的に退去を迫ることができないため、いつ空き家になるのか予想が立てにくいことです。同社は、ストックの規模を大きくすることで、退去時期の平均化を図り、また長期間テナントが使用し続けている物件は見切処分も行って、事業の安定化を達成しています。当初は1戸単位で買い集めることが多かったのですが、最近では取引単位を大きくして1棟ごと取得する例も増えています(下の表)。
いま多くの人たちは、「不動産の価格は、今後は大きな下落が続くこともなさそうだが、そうかといって大きな上昇が続くこともなさそうだ」と思うようになってきています。このような前提で不動産から利益を上げていくのは容易ではありません。しかし、不動産会社や投資ファンドが日本での活動を止めることはないでしょう。その理由を不動産会社の観点で考えるならば、不動産会社は開発を行うことで不動産の価値を高めることができるからです。投資ファンドが活動し続けるのは、一定の期間のなかでは割安と判断できる不動産が必ず現れてくるからです。リーマンショック後から最近に至るまでを見ても、資金繰りが悪くなったJ-REITが必要に迫られて鑑定評価額より低い価格で不動産を売却している例が見られます。
需要面から見て日本の不動産マーケットに大きな成長が望めないとしても、プロが活動する余地は多く残されていると言えます。そのプロの後ろには、運用先を求める莫大な国内外の資金が待機していることを忘れてはなりません。不動産の需要に関して起こる揺らぎのような変化を、資金の供給が増幅して大きな波にする。波の周期は比較的短くなってきているし、場所や物によっては上昇と下落の方向すら異なる──。これが、今後ますますはっきりしてくる不動産マーケットの新しい姿です。
表 分譲目的の賃貸マンションの1棟買い(まとめ買い)の取引事例も増えてきている
物件名 売り主 買い主 時期
晴海アイランドトリトンスクエアビュータワー
1号棟の38戸 イヌイ倉庫 スター・マイカ 2009年4月
ルネ鎌倉 植木 不明 トーセイ 2009年9月
コンフォール四谷 神鋼商事(神戸鉄鋼グループ) トーセイ 2009年12月
藤和シティコープ飛鳥山公園 インヴィンシブル投資法人 スター・マイカ 2010年2月
レフィーズ木場公園(競売) レジェンド・アーバン トーセイ 2010年3月
エコロジー落合レジデンスI・II 長谷工コーポレーション トーセイ 2010年3月
THEグリーンハウス白金台 大京リアルド トーセイ 2010年3月
クリオレミントンヴィレッジ国立イーストコート 明和地所 スター・マイカ 2010年7月
ヒルトップ横濱根岸 日本賃貸住宅投資法人 トーセイ 2010年8月
(資料:開示資料・日経不動産マーケット情報ほかの報道資料を基に三菱UFJ信託銀行が作成
この連載は、新刊書籍「不動産マーケットはこうして勝ち抜く」(三菱UFJ信託銀行不動産コンサルティング部著)のなかから、著者の了解を得て抜粋または一部を編集したものです。書籍に関する情報は、こちらをご覧ください。
書籍「不動産マーケットはこうして勝ち抜く」の内容
第1章 長期下落という現実のなかで
第2章 変化する不動産市場
(住宅、商業施設、物流施設、オフィス、ホテル、公的不動産)
第3章 世界のなかでの日本の不動産
第4章 プロの戦略を見て知る不動産マーケットの本質
第5章 明日の不動産マーケトを勝ち抜くヒント~企業の不動産戦略への処方箋~
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4 標準内装で大量の未使用廃棄、オフィス研究会が見直し要望 2011/3/3 日本経済新聞系
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賃貸オフィスビルの標準内装が、大量の未使用廃棄物を生んでいる。部分的に未施工でテナントに引き渡す方式を導入するなど、廃棄物を出さずに多様な空間を築く工夫が必要だ――。オフィスビル総合研究所(本田広昭代表)が組織した研究会は3月2日、東京都千代田区の丸ビルホールで開催した「テナントオフィスビルの新しい価値創造シンポジウム」で、このように提言した。
標準内装とは、賃貸オフィスビルの貸し主が提供する標準的な内装のこと。独自のデザインを施したいテナントは、使用していない標準内装を撤去して施工し直すため、「未使用廃棄」という無駄が生じている。
オフィスビル総研が組織した研究会の調べでは、東京都心部の大規模オフィスビルに入居したテナント19社における標準内装カーペットの変更率は25%に上る。1社あたり約800坪分のカーペットを未使用のまま捨てている計算だ。
パネルディスカッションでは森ビルの松本栄二氏が、カーペット未施工の状態での引き渡しをテナントが選択できる「クォータースケルトン仕様」の導入実績を紹介。標準以外のカーペットを選択する企業が全体の3分の1を占め、複数色を選べるようにしたことがテナントから喜ばれたと話した。床下配線工事が容易になり、入居工事の費用の削減や工期短縮につながる効果もあった。
日本マイクロソフトが品川グランドセントラルタワーへ本社を移転した際には、全体の60%の標準内装カーペットを張り替えた。同社の長坂将光氏は、画一的な標準内装が無駄を生む現実を踏まえて「日本でも多様性のある空間がつくりやすいようにしてほしい」と要望した。退居の際の、標準内装に戻す原状回復工事のコストを抑えるために、パネル装飾に工夫を凝らしていることも明らかにした。
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住宅関連新聞記事ダイジェスト No.374 2011/3/3~2011/3/9 Vol.2
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【日本経済新聞】
5 不動産マーケットはこうして勝ち抜く:第4回 長期投資の意義は分散と開発
【朝日新聞】
6 サッシ、3万棟で耐火不足 大手5社で国の基準下回る
7 賃貸マンション「更新料」訴訟3件 6月に最高裁で弁論
【読売新聞】
8 5社サッシ防火基準外、全国で3万棟使用
9 聴覚障害者用光る警報器、公共施設に義務化へ
10 全国に12の「未来都市」…経団連構想
11 雨水や生活排水 利用住宅
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5 不動産マーケットはこうして勝ち抜く:第4回 長期投資の意義は分散と開発 2011/3/3 日本経済新聞系
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日本の不動産の価格は全体では長期下落傾向にあります。それでは、日本の不動産に長期投資するプレーヤーはいなくなってしまうのでしょうか。答えは、長期投資の意義をどこに見出すかによって異なってきます。
巨額の資金を運用する機関投資家から見ると、日本の不動産マーケットは、分散の対象として資金を預けておくのに十分な大きさと安定感を持つ器であることは間違いありません。東京の不動産の規模はオフィスの床面積で見ても、ニューヨークの1.9倍、ロンドンの3.2倍もあって、世界最大なのです。グローバル投資の観点では、不動産に一定割合の投資をすることは常識になっています。例えば、韓国国民年金でも、資産規模の急拡大に伴ってポートフォリオの修正を図っており、これまではわずかだった不動産を含む代替投資の割合を、2014年までに大幅に引き上げようとしています。
不動産に投資するにあたっては、確かに現状は新興国の不動産に成長性があることは間違いないのですが、新興国の不動産マーケットは小さいうえに、政情不安や通貨危機といったリスクもつきまといます。分散の観点からすると、価格変動の底から天井までの半サイクルのなかで利益を上げることよりも、安定感のある日本の不動産に一定量の資金を張り付けておくことの意義が重要になるのです。
分散投資を行う投資スタイルにおいては、時間的にも分散して投資を行うことが合理的になります。もちろん、長期投資での不動産を割安に取得できるに越したことはないのですが、取得した不動産が確実に値上がりすることにこだわるよりは、むしろ他の資産も合わせた全体でのリスク量を小さくする方が、優先順位が高いはずなのです。そうであれば、特定の時点で不動産をまとめ買いするより、長期にわたって少しずつ買い続けた方が良いパフォーマンスが得られる可能性が高まります。
このことを、不動産投資インデックスのMU-CBex(マクベス)を使ってシミュレーションしてみます(下の図表)。都心5区にあるオフィスビルへの投資を考え、1999年にまとめて投資して10年運用した場合と、1999年から10年間一定額を継続して投資し続けた場合のキャピタルゲインを比較します。両者を比べると、定額継続投資の方が価格下落時には損失率が小さく、価格上昇時には利益率が大きくなることがわかります。不動産価格が、ここ最近10年間のような循環的な変動を繰り返すのであれば、安いときには一定の投資額に対して多くの不動産が買え、価格が高いときには購入量が抑えられることになります。
長期投資には、開発によって大化けすることへの期待もあります。都市部で不動産を保有していると、近隣地域に再開発の計画が持ち上がったり、建物の建て替えの連鎖が起きたりして、マーケット全体の変動からかけ離れて不動産が高く評価される時期に恵まれることがあります。長期に投資していると、そういう機会に遭遇する可能性が高まります。ときに価値のジャンプが起きることが、不動産投資の隠れた醍醐味でもあるのです。
この連載は、新刊書籍「不動産マーケットはこうして勝ち抜く」(三菱UFJ信託銀行不動産コンサルティング部著)のなかから、著者の了解を得て抜粋または一部を編集したものです。書籍に関する情報は、こちらをご覧ください。
書籍「不動産マーケットはこうして勝ち抜く」の内容
第1章 長期下落という現実のなかで
第2章 変化する不動産市場
(住宅、商業施設、物流施設、オフィス、ホテル、公的不動産)
第3章 世界のなかでの日本の不動産
第4章 プロの戦略を見て知る不動産マーケットの本質
第5章 明日の不動産マーケトを勝ち抜くヒント~企業の不動産戦略への処方箋~
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6 サッシ、3万棟で耐火不足 大手5社で国の基準下回る 2011/3/9 朝日新聞
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サッシメーカーの「YKK AP」「新日軽」「不二サッシ」の3社が、国の耐火基準を満たさないサッシ窓を出荷していたことが国土交通省の調べでわかった。すでにトステムと三協立山アルミでも同様の問題が判明しており、業界上位5社がそろって違法な商品を流通させていた。交換や改修が必要な住宅は計3万棟に上る見通し。
問題があったのは、窓枠の素材が室内側は樹脂、室外側はアルミを使った複層ガラスで、左右に引いて開閉する窓。2002年2月以降に出荷された戸建て住宅用で、窓枠がアルミだけのものより断熱性が高く、寒冷地や都市部で普及している。
YKKは「エピソード」、新日軽と不二サッシは「アルプラクラス K3」の商品名で販売した。不二サッシは新日軽に製造を委託していた。
建築基準法では、住宅密集地での延焼を防ぐため、20分以上、炎の熱に耐えてガラスが窓枠から外れない性能を求めている。しかし、公的な機関の試験で3社の商品は屋外からの炎では10分以内、屋内からの炎でも15分以内で燃え、ガラスが割れて窓枠から外れた。
問題の商品を使った住宅は都市部の耐火基準を満たさず、違反になる。3社の出荷数は戸数に換算して1万5千棟前後とみられる。
すでに耐火性能の不足が発覚したトステムは1万棟分、三協立山アルミは7千棟分が出荷され、耐火性の高い商品に交換したり、窓の外側に防火シャッターを取り付けたりといった対策を進めている。
木造住宅用のアルミサッシ・ドアでは、大手5社で100%近いシェアを占める。問題の商品を使った住宅には建築中の物件も相当数あるとみられる。年度末の今月は完成した新築住宅が建築主に引き渡されるピークで、問題発覚で混乱が広がる恐れもある。
現在は、サッシ窓が国の耐火基準を満たしているか否かは業界団体が書類だけで審査している。業界団体の承認を受ければ商品を出荷できるため、費用負担を嫌うメーカーは出荷前の耐火試験をほとんどしていないという。
昨年10月に国交省の抜き打ち検査で、三協立山アルミの商品で問題が発覚し、今年1月には業界1位のトステムでも問題が明らかになり、同省が3社にも自主調査を求めていた。三協立山と新日軽は、09年1月に発覚した、国の試験を受けるサンプル品だけ耐火基準を満たした偽装問題にも関与していた。
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7 賃貸マンション「更新料」訴訟3件 6月に最高裁で弁論 2011/3/5 朝日新聞
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賃貸マンションの契約更新時に入居者から「更新料」を徴収する契約が有効かどうかが争われた3件の訴訟について、最高裁第二小法廷(古田佑紀裁判長)は4日、借り手側と家主側の双方から主張を聞くための弁論を6月10日に開くことを決めた。
「消費者の利益を不当に害する契約は無効」とする消費者契約法に反するかをめぐり、高裁段階で判断が分かれたため、最高裁で統一した判断を示す見通しだ。
2009年8月の大阪高裁判決は「目的や性質が明確でなく、合理的な根拠を見いだすことは困難」と指摘し、高裁レベルで初めて無効と判断。一方、同年10月の同高裁の別の判決は、入居時に支払った礼金より低額だったことや、更新料がなければ当初の賃料が高くなる可能性があることから、「借り手が一方的に不利益を受けたとは言えない」と述べ、有効と判断した。
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8 5社サッシ防火基準外、全国で3万棟使用 2011/3/9 読売新聞
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国土交通省は9日、「YKK AP」(東京)、「新日軽」(同)、「不二サッシ」(神奈川)の3社が販売し、計約1万3000棟で使用されているアルミサッシが、建築基準法で定める防火基準を満たしていなかったと発表した。
この問題では、大手サッシメーカーの「トステム」(東京)、「三協立山アルミ」(富山)のサッシも基準外だったことがすでに判明。同省によると、5社が販売したサッシを使用した住宅は全国で計約3万棟に上るという。
このサッシは、火災時の延焼を防ぐために家屋の内外から高熱を受けても20分間、窓ガラスが脱落しないという基準が設定されているが、3社のサッシは7~12分間で脱落してしまったという。
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9 聴覚障害者用光る警報器、公共施設に義務化へ 2011/3/8 読売新聞
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光を点滅させて火災を知らせる聴覚障害者向けの警報器(都庁で)
総務省消防庁は、空港や駅、ホテルなど公共施設に対し、光を点滅させて知らせる聴覚障害者用火災警報器の設置を義務付ける方針を決めた。
消防法施行規則を改正し、ベル音などで異常を知らせるだけでなく、同時に光も使って伝えるよう求める。新築施設を対象に2013年度からの適用を目指す。
火事の際、聴覚障害者は火災警報器の音や館内放送が聞こえず、ホテルなどへの宿泊や1人での行動に不安を覚える人が多いという。一方で、消防車のサーチライトの明かりでぼやに気づいたというケースもある。
現行の規則には、自動警報器の音の大きさや設置場所に関する規定はあるが、音以外についての基準は示されていない。ストロボのような閃光(せんこう)を繰り返して火災を知らせる警報器が市販され、聴覚障害者が自宅に取り付けるなどしているが、公共施設に関しては、施設整備マニュアルで「警報装置は光及び音声」と示している東京都の施設やホテルなど、設置は一部にとどまっている。
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10 全国に12の「未来都市」…経団連構想 2011/3/8 読売新聞
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2~5年で実現目指す
日本経団連は7日、環境や医療、物流などの最先端技術を使った都市構想「未来都市モデルプロジェクト」の最終報告を発表した。12都市・地域で、地元自治体と大手企業などが協力し、今後2~5年で構想の実現を目指す。
例えば、千葉県柏市では、同市や三井不動産、東京大学などが連携し、二酸化炭素の排出が少ない住宅整備や、在宅で医療や介護サービスを受けられる高齢者に優しい街づくりを進める。
トヨタ自動車や住友化学が参加する愛知県豊田市では、プラグイン・ハイブリッド車の利用に必要な蓄電機器を備えた住宅建設などを目指す。
構想は、経団連が昨年12月発表した成長戦略「サンライズ・レポート」の中核部分で、各地で実証実験を行い、政府が早期導入を目指す「総合特区制度」に基づく規制緩和も活用する。
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11 雨水や生活排水 利用住宅 2011年3月8日 読売新聞
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日大工学部「ロハスの家3号」建設
V字形の屋根を持つ「ロハスの家3号」の模型を使って説明をする加藤教授(右) 石炭や石油など限りある燃料に頼らず、自然エネルギーのみでの生活を目指した大型研究施設「ロハスの家3号」の建設が3日、福島県郡山市の日本大学工学部で始まった。6月末に完成する予定。
同学部では2009年1月、太陽光などの自然エネルギーで冷暖房機器を動かすロハスの家1号を設置。昨年3月には、機器を使わず自然エネルギーを活用することで室内の温度調節を行う全面ガラス張りの2号が完成し、それぞれで学生が実験を行っている。
3号のテーマは、雨水や生活排水を再利用する「生活水の自給」。木造平屋建て(床面積92平方メートル)で、地下には屋根から得た雨水をためるタンクや浄化槽を整備した機械室を設置。台所や風呂、トイレ、寝室などがあり、1、2号に比べて一般住宅に近い作りになっている。水浄化や生活などに必要なエネルギーは、雨水と太陽光を取り入れるためにV字形に作られた屋根の太陽光パネルなどで供給する仕組みだ。
3号は、4人家族が住む想定で作られており、同学部によると、年間降雨量が約150立方メートルで、4人が1か月に使用する水を約30立方メートルとして計算すると、排水を利用すれば水の完全自給は可能だという。開発には、県内の中小企業を中心とした6社も協力する。
加藤康司教授は「持続可能な環境のためには、生活の拠点である家から二酸化炭素や汚水を出さないことが最も効果的。川の汚染が進み、健康被害も増えている今、水の利用は重要なテーマであり、再使用が可能だと示すことができれば、新たな産業おこしにもつながる」と話している。
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住宅関連新聞記事ダイジェスト No.374 2011/3/3~2011/3/9 Vol.3
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【読売新聞】
12 建物制限条例 役に立つ?
【日経産業新聞】
15 大成建設、超高強度コンクリート部材の製造技術を開発
16 住友林業、純和風住宅の旗艦モデル 世田谷で公開
17 中高年、共用施設や健康サービス希望 高齢期の住まい意識調査
18 東洋エクステリア、リビングの延長としても使えるガーデンルーム
19 住生活G、外装リフォームの工務店営業に力
20 住友3M、太陽光採光システムを強化 5年で300軒目標
21 三井不レジ、東京・国分寺にマンション 共用部電力を太陽光で
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12 建物制限条例 役に立つ? 2011/3/8 読売新聞
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高さ規制、地元任せ 住民不満
周辺の住宅の壁には反対の横断幕が(小平市鈴木町で) 建物の用途や高さなどを独自に制限できる条例を制定している自治体は、東京・多摩26市のうち16市にまで広がっている。ただ、制限する高さなどを事前に定めていないために、規制できないケースが相次いでいる。高層マンションなどの建築計画が突然持ち上がった地区の住民は、条例の存在意義がわからないと不満を訴えている。(斎藤健二)
「まったく頼りにならない条例だ」。小平市鈴木町にある「鈴の木台住宅」の自治会長、川西光治さん(79)は吐き捨てるように言った。
鈴の木台住宅は新小金井街道沿いにあり、都が約50年前に開発した閑静な住宅地。約140戸のほとんどが木造2階建て。川西さんによると、昨年7月、同住宅地内に予定されていた3階建ての老人ホームの建設計画が、突然、5階建てに変更されたという。
5階建てになれば、約50世帯の日照権が侵害される。住民側は「鈴木町有料老人ホームの建設を考える会」を結成し、ホームを3階建てにするよう建築主側に要求。都を仲介役に3回の話し合いを持ったが、「3階建てとは言っていない」などとする建築主側との話し合いは、不調に終わっている。
川西さんらは、昨年10月に施行されたばかりの「まちづくり条例」に基づき、市の指導を求めた。市によると、条例によって建築物の高さを制限するには、土地所有者らの3分の2以上の同意を得るなどして、その地区独自のルール(まちづくり計画)を策定することが必要だ=別図=。
しかし同住宅地の場合、建設計画が持ち上がる前に、ルールを策定していなかった。市まちづくり課は「開発計画が動き出してからでは条例では対処できない」との説明に終始し、住民をがっかりさせた。
まちづくり条例に詳しい日置雅晴弁護士(第二東京弁護士会)は「日本は都市法制の規制が少なく、『建築自由の国』と言われる。条例や計画などで事前に建築物の規制条件を定めておかなければ、開発を防ぐことはできないのが現状だ」と話す。
多摩市落合の旧ウェルサンピア多摩駐車場跡地では、地上19階建ての高層マンション建設計画が2009年10月に浮上。開発会社と住民との対立が深まっている。
市では07年6月に施行された「街づくり条例」に基づき、住民と事業者が話し合う調整会を、今年1月までに3回開催した。市が委嘱した3人の委員が話し合いの結果を検討し、調整会として勧告を出すことになっている。しかし、双方の意見の隔たりが大きく、市は調整役を降りてしまった。
こちらも小平市と同様、住民が事前に具体的なルールを作っておかなければ、制限できない仕組み。市都市計画課は「条例についてもっと住民に啓発する必要はあるが……」と言葉を濁す。住民側の団体「生活環境を守る会」の中谷喜久雄さん(64)は「これでは何のための条例かわからない」と嘆く。
首都大学東京の饗庭(あいば)伸准教授(都市計画)は「自治体は条例や計画について情報提供し、住民が使いこなせるよう、仕組みを工夫する必要がある」と指摘している。
◇
住民任せにせず、自治体が旗振り役となってまちづくり計画の策定を促しているケースもある。府中市は2007年4月に条例改正し、市が住民にまちづくり計画の作成を持ちかけることができる「まちづくり誘導地区」の制度を導入した。
法務省施設の転出が予定されている晴見町など3地区を指定し、跡地の利用方針などを決めた。高さ制限などは定めていないが、将来、都市計画法に基づき数値的な制限がかけられる「地区計画」へ移行する際に、この方針をたたき台とすることができる。都市整備部計画課は「住民のニーズを掘り起こしたい」と話している。
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13 賃貸「更新料」3訴訟、最高裁で6月10日弁論 2011/3/7 読売新聞
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賃貸住宅の契約を継続する際に支払う「更新料」は消費者契約法に反して無効だとして、借り主が家主に更新料の返還などを求めた3件の訴訟で、最高裁第2小法廷(古田佑紀裁判長)は4日、原告、被告双方の主張を聞く口頭弁論を6月10日に開くことを決めた。
更新料を巡っては、大阪高裁で「無効」が2件、「有効」が1件と判断が分かれており、最高裁が初の統一的な判断を示すとみられる。
3件の訴訟のうち、2009年8月と昨年2月の大阪高裁判決は、「更新料の契約条項は消費者の利益を一方的に害しており、無効」と判断し、家主側に返還を命じた。これに対し、同高裁の別の裁判部は09年10月、「更新料は、賃借権を延長する対価として入居時の礼金を補充、追加するもので必要性がある」として、借り主側敗訴の判断を示した。
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14 エネルギー自給自足へシステム開発 2011/3/3 読売新聞
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岐阜県が古民家で実証実験
燃料電池や太陽光発電などのエネルギー技術と小水力発電を組み合わせた新しい次世代エネルギーシステムを全国で初めて岐阜県が開発し、中山間地にある郡上市明宝の古民家で実証実験を始めた。
地球に優しいエネルギーで自給自足の生活をするのが目的で、将来的には災害時の孤立集落対策に活用する方針だ。
同システムが温室効果ガス削減を目指す環境省の「チャレンジ25地域づくり事業」モデル事業に指定されたのを受け、県が中山間地の郡上市と、都市部のJR岐阜駅の2か所で今年度から10年間にわたって実験する。事業費は約5億円。
実験では古民家の前に太陽光発電、屋内に燃料電池と蓄電池を設置したほか、近くの小川を利用した小水力発電、森林を活用するまきストーブも導入した。県は1日当たりの発電力を18~30キロ・ワットと予測。一般家庭の消費電力は1日10キロ・ワットとされることから、生活に必要な電力は十分まかなえると見込む。
古民家ではすでに今年1月から、美濃市の40歳代夫婦と名古屋市の20歳代女性が2週間交代で生活している。太陽光発電と燃料電池で電気と熱を供給し、余った電気は蓄電池にためて夜間に使ったり、獣害対策用の電気柵に充てたりする。実証実験は新年度も継続し、二酸化炭素の排出抑制効果などを調べる。
県によると、災害時に物流が途絶え、住民生活が困難になる「孤立予想集落」は、県内42市町村のうち25市町村の515か所で発生する。古田肇知事は「自給自足型のシステムが確立できれば、孤立集落になった場合も対応できると思う」と期待を寄せている。
県は次世代エネルギーシステムを6日に公開する。問い合わせは県商工政策課(058・272・8354)。(倉橋章、福島利之)
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15 大成建設、超高強度コンクリート部材の製造技術を開発 2011/3/9 日経産業新聞
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大成建設は8日、1平方センチメートル当たり3トンの重さに耐える超高強度コンクリート柱の製造技術を開発したと発表した。超高層マンションなどのコンクリート部材として早ければ1~2年以内に実用化する。火災を想定した耐火性能試験でも実用性を確認した。3トンの荷重に耐える圧縮強度のコンクリート部材の製造技術開発は世界初。
建設現場で打設するのではなく、工場で製造する「プレキャストコンクリート」として実用化する。セメントなどと練り混ぜる結合材を開発したほか、高温で短期間にコンクリートの強度を高める「高温養生方法」も開発した。
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16 住友林業、純和風住宅の旗艦モデル 世田谷で公開 2011/3/8 日経産業新聞
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住友林業は7日、東京都世田谷区で純和風住宅の旗艦モデルハウスを公開した。国産の杉を玄関建具や内部の柱、障子などに使用したほか、建物内外のタイルには信楽焼を採用。庭と建物を融合させた設計で四季の変化も楽しめる。強みとする純和風の特色を強めることで他社製品との差異化を図り、受注獲得に弾みをつける。
モデルハウスは世田谷区の住宅展示場「駒沢公園ハウジングギャラリー」内に新設。外観は傾きが緩やかな屋根や深い軒などが特徴。柱などには樹齢200年以上の秋田杉や吉野杉などを40年以上乾燥させたものを使い、木の質感を味わえる。居間から土間を渡る離れ部屋は茶室をかねた和室を設置。障子をあければ庭の風景を楽しめる。
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17 中高年、共用施設や健康サービス希望 高齢期の住まい意識調査 2011/3/7 日経産業新聞
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不動産協会が実施した高齢期の住まい方に関する意識調査によると、中高年は分譲型、賃貸型ともに、食堂などの共用施設や健康サービスの充実を望む傾向が強いことが分かった。
分譲型高齢者住宅に興味があると回答した958人のうち29%が「共用施設と健康サービス」の充実を希望。「介護サービスを重視する」とした人は24%だった。また希望する付帯設備として「診療所」と答えた人が最も多く、「健康管理室」や「レストラン」が続いた。賃貸型住宅に興味がある944人のうち25%が共用施設の充実に加え「若い世代と一緒に住める」ことを求めた。付帯サービスでは「看護師による健康チェック」など健康管理サービスの充実を求める声が最多だった。
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18 東洋エクステリア、リビングの延長としても使えるガーデンルーム 2011/3/7 日経産業新聞
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東洋エクステリアはガーデンルームの新製品「NEW 暖蘭物語」を発売した。腰の位置までの壁と組み合わせるタイプで、リビングの延長としても使える。ガーデンルームは住宅の雰囲気を変えられる特長がある。年間7億円の売上高を狙う。
英国風のデザインを採り入れた「スタイルA」とシンプルな「スタイルB」の2タイプ。スタイルAは腰までの外壁部分にタイルを張り付け、英国風のガーデンルームの雰囲気を再現できる。パネルは折戸式で、厚さ5ミリメートルのフロートガラスを使う。季節に応じて開閉が可能。本体色は6種類から選べ、降雪地域向けの製品も用意した。価格は105万3150円からで工事費などが別途かかる。
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19 住生活G、外装リフォームの工務店営業に力 2011/3/4 日経産業新聞
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住生活グループは戸建て住宅向けエクステリア分野のリフォーム事業を強化する。4月に東洋エクステリアを含む住生活グループの事業会社5社が合併するのを機に、これまで手薄だった工務店向け営業に力を入れるとともに、リフォーム施工しやすい商品の開発を加速する。売上高の4割以下にとどまる現在のリフォーム比率を、2013年度に5割以上に引き上げるのが目標だ。
これまで住生活は東洋エクステリアの営業網を通じてエクステリア商品を販売していた。同社の顧客はエクステリア専門の施工業者が中心で、リフォームが得意な工務店向けルートは手薄だった。4月の5社合併で「LIXIL」が発足することを受け、トステムやINAXと営業網を統一。サッシや水回り用品の営業ルートを使い、エクステリア製品でも工務店向け営業を充実させる。
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20 住友3M、太陽光採光システムを強化 5年で300軒目標 2011/3/4 日経産業新聞
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住友スリーエム(東京・世田谷)は3日、建物の屋上などから太陽光を採り入れて照明の補助として使う採光システムの事業を強化すると発表した。同社が独自開発した太陽光の反射率が高い建材の利用を働き掛ける。省エネ意識の高い商業施設や住宅などでの利用を見込み、5年間で300軒の受注を目指す。
3Mはポリエステル系フィルムを200層以上重ね、太陽光を99%以上反射させる建材を開発。銀やアルミをフィルムに蒸着させたり張り付けたりする従来素材よりも、2~4%反射率が高い。金属を使わないため酸化などによる劣化も少ないという。
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21 三井不レジ、東京・国分寺にマンション 共用部電力を太陽光で 2011/3/3 日経産業新聞
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三井不動産レジデンシャルは東京都国分寺市で開発中のマンションを5日に発売する。太陽光発電システムとリチウムイオン蓄電池を設置し、共用部の電気を供給する。カーシェアリングや電動アシスト自転車の時間貸しも導入し、生活の利便性を高めた。
「パークシティ国分寺」は総戸数331戸。専有面積は56~100平方メートルで、発電能力40キロワットの太陽光発電パネルを搭載。共用部で使い切れなかった余剰電力を蓄電するシステムも採用しており、雨天時に利用できるようにした。
住宅関連新聞記事ダイジェスト No.373 2011/2/24~2011/3/2
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住宅関連新聞記事ダイジェスト No.373 2011/2/24~2011/3/2 Vol.1
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【日本経済新聞】
1 不動産マーケットはこうして勝ち抜く:第3回 天井と底のシグナルを読み取れるか(下)
2 GAP入居のヒューリック銀座数寄屋橋ビルが完成
3 不動産マーケットはこうして勝ち抜く:第2回 天井と底のシグナルを読み取れるか(上)
4 SSJ品川ビルが完成、SCE入居で満室稼働
5 不動産マーケットはこうして勝ち抜く:第1回 正当性を増す短期投資
【朝日新聞】
6 住宅着工戸数、8カ月連続の増 1月
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1 不動産マーケットはこうして勝ち抜く:第3回 天井と底のシグナルを読み取れるか(下) 2011/3/2 日本経済新聞系
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マーケットの転換をキャッチするシグナルとして、金利を考えてみましょう。下の図は各金利の推移を表したものです。長期金利である長期プライムレートと10年物国債の利回りの動きを見ると、金利が下がった2002年から不動産取得を始め、金利が上昇した2006年から売却をすれば、準備の期間を含めても2002年~2007年の最もリターンが得られた「おいしい時期」を享受できたこととなります。そして、2010年に金利が下がってきたタイミングで再び不動産取引が活発化してきているのは、一部のプレーヤーがマーケットの底を読み取ったからであるように思われます。長期金利はマーケットの転換に先行して動いていそうです。
しかし、実際には、多くのプレーヤーは長期金利の上昇を見て投資の手仕舞いをすることはありませんでした。この程度の金利の上昇では、個々の投資案件のキャッシュフローに深刻な影響を及ぼさなかったからです。将来の金利上昇に対してはヘッジする方法もあったし、また、何よりも2006年には賃料が上昇していたので、金利負担の増加は収入の増加で補うという青写真が描けたのでした。
もう一つの観点として、不動産の投資利回り(キャップレート)と10年物国債利回りのような安全金利との差を取ってイールドギャップというものを求め、それが小さくなると投資妙味がなくなるという議論も頻繁にされていました。しかし、2006年当時は主要各国の不動産投資市場でイールドギャップが縮小していたので、比較の上で日本はむしろ優位にあると論じられていました。
つまり、キャッシュフローとかイールドギャップという理論的な面にとらわれていると、金利上昇から警戒のシグナルを得ることはかえって難しくなってしまうのです。投資プレーヤーは、金利上昇時にその背景にあるものとの関連に気を付けるべきなのでしょう。その意味では、短期金利の動向は直接的なメッセージを発信しています。2006年のゼロ金利解除の際には、将来の米国におけるサブプライムローン問題の影響を、政策がどこまで読み込んでいたかは不明です。しかし、不動産を含めた投資市場にたくさんの資金が流入するなか、何らかのショックが起こればマーケットはもろいのではないかとの危惧を高めていたとは考えられます。ゼロ金利解除そのものは、ただちに不動産ローンの金利には影響が出るものではありませんでしたが、実は、不動産マーケットに対するシグナルとしての重要性は、個々のプレーヤーが思う以上に大きかったのではないかと考えられます。
この連載は、新刊書籍「不動産マーケットはこうして勝ち抜く」(三菱UFJ信託銀行不動産コンサルティング部著)のなかから、著者の了解を得て抜粋または一部を編集したものです。書籍に関する情報は、こちらをご覧ください。
書籍「不動産マーケットはこうして勝ち抜く」の内容
第1章 長期下落という現実のなかで
第2章 変化する不動産市場
(住宅、商業施設、物流施設、オフィス、ホテル、公的不動産)
第3章 世界のなかでの日本の不動産
第4章 プロの戦略を見て知る不動産マーケットの本質
第5章 明日の不動産マーケトを勝ち抜くヒント~企業の不動産戦略への処方箋~
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2 GAP入居のヒューリック銀座数寄屋橋ビルが完成 2011/3/2 日本経済新聞系
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GAPの旗艦店が入居する「ヒューリック数寄屋橋ビル」。外観は、数寄屋橋の原風景である水辺と柳の情景をイメージした GAPの旗艦店が入居する店舗・オフィスの複合ビル「ヒューリック銀座数寄屋橋ビル」が3月1日、中央区銀座4丁目に完成した。設計費と施工費などからなる投資予定金額は約76億円。GAPの店舗は3月3日にオープンする。
ビルは、晴海通りと並木通りに面した角地に立地しており、数寄屋橋の原風景である水辺と柳の情景をイメージした外観が特徴だ。地上11階地下4階建て、延べ床面積1万1569m2の制震構造の建物で、全館の照明をLEDとした。地下2階部分で銀座駅のコンコースと接続している。
賃貸可能面積は7200m2、オフィスの基準階貸し室面積は516m2、天井高は3.0mだ。GAPの店舗は1階~4階に入居する。みずほ銀行は1階にATMコーナーを設けるほか、4フロアを賃借する。完成時点で全フロアのテナントが決まっている。
開発名:ヒューリック銀座数寄屋橋ビル
所在地:中央区銀座4-2-11(住居表示)
最寄り駅:地下鉄銀座駅徒歩1分
面積:土地961.36m2、延べ床1万1569.86m2
構造、階数(地上/地下):S・SRC・RC造、制震、11/4
用途:店舗、事務所
事業主:ヒューリック
設計者:久米設計・大成建設JV
施工者:大成建設・五洋建設JV
工期:2009年2月~2011年3月
投資予定額:約76億円
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3 不動産マーケットはこうして勝ち抜く:第2回 天井と底のシグナルを読み取れるか(上) 2011/3/1 日本経済新聞系
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短期投資で利益を上げるためには、価格変動の底で不動産を購入し、天井で売り抜けるのがベストです。それが確実にできるかというと、株式投資と同じで、成功する者がいれば失敗する者もいるというのが現状です。それどころか、不動産は株式のカラ売りのようなしくみがないために、下落局面ではだれもが損失のみを被ってしまい死屍累々の市場になります。
不動産は、売買の方針を決めてから取引が終了するまで数カ月かかることが珍しくありません。価格の天井で売却しようと決めてもその価格では売れない可能性が高いのです。それどころか、価格変動カーブの下落の過程では、多くの不動産は売却をすること自体ができません。下落過程では不動産に対する融資が厳しくなるため、取得意欲を持つ買い手がいたとしてもローンが借りられず、取引が実現しないからです。これによって、もともと低い不動産の流動性は、極端に落ち込むことになるのです。一見すると不動産はゆったりとした投資ができそうですが、時間があっても、そのぶん早目にマーケット転換のシグナルをキャッチしなければならないのです。
不動産の賃貸収益に関係が深いファンダメンタルズと言うべき指標があります。オフィスビルの空室率はその代表的なものです。図1は、東京でオフィス賃貸市場の動きが典型的に表れる中央区のオフィスビルの空室率と、不動産の収益性に影響を受けやすい不動産業種(プロ)同士が取引した不動産の金額を示したものです。2007年度上期まで空室率は低下していたにも関わらず、取引はすでに減少の動きが出ています。また、2008年度上期になると空室率の悪化が始まりますが、このときは取引の激減が起こっているので、空室率の変調を見てから不動産を売ろうとしても手遅れになるのです。
オフィスビルの空室率とマーケットの関係は理屈通りにはいかず、マーケットの変化の後に空室率にも変化が出ます。したがって、短期的な投資を行うのであれば、ファンダメンタルズが向上あるいは悪化し続けている途中のどこかで、他者より先んじて逆の行動を取る必要があるわけです。
マーケットが天井を打つ前に、金融機関の貸出姿勢からシグナルを得ることができるでしょうか。図2は不動産証券化協会が定期的に行っている「不動産投資短観調査」における、金融機関の貸出態度に関するアンケート調査結果を時系列に並べたものです。2006年12月から「悪い」という回答が出てきているので、これをシグナルとして重要視して不動産の売却に着手すれば、その後の下落からは確実に逃れられたかもしれません。しかし、この時点で多くのプレーヤーは、「借りられないのは何らかの問題を抱える一部の限られたプレーヤーとその不動産であって、自分たちは関係ない」と判断していました。シグナルは、自らのことに関連付けて感じ取るのが難しいのです。気がつかないこともあれば、現状を否定したくないという意識が働いてシグナルを排除してしまうこともあります。
この連載は、新刊書籍「不動産マーケットはこうして勝ち抜く」(三菱UFJ信託銀行不動産コンサルティング部著)のなかから、著者の了解を得て抜粋または一部を編集したものです。書籍に関する情報は、こちらをご覧ください。
書籍「不動産マーケットはこうして勝ち抜く」の内容
第1章 長期下落という現実のなかで
第2章 変化する不動産市場
(住宅、商業施設、物流施設、オフィス、ホテル、公的不動産)
第3章 世界のなかでの日本の不動産
第4章 プロの戦略を見て知る不動産マーケットの本質
第5章 明日の不動産マーケトを勝ち抜くヒント~企業の不動産戦略への処方箋~
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4 SSJ品川ビルが完成、SCE入居で満室稼働 2011/3/1 日本経済新聞系
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芝浦シヤリング(本社:港区)がJR品川駅近くで建設を進めてきたSSJ品川ビルが、2月25日に完成した。地上18階地下2階建て、延べ床面積約3万m2のオフィスビルだ。三菱地所がプロジェクトマネジメントを手がけた。ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)がオフィスフロアを一括して賃借し、満室で稼働する。同社は今年夏にも入居する予定だ。
SSJ品川ビルは、1985年竣工の芝浦シヤリングビルの建て替えプロジェクト。JR品川駅港南口から徒歩4分、旧海岸通り沿いに立っている。斜向かいには、2010年11月に完成した中日新聞社の品川フロントビルがある。ソニーシティ(ソニー本社ビル)にも近い。
基準階は330坪で、天井高は2.8mを確保した。Low-E ガラスや自動調光設備を採用するなど、環境にも配慮した。総合設計制度を活用して容積率の割り増しを受けている。開発にあたっては、三菱地所が事業企画、テナントリーシングを手がけている。設計・監理は三菱地所設計、施工は鹿島が担当した。SSJ品川ビルの1階部分には、セブン-イレブン・ジャパンの店舗が入居する。
オフィステナントのソニー・コンピュータエンタテインメントは2010年8月に、港区南青山2丁目のTK南青山ビルからソニーシティに本社を移転している。今回、SSJ品川ビルに移転するのは、港区赤坂8丁目の赤坂王子ビルと赤坂7丁目の青山安田ビルに入居しているオフィスだ。赤坂王子ビルでは約2000坪を賃借している。青山安田ビルでは約1900坪を賃借しているようだ。
開発名:SSJ品川ビル
所在地:港区港南1-6-27(住居表示)
面積:土地3711.61m2、延べ床2万9942.98m2、賃貸可能床1万7500m2
構造、階数(地上/地下):S・SRC造、18/2
用途:事務所、店舗、駐車場(74台)
プロジェクトマネジメント・リーシングマネジメント:三菱地所
事業主:芝浦シヤリング
設計・監理者:三菱地所設計
施工者:鹿島
完成後の運営管理:三菱地所プロパティマネジメント
工期:2009年5月~2011年2月
PAL低減率(計画時):15%
ERR(計画時):25%
テナント:ソニー・コンピュータエンタテインメント、セブン-イレブン・ジャパン
【注】PALは、建物の断熱・遮熱性能を単位面積あたりの年間熱負荷で示したもの。PALが小さい(PAL低減率が大きい)ほど、建物の断熱性能が高いことになる。ERRは設備の省エネ効率を基準値からの低減率で示したもので、ERRが大きいほど設備の省エネ性能が高い。
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5 不動産マーケットはこうして勝ち抜く:第1回 正当性を増す短期投資 2011/2/28 日本経済新聞系
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三菱UFJ信託銀行不動産コンサルティング部は2011年2月、書籍「不動産マーケットはこうして勝ち抜く」(日経BP社)を出版した。書籍では大きく変化する不動産マーケットを豊富なデータで読み解くとともに、今後、不動産投資や不動産活用をいかに進めればいいのかについて、様々なヒントを提供している。書籍のなかから不動産投資のプロの戦略に関する部分を抜粋して、5回にわたって連載する。
金融危機直後、短期的なローンを組み合わせて不動産投資をしていたファンドが次々に破綻し、今後は10年、少なくとも5年以上を想定した長期的な投資資金でないと不動産を買いに来ることはないのではないかと思われていました。ところが、落ち着きを取り戻した不動産マーケットで動きが目立つのは、意外にも再び3年や5年といった短期的・中期的な投資スタイルです。
下の図表は、不動産証券化協会が定期的に行っている不動産私募ファンド実態調査の結果の一部です。私募ファンドの予定運用期間を見ると、2006年は実に63%が3年未満の短期であり、5年未満に広げると85%のファンドが含まれていました。2009年になると3年未満が25%、5年未満が61%と極端な短期志向は減少していますが、マーケットが悪くなって底ばいのような状況になっても、決して長期投資が主流にはなっていないのです。
かつて日本の私募ファンドが短期志向だったのは、短期での高い利回りを求めていた海外からの投資家に日本のアセットマネジャー(AM)が応えたことがきっかけだったと思われます。5年以上先の不確かな毎年の利回りの継続より、IRRとして提示される数年先のリターンの方がはるかに説得力があったからです。いま不動産投資マーケットに戻ってきているのも、このような数年単位の利益をねらう資金です。
米国のフォートレスやブラックストーンといったヘッジファンドは、担保ローンの購入を通じて割安不動産への投資を積極的に行っています。特にフォートレスは、2010年に国内ファンド会社のダヴィンチ・ホールディングス向けの債権を買い取って関与を深めたり、日本市場に特化したファンドを設立したりするなど、日本でも活動を始めていることが報道されています。結局、次の不動産マーケットを活性化させるのも、このような短期的な投資活動なのではないかと、認識されつつあります。
この連載は、新刊書籍「不動産マーケットはこうして勝ち抜く」(三菱UFJ信託銀行不動産コンサルティング部著)のなかから、著者の了解を得て抜粋または一部を編集したものです。書籍に関する情報は、こちらをご覧ください。
書籍「不動産マーケットはこうして勝ち抜く」の内容
第1章 長期下落という現実のなかで
第2章 変化する不動産市場
(住宅、商業施設、物流施設、オフィス、ホテル、公的不動産)
第3章 世界のなかでの日本の不動産
第4章 プロの戦略を見て知る不動産マーケットの本質
第5章 明日の不動産マーケトを勝ち抜くヒント~企業の不動産戦略への処方箋~
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6 住宅着工戸数、8カ月連続の増 1月 2011/2/28 朝日新聞
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国土交通省が28日発表した1月の新設住宅着工戸数は、前年同月比2.7%増の6万6709戸と8カ月連続で増えた。内訳では、注文住宅が同5.5%増▽分譲マンション同31.1%増▽建て売り戸建て同14.6%増。賃貸アパートなどの貸家は同11.3%減となった。
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住宅関連新聞記事ダイジェスト No.373 2011/2/24~2011/3/2 Vol.2
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【読売新聞】
7 軽井沢を「リゾート会議都市」に
8 補償「我が家」流 火災保険「組み立て自由型」
9 名古屋・大阪圏は転出超過に…愛知は14年ぶり
10 トイレ今や「高級家電」
11 ゲゲゲの証明書 住民票などに「目玉おやじ」
12 高輪・豊洲など…住宅地の地価が上昇基調に転換
13 23区内世帯人数、初めて2人割る…単身が急増
14 「あしたのまち活動賞」最高賞の峰山地区
15 新燃岳の降灰を使ったレンガ
16 観光客迎えるLEDの灯…博多
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7 軽井沢を「リゾート会議都市」に 2011/3/2 読売新聞
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推進協設置 ダボスやアスペン目指す
長野県軽井沢町のホテル11社などが参加して、町に国際会議や大企業の研修会などの誘致を目指す「軽井沢リゾート会議都市推進協議会」の設立総会が28日、軽井沢プリンスホテルで開かれた。
同町を訪れる観光客の多くが夏場や休日に集中しているため、それ以外の期間にも宿泊施設や飲食店などの稼働率を上げられるよう、年間を通じた誘客が課題となっていた。
同協議会には、ホテルのほか商工会、観光協会などが参加。自然環境や、首都圏からの交通の便のよさなどを売り込み、まず大企業の研修会などを誘致する。
最終的にはスイスのダボスや米コロラド州アスペンのような国際的なリゾート会議都市を目指すという。
設立総会では〈1〉会議都市戦略の企画、立案、普及〈2〉会議都市としてのPR活動〈3〉国内外の会議の需要の研究、調査――などの事業方針を決定。2011年度の事業計画として、同協議会のホテルなどを紹介するホームぺージ作成や、町内に住む著名人で会議での講演が可能な人物の登録リスト作りなどを行うことを決めた。
同協議会長を務める松葉栄三町商工会長は「国際会議や展示会が開かれることで、波及効果が生まれる。軽井沢の特性を生かして、誘致していきたい」とあいさつした。
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8 補償「我が家」流 火災保険「組み立て自由型」 2011/3/1 読売新聞
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住宅の建物や家財にかける火災保険で、補償内容を、契約者自身が必要に応じて選べる「組み立て自由型保険」の人気が高まっている。内容と注意点をまとめた。(経済部 石原毅人)
基本項目は最小限
「組み立て自由型」の火災保険は、基本となる補償内容を、「火災、落雷、破裂、爆発」による損害にとどめ、風災や水災などその他のものを一つずつ選べるようにしたのが特徴だ。一方、日常生活で出合う可能性がある多くの被害に備えるものは「パッケージ型」などと呼ばれる。
例えば、防犯設備の整ったマンションの高層階に住む人が、「盗難に遭う可能性は低い」と考えた場合、組み立て自由型では、盗難の補償を省くことができる。
必要な補償だけで済めば、保険料も抑えられる。セゾン自動車火災保険では、保険料を、同社のパッケージ型と比べ、約6割減らせた事例もあるという。
ただし、組み立て自由型では、契約者自身が、補償内容を深く理解し、納得しておく必要がある。
また、近年は異常気象で、めったに洪水に見舞われない地域で洪水が起こるなど、想定を超える事態も発生している。保険料の節約だけを目的に、補償範囲を小さくした場合、いざというときに必要な補償が得られないので注意しよう。
表に挙げた損保会社は、契約前に、コールセンターや保険代理店で、専門知識を持つ担当者が相談に応じている。利用するのも良いだろう。
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9 名古屋・大阪圏は転出超過に…愛知は14年ぶり 2011/3/1 読売新聞
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総務省が28日に発表した2010年の住民基本台帳に基づく人口移動報告によると、3大都市圏(東京、名古屋、大阪)への転入超過者(転入者から転出者を引いた数)は、7万6137人(前年比2万8232人減)で、6年ぶりに10万人を下回った。
東京圏は転入超過だったが、名古屋、大阪両圏では転出超過だった。総務省は「若い世代の地方から大都市への移動が減っている」と見ている。
名古屋圏(愛知、岐阜、三重の3県)は6242人の転出超過だった。特に愛知県は1262人の転出超過で昨年の4075人の転入超過から14年ぶりに転出超過に転じた。不況で自動車製造業の就業者が減少したことなどが響いた。
大阪圏(大阪、兵庫、京都、奈良の4府県)も、1万450人の転出超過。東京圏(東京、神奈川、埼玉、千葉の4都県)の転入超過数は9万2829人で、10年ぶりに10万人を下回った。
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10 トイレ今や「高級家電」 2011/2/28 読売新聞
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水道代年1万円の節約 消費電力も半分に
トイレが一段と進化している。節電型やタンクレスなど多くの工夫が加わり、今や“高級家電”並みに。ただ、新機能には注意点もある。リフォームなどで水回りを一新しようという人にも参考にしてほしい。(経済部 渡辺達也)
設置工事費は注意必要
最近、向上しているのが節水、節電機能だ。従来機種では大便用で1回流した場合の水量は、平均13リットルだったが、最新機種では4~6リットル。年間で1万円強も水道代が安くなる計算だ。
東京電力などによると、最近の機種は消費電力量も従来型の半分以下に。「家計にも、環境にも優しい」(木村千秋・東京電力家電製品総合アドバイザー)トイレが増えているのだ。
もう一つの最近の特徴は、便器の背後にタンクがないタンクレスが主流になってきた点だ。タンクがないと、狭いトイレが広く感じられ、しかも、凹凸が少ないためタンクレスの方が清掃もしやすい。
ただ、タンクがあるタイプが、タンクから落ちる水の圧力で洗浄するのに対して、タンクレスの洗浄は直接、水道管の圧力を使うため、機種によっては高層階のマンションなどの水圧の弱い場所では設置できないタイプもある。また、タンクがある方が、タンクレスより2~3割安い。
このほか、最新機種の注意点をあげると、汚れがつきにくいように表面にコーティングなどを施しているタイプがあり、掃除する際にはタワシではなく、ブラシや布などを使う必要がある。
また、当然だが、簡単な機能しか付いていない従来の便器に比べて壊れやすいのも事実だ。
ところで、トイレを入れ替える場合には機器の機能や価格だけでなく、工事費なども考慮する必要がある。
設置工事だけでも3万~10万円前後かかる。排水の位置を変えたりした場合、さらに費用がかさむという。
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11 ゲゲゲの証明書 住民票などに「目玉おやじ」 2011/2/28 読売新聞
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目玉おやじの証明書 東京・調布市は3月1日から、住民票や印鑑証明、戸籍謄本などの証明書を、「目玉おやじ」をデザインした用紙で発行する。
「目玉おやじ」は同市在住の漫画家水木しげるさん(88)の「ゲゲゲの鬼太郎」に登場するキャラクター。新たな証明書は、温度によって変色する特殊なインクを使用し、改ざんを難しくしたのが特徴。おやじのイラスト周辺を触った時に色が変わるかどうかで、本物を識別できるという。
不正に目を光らせるキャラクターとして「目玉おやじ」を選び、水木さんの協力を得た。
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12 高輪・豊洲など…住宅地の地価が上昇基調に転換 2011/2/25 読売新聞
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国土交通省が24日発表した全国主要都市の1月1日時点の地価動向報告によると、住宅地で3か月前に比べ、地価が上昇した地点数は、下落地点数を上回った。上昇地点が下落地点を上回ったのは、2008年1~3月期以来、約3年ぶりだ。
住宅地(42地区)では、上昇地点が、「豊洲」(東京都江東区)や「高輪」(東京都港区)などの11地区で、下落地点の7地区を上回った。
マンションの売れ行きが好調だったことで、不動産会社などによるマンション用地の取得が活発化してきた。国交省は「住宅地の地価は下げ止まり、底を打った」(地価調査課)と分析している。
商業地(108地区)は、下落地点が前回調査(2010年10月1日)より5地区少ない73地区となった。上昇地点は前回の1地区から、「武蔵小杉」(川崎市)など5地区に増えた。「金山」(名古屋市)は、全国で3年ぶりに6%以上の上昇率を記録した。
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13 23区内世帯人数、初めて2人割る…単身が急増 2011/2/25 読売新聞
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東京23区内の1世帯当たりの平均人数が1・97人と、初めて2人を割り込んだことが25日、東京都が発表した2010年の国勢調査(速報値)で明らかになった。
都では今後、各世帯の年齢構成を集計し、単身世帯が急増する背景について詳しく分析する。
都によると、23区内の人口は、05年の国勢調査より5・42%増となる約46万人増え、世帯数は前回調査より約40万世帯、9・67%増加し、人口の倍近い勢いで世帯数が増えた。その結果、1世帯当たりの平均人数は前回調査時の2・05人から1・97人へと落ち込んだ。
また今回の調査で、都内人口が約59万人増えた約1316万人となり、同調査では初めて1300万人を突破した。
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14 「あしたのまち活動賞」最高賞の峰山地区 2011/2/25 読売新聞
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荒れた山を観光公園化
柳山に整備された柳山アグリランド 住み良い地域社会を目指して活動を続ける住民団体などに贈られる「あしたのまち・くらしづくり活動賞」(あしたの日本を創る協会、読売新聞東京本社など主催)で、鹿児島県薩摩川内市の峰山地区コミュニティ協議会(徳田勝章会長)が最高賞の内閣総理大臣賞を受賞した。住民総出で地域のシンボル・柳山を観光公園化するなど、自主的な地域づくりが評価された。
約700世帯、1600人が暮らす峰山地区は、市西部に広がる田園地帯にある。高齢化率は34%。協議会は、市町村合併で薩摩川内市が誕生した翌年の2005年、従来の自治会などを統合して結成した。行政任せでなく、住民自らが行動する「共生・協働のまちづくり」をスローガンにしている。
内閣総理大臣賞の受賞を喜ぶ峰山地区コミュニティ協議会の徳田会長 06年10月、荒廃していた柳山(標高389メートル)を住民ボランティアで観光公園「柳山アグリランド」として整備。地元の建設業者が造成し、ハイキングコースを備えた公園には四季の花々が植えられ、頂上からは甑島列島などが一望できる観光スポットに生まれ変わった。
また、08年からは、公園内で栽培するサツマイモを使ったオリジナル焼酎「柳山高柳」も作り、10年度は一升瓶換算で約4500本を販売した。徳田会長(73)は「住民が力を合わせて取り組んだ成果が評価され、うれしい。これからも子どもやお年寄りの元気な声が響く、住み良いまちづくりに励みたい」と喜んだ。
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15 新燃岳の降灰を使ったレンガ 2011/2/24 読売新聞
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売り上げの一部寄付
新燃岳の火山灰を使って作られるレンガ 新燃岳(しんもえだけ)の噴火で、降灰が深刻な宮崎県都城市にある瓦レンガ製造会社「宮崎高砂工業」(仙臺(せんだい)洋社長、35人)が火山灰を使ったレンガを作った。
3月にも商品化し、売り上げの一部を被災者などに寄付する。同市や隣の高原町では大量の灰の処理方法が大きな課題となっており、同社は「灰を有効活用して地域貢献もできる。まさに一石二鳥」としている。
宮崎高砂工業は1970年に創業され、2010年2月期の売り上げは4億1900万円。製品は長崎県佐世保市のハウステンボスなどで使われている。
仙臺社長らは火山灰が降り積もる状況を見て、「灰をこのまま放っておけば、大変なことになる。会社として地域の役に立ちたい」と考えた。
そこで着目したのがレンガ。もともと、火砕流の堆積物からできた砂状のシラスを混ぜており、性質が似た火山灰を代わりに使うことを思いついた。これまでの原料は粘土が7割、シラスや砂が3割だったが、灰を少し入れると、鉄分が多いからか、シラス使用時より強度が増したという。現在、灰を3割混ぜたものを試作中だ。
灰は、社員らが会社敷地や周辺の民家から集めたものを使っている。レンガは1個(2・7キロ)当たり従来品と同水準の300円で販売し、うち100円を県などに寄付する予定。問い合わせは同社(0986・57・2172)へ。(甲斐也智)
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16 観光客迎えるLEDの灯…博多 2011/2/24 読売新聞
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九州新幹線全線開通を前に設置されたLED照明灯 3月12日の九州新幹線全線開業に向け、福岡市はJR博多駅前から天神へと続く市道「はかた駅前通り」の歩道約350メートルで、発光ダイオード(LED)を使った街灯の設置を進めている。23日は3基の試験点灯が行われた。
市によると、街灯の高さは約4メートル。周囲に多い暖色系から際立つよう、青色に光らせる。34基を設置し、街路樹のケヤキ40本もライトアップする予定。
LEDランプは通常のランプの2倍ほど長持ちし、電気代は約4分の1、二酸化炭素の排出量も抑えられるという。試験点灯に立ち会った職員は「思ったよりきれい。歩く人に、すてきな通りだと思ってもらえれば」と期待を寄せていた。
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住宅関連新聞記事ダイジェスト No.373 2011/2/24~2011/3/2 Vol.3
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【日経産業新聞】
17 マンション販売、立地の良さが好調の主因 民間調査
18 トステム、リフォーム向け玄関ドア 勝手口用追加で品ぞろえ拡充
19 旭化成ホームズ、家族の交流促すマンション 付帯施設を充実
20 清水建設、ガラスに張り防火性能高めるフィルム
21 東洋エクステリア、機能一体化したEV用エクステリア
22 大和ハウス、環境共生型の集合住宅 大阪で分譲
23 INAXとサンウエーブ、システムキッチンなど現地で組み立て
24 大京、社用車に日産リーフ3台 充電設備も設置
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17 マンション販売、立地の良さが好調の主因 民間調査 2011/3/2 日経産業新聞
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2010年の好調なマンション販売は、単価下落ではなく立地の良さが主因だった――。マンション関連コンサルティングのトータルブレイン(東京・港、久光龍彦社長)はこんな調査結果をまとめた。販売が好調だった物件のうち7割が立地条件が良かったという。
昨年首都圏で販売されたマンションのうち、即完売など販売が好調だった60物件を分析。ほとんどの物件が駅から徒歩5~6分程度で、首都圏では駅からの距離を重要視する消費者が多いことが改めて裏付けられた。
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18 トステム、リフォーム向け玄関ドア 勝手口用追加で品ぞろえ拡充 2011/3/2 日経産業新聞
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トステムは1日、リフォーム用の玄関ドア「リシェント」の新製品を発売したと発表した。人気の高い引き戸のほか、勝手口用の製品を追加。玄関ドアのリフォームにより住宅のイメージを変えられるうえ、防犯性や採光を改良できる点を売り込む。
新たに玄関用引き戸を品ぞろえに加えた。千本格子や万本格子などの定番に加え、縦通しや横桟(よこざん)といったデザインも選べる。単板ガラスでは4デザイン、複層ガラスでは6デザインから選べる。鍵を2つ備えており、こじ開けやガラス破りといった侵入方法にも対応している。ICカードを使ったシステムへの改良も可能。価格は26万2500円から。
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19 旭化成ホームズ、家族の交流促すマンション 付帯施設を充実 2011/3/1 日経産業新聞
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旭化成ホームズは2月28日、同社の技術研究開発拠点だった志村試験場(東京・板橋)の跡地にカフェや図書室など付帯の施設を充実させたマンションを建設し、3月5日に発売すると発表した。家族同士の交流を促すような設備を採用したのが特徴。子育てのしやすさなどを売りに、初めて住宅を購入する層を取り込む狙いだ。
発売する「アトラス志村三丁目」は地下1階、地上12階建てで鉄筋コンクリート造。2012年1月に完成し、3月の引き渡しを予定。中庭を中心に設計し、ガーデンカフェや図書室、菜園スペースなどの付帯施設を充実させた。ハイブリッドカーや電動アシスト自転車のシェアリングサービスも導入する予定。5日から第1期として総戸数184戸のうち50戸を販売する。専有面積は56~90平方メートルで最多価格帯は4200万円台。
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20 清水建設、ガラスに張り防火性能高めるフィルム 2011/2/28 日経産業新聞
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清水建設は、板ガラスの両側表面に張り付けるだけで、防火性能を高めるフィルムを開発した。火災時にはフィルムに含まれる成分が発泡し、ガラスの温度上昇を抑えてひび割れなどを防いでくれる。オフィスや工場、医療・福祉施設の避難経路に面するガラスに張り付ければ、高価な耐熱強化ガラスを使わなくても防火性能を高められる。
フィルムは厚さ1ミリメートルで、ケイ酸ソーダを樹脂でサンドイッチ状に挟んだ構造。一方の樹脂をはがし、オフィスなどで一般的な厚さ6ミリメートルの板ガラスの両側表面に張り付けて使う。
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21 東洋エクステリア、機能一体化したEV用エクステリア 2011/2/28 日経産業新聞
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東洋エクステリアは電気自動車(EV)用のエクステリア2製品を3月1日に発売する。EVの普及を見据え、戸建て住宅用の製品取り扱いを増やす。両製品で合計年間3000万円の売り上げを目指す。
充電コンセントとインターホンなどが一体化した「EVファンクション」と、EV用コンセントのみの「EVポール」。EVファンクションは表札やポスト、インターホンなどの機能を1本にまとめた。門回りの機能をポール1本に集約できる。
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22 大和ハウス、環境共生型の集合住宅 大阪で分譲 2011/2/25 日経産業新聞
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大和ハウス工業は次世代省エネ基準に対応した環境共生型の集合住宅を大阪府吹田市で分譲する。太陽光発電システムの電力を共用部に使うほか、電気自動車(EV)の充電設備なども設置。自然光や風を採り入れることで快適性も高める。省エネ性能が高く電気代を抑えられる点も売りにして受注獲得を目指す。
新たに分譲する「プレミスト千里佐竹台」は、鉄筋コンクリート造で地上8階、地下1階建て。省エネルギー等級で4を取得する予定で、次世代省エネ基準を満たす。一部の共用部で壁面を緑化するほか、自然採光を採り入れるように設計。太陽光発電システムやEV用の充電設備も置く。高性能の空調設備も各戸に設置する。
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23 INAXとサンウエーブ、システムキッチンなど現地で組み立て 2011/2/24 日経産業新聞
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INAXとサンウエーブ工業は23日、リフォーム用のシステムキッチンと洗面化粧台の販売戦略を発表した。工場で組み立てず、部材を現地に運んでその場で組み立てる「ノックダウン方式」を採用。梱包材を減らせるうえ、消費者は設置後にも簡単に部材を交換できる。両商品分野で住生活グループ全体で2013年度に国内シェア50%の獲得を目指す。
洗面化粧台「ライフデザインドレッサーLX」はアルミニウム製フレームを採用、ボウルや扉、収納などを設置後に簡易的なリフォームで交換できる。生活スタイルやインテリアに合わせて変えられるのが売りだ。価格は間口150センチメートルのモデルで75万2850円。販売目標は月間600台。
システムキッチン「Reno LX」も部材を交換でき、引き出しから棚板などへの変更を容易にした。シンク部分を新品に交換すれば10~20年後のリフォームの費用を抑えられる。価格は間口255センチメートルのモデルで182万175円。月間800台の販売を目指す。
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24 大京、社用車に日産リーフ3台 充電設備も設置 2011/2/24 日経産業新聞
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大京は23日、本社の営業部門などが使う社用車に電気自動車(EV)を導入したと発表した。日産自動車の「リーフ」3台を本社地下の駐車場に配備、充電設備も1セット設置した。従業員のEVに対する知識を高めるとともに、稼働状況から充電設備の適切な運用方法などを探る考えだ。
EV3台はリースで導入。従来のガソリン車2台、ハイブリッド車2台に加えた。充電設備の設置費用は約30万円。同社は分譲マンションにEV用充電設備の設置を進めており、社用車でのEV導入もこうした取り組みの一環としている。
住宅関連新聞記事ダイジェスト No.372 2011/2/17~2011/2/23
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住宅関連新聞記事ダイジェスト No.372 2011/2/17~2011/2/23 Vol.1
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【日本経済新聞】
1 カネカ、5色の有機EL照明発売
2 スマートグリット/スマートハウス/スマートシティー
3 解散に向けた総会開催請求を却下、FCレジデンシャル投資法人
4 三菱地所が平和不動産の筆頭株主に、兜町再開発など共同で推進
【朝日新聞】
5 10年のマンション発売、5年ぶり増 都市部のみ伸長
【読売新聞】
6 古民家活用広がる はりや柱→インテリア、建材に
7 マンション発売5年ぶり増
8 建物改修 発想チェンジ
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1 カネカ、5色の有機EL照明発売 日本経済新聞 2011/2/17
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カネカは15日、白、赤、青、緑、オレンジの色に光る5種類の有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)照明パネルの販売を始めると発表した。同パネルを多色展開するのはカネカが世界で初めて。国内で3月22日、欧州では4月中旬にも発売する。外食店舗やホテル、高級住宅などでの利用を見込む。2015年までにパネルの生産能力を現在の10倍となる10万平方メートルに増強する計画だ。
価格は100平方センチメートルで2万円前後になるもよう。現在、他社が販売するパネルは3万円以上の製品が多いという。15年度に国内外で200億円の売り上げを目指す。
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2 スマートグリット/スマートハウス/スマートシティー 2011/2/23 日本経済新聞系
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スマートグリッドとは、従来の送電網にITを組み込み、電力を制御することで効率よく供給する仕組みのことである。米国発の概念であり、「次世代送電網」と訳される。事務所や家庭にスマートメーター(通信機能などを持つ電気メーター)を取り付け、メーターごとの電力使用状況を計測できるようにする。これにより、電力会社は検針を無人化してコストを削減できる。
さらに、無線通信などによって、事務所や家庭で使われている家電などの電力使用量を把握したり、制御したりすることもできる。加えて、ソーラーパネルなどの自家発電施設の発電量のデータを電力会社へ送信できるようにすれば、電力会社では電力に関するすべての情報をコントロール可能となる。このようにしてスマートグリッドは、ITによって無駄な電力の使用を減らして省エネにつなげることができ、結果として電気料金も安くなるとされている。
今後、環境対策の一環として太陽光発電や風力発電を普及させるにあたっても、スマートグリッドは重要である。天候に左右される自然エネルギーによる電力と従来型の電力とを、ITを使って全体最適化できるようになれば、環境への貢献は多大なものとなるからだ。
スマートグリッドの実証実験などの取り組みは、米国、欧州で先行しているが、日本でも電力会社などによる研究や試験導入が始まっている。2011年2月3日の日本経済新聞によると、電力各社では、スマートメーターを2012年度中に全国約100万世帯に設置し、2020年をメドに約5000万世帯に普及させる計画である。
電気料金が安くなるとされているスマートメーターだが、逆に電力会社の設備投資コストが電気料金に反映され、電力料金が上がることも考えられる。このため、ユーザーメリットが見えてこないと、消費者からの反発も予想される。また、データの提供範囲によってはプライバシーにかかわる問題やセキュリテイ対策の必要が出てくる。
将来は、例えばスマートフォン(高機能携帯電話)に電力消費状況を知らせて、電力需要の余裕時に掃除機や洗濯機を使った場合に電気料金を割り引くといったサービスへとつなげることも考えられる。2011年1月24日のNHKクローズアップ現代(「飛び出せ、『異能』!~日本の閉塞感を打ち破れ~」)では、消費電力の測定装置と無線機能を持ち、携帯電話などから電源のオン・オフができる「節電ソケット」を紹介していた。このように電力量値の計測と連動して家電をリモートコントロールできる技術は実用化されつつある。スマートメーターを使った、新しい価値を持つビジネスモデルの創造が期待される。
低炭素型住宅「スマートハウス」の研究開発も進められている。その中核技術がHEMS(ホーム・エネルギー・マネジメント・システム)である。家電や情報機器などから有線や無線でデータを収集し、電力使用状況を把握して家電などを自動制御し、省エネ運転を行うものである。さらに、太陽光発電システムや蓄電池などと組み合わせてCO2排出量の大幅削減を図る。太陽光発電で生み出した電力を家庭用蓄電池に蓄電し、電気自動車に充電することも、スマートグリッドの研究の一環として進められている。
スマートグリッドの考え方によるインフラに基づいた街づくりをスマートシティーという。厳密な定義はないが、都市全体を省エネ型にする考えである。日本のゼネコンでもスマートシティーに関する研究開発が行われている。対象地域の環境分析を行い、太陽光発電や風力発電装置の場所を検討してエネルギー計画を行い、消費電力やCO2排出量が少なくなるように都市計画を行うシステムが開発されている。太陽光や地中熱などの自然エネルギーを調達してエネルギー消費量をゼロにする建物を建設する事業や、電気自動車の駐車場整備など省エネ型のインフラを整備する開発事業が具体的に進められている。
また、日本の民間企業・団体と経済産業省が連携し、官民による協議会「スマートコミュニティ・アライアンス」が活動を行っている。スマートコミュニティー(環境配慮型都市。スマートシティーとほぼ同義)を一貫(設計・調達・運営・管理)して展開する事業の輸出を推進している。
以上がスマートグリッド、スマートハウス、スマートシティーの概要である。消費者のメリットを確実なものとすることに加え、関連する技術の標準化(例えばスマートメーターと家電との通信規格の統一)など課題も多くあるが、環境エネルギー革命ともいえるその取り組みの意義は大きい。建設企業においてはスマートグリッドにおける送電網などの建設、スマートハウスにおいてはHEMSが内蔵された住宅供給など、スマートシティーでは新しい視点での都市の再開発などの新市場が期待できる。
執筆:東建IT研究会
「建設会社の利益に結びつくITの研究及び支援」を目的に、東京建設業協会内に2004年5月14日に設立した研究会。月1回の定例会議で、講習会の企画・開催、意見交換会、調査・研究、教育プログラム策定などの活動を行っている。
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3 解散に向けた総会開催請求を却下、FCレジデンシャル投資法人 2011/2/21 日本経済新聞系
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FCレジデンシャル投資法人は2月18日、投資主の米エスジェイ・セキュリティーズ・エルエルシーが請求していた、解散を議題とする投資主総会を開催しないと発表した。これに反対するいちごアセットマネジメントが、他の投資家と合わせて37.50%の議決権を確保したため。エスジェイは、解散決議に必要な3分の2の賛成票を確保できない見込みになった。
米系ファンドの特別目的会社(SPC)とみられるエスジェイは、2008年7月にプロスペクト・アセット・マネジメントからFCレジデンシャル投資法人の投資口を取得して、筆頭投資主となった。2010年10月末時点の持分割合は23.24%だ。エスジェイは2010年11月24日に、投資法人の解散と物件売却を内容とする投資主総会の開催を要求した。2011年1月21日には、190億円での全物件買い取りを提案している。
一方のいちごアセットは、2010年5月に予定していたFCレジデンシャル投資法人への出資を、エスジェイの差し止め請求により阻止された経緯を持つ。今回はエスジェイの解散請求への対抗措置として、2011年2月7日にJPE Capital Managementから投資口3.82%を1口30万円で追加取得。エスジェイを上回る33.24%の持分を保有することになった。さらに、JPEが手元に残した持分4.26%についても、同社から解散請求への反対意向を取り付け、両社で3分の1を超える議決権を確保した。
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4 三菱地所が平和不動産の筆頭株主に、兜町再開発など共同で推進 2011/2/18 日本経済新聞系
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三菱地所と平和不動産は2月17日、資本業務提携を結んだことを発表した。三菱地所は平和不動産の第三者割当増資を引き受け、持株比率10.5%の筆頭株主となる。両社は、東京・日本橋兜町地区などの大規模再開発事業などに共同で取り組む考えだ。
両社はこれまでにも、東京都新宿区の北新宿や新宿6丁目などの大規模再開発事業に共同で取り組んできた。今後も両社の事業基盤を活かして、平和不動産の本社ビルがある日本橋兜町地区の再開発事業の推進、不動産開発・マネジメントに関するノウハウの相互提供などを進めていく。平和不動産は3月に第三者割当と公募による増資で最大約134億円を調達し、財務基盤を強化する予定だ。
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5 10年のマンション発売、5年ぶり増 都市部のみ伸長 2011/2/22 朝日新聞
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2010年に全国で発売されたマンション戸数が、5年ぶりに前年実績を上回った。不動産経済研究所の調査によると、発売戸数は8万4701戸で、前年に比べて6.4%増。ただ、伸びたのは首都圏、近畿圏、東海・中京圏など大都市だけで、地方では軒並み下回った。
大手不動産会社が大都市での販売を積極的に進めたことが背景にある。発売戸数は、首都圏が全体のほぼ半数の4万4535戸(前年比22.4%増)、近畿圏が2万1716戸(9.8%増)、東海・中京圏は6094戸(8.9%増)だった。
一方で、九州は6012戸(33.0%減)、中国は1979戸(3.4%減)、東北は1446戸(23.9%減)など、地方は不振だった。
価格面では、高額な東京都港区や目黒区などの都市物件が全体を引っ張った。1戸あたりの全国の平均価格は4022万円となり、19年ぶりに4千万円の大台を超えた。
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6 古民家活用広がる はりや柱→インテリア、建材に 2011/2/23 読売新聞
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日本の伝統的な木造建築技術が生かされた古民家を再生したり、再利用したりする活動が千葉県内で本格化している。
社団法人・千葉県古民家再生協会(印西市、高野祐之理事長)が進めているもので、22日、市原市内の推定築約300年の古民家で、はりや柱を建材やインテリアとして再利用するための解体作業を公開した。
市原市皆吉の同市職員、渡辺公夫(ただお)さん(53)方。木造平屋175平方メートルで、増築部分を除く中心部の約90平方メートルは県教育委員会の調査で18世紀初期ごろの建築と推定される。内部には曲がりくねった形状を巧みに生かしたアカマツのはりが約10本。全国で「松食い虫」被害が広がる中、希少な建材だ。
解体作業は、こうした古い建材を20万円で買い取った同協会の秋葉忠夫理事(53)が経営する建設会社が担当。作業員らは、木組みの建材を一つ一つ手作業で外し、クレーンで運びおろした。うち数十本は再利用可能だという。
秋葉さんによると、強度が十分ならば新築住宅のはりなどの構造材として使い、居酒屋やそば屋のインテリア用としても引き合いがある。秋葉さんは「貴重な建材を産業廃棄物にするわけにいかない」と話した。
渡辺家は、地元で17代続く名家だが、今は一家4人暮らし。大きな土間やお勝手など農家特有の間取りは使い勝手が悪く、一昨年2月に父の周一さんが他界したのを機に、建て替えを決意した。しかし、長い歴史の家をただ取り壊すのに忍びず、ネット上で知った同協会に連絡。長女の優さん(20)とともに解体作業を見守った渡辺さんは「自分の生まれ育った家が、どこかで生きてくれたら」と感慨深げだった。
高野理事長と秋葉理事が昨年3月に設立した同協会はこれまで、印西、成田市、大多喜町の古民家3軒を、古い建材や伝統工法を生かしながら新築住宅として再生し、現在も、香取市で推定築150年の古民家の再生に取り組んでいる。秋葉理事は「大工さんらが手作業で家を作っていた家作りは今、工業製品が取って代わっているが、再び人の手に戻したい」と話した。
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7 マンション発売5年ぶり増 2011/2/23 読売新聞
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10年、6.4%増 価格は19年ぶり4000万円超
不動産経済研究所が22日発表した2010年の全国マンション発売戸数は、前年比6・4%(5106戸)増の8万4701戸となり、5年ぶりに増加に転じた。
首都圏でマンションの売れ行きが好調だったが、発売戸数が3年連続で10万戸を割り込み、過去最多だった1994年(18万8343戸)と比べて半分以下の低水準にとどまっている。
また1戸当たりの平均分譲価格は5・8%増の4022万円で、1991年(4488万円)以来19年ぶりに4000万円を上回った。
地域別の発売戸数は、首都圏が22・4%増、近畿圏が9・8%増だったが、それ以外の地域では21・3%減と低迷した。
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8 建物改修 発想チェンジ 2011/2/22 読売新聞
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大阪府内の建築事務所でつくる都市建築設計協同組合「いえしえん」(大阪市中央区)が、あらかじめ入居者を募った上で、既存の建物を希望に応じた設計で改修するという新手法に取り組む。
第一弾として、吹田市内にある社員寮を手がける。今後、老朽化などで利用されない建物が増えると見込まれ、「人口減少時代の新たな手法」として同様の提案を進めていく。
既存の建物を改修して用途を転換する「コンバージョン」に、入居予定者が組合を作り、資金を出し合って建てる「コーポラティブ方式」を組み合わせた。建設費用が節約できるため低価格で、入居者の希望に沿った自由な設計ができ、環境にも優しいという利点がある。
今回、計画している吹田市新芦屋下の物件は、1986年に建てられ、化学メーカーの社員寮として使われてきた。しかし、居住者が減り、同社が売却を検討していたところに、「いえしえん」が今回の手法を持ちかけた。
社員寮は3階建てで、ワンルームを中心に23戸が入居できる。コンクリートの骨組み状態にした後、1階部分を増築し、屋上に庭園を設け、共用部分に太陽光を入れる工夫などを凝らして改修を進める。既存の建物の4割程度がそのまま活用できるという。
7~12戸の入居者のめどが立ち、組合を設立して、3月に土地、建物を購入する予定。部屋の広さは希望に応じて30~300平方メートルまで調整が可能。価格は、1平方メートルあたり、25万~30万円と見込まれる。
「いえしえん」の伴年晶(ばんとしあき)代表理事は「建物は新築して増やす時代から改修して再利用する時代になる。入居者が自分で考え、作り、暮らすことができる喜びを手伝いたい」と話している。問い合わせは「いえしえん」(06・6762・4440)。(鈴木隆弘)
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住宅関連新聞記事ダイジェスト No.372 2011/2/17~2011/2/23 Vol.2
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【読売新聞】
9 【リフォームは今】(下)寿命長持ち 資産を維持
10 【リフォームは今】(中)欠陥に備え業者が保険
11 空き家減へ古民家認定制度
12 【リフォームは今】(上)ホームセンターの安心感
【日経産業新聞】
13 2010年の全国マンション発売戸数、5年ぶりプラス
14 積水化学「百ます計算」教授と二世帯住宅向け内装を共同企画
15 東洋エクステリア、ガレージの屋根を緑化するシステム
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9 【リフォームは今】(下)寿命長持ち 資産を維持 2011/2/21 読売新聞
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国も後押し、コスト高が難点
住宅内部の改修だけでなく、耐久性など基本性能を高めることで「長寿命」を目指すリフォームが注目されている。
東京都練馬区の梶山元之さん(64)は2009年、退職を機に築40年近い木造2階建ての自宅をリフォームすることにした。耐震性の強化のほか、先々のことも考え、車イスでも通りやすいように和室をフローリングの居間に変え、階段の位置も移すなど、大がかりな改修を検討していた。
リフォーム会社からは、基礎部分や壁の内部に防湿の工夫も施して、住宅を長寿命にすることを勧められ、快諾した。梶山さんは「父が木材を遠方まで買いに行くほど、こだわって建てた家。親戚が集まる場所でもあるので、面影を少しでも長く残したかった。丈夫な家であれば資産価値が落ちにくいと思いました」と話す。
長寿命化を勧めたのは、リフォーム会社「オクタ」(さいたま市)。中古住宅を購入し、耐久性を高めるリフォームを希望する消費者向けに、中古物件の仲介とリフォームをセットにした事業も始めている。社長の山本拓己さんは「若い世代を中心に要望が増えている」と話す。
国は、建て替えを繰り返すより、耐久性の高い住宅を建てたり、リフォームしたりして、長く住み続けられる住宅を増やす取り組みを進めている。08年度から先進的な事例に補助金を出している。梶山さん宅も、その一つだ。
住宅関連団体や自治体などで作る住宅リフォーム推進協議会(東京)は、「長寿命化リフォーム」と名付け、昨秋から各地で消費者向けセミナーを開いている。柱やはりなどの構造部分に耐久性を持たせる一方、間取りなどは変えやすくするリフォームだ。その後、居住者が修繕などの維持管理を計画的に行い、記録を保管する。売却する際も、買う側は安心できる。同協議会は「長寿命化リフォームを一度して、後は小規模な修繕などを行う方が、長い目で見れば経済的な負担も少ない」と説明する。
ただ、課題も大きい。一般的なリフォームと比べて、長寿命化のための一時的な費用が高くなることだ。国は、住宅の耐震化を促しているが、費用負担などが原因で目標通りには進んでいない。リフォームも同じ理由で進まない可能性がある。
東洋大学教授の秋山哲一さん(建築生産学)は「消費者の生涯設計や家計の収支計画などによって、長期的な経済面のメリットがない場合もある。メリットがある場合は、それを理解してもらう必要がある。リフォーム会社はファイナンシャルプランナーなどの専門家と連携もして、こうしたことを説明することが求められる」と指摘する。
長く住み継げる住宅が増えれば、住生活はそれだけ豊かになる。そのためには、消費者が納得し、安心して頼めるリフォームの環境が望まれる。(西内高志)
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住宅リフォーム推進協議会では、ホームページ(http://www.j-reform.com/)で、長寿命化リフォームについて説明している。動画やテキストで、その意義や進め方、実例などを紹介。また、各地で開いている消費者向けセミナーの日程なども分かる。
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10 【リフォームは今】(中)欠陥に備え業者が保険 2011/2/18 読売新聞
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加入前には検査
キッチンの配管に水漏れなどがないか調べる検査員。リフォーム工事瑕疵担保責任保険への加入にはこうした検査が不可欠だ(埼玉県桶川市で) 埼玉県桶川市の男性(64)宅で2月上旬、リフォーム工事が適正だったかどうかを調べる検査が行われた。
3か月にわたる大がかりな内部の改修で、増築した居間や玄関の基礎部分も見るため、検査は工事中にもすでに行っている。今回は工事後の最終検査だ。
検査したのは、住宅専門の保険法人、日本住宅保証検査機構(JIO、東京)。2級建築士の検査員が、リフォーム工事をした「涌井設計」(埼玉)の担当者と、キッチンや浴室の配管やバルコニーの防水の具合を調べていった。
問題は見つからなかったため、同社はJIOの販売する「リフォーム工事瑕疵(かし)担保責任保険」に加入できる。男性宅で、リフォーム工事に伴う欠陥が見つかっても、免責分を除いて補修費用の8割が保険金として同社に支払われ、施主の男性に負担はない。倒産しても、補修費の全額が男性に支払われる。
妻(61)は「信頼しているが、何が起こるか分からない。保険があれば安心」と話す。
保険料は、施主が払う工事代金に上乗せされることが多いが、同社は、高額の工事では自社で負担している。今回同社が払った保険料は5万円余り。
住宅リフォームを巡っては「工事後に不具合が見つかった」「過大な費用を請求された」などのトラブルが絶えない。業者が補修に応じないという苦情も目立つ。住宅リフォーム・紛争処理支援センター(東京)に寄せられた相談は2009年度、3252件で4年ぶりに増加した。
こうした中、国土交通省が指定した住宅専門の保険法人6社が昨春から、リフォーム工事瑕疵担保責任保険を販売している。業者はあらかじめ登録し、工事ごとに検査を受け、認められると保険に加入できる。1月末現在、登録業者は5157社、保険の申し込みは8800件を超えた。
保険は検査を伴うため、欠陥の防止にもつながる。JIOで昨年4~8月に行った工事中の検査166件のうち、28%の46件で問題点が指摘され、補修が行われた。JIOは「検査と保険の両方で、消費者保護を図っている」と話す。
保険以外の支援もある。住宅リフォーム・紛争処理支援センターは昨春、無料の相談窓口「住まいるダイヤル」を設置し、業者から提示された見積もりについての相談を受け付けている。相談者から見積書を送ってもらい、チェックしたケースが約230件(昨年末現在)あった。
訪問販売で700万円の契約をした例では、見積書に大まかな工事項目しかなく、単価や数量、仕様などの記載がないことを指摘し、一定期間内であれば無条件で解約できるクーリングオフを勧めたという。
ただ、こうした支援策はまだあまり知られていない。国交省は今年度、各地のホームセンターや家電量販店に職員が出向き、寸劇などで制度を説明するイベントを開催している。同省住宅生産課は「支援策は、利用されてこそ意味がある。認知度を高める努力を続けたい」と話す。
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リフォーム工事瑕疵担保責任保険を利用できる登録業者は、住宅瑕疵担保責任保険協会のホームページ(http://kashihoken.or.jp/)で検索できる。
住まいるダイヤル(0570・016・100、ナビダイヤル)の受付時間は、午前10時~午後5時。土、日曜、祝日と年末年始は除く。
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11 空き家減へ古民家認定制度 2011/2/18 読売新聞
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散居村の景観保全に取り組む富山県砺波市は、古民家認定制度を創設する方針を固めた。定義があいまいだった古民家に、認定を与えることで、観光などの活用を促し、空き家を減らすのが狙い。2011年度は、まず伝統的家屋の空き家の実態を把握するため、当初予算案に調査費などとして200万円を計上した。
認定制度は、散居村への宿泊体験ツアーなどを企画してきた「となみ散居村空き家利活用協議会」が昨年12月、市に提案した。所有者から募った家屋を専門家らが調査して古民家として認定する内容で、認定基準や審査にあたる専門家の人選などを検討するよう市に求めていた。
市都市整備課によると、古民家は年代や構造の定義がないため、家屋ごとの助成が難しく、現在は屋敷林の間伐などの補助にとどまる。古民家と認定することで、県外からの観光や移住などを促すほか、行政の助成も容易になり、同課は「住民自身も誇りと責任感を持つようになれば」と期待している。
散居村では、少子化や農家の減少で、維持費のかかる古民家を手放す住民が増加。ボランティアの市民で作る「砺波土蔵の会」(尾田武雄理事長)は、昨春から空き家の実態調査を開始し、昨年末時点で、市内に183軒の空き家があることが判明した。
空き家の実態調査では、地縁関係を活用するため、市内の全21自治振興会への補助も行う。上田信雅市長は「これから空き家が増えるのは間違いない。多くの人に関わってもらうことが大切」としている。
散居村は、カイニョと呼ばれる屋敷林を備えた伝統的家屋が点在する景観で、砺波平野に約220万平方メートルが広がっているとされる。同協議会の有川成正実行委員長は「古民家の維持はお金がかかる。認定制度によって行政の支援を広げ、空き家が減れば」と話している。
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12 【リフォームは今】(上)ホームセンターの安心感 2011/2/17 読売新聞
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気軽に相談 予算立てやすく
ホームセンターは、製品の価格が明示されているため、予算が立てやすい(カインズホーム青梅インター店で) 住宅リフォームの現場が変わりつつある。新規参入する会社が増え、消費者の選択肢が広がった。
欠陥工事に対する保険が始まるなど、支援制度も充実してきた。背景に、環境問題などから、家を改築して長く住むという考えが重視されるようになったことがある。最近の事情を紹介する。
東京都青梅市の主婦(66)は、自宅の台所をリフォームしたいと考え、昨年11月、市内のホームセンターのリフォームコーナーで相談した。「システムキッチンが何種類か展示され、予算が立てやすかった」
ホームセンターと提携する工事業者が数日後に来訪。キッチンの交換、勝手口の設置、廊下の床の張り替えといった希望を伝えた。見積額に納得できたため、ホームセンターと契約した。工事は予定の期日で終わり、費用は見積もり通りだった。「多くの人が知る店だったので安心できた」と話す。
主婦が訪れたホームセンターを展開するカインズ(群馬)はここ数年、リフォームに力を入れている。約90店に専門コーナーを設置し、トイレや浴室などの製品と工事をパック料金で示している。「ホームセンターでも依頼できることが認知されてきた」と同社。
リフォームは地域の工務店や大手住宅会社などが請け負うのが主流だが、選択肢が広がっている。社団法人日本ドゥ・イット・ユアセルフ協会(日本DIY協会、東京)に加盟するホームセンター72社の半数以上が手がけている。トステムビバ(埼玉)やホーマック(北海道)、コーナン商事(大阪)などが力を入れる。
リフォームを考える消費者にとって大きな悩みが、費用がどの程度かかるか、事前に分かりにくいことだ。悪質リフォームが後を絶たず不安という状況もある。国土交通省によると、昨年10月のインターネット調査(回答数2750人、複数回答)では、今後リフォームする際に重視する点は、「価格の透明性・明朗さ」が64%で最も高かった。
その点、ホームセンターは身近な存在で気軽に相談しやすく、キッチンやトイレなどを店頭で売っているため、費用の目安が付けやすい。工事は提携する業者が行う場合が多いが、契約はホームセンターとする。
家電や家具の小売業も参入した。家電量販店のエディオン(大阪)は71店舗で、キッチンや浴室などのリフォームを工事費込みで明示している。ニトリ(北海道)も1月、首都圏の2店舗に相談窓口を設けた。
ただ、小売業は会社や店舗によって、住宅全体の大がかりな工事に対応できない場合もある。消費者の要望を聞くのに加え、提案できる人材の育成も課題だ。
業者にはそれぞれ特徴がある。大手住宅会社などは多くの設計士を抱え、デザイン性が高いリフォームを任せられる。地域の工務店は工事後もメンテナンスを頼みやすい。
住宅リフォーム研究所(横浜市)所長の石原孝司さんは「依頼する際は、いくつか候補を挙げ、実際に訪問して実績やアフターサービスを確認し、それぞれから見積もりを取って比較することが大切」と話す。
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日本DIY協会ではホームページ(http://www.diy.or.jp/)で、リフォームを取り扱う全国の800以上の店舗(昨年9月現在)を都道府県別に紹介している。相談から見積もり、契約、工事、アフターサービスまでの流れも解説している。
同協会では、毎年夏に主催するイベントで、設備を展示するなどし、ホームセンターによるリフォームをPRしている。
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13 2010年の全国マンション発売戸数、5年ぶりプラス 2011/2/23 日経産業新聞
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不動産経済研究所(東京・新宿)が22日発表した2010年の全国のマンション発売戸数は前年比6.4%増の8万4701戸で、5年ぶりに前年実績を上回った。事業主別の供給戸数は大京が3年連続の首位を守ったほか、三井不動産レジデンシャルが2位に浮上。ただ、増加は東京や大阪など大都市圏の中心部に限られ、大手デベロッパーに偏っている。
大京の供給戸数は09年比3割増の5307戸。2位の三井不動産レジは5037戸で、前年の4位から順位を上げた。3位は東京都豊島区で大規模マンションを手掛けた野村不動産で、09年の約2倍に当たる5036戸を発売した。
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14 積水化学「百ます計算」教授と二世帯住宅向け内装を共同企画 2011/2/23 日経産業新聞
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積水化学工業は22日、百ます計算で有名な立命館大学の陰山英男教授と共同企画した二世帯住宅向け内装「3世代ハイムかげやまモデル」を3月1日に発売すると発表した。子どもの規則正しい生活習慣や学習意欲の向上につながる仕組みなどを用意。共働き夫婦でも祖父母と協力して子育てができることを売りにして2011年度で300棟の販売を目指す。
同社が販売する鉄骨系住宅「セキスイハイム」と木質系の住宅「セキスイツーユーホーム」のいずれでも新発売の内装を選べる。両世帯共通でリビングにカウンターデスクを設けるほか、トイレなどにも本棚を設置。子どもがどこでも勉強できる空間を作る。子どもに整理整頓の習慣を根付かせる収納のほか、各世代の交流に使えるメッセージボードも共有スペースに配置する。
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15 東洋エクステリア、ガレージの屋根を緑化するシステム 2011/2/22 日経産業新聞
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東洋エクステリアはガレージの屋根を緑化するシステム「エコリス ミドルルーフ」を3月1日に発売する。ガレージの屋根の上を緑化することでガレージ内部の温度上昇を抑える。環境への配慮などアピールし、戸建て住宅向けに販売する。
屋根の上に架台を設置した後に緑化トレーを並べ、抑え材で固定する。屋根の上を緑化することにより太陽光の影響を和らげ、昼でもガレージ内の温度が上がりにくくなるという。
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住宅関連新聞記事ダイジェスト No.372 2011/2/17~2011/2/23 Vol.3
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【日経産業新聞】
16 トーセイ、東京・月島のマンションを3月下旬に発売
17 オークハウス、シェアハウス型アパート 音楽スタジオなど併設
18 大東建託、オール電化仕様の賃貸マンション
19 東洋エクステリア、施工簡単な車庫用の伸縮門扉
20 INAX、狭いスペースにも設置しやすいトイレ用手洗い器
21 平和不動産、三菱地所と提携 財務強化へ134億円調達
22 新築マンションのアフターサービス、三井不レジが満足度首位
23 三井不レジデンシャル、大阪・摂津で大型マンションを公開
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16 トーセイ、東京・月島のマンションを3月下旬に発売 2011/2/22 日経産業新聞
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トーセイは東京都中央区で開発中のマンション「ザパームス月島ルナガーデン」を3月下旬に発売する。電力会社から電気を一括受電する仕組みを導入、住人の電気料金を最大5%低減する。2012年7月の完成を予定している。
マンションは地上10階建てで総戸数は122戸。住戸の広さは41~91平方メートルとした。エネルギー効率の高い給湯器や節水機器を採用するなどで住宅版エコポイント制度の対象住宅となるようにした。また駐車場にカーシェアリングを2台導入して利便性を高めるほか、屋上に共用の菜園を設けて住人のコミュニティー醸成に役立てる。
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17 オークハウス、シェアハウス型アパート 音楽スタジオなど併設 2011/2/21 日経産業新聞
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ゲストハウス大手のオークハウス(東京・豊島、山中武志代表取締役)は、3月1日から音楽スタジオやビジネスセンターなどを併設したシェアハウス型アパートを開設する。同社のスタッフが常駐し日常生活を支援するほか、仕事や趣味などが楽しめる部屋を用意する。利便性の高いシェアハウスを求める単身者などの入居を促す。
新たに開設するアパートは「コンフォートたまプラーザ」(横浜市)。住戸数は126部屋で、シングル用や2人で住むシェア用などを用意した。クリーニングや宅配便の受け取りなど入居者のサポートをする。
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18 大東建託、オール電化仕様の賃貸マンション 2011/2/21 日経産業新聞
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大東建託は土地オーナー向けに、オール電化設備を標準装備した賃貸マンション「ライフエル」を発売した。天井まで届くハイサッシを導入したほか、柱やはりの凹凸を出さない工法を採用し、開放感のある室内を実現した。
電気温水器を使い料金の安い深夜電力を有効活用する。IHクッキングヒーターは掃除の手間が省けるほか、エントランスや階段を建物の内側に組み込み、敷地を有効利用して住戸数を増やす。
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19 東洋エクステリア、施工簡単な車庫用の伸縮門扉 2011/2/21 日経産業新聞
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東洋エクステリアは、車庫用の伸縮門扉「アルシャインHG」を3月1日に発売する。キャスターやレールをなくして施工を容易にし、傾斜地や角地にも対応する。戸建て住宅向けに売り込み、年間2億円の売り上げを目指す。
床面を加工する手間が省け、伸縮する際の開閉音も静かになる。長い柱と組み合わせることで傾斜地にも設置可能。収納時は本体を回転させ開口部を広くできる。本体色は4色から選べる。家側からも鍵を使って施錠・解錠する両面シリンダー錠を採用し、防犯性能も向上させた。価格は15万2460円から。工事費などが別途かかる。
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20 INAX、狭いスペースにも設置しやすいトイレ用手洗い器 2011/2/18 日経産業新聞
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INAXは17日、狭いスペースにも設置しやすいトイレ用手洗い器「コフレル」を4月1日に発売すると発表した。壁への水はねを防ぐ機能を搭載、掃除のしやすさなどをアピールしてリフォーム需要の取り込みを狙う。
手洗いボウルの排水口には継ぎ目を無くした。陶器製の商品としては業界初という。継ぎ目の部分に汚れがたまらないため、清潔に保ちやすい。壁への水はねを防ぐバックガードがボウルと一体となっており、手を洗うときに壁がぬれにくい。
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21 平和不動産、三菱地所と提携 財務強化へ134億円調達 2011/2/18 日経産業新聞
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平和不動産は17日、三菱地所と資本業務提携すると発表した。3月に実施する第三者割当増資を三菱地所が引き受け、平和不動産の筆頭株主になる。平和不動産は三菱地所からの資金調達に加えて新株発行による増資で約79億円を確保。合計で約134億円を調達して財務体質を強化する。提携により東京都中央区の金融街、日本橋兜町の再開発事業を加速させる狙いだ。
第三者割当増資の後、三菱地所は平和不動産株の保有比率が0.92%から10.71%になる見込み。これまで両社は東京都新宿区内の不動産開発に共同で取り組んできたが、本格的な協業の実績はなかった。三菱地所は平和不動産の筆頭株主として、同社が推進する日本橋兜町の再開発事業に参加する方針。
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22 新築マンションのアフターサービス、三井不レジが満足度首位 2011/2/17 日経産業新聞
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不動産マーケティングのアトラクターズ・ラボ(東京・千代田、沖有人社長)がまとめた新築分譲マンションのアフターサービス満足度調査によると、三井不動産レジデンシャル(東京・中央)が前回に引き続いて全体の首位を維持した。担当者の接客態度や問題解決度などが評価を高めたとみられる。2位以下は三菱地所や住友不動産などが続いた。
単独と共同企業体(JV)を含めた全体での満足度のスコアは、1位の三井不動産レジデンシャルが79.1だった。2位の三菱地所は76.2で前回の5位から大きく順位を上げた。3位の住友不動産は前回の2位から降格。4位の東京建物や5位の野村不動産も前回より順位を上げた。
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23 三井不レジデンシャル、大阪・摂津で大型マンションを公開 2011/2/17 日経産業新聞
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三井不動産レジデンシャルは16日、阪急京都線「摂津市」駅前で開発中の大型分譲マンション「パークシティ南千里丘」を公開した。施設内には太陽光発電を搭載した多目的アリーナや保育園などの共用設備を充実し、住人同士のコミュニケーションを促したのが特徴だ。
住居部分となる専有部には冷暖房効率を高める複層窓ガラスを採用したほか、省エネを「見える化」するモニターシステムを搭載。環境性能も高めた。
住宅関連新聞記事ダイジェスト No.371 2011/2/10~2011/2/16
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住宅関連新聞記事ダイジェスト No.371 2011/2/10~2011/2/16 Vol.1
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【日本経済新聞】
1 建設産業が再生可能エネルギービジネスをつかむには
【朝日新聞】
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【読売新聞】
2 住宅ローン抱えるサラリーマン世帯、過去最高に
3 有料老人ホーム「入居一時金」返還もめる
4 雑居ビル防火対策、ビルとテナント双方に管理者
5 特養ホームへ民間参入も…特区法案を閣議決定
6 市営住宅当選の439人辞退…何でだ?
7 リモコンで雪下ろし「危険軽減に」装置開発
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1 建設産業が再生可能エネルギービジネスをつかむには 2011/2/10 日本経済新聞系
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太陽光や風力、水力などの再生可能エネルギービジネスによって、事業拡大を図ろうとする企業の動きが活発化しています。経済産業省の資料によると、世界の再生可能エネルギー市場は2010年の7.9兆円から2020年には27.4兆円へと拡大する見込み。この巨大な成長市場を狙って、商社や重電、プラント建設、IT(情報技術)などの大手が攻勢をかけています。
では、建設会社や建設コンサルタント会社が再生可能エネルギービジネスをものにするにはどうすればよいか。多業種がひしめく成長市場の勢力図を描きつつ、その答えを探ったのが、日経コンストラクション2月14日号の特集「『脱受注』で挑む新エネルギー」です。
設計や施工といった従来型の受注ビジネスでは、果実が限られます。業態転換なくして事業拡大なし、です。先行する他業種は、事業への出資も視野に入れてパッケージ型のビジネスモデルを提案し、施設単体というより都市丸ごとの受注を狙っています。
重電大手やプラント建設大手などの積極姿勢に比べれば存在感の薄かった建設会社や建設コンサルタント会社ですが、いくつかの会社が積極的に動き出しています。国際航業グループや日本工営、E・Jホールディングス傘下のEJビジネス・パートナーズなどは自ら事業者となって、再生可能エネルギー事業に乗り出しています。
新しい市場ということもあって、再生可能エネルギー事業は地方の会社にもチャンスがあります。それを体現しているのが、長野県駒ケ根市の建設会社、丸福久保田組の関連会社であるネクストエナジー・アンド・リソースです。「施工」ではなく「運営」のビジネスモデルで太陽光発電市場を開拓しようとしています。
従来型の土木市場の縮小を嘆いても、事態は好転しません。手近にある成長市場をいかにものにしていくかは重要です。日経コンストラクションは2011年に、「成長分野で強くなる」というシリーズを企画し、積極的に記事化していきます。その第一弾が、再生可能エネルギーに焦点を当てた今号の特集です。今後は、水ビジネス、PPP(官民連携)、海外展開といった成長分野を取り上げていく予定です。
思い返せば、1980年代には政府投資も民間投資も停滞した「建設冬の時代」を受けて、建設業界では「拡建設」の必要性が叫ばれました。このままでは先細りになるとの危機感が高まり、従来の受注産業からの脱却が模索されました。バブル経済崩壊後の本業回帰の流れのなかで「拡建設」の気概は急速にしぼんだように見受けられます。しかし、改めて「拡建設」にチャレンジすべき時機に来ているのではないでしょうか。社会のニーズと真正面から向き合い、異業種とも連携しながらリスクをマネジメントし、「拡建設」あるいは「拡土木」にチャレンジすることを期待したいと思います。
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2 住宅ローン抱えるサラリーマン世帯、過去最高に 2011/2/16 読売新聞
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総務省が15日発表した2010年の家計調査によると、サラリーマン世帯(2人以上)のうち住宅ローンを抱える割合が36・9%にのぼり、79年に集計を始めて以来、過去最高となった。
可処分所得に占める住宅ローン返済額の割合も20・6%と過去最高だった。
住宅ローン返済額の月平均は10万2069円(年間約122万円)で、前年より名目で0・5%増えた。住宅ローン世帯の割合が増えたことについて、農林中金総合研究所の南武志氏は「金利が低いことや住宅ローン減税が要因」と指摘している。
また、10年のサラリーマン世帯(単身世帯を含む)の実収入の月平均は47万1727円で、物価変動の影響を除いた実質で前年比2・3%増えた。このうち税金や社会保険料などを除いた可処分所得は38万9848円。食料費や光熱・水道費などの消費支出は28万3401円だった。
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3 有料老人ホーム「入居一時金」返還もめる 2011/2/15 読売新聞
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子どもに頼らず老後の生活を送る場所などとして、有料老人ホームへの関心が高まっている。入居一時金の返還など、契約や解約をめぐるトラブルも増えており、注意が必要だ。
東京都内で会社を営む男性(60)の両親は2004年、埼玉県にある介護付き有料老人ホームに入居した。それまで2人で自宅で暮らしていたが、当時84歳だった父(08年死亡)が軽い脳梗塞になったことがきっかけだった。
しかし、両親は約1年半後に退去した。父が脳梗塞のリハビリを思うようにできず、母も入居後にほとんど寝たきり状態になってしまったことに不満を持ったためだ。
入居時には、入居一時金や終身利用権金として、2人合わせて約540万円支払ったが、退去時に返還されたのは46万円。入居後は、食費や管理費などの月額利用料約30万円も支払っていた。男性は「短期間の入居だったのに、返還額が少なすぎる」と憤る。
国民生活センターによると、有料老人ホームに関する相談は年々増加。今年度も2月2日現在で331件と、前年同期(313件)を上回っている。「夫は入居2か月後に死亡したが、入居一時金150万円がまったく返還されなかった」など、約8割が契約や解約に関するもので、中でも入居一時金をめぐるトラブルが多いという。
入居一時金は、居室や共用施設を利用するための費用で、入居後の家賃相当額の前払い金として支払うものだ。内閣府の消費者委員会が昨年行った調査によると、金額は施設によって様々だが、1000万円台の施設が目立つ。
入居一時金は、一定期間内に退去する場合は、契約書の規定に基づいて返還される。しかし、その規定は施設によって様々で、トラブルの原因にもなっている。
全国有料老人ホーム協会(東京)事務局長の見市(みいち)拓(ひらく)さんは、「入居一時金のうち、入居日数にかかわらず自動的に差し引かれる『初期償却』の割合と、残りの金額の『償却期間』を必ず確認すべき」と話す。「入居時に全額償却され、退去したくても、別の施設に移転する費用がない」というケースもあるからだ。
初期償却率の設定は施設によって様々だが、消費者委員会の調査では、30%に設定している施設が多いという。
こうしたトラブルの増加を受け、厚生労働省は、契約締結後おおむね90日以内に解約した場合、事業者に対し、入居一時金のほぼ全額を返還するよう法律で義務づけることを決めた。来年4月から実施される見通しだ。
消費者問題に詳しい弁護士の生田(いくた)康介さんは、「施設から『一生住み続けられる』と言われても、病気で医療的な措置が必要となり1、2年で退去せざるをえないケースもある。サービス内容など、実際に入居しないと分からないことも多い」と話す。その上で、「入居一時金が入居期間に応じきちんと返還される制度を整備するべきだ」と訴えている。
契約前に念入り下調べ
有料老人ホームを選ぶ際には、どんな点に注意をすればいいのか。
職員や設備の様子、介護体制…
全国有料老人ホーム協会事務局長の見市拓さんは、「施設に何を期待し、どのような生活をしたいか、自分の心の中を整理することが重要」と話す。気になる施設が見つかれば、そのパンフレットなどの資料を集め、居室の間取りや立地条件などを検討する。
NPO法人「シニアライフ情報センター」(東京)の小瀬有明子(おぜゆめこ)さんは、その際に、重要事項説明書と契約書も取り寄せることを勧める。「契約の際にしか渡せない」という施設もあるようだが、契約時の短時間では内容を正確に理解できないことが多いからだ。
体験入居できる施設も多いので、現地に足を運び、設備や責任者、職員、入居者の様子をよく見ることも大切だ。小瀬さんは、「気になることがあれば、どんどん聞いてみる。質問に対し職員がきちんと説明をしてくれるかどうかも、その施設が信頼できるかを判断する際のポイントになる」と話す。実際に宿泊し、入居者と食事を一緒にとり、話をすると、日常の雰囲気が分かる。なるべく複数の施設を見学し、比較検討をしたい。
医療・介護の体制も重要だ。徘徊(はいかい)や暴力をふるうなど認知症が重くなったり、病気で医療的処置が必要になったりした場合、退去を求める施設も多いからだ。
入居時に必要な費用のほかに、家賃や食費、管理費など月々に支払う費用も確認したい。有料老人ホームの入居相談に応じる「高齢者住宅情報センター」(東京)の米沢なな子さんは、「買い物の代行や電球の取り換えなどを頼むと、別途費用がかかることもある。月額利用料にどんなサービスが含まれているのか確認すべき」と指摘する。
施設の数が増え、競争も激化していることから、事業者の経営の安定性にも目を配りたい。そのひとつの指標になるのが入居率だ。米沢さんは、「開設から3年以上でも、入居率が50%を切る施設や、事業主体がコロコロ代わっている施設には、注意が必要です」と話している。
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無料電話相談を実施
全国有料老人ホーム協会では、無料電話相談を3月1~3日に実施する。午前10時~午後4時。当日の電話番号は0120・180・885。電話相談後、希望により面接相談も行う予定だ。
高齢者住宅情報センター(0120・352・350)や、シニアライフ情報センター(03・5350・8491)でも、有料老人ホームに関する情報提供や入居相談を行っている。契約のトラブルなどで困ったら、各地の消費生活センターにつながる「消費者ホットライン」(0570・064・370)へ。
施設見学での主なチェックポイント
(全国有料老人ホーム協会の資料をもとに作成)
▽最寄り駅からの距離
▽周辺の環境、買い物などの利便性
▽規模と入居者数
▽スタッフの対応や入居者の雰囲気
▽居室の間取りや設備、冷蔵庫、エアコンなどの備品
▽緊急コール・インターホンの有無
▽食堂、浴場の利用時間
▽医療機関との協力関係
▽病院への送迎、付き添い
▽介護サービスを提供する職員の体制
▽特別食、治療食への対応、費用
▽居室の清掃、洗濯
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4 雑居ビル防火対策、ビルとテナント双方に管理者 2011/2/15 読売新聞
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総務省消防庁は14日の消防審議会(消防庁長官の諮問機関)で、雑居ビルの防火対策として、新たにビル全体と入居テナントの双方に防火管理者の設置を義務付けるなどの方針を報告した。
今後これらを盛り込んだ消防法改正を目指す。
雑居ビルの火災が相次いでいることを受けたもので、現行の消防法では、ビル全体もしくは個々のテナントに設置すればよいとされている規定を強化する。これらは収容人数30人以上のテナントに適用し、各防火管理者に避難誘導法などを定めた消防計画を提出させるよう改める。
30人未満のテナントには、防火管理者設置は義務化しないものの、「管理開始届」の提出を義務付け、入れ替わりの実態を把握する。
雑居ビル火災では、2001年に東京・歌舞伎町で44人、08年に大阪市の個室ビデオ店で16人が死亡している。
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5 特養ホームへ民間参入も…特区法案を閣議決定 2011/2/15 読売新聞
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政府は15日午前の閣議で、特定地域で規制を大幅緩和するための総合特区法案を閣議決定した。
特別養護老人ホーム設置の民間参入や工業地域の用途規制緩和など10項目の特例措置を盛り込んだ。来年度からの実施を目指している。
同法案は、国際競争力を高める「国際戦略」と、地域活性化を目指す「地域活性化」の2分野を設定。規制緩和だけの「構造改革特区」とは異なり、税制上の優遇措置や財政面での支援措置も伴うのが特徴だ。観光や福祉などの成長分野で地域を活性化させる効果が期待されている。
特例措置はこのほか、「通訳案内士の国家資格がなくても、観光客向けの有償のガイドを可能とする」「酒類の製造免許にかかる規制緩和」などがある。自治体からの提案に応じ、特区創設を可能とする「国と地方の協議会」を設置する内容も盛り込んだ。
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6 市営住宅当選の439人辞退…何でだ? 2011/2/15 読売新聞
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横浜市の包括外部監査の報告書が14日、発表され、同市が2009年度に行った市営住宅の入居者募集で、約16倍の抽選の結果、当選した1429人中439人が辞退していたことがわかった。
報告書は「『とりあえず、申し込んで当たったら考えよう』とする者がいる可能性があり、より低所得の階層の申込者に配慮することが求められる」と、募集方法見直しの必要性を指摘した。
同市の現在の募集方法は、抽選で選ばれた人の中から選考基準に合致した人を入居者とする「抽選方式」と、速やかに市営住宅に入居させる必要のある人について、優先的に抽選を受けさせるか、抽選を行わずに市の定める選考基準で決定する「倍率優遇方式」を採用している。
報告書は、「公営住宅は住宅困窮者へのセーフティーネット」という考え方から、本当に困っている低所得者をよりきめ細かく選定するための「ポイント方式」導入を提案。ポイント方式は、住宅困窮度を点数化し、合計点数の高い世帯から入居者を決定するもので、政令指定都市では、福岡市が導入しているという。
市住宅管理課は「辞退者の多くはやむを得ない理由のケースが多く、指摘が妥当だとは思わない。ポイント方式も大都市にはなじまない」としている。
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7 リモコンで雪下ろし「危険軽減に」装置開発 2011/2/14 読売新聞
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屋根に積もった雪を落とす雪下ろし装置=福原教授提供 大雪の際、屋根に積もった雪を落とす装置を福井大工学研究科の福原輝幸教授と同科博士課程の寺崎寛章さんが開発した。
「危険を軽減したい」として、できるだけ早期の実用化を目指している。
屋根に取り付ける巻き取り式のステンレス板(厚さ約5ミリ)を連ねた装置。屋根最上部に設置した巻き取り部分に収納している板を、リモコンで屋根に沿って軒先まで伸ばし、先端に組み込んだ電熱線の熱で雪を落とす仕組みで、50センチの積雪まで対応できる。除雪時間は、傾斜15度で斜面の長さが3メートルの一般的な民家なら約1時間。
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住宅関連新聞記事ダイジェスト No.371 2011/2/10~2011/2/16 Vol.2
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【日経産業新聞】
8 1月の首都圏マンション発売、1年ぶりマイナス大手が供給絞る
9 住友林業系、特殊シートでリフォーム工事の騒音軽減
10 三和シヤッター、交換が容易なマンション用玄関ドア工期短縮
11 大京、兵庫に省エネ型マンション 太陽光発電を導入
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8 1月の首都圏マンション発売、1年ぶりマイナス大手が供給絞る 2011/2/16 日経産業新聞
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不動産経済研究所(東京・新宿)が15日に発表した1月のマンション市場動向によると、首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)の新規発売戸数は前年同月比13.5%減の1372戸だった。12カ月ぶりに前年実績を下回った。大手デベロッパーが供給を絞ったためで、落ち込みは一時的とみられるという。
売れ行きを示す契約率は73.3%で、13カ月連続で好不調の分かれ目とされる70%を上回った。住宅ローン減税や低金利を背景に消費者の購入意欲は依然として高く、需要に対して供給が不足している。1戸あたりの単価は4238万円で、同2.4%上昇した。
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9 住友林業系、特殊シートでリフォーム工事の騒音軽減 2011/2/16 日経産業新聞
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住友林業の子会社でリフォームを専門に手掛ける住友林業ホームテック(東京・千代田、高桐邦彦社長)は15日、リフォーム工事の際に発する騒音などを低減する工法を開発したと発表した。特殊なシートを使って工事の騒音を軽減、また会話を聞こえにくくしてプライバシーにも配慮した。増改築など在宅でリフォームする場合でも快適に過ごせることで、顧客満足度を高める。
新開発の工法によるリフォームは今月から開始した。音を遮断するフェルトを特殊なシートで挟んだ「遮音断熱養生シート」で施工現場と居住空間を隔てる。従来の薄いブルーシートに比べて電動のこぎりなどが発する工事の騒音を約1割低減し、会話もはっきり聞こえる状態から内容がわからない程度にまで小さくなるという。
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10 三和シヤッター、交換が容易なマンション用玄関ドア工期短縮 2011/2/16 日経産業新聞
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三和シヤッター工業は15日、交換が容易なマンション用玄関ドア「エックスドール・チェンジ扉交換工法」を発売した。既存ドアの枠をそのまま利用できるため短期間でのリフォームが可能。マンションの管理組合やゼネコンなどに売り込む。
既存ドアから扉だけ取り出し、新しい扉を取り付ける。既存枠の上に新しい枠をつける「カバー工法」に比べて工事時間を短縮でき、価格を抑えられる。錠前はレバーハンドル錠や握り玉錠からグリップハンドル錠に変更できる。A4サイズの回覧板を収納できるポストも取り付け可能だ。
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11 大京、兵庫に省エネ型マンション 太陽光発電を導入 2011/2/10 日経産業新聞
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大京は9日、兵庫県西宮市で環境負荷の低減に配慮したマンションを開発すると発表した。太陽光発電システムを導入、緑地や日よけなどを効果的に設置して敷地内の温度上昇を防ぐ仕組みなどを取り入れる予定。3月中旬に売り出す。
「ライオンズ苦楽園グランフォート」は広さ約1900平方メートルの敷地で、地上6階建て、地下1階建てのマンション。総戸数は47戸で住戸の広さは58~101平方メートル。屋上の緑化や霧の散布装置などを設置。住戸のバルコニーには可動式の日よけを設置して住人が状況に応じて部屋の採光を調節できるようにした。
住宅関連新聞記事ダイジェスト No.370 2011/2/3~2011/2/9
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住宅関連新聞記事ダイジェスト No.370 2011/2/3~2011/2/9 Vol.1
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【日本経済新聞】
1 都内の住宅着工2年ぶり増。10年10%増、都心3区が2倍
2 無人と化した地に長期優良住宅が残る未来
3 不動産投資ビジネスの明日(6)周辺産業への影響
4 不動産投資ビジネスの明日(5)国富の価値向上策
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1 都内の住宅着工2年ぶり増。10年10%増、都心3区が2倍 2011/2/7 日本経済新聞
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東京都が4日発表した2010年の都内の新設住宅着工戸数は約11万9800戸で、前年に比べて10%増えた。増加は2年ぶり。都心部を中心に開発が目立つ分譲マンションの着工増が全体をけん引した。低金利に加え、税制優遇など国の住宅取得支援策が個人の購入意欲を後押ししたとみられる。
地域別では千代田、中央、港の「都心3区」が前年の約2倍の約6900戸。都心3区の住宅需要は長く低落傾向が続いていたが、03年以来7年ぶりに前年実績を上回った。23区全体も、前年比13%増の約9万700戸と堅調ぶりを示した。
着工戸数の内訳を見ると、自宅などの持ち家は前年比11%増の約2万100戸で3年連続の増加。分譲住宅は全体が同39%増の約4万9900戸で、中でも分譲マンション(約3万2000戸)が同44%増と大幅な伸びを見せた。
分譲マンションの急増について、みずほ証券の石沢卓志チーフ不動産アナリストは「大手デベロッパーを含め低廉な物件が出始め、値ごろ感から需要が高まった」と背景を分析する。貸家は前年に比べ5%減の約4万8900戸だった。
ただ、今後の見通しに関し石沢氏は「住宅供給でめざましい回復は考えにくい」とみる。消費者の所得が伸び悩んでいるほか、分譲マンション市場で値上がりの動きが見え始めたためだとしている。
10年12月の都内新設住宅着工戸数は1万515戸。前年同月比24%増で、7カ月連続して増加した。
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2 無人と化した地に長期優良住宅が残る未来 2011/2/8 日本経済新聞系
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人口減少2050年国土交通省長期優良住宅国土審議会政策部会長期展望委員会。これは恐ろしい未来だと感じた。昨年末に国土交通省の国土計画局が公開した2050年の日本の国土についての予測データである。
「国土の長期展望に向けた検討の方向性について」と題された資料は、2050年には日本の国土の6割以上の地点で現在の半分以下に人口が減少し、21.6%は無居住化、つまり人が住んでいない状態になると予測する。
日本の総人口は2004年をピークに今後100年間で100年前(明治時代後半)の水準に戻っていく。2050年の人口は9515万人、2005年から約3300万人、25.5%の人口減になるという。
資料は、全国的な人口減少率を超えるペースで人口の減る地域が増えることを「地図」で示す。全国を「1km2ごと」に色分けした地図では、人口増を示す「赤色」の部分は東京圏と名古屋圏を中心にほんのわずか。大部分が人口減を示す寒色系に塗られている。
人口が半分以下になる地点は現在の居住地域の6割以上を占め、居住地域の21.6%が「無居住化」を示す色に塗り分けられている。都市圏レベルでみても、多くの圏域で人口が大きく減少し、都市の約2割は人口が半分以下になる。
2050年はわずか40年後だ。2011年に産声を上げた新生児はその頃、住宅を取得する適齢期に差し掛かる。一方で2011年に新築された長期優良住宅は築40年弱。まだまだ現役で十分に活躍できる築年数、のはずである。
日本の居住地の近未来と長寿命住宅を重ね合わせると、子供たちが去り、無人と化した地に建つ住宅の姿が浮かんでしまう。
何を建てるかではなく、どこに建てるか。さらに言えば建てた地域をいかに維持していくか──こんな命題が住宅の実務者にとってじわじわと、確実に重みを増していく。
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3 不動産投資ビジネスの明日(6)周辺産業への影響 2011/2/8 日本経済新聞系
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──世界的な構造変化のなかで、企業経営のかじ取りは難しくなる一方です。不動産会社や建設会社の経営者には、どんな姿勢が必要ですか。
田辺 大手デベロッパーの歴史をたどると、経営環境の変化に柔軟に対応できたかどうかが勝負を決めています。
日本の一等地を拠点とする三菱地所だって、バブル崩壊後は苦しみました。1997年に「丸の内のたそがれ」という記事が日本経済新聞に載りました。このままでは丸の内地区の地盤沈下が避けられないとの内容です。それでも建て替えを計画的に進め、いまは軌道に乗っているばかりか、新しい街づくりのあり方を創造しようとしています。
一方、都心部に土地を持っていなかった三井不動産に、三菱地所と同じ生き方はできませんでした。日本で初めて「デベロッパー」を名乗って宅地開発に乗り出すとともに、都心部でも土地を買い集めて霞が関ビルのような日本初の超高層ビルを開発し、徐々に賃貸ビル事業でも存在感を増していきました。その後「預かり資産」という言葉を使って、投資家の資金を運用するビジネスを始めました。当初はフィービジネスを念頭に置きつつ、次第に自らファンドをつくって、ある程度のリスクを取りながら不動産を運営するビジネスに発展させ、今のような地位を築いています。
今は安定しているといわれる三菱地所や三井不動産にしても、大きな決断をしながら時代の変化に柔軟に対応してきたのです。建設会社など、不動産の周辺産業にも同じことが言えるでしょう。
──再び不動産取引が活発になるとしたら、周辺産業への影響としてどんなことが考えられますか。
田辺 不動産が動くときは、周辺産業にとっても大きなビジネスチャンスです。所有者が変わると、新たな方針に従って取引先が変わります。建設や改修の工事が始まることが多い。そうした機会を逃さないためには、やはり不動産市場の動向とデベロッパーの戦略に注意を払う必要があります。
不動産証券化の仕組みを細かく知る必要はありませんが、発注者が何を目的に動いているのか、知る必要はあるでしょう。私が不動産会社にいたときには、やはり自分たちの要望に的確に応えてくれそうな会社に仕事を頼みました。
昔は系列で仕事が決まりました。今も系列は大事ですが、不動産証券化が定着するなかで、中立的な発注に移行するところが増えました。なぜかというと投資家がいるからです。最適な運営をしなければ、自分たちが投資家から切られてしまいます。
──今後、ゼネコンに求められる能力を一つ挙げてください。
田辺 プロジェクトの資金調達力だと思います。アジアをはじめとして新興国には、インフラ整備や都市開発の需要があるわけです。その分野のノウハウを備えた銀行や証券会社と組んで、投資家のお金を引っ張ってくれば、ファンドをつくることができるのではないでしょうか。ゼネコンには信用力がありますから、それができると思います。
(連載終了)
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4 不動産投資ビジネスの明日(5)国富の価値向上策 2011/2/7 日本経済新聞系
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──海外の投資家は、日本の不動産マーケットをどう見ていますか。
田辺 日本は、米国に次いで2番目の市場規模があり、東京はニューヨークに匹敵するくらいの都市力を有しています。地震はあるが、法的、経済的には問題が少ない。円高の問題があるものの為替は安定している。海外の投資家から見れば、分散投資の一環として、やはり外せない国です。長期的に見れば人口減の問題がありますが、「日本への投資をやめよう」という話にはなっていません。
問題は日本について知られていないことでしょう。英語による発信力が圧倒的に不足しています。わからないことで海外の投資家はおっかなびっくりのスタンスになり、その分、リスクプレミアムがついてしまいます。英語圏と同じように開かれているとは言い難い状況です。
──現在の日本の不動産価格を、どう思いますか。景気をよくするために、不動産価格はある程度、回復することが望ましいという話があります。
田辺 不動産の本来の実力よりも低いと見ています。2003年から07年にかけての価格の上がり方は、それほど異常ではありませんでした。どこが適正価格かは難しいところですが、日本の経済力を示すGDP(国内総生産)と土地価格を約10年前(2000年)と今とで比較すると、GDPは500兆円弱とほとんど変わっていないのに、土地の資産価値は約1500兆円から約1000兆円へと3分の2まで減少しています。
2000年の土地価格は、バブル崩壊を経て、「土地神話」による高値が調整された後のものですので、日本の経済力に変化がないのにそれから10年で更に大きく土地価格が下がるのは、やはり下がり過ぎと言えるのではないでしょうか。ちなみに同時期において、米国の不動産価格はGDPとほぼ同じペースで上昇し、約1.5倍になっています。
統計によると、日本には2008年時点で株式と出資金が約420兆円、不動産(土地以外の建物等を含む)が約2300兆円あります。株式ももちろん大事ですが、規模の大きな不動産の価値を国富としてきちんと評価することが重要です。不動産の価値を高めることが国の経済力アップにつながります。
市場関係者にできること
──不動産価値向上のために、市場関係者としてできることがありますか。
田辺 不動産の価格は、不動産のキャッシュフローを期待利回りで割って算出します。単純に考えれば、分子のキャッシュフローを増やせば価格が上がります。ただしキャッシュフローの成長はGDPに連動するので、日本経済の成長が前提です。市場関係者だけではどうすることもできません。
では、GDPが上がらなければ日本の不動産の価値は上がらないかといったら、そんなこともない。分母の利回りを下げることが考えられます。
国債の利回りは金融市場の問題なので、不動産側でどうにかできる問題ではありません。動かせるのはどれかというと、不動産全体のリスクプレミアムと個別不動産のリスクプレミアムです。
日本の現状を読み解けば、第1にキャッシュフローの期待成長率が「日本はダメなんじゃないか」ということで上がらない。第2に、不動産全体のリスクプレミアムが高止まりしている。この不動産全体のリスクプレミアムには、開発リスクや地震リスク、キャッシュフローや価格の変動リスク、クレジットリスクなどが含まれます。例えば開発リスクは、行政の協力を得ることで抑えることができる。ただ、もっと大きいのはキャッシュフローの変動リスクやクレジットリスクです。
金融工学では、価格の変動が激しくて大きいほどリスクが高いとみなします。その分、高いプレミアムを要求される。日本の不動産も過度に価格の上下を繰り返せば、リスクが高いと評価され、計算上、リスクプレミアムを上乗せされてしまいます。金融工学の理論が正しいとは限りませんが、株式投資でも債券投資でも、現実に世界の投資家は、この理論に基づいて行動しています。
では、不動産価格の過度の変動を抑えるためにはどうしたらよいか。例えば、銀行が急に貸し出しを絞ることのないように、当局が銀行を指導することはできます。これは政策対応です。今回の金融危機対応で、日銀がJ‐REITの投資口を購入対象に加えたのもその一つです。マスコミにも責任があります。根拠もないのに不動産価格の行き過ぎをあおらないことです。
市場の実務者の心構えとしては、必要以上に利益を求めるのではなくて、合理的な利益を求めるということです。そうすればリスクプレミアムは小さくなって、不動産価値の向上につながります。先ほどお話しした株主(投資家)至上主義の反省も、ここに関係してきます。
──心構えが影響力を持つのでしょうか。
田辺 バカにはできません。この期待利回りが少し動くだけで、不動産の価値は大きく上昇します。
仮に日本の不動産のキャッシュフローが100兆円あるとします。このなかには既に実際に生み出されているキャッシュフローもあれば、不動産を有効活用すれば生み出すことが期待できるキャッシュフローも含まれます。なかにはリスクの大きな不動産も混じっているので、仮に全体の期待利回りを10%としてみましょう。日本の企業と国・地方公共団体が所有する不動産は1000兆円弱あるので、あながちいい加減な数字であるとは言えません。この期待利回りが0.5ポイント下がったら約50兆円の違いです。
取り組み前の価値 100兆円÷10%=1000兆円
取り組み後の価値 100兆円÷9.5%=1053兆円
日本のGDPが約480兆円とすると、1割超を占めます。キャッシュフローの期待成長率を上げるという国の命題と、不動産のリスクプレミアムを下げるという市場関係者の取り組みを合わせて進めると、ベースの不動産価格が上がり、資産効果を通じて消費と景気に好影響を与えます。結果的に、海外の投資家から日本に流入するお金も増えてきます。
金融市場もそうですが、日本の不動産市場は、海外の投資家などにあおられていたところがありました。これによってボラティリティー(変動性)を高くして、市場を痛めつけていた。それをどうしていくかという問題です。日本の不動産の実力を、海外の投資家にもきちんと理解してもらうことが求められています。
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住宅関連新聞記事ダイジェスト No.370 2011/2/3~2011/2/9 Vol.2
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【日本経済新聞】
5 不動産投資ビジネスの明日(4)ルールが変わる
6 不動産投資ビジネスの明日(3)真の投資家重視とは何か
【朝日新聞】
7 未来型省エネ住宅「スマートハウス」で居住実験
【読売新聞】
8 エコな駅、JR東が導入…屋上緑化や太陽光発電
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5 不動産投資ビジネスの明日(4)ルールが変わる 2011/2/4 日本経済新聞系
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──不動産投資ビジネスの実務者にとって、この先、重要性が増すのはどんな視点でしょうか。
田辺 既に言われていることですが、今後もますます重要になる視点として、グローバル化、金融と不動産の融合、そしてコンプライアンスがあります。
グローバル化は、資金調達と投資の両面について言えることです。これからは市場間の競争になります。ケネディクスがやったように、オーストラリアの市場に上場して資金調達したって構わないわけです。投資先も日本に限らない。そういう意味で、市場間競争におけるグローバル化がいよいよ本格化します。クロスボーダー投資が増えてきます。
そして、不動産市場は金融の影響をますます強く受けるようになるでしょう。今回のように金融危機が起きてみると、不動産の環境が大きく変わってしまいます。今後も同じようなことが起きるかもしれない。不動産市場の先を知るには、金融のことを知らなければなりません。
株価が下がれば、BIS(国際決済銀行)規制によって銀行の融資スタンスが変わります。機関投資家が株や債券、不動産などに分散投資する場合、それぞれに一定の比率を設けています。株価が落ちれば、比率に従って不動産投資も減らす。デノミーネーター・エフェクトです。株価は本来、不動産と関係ないはずなのに、連動するようになりました。
コンプライアンスの概念は単なる法令順守から、さらに広がると思います。投資家など特定の人に誘導されるのではなくて、市場の規律を意識して行動することが求められるでしょう。
このほかにも重要になることが四つあると考えています。会計、社会資本、環境、それにリスクマネジメントです。
会計では、IFRS(国際会計基準)が不動産投資に及ぼす影響に注目する必要があります。2012年に適用について最終判断が出る予定です。どこまでの範囲で適用されるかわかりませんが、その方向で動いていることは間違いありません。
IFRSを適用すると、不動産の評価が企業の収益(包括利益)に直接的に結びつくようになります。企業は、より安定的な不動産運用を求められる。そうなるとリスクの高い不動産、収益のぶれそうな不動産に対する投資がしにくくなる。企業はおかしなリスクは取れませんから、不動産売却を促すことにもつながってくるでしょう。
──社会資本と不動産とのかかわりは?
田辺 社会資本を新しく整備するとしても維持更新するとしても、国や自治体のお金は明らかに足りません。新たな資金を入れていくことを、当然、考えていかなければなりません。そのときにベースとなるのが、不動産証券化のような資金調達手法です。政府の成長戦略にも、民間資金を活用した社会資本整備が盛り込まれました。
そうした流れのなかで、不動産が都市を構成する社会資本の一部だという考え方が強くなってくるでしょう。投資家は成長力のある都市に投資しますから、国際競争を意識した都市戦略が重要性を増してきます。
企業にとって不動産戦略を考えることは、経営戦略を考えることとイコールです。不動産は資産として金額が大きいですし、買うにしても借りるにしても、事業に必ず使います。不動産だけ取り出して考えること自体が、時代にそぐわなくなってきている。国や自治体も同様です。施設やインフラのことを考えるということは、国や自治体の経営戦略を考えることなのです。
常に米国優位だったが・・・
──環境性能を高くしても、不動産の収益向上につながらないという意見があります。
田辺 環境対策は世界的な地球温暖化対策防止の取り組みのなかで当然、やっていかなければいけないことですし、大きな流れとしては環境性能によって個々の不動産を評価することになるでしょう。
ただし、ビル事業者などが、どの程度までコストをかけて取り組めばいいのかの判断は難しい。環境に熱心に取り組んだことによる見返りがあるかというと、現時点ではなんとも言えません。例えば土壌汚染なら、取り除けばその物件の投資価値が上がるかもしれない。しかしCO2を削減しても、物件の価値が上がるかどうかはっきりわからない。
環境対策はまず国策として推進し、やらない人が得をすることのないようにすべき問題だと思います。それでも、海外も含めて投資家やテナントの動向を観察して、乗り遅れないようにしなければならないでしょう。
──リスクマネジメントの対象は広いです。具体的には、どんなリスクを想定すればよいのですか。
田辺 これまでのサイクルで得た教訓を生かすということです。先ほどお話しした、流動性確保やコミットメントラインもその一つです。もう一つ重要なことは、時代のうねりを読むことです。世界的に構造的な変革が起きていることは誰もが認めています。そういう意味では、過去の分析をいくらやっても、あまり意味をもたないのかもしれません。
2001年に出版した「不動産投資のイノベーション」(ダイヤモンド社)のなかで書いたことを10年たって振り返ってみると、7~8割は予測通りになりました。でも、この10年間の不動産投資は、米国がやってきたことをベースにしているので、当たって当然かもしれません。ところがこの先はモデルがありません。グローバルな市場のなかで、どこに投資をすればいいのか、どこから資金調達するのがいいのかといったことさえわかりにくくなっています。
ビジネスの枠組みも変化しています。従来はあらゆることが欧米主導で起きました。ゲームはルールをつくる国が強いので、常に米国が優位でした。これからは経済力を有するアジアの勢力が表に出てくるでしょう。既に中国は無視できない。だから、米国だけ見ていればよいというわけにはいきません。例えば国際的な不動産鑑定のルールが変わり、日本にとって不利になるかもしれない。場合によっては、日本の不動産が買いたたかれる恐れだってあるわけです。
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6 不動産投資ビジネスの明日(3)真の投資家重視とは何か 2011/2/3 日本経済新聞系
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田辺信之・宮城大学事業構想学部教授
──不動産の市況が上下する過程で、考え方が変化したことはほかにもありますか。
田辺 不動産ファンド運用会社とスポンサー企業との関係も、その一つです。市況の回復局面では、ファンド運用会社はスポンサー企業と安易にくっつかない方がよいと言われていました。スポンサーのリストラの出口として高値で不動産を買うこと、つまり利益相反を疑われるからです。ところが不動産の価格が上昇して、なかなか買えなくなると、「スポンサーと連携することが重要である」というように、市場の認識が変化しました。
REIT(不動産投資信託)の増資にまつわる話もあります。REITの成長期においては、「REITの増資は物件取得と同時でなければダメだ」というのが通説でした。なぜなら、増資だけ先にすると株数が増えて1株あたりの分配金が減ってしまうから。いわゆるダイリューション(希薄化)です。「そういうことをすると投資家が離れる」という説明でした。
実際にファンド運用会社は、できるだけその方針で取り組もうとしました。しかし、これも永久に続けるのは難しい面があります。お金を調達しやすいタイミングと、物件を買いやすいタイミングがイコールだとは限りません。同時に取得するとしても、分配金を減らさないことが前提なら、高い利回りで物件を買い続けなければならない。あるいは、借入れ比率を高めて、レバレッジ効果によって分配金の利回りを高めなければならない。
増資によって一時的に配当が落ちるとしても、中長期的には安定的な運用につながることを説明できればいいはずですが、現実にはそのリスクを取らない、あるいは取りにくい方向に市場が向かってしまいました。各プレーヤーが、市場からの評価を少しでも上げたいと思う面があったと言わざるを得ないでしょう。
──ここにも無理があったと。
田辺 もう一つ、流動性確保の必要性も学びました。流動性とは、不動産ファンド運用会社にとっての余剰資金のことです。運用会社が、いつでも物件を買えるように100億円もっておきたいと言っても、投資家から反論を受ける場合がありました。「余分なお金があるなら返済せよ」とか「さっさと運用せよ」とか言ってくるわけです。従来はそれを無駄なコストと捉えていたのですが、今になってみると、リスクヘッジのために重要なコストであることがわかります。
コミットメントラインと呼ぶ、企業と銀行との協議で、期間を決めて融資枠の上限をあらかじめ定めておく制度があります。枠内でなら審査なしで銀行から資金提供を受けられるのですが、枠を取っておくだけでフィーがかかります。一部の投資家からは、それさえ無駄だという指摘もありました。でも、やはり必要な費用だったわけです。
不動産市況が上昇から下降に転じたこの10年間のサイクルのなかで、こうしたリスクマネジメントの意味を学んだのです。
中長期的な判断軸と多くの投資家の観点
──いろいろな問題を突き詰めると、何が真の投資家重視なのかという論点に行き着くということですね。しかし、人間は利益を追求する動物です。企業も従業員にそれを求めます。
田辺 私も不動産の実務をしていたので、反省を含めて考えているのですが、現実問題としてどこで歯止めをかけたらよいのか、なかなか明確にはしにくいところです。投資家が実際に要求したのではなく、ファンド運用会社や証券会社などが、必要以上に投資家の意向をおもんばかった面もあるように思います。
ただ、1990年前後に起きたバブル崩壊時の経験者が経営陣にいる大手や中堅の不動産会社は、今回の局面でも比較的、慎重でした。不良債権処理で苦しんだ金融機関出身者がいる不動産ファンド運用会社でも、ある程度の規律が働いたと思います。
でも、そうではないところでは、普通ならば考えられないような借り方をする事例も散見されました。もちろん不動産の運用をやっている人の責任ですが、背景には市場からの無言の圧力を感じていた面もあるように感じます。
投資家にもいろいろな人がいます。しっかりした見識に基づいて、中長期的観点に立って意見をいう投資家がいる一方、ともかく目先の利益が大事だという投資家もいます。「スポンサーから積極的に物件を買って外部成長するべきだ」とか「レバレッジを効かせてもっと利回りを高めたらどうか」とか。海外の投資家説明会に行くと分かりますが、ときには必ずしも日本の事情に精通していないMBA(経営学修士)を取得した投資家が出てきて、莫大(ばくだい)な資金をバックに厳しい意見を言ってくる場合もあります。
短期で売り逃げようという人もいれば、不可能だと分かりながら言う人もいる。ファンド運用会社のなかには、投資家の意見を真に受けて実行した人もいれば、ある程度までは聞き流した人もいたと思います。ここで重要なことは、短期的な視点もさることながら、中長期的に見て、また、多くの投資家の観点を持ちながら、何が真の投資家重視につながるかという判断軸を、市場関係者がしっかりと持つことでしょう。一見、短期的には投資家重視のように見えても、必要以上にリスクを取り、その後の収益が大きく落ち込むようでは、最終的に投資家にとってプラスにならないかもしれません。
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7 未来型省エネ住宅「スマートハウス」で居住実験 2011/2/6 朝日新聞
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住宅大手が、太陽光発電や燃料電池などを使った「未来型」の省エネ住宅の開発を加速させている。二酸化炭素(CO2)排出削減をめざし、制御システムを家に構築して賢く効率的に電気を使おうという発想で、「スマートハウス」と呼ばれる。各社とも続々と実証実験に乗り出しており、快適さと便利さを実感できるかが普及のカギを握りそうだ。
積水ハウスと大阪ガスは1日、奈良県王寺町の住宅地の一角につくった「スマートエネルギーハウス」の実験住宅を公開した。太陽電池、リチウムイオン蓄電池と、大阪ガスが開発中の高効率の燃料電池の「3電池」が備わっているのが特徴。ITを駆使した制御システムでこれらをつなぎ、高いレベルの省エネを目指すものだ。
燃料電池は都市ガスから取り出した水素と酸素の化学反応で電気や熱を発生させる。電力消費の少ない夜間にもこれを作動させて蓄電池にため、太陽電池の出力を含めても不足する夕方や夜に放電するなどの制御を行う。住人にはタブレット型端末を通じて発電状況を知らせ、「熱に余裕があるので空調を床暖房に」といった助言もする。
実際に大ガスの社員(29)と家族2人が5日から3年住んで検証する。実験の目標は、備え付けの電気自動車での電力消費も含めて「CO2の排出を計算上ゼロにする」ことを目指す。太陽光発電で電力購入を減らすことで削減したCO2量を、住宅での電気・ガス消費で発生するCO2量を上回らせて差し引きゼロにしたいという。
大和ハウス工業も、リチウムイオン蓄電池を使った省エネ住宅を大阪府吹田市の住宅展示場で一般公開している。太陽光発電に加えて太陽熱利用システムを屋根に搭載、水道水を利用したドライミストなども窓の外側に設置し、家中丸ごと「エコ」な住宅を具体化した。
CO2は4人家族の一般住宅(延べ床面積136平方メートル)に比べて71%減。年間光熱費は105%削減でき、タダにしたうえで売電にまわせる計算という。販売価格は一般住宅に比べて250万円程度高くなる見通しだが、年内に販売する予定だ。
このほか、パナホームやマンション大手の大京なども実証実験を進めている。
大手各社が省エネ住宅に力を入れる背景には、人口減で新築需要の市場縮小が見込まれるなか、住宅の環境配慮が消費者の購買意欲をくすぐるとみているからだ。CO2や消費電力量の削減に加え、家電製品の自動化や自然の光や風をうまく住宅に取り入れ、利便性と快適性をともに追求している。
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8 エコな駅、JR東が導入…屋上緑化や太陽光発電 2011/2/9 読売新聞
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JR東日本は8日、屋上緑化など環境に優しい技術を駅に導入する「エコステ」を始め、第1弾のモデル駅として中央線四ツ谷駅(東京都新宿区)を、近く改修すると発表した。
管内の12支社で1か所ずつモデル駅を指定し、整備を進めていく。
同駅では、ホームの屋根の上を緑化するほか、駅舎の屋上に公園を造って一般に開放する。照明などを消費電力の少ないLEDに切り替え、太陽光発電も導入。二酸化炭素の排出量を、約4割削減する計画となっている。総事業費は約10億円で、2011年度中の完成を目指す。
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住宅関連新聞記事ダイジェスト No.370 2011/2/3~2011/2/9 Vol.3
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【読売新聞】
9 「光量」で選ぶLED電球
10 簡裁はエレベーター設置を…建築確認出しません
11 空き家 大雪で高まる倒壊の危険性
12 幕張新都心・文教地区、長谷工が落札
13 戸別の太陽発電を導入したマンション
14 「奇想天外な家」脚光
15 「改葬」手順しっかりと
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9 「光量」で選ぶLED電球 2011/2/8 読売新聞
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明るさ「ルーメン値」が決め手
LED(発光ダイオード)の電球が普及し始めた。省エネ・長寿命が“売り”だが、白熱電球から買い替えたものの、「思ったより暗い」と不満に思う人も多いようだ。
こんなことにならないよう、LED電球の正しい選び方を紹介しよう。
結論から言うと、LED電球は「ルーメン(lm)」という数値で、明るさを判断して選ぼう。
耳慣れない言葉だが、ルーメンとは「全光束」という明るさを測る基準の単位で、電球から全方向に発せられる「光の量」を表している。最近の商品では「485lm」などと、ルーメンの値をパッケージに大きく表示するものが増えてきた。
LED電球の明るさ表示をめぐっては、最近まで統一した基準がなく、これが「白熱電球より暗い」という不満の一因にもなっていた。
例えば「60ワット電球相当の明るさ」という表示だ。メーカーによっては、LED電球の「真下の明るさ」が60ワットの白熱電球と同等の場合に、こう表示することがある。ところが、明るいのは真下だけで、白熱電球と比べると「光の量」が大幅に足りない商品も販売されている。
こうした混乱を解消しようと、業界団体の日本電球工業会が昨年7月、LED電球の明るさ表示のガイドラインを定めた。そこで、商品選びの新たな基準として採用されたのが「光の量」を示す全光束、すなわちルーメンだ。
右上に掲げた同工業会が示した白熱電球の指標「ワット(W)」と、ルーメンの換算表を参考にしてほしい。60ワットの白熱電球から取り換えるなら、810ルーメン以上のLED電球を選べば、同等の明るさが得られる。
同工業会に加盟していない海外メーカーなどの商品には、「60ワット相当の明るさ」と表示しながら、400ルーメン程度しかないものもある。買ってから後悔しないよう、店頭できちんとルーメンをチェックしよう。(経済部 滝沢聡)
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10 簡裁はエレベーター設置を…建築確認出しません 2011/2/8 読売新聞
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東京都八王子市は7日、八王子簡易裁判所を建て替えるため国が出した建築確認申請について、高齢者や身体障害者が利用できるエレベーターがないことを理由に、計画を変更しない限り申請を認めない方針を決めた。
黒須隆一市長が同日の記者会見で表明した。
計画されている建物は2階建て。国は「エレベーターがなくても、バリアフリー新法や都条例に違反しない」との見解だが、ユニバーサルデザイン(だれでも利用しやすい設計)を推進する市は「国の建物は自治体や民間の手本になるので影響は大きい」と、後に引かない構えだ。
国土交通省建築指導課によると、バリアフリー新法は2階建て建築物にエレベーターの設置義務を課していないが、地方自治体による上乗せ規制を認めており、都条例では2階建てでも対象になる。ただ、「不特定多数が利用する」などの条件があるが、担当の最高裁経理局は「不特定多数の人は利用しない。車イスの人が来ても、1階部分で対応できる。法的な問題はない」としている。
同局によると、全国の裁判所の建物のうち、2階建てでエレベーターを設置しているのは、東京都町田市にある町田簡裁(1996年築)のみという。
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11 空き家 大雪で高まる倒壊の危険性 2011/2/8 読売新聞
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記者が同行 青森市が実態調査
降り積もった大雪で空き家倒壊の恐れが高まっているとして、青森市は7日、その実態調査に乗り出した。消防本部と手分けしてパトロールし、建物の倒壊や落雪の危険性を調べる。緊急措置が必要な場所については消防が除雪を行うが、所有者や空き家の数が不明で課題も残る。初日の調査に同行し、現場を見て回った。(野口季瑛)
青森市役所を出発したのは7日午後1時半。危機管理室の職員2人がパトロールに向かった先は、同市幸畑の平屋建ての空き家だった。ここ数日、気温が上昇したためか、屋根に積もった雪が滑ってせり出し、1メートルほどしか離れていない隣家に迫っていた。
次に直行したのは、自動車で5分ほどの同じく幸畑地区にある木造2階建ての空き家。近所の住民によると、数十年間、誰も使っていないとみられ、屋根の一部が抜け落ちていた。隣家の金崎京子さん(56)は今月1日、青森市内で雪で空き家が半壊したことを知った。「パトロールしてくれるのはありがたい。お隣のことなので、私たちではどうすることもできないから」とホッとした様子で話した。
市職員は、現場を見て回りながら、除雪の必要性や落雪の影響などのチェック項目について、携行したリストに記入。この日巡回した6軒の空き家については「緊急性なし」と判断し、除雪までは至らなかった。
今回の実態調査は10日までに、所有者と連絡が取れない空き家56戸を回る予定だ。青森市の福士耕司総務部長は、「市が対応するのは、あくまで危険を防ぐための緊急避難措置。税金を使うことにもなり、所有者の責任で除排雪するのが原則」と強調する。
調査の対象は2002年度以降、付近住民などから市に寄せられた空き家の情報を基にしている。しかし、市危機管理室は「ほかにも危険な空き家があるはずだが、所有者の届けがなく住民からの通報もなければ、十分な実態把握は難しい」としている。
家屋に積もった雪を放置したまま、これから気温が上がると、倒壊の危険性は高まるという。
防災科学技術研究所雪氷防災研究センター(新潟県長岡市)の石坂雅昭・センター長(60)によると、雪の重さは降雪時で1立方メートル100キロ。暖かくなると雪中に水分を含んでザラメ雪になり、3~4倍の重さになる。「雪が減っても決して安心できない」と注意を呼びかける。
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12 幕張新都心・文教地区、長谷工が落札 2011/2/8 読売新聞
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幕張新都心の「文教地区」にある国際能力開発支援センター(千葉市美浜区で) 大学や教育研究施設などが多く立地している千葉市の幕張新都心文教地区で、売却が進められていた独立行政法人雇用・能力開発機構の研修施設の土地(約2・3ヘクタール)と建物を、マンション分譲大手「長谷工コーポレーション」(東京)が落札したことが7日、わかった。
市は、マンション建設は文教地区の街づくりにふさわしくないとして、新たに条例を設けてマンション建設を規制する方針を打ち出していたが、条例の制定前にマンションが着工されれば、規制が空振りに終わることも予想される。
市が同日、市都市計画審議会(榛沢芳雄会長)で明らかにした。市によると、1月21日、機構が実施した一般競争入札で「国際能力開発支援センター」(千葉市美浜区)の土地と建物を長谷工が落札し、売買契約予定者となった。
市はこの間、機構に落札者に関する情報を再三求めたが、長谷工が落札したことを機構側から伝えられたのは2月に入ってからだったという。
長谷工は、具体的な事業内容を明らかにしていないが、JR海浜幕張駅にほど近い好立地を生かしたマンション開発を計画しているとみられる。
審議会では、文教地区へのマンション進出に規制をかけるため、同センターを含む文教地区全体(82ヘクタール)を「特別用途地区」に指定することを全会一致で決定。しかし、都市計画決定だけでは法的拘束力はなく、あくまで指導レベルにとどまり、強制力を持たせるには条例による規制が必要になる。
市は当初、今年の9月議会での条例制定を目指していたが、委員からは「もっと早く強い規制がかけられないのか」「市当局の対応が後手を踏んだのではないか」などと厳しい意見が相次いだ。市は市民の意見を聞くパブリックコメント手続きを踏まえ、6月議会での前倒し上程も視野に対応を急ぐ方針だ。
一方、機構はこれまで、市の規制方針に対し「施設の売却計画に重大な支障をきたすことから、(同センターを)区域から除外するよう再検討を願いたい」とする意見書を提出。これに対し市は、教育・学術施設の一体的な立地環境を守るため、「部分的な地区除外はできない」と伝えている。
同センターは国の行政刷新会議による事業仕分けで廃止が決まり、昨年9月末で閉館していた。
長谷工コーポレーション広報IR部の話「現時点では土地の利用計画は未定。ただ、市の方で(規制の)条例化を進めていることも認識している。市と協議の上、具体的な事業内容を検討していきたい」
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13 戸別の太陽発電を導入したマンション 2011/2/7 読売新聞
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オリックス不動産(東京都港区)は11日から、都内で初めて戸別の太陽光発電システムを導入したマンション「サンクタス武蔵野関前」(武蔵野市)=イメージ=の販売を始める。
このマンションでは、各戸ごとに区画した太陽電池を屋上に設置。発電した電力はオール電化の設備を整えた各戸で使用し、電力が余った場合は電力会社が戸別に買い取る。従来の住宅より光熱費を50%、CO2を35%削減できるという。
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14 「奇想天外な家」脚光 2011/2/4 読売新聞
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三鷹天命反転住宅の外観。カラフルな原色が特徴だ 芸術家・荒川修作さん(1936~2010)の理想を形にした東京都三鷹市の「三鷹天命反転住宅」(大沢2)に脚光が集まっている。
同住宅での暮らしを映像にまとめた山岡信貴監督(45)のドキュメンタリー映画「死なない子供、荒川修作」(80分)が昨年12月に公開され、住宅の見学会に1日で約60人が集まる。映画は5日から、武蔵野市の「吉祥寺バウスシアター」(吉祥寺本町1)でも公開される。(河村武志)
でこぼこの床、ドアのないトイレ、球形の部屋。三鷹天命反転住宅は、計14色の極彩色の内外装と奇抜な造りで、訪れた者を圧倒する。この住宅について荒川さんは生前、「体が自然にバランスをとろうとする、体中心の家」と語っていたという。
1月22日に行われた見学会には、3回で計約60人が参加。住宅の細部を観察したり、屋上から周囲の景色を眺めたりし、奇想天外な建物に感嘆の声を漏らした。相模原市から来た女子美術大学大学院2年の前池有香さん(25)は、映画を見てこの住宅に興味を持ったという。「こんな建築があるのかと驚きました。一度住んでみたい」
部屋の中は住宅とは思えない奇抜な造りになっている 荒川さんは1960年代から注目を集め、映像や哲学的論考、建築など様々なジャンルで活躍したが、昨年5月、73歳で死去した。
同住宅は地上3階で計9室。荒川さんと夫人で米国人のマドリン・ギンズさん(70)が設計し、「安井建築設計事務所」(大阪市)が国内仕様に調整した。竹中工務店(大阪市)が施工。土地代や建設費など計約5億5000万円をかけて、2005年10月に完成した。
04年から三鷹市に住み始めた山岡監督は、ほどなく近所に土管を組み合わせたような奇妙な建物が建ち始めたことに気づいた。完成後、それが荒川さんの作品であると知り、見学会に参加して入居を即断。06年11月から住人となった。
住んでみると、長年悩まされた花粉症の苦しみから解放され、体重は約7キロ減ったという。「普段使わない体の部位が自然に鍛えられる感じ。人間の体の可能性を引き出す『死なない家』なんだと感じた」
映画は、この住宅で4年過ごした山岡監督一家の暮らしや、ほかの住人たちへのインタビュー、生前の荒川さんの言葉などで構成される。山岡監督は07年、住宅を訪ねてきた荒川さんに、「住んだ感想を教えてほしい」と言われた。そこで、米ニューヨーク在住だった荒川さんに見てもらおうと撮りためた映像が、映画につながったという。
映画は好評で、昨年12月から公開している渋谷区のシアター・イメージフォーラムでは11日まで上映期間を延長。5日からは吉祥寺バウスシアターでも上映される。問い合わせは、配給元のアルゴ・ピクチャーズ(03・3584・6237)へ。
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15 「改葬」手順しっかりと 2011/2/4 読売新聞
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ご先祖さま 近くに引っ越し
高齢になって、遠く離れた郷里にある墓の維持管理が大変になり、墓の引っ越し「改葬」を考える人は多い。スムーズに引っ越すためには、必要な手順を知り、既存の墓の管理者や親戚などの理解を得ておくことが大切だ。
横浜市の会社員、田辺洋一郎さん(58)は昨年11月、先祖のお骨を新潟市にあった墓から、横浜市内に購入した新しい墓に移した。田辺さんは30年ほど前に、両親と共に新潟から横浜に移り住み、最近は墓参りに行けず、墓の手入れなども親戚に任せきりだった。「いつかと思いつつ、お墓の引っ越しの方法が分からずに何年もたってしまった」と田辺さん。80代の両親の外出が難しくなったこともあって、墓石事業者に相談し、「改葬」を決めた。
古い墓石の撤去や整地、新しい墓と永代使用料など総額約250万円かかった。「新潟まで車で5時間かかったが、今度は30分足らず。新しい墓には両親もお参りでき、ほっとしています」と田辺さんは話す。
「改葬を検討する中高年が増えています」と、墓石事業を行う「はせがわ」の永渕哲也さん。一般的な改葬の手順は別表の通り。手続き上、既存の墓がある霊園の管理者や寺の住職などの署名押印が必要になるが、「手続きを始めてから、住職や親戚に改葬を唐突に告げると、トラブルになりかねません」と指摘する。寺院にとって改葬は、長年の檀家(だんか)が離れることになるからだ。「新しい墓所を探し始めたら、改葬の意向を誠実に説明し、理解を得ておきましょう」と永渕さんは話す。
費用の問題も大きい。墓石販売の「メモリアルアートの大野屋」が約200人に行ったアンケートによると、引っ越しにかかった費用の平均額は283万円。内訳は、墓石の撤去やお布施など元の墓の整理にかかった費用が32万円。墓地取得や永代使用料など引っ越し先の費用が231万円、その他の諸費用が20万円だった。
既存の墓石の状況によって撤去費用は大きく異なる。墓石ごと移すことを希望する人もいるが、古い墓石を新しい霊園で受け入れてもらえないことも多く、移動費用もかかることなどから、お骨だけを移すケースが多いという。また、引っ越し先によっても、費用が大きく変わる。最近は、霊園ではなく納骨堂を選ぶ人もいる。
同社営業企画室の石山裕之さんは、「ローンを組むこともできますが、老後に払うには大きな金額なので、早めに検討をしましょう」と話している。
墓の引っ越しの流れ
〈1〉新しい墓を探す。墓を決めたら、新しい墓の管理者から墓所使用承諾証、または受入証明書を発行してもらう。
〈2〉既存の墓がある自治体から、改葬許可申請書を入手する。
〈3〉既存の墓地管理者から、改葬許可申請書に署名押印をしてもらう。
〈4〉自治体に、必要書類(墓所使用承諾証や改葬許可申請書など。自治体ごとに異なるため事前に確認する)を提出し、改葬許可証を交付してもらう。
〈5〉必要な宗教儀式を行い、遺骨を取り出す。既存の墓石を撤去。
〈6〉新しい墓の管理者に改葬許可証、墓所使用承諾証を提出し、納骨する。
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住宅関連新聞記事ダイジェスト No.370 2011/2/3~2011/2/9 Vol.4
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【読売新聞】
16 リンナイの給湯暖房機、22万台リコール
17 発電用パネル、落雪に注意
18 「八幡瓦」復活へ専用窯…滋賀
【日経産業新聞】
19 INAX、トイレを全面刷新 水量が業界最少、清掃しやすく
20 ニッタン、25%薄くした住宅用火災警報機 音は業界最大級
21 東洋エクステリア、デザイン自由な門扉枠
22 ノーリツ、太陽光発電システム参入 ガス給湯器と一体化
23 レオパレス、1月の入居率9カ月ぶり8割超え
24 INAX、収納機能高めた洗面化粧台
25 三井ホーム、都市部の営業強化
26 東洋エクステリア、防犯性高めた車庫用門扉
27 住生活グループ、スチール建材事業を再編
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16 リンナイの給湯暖房機、22万台リコール 2011/2/4 読売新聞
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ガス機器製造大手のリンナイ(名古屋市)は3日、同社が開発・製造し、各地のガス会社などが販売した給湯暖房機の一部に不具合があったとして、経済産業省にリコール(無償修理)を届け出た。
対象は2003年3月~09年10月までに製造した計54機種で約22万台。浴槽の湯が設定した温度より過熱し、70度まで上昇する可能性があるという。
内訳は、大阪ガスの販売分が約8万台、東京ガスが約5万4000台、東邦ガスが約3万2000台、リンナイの直販は約5万6000台など。
リンナイによると、電子基板の部品に不良品が混入したことが原因で、昨年末にかけ、「風呂に入ろうとした子供が足をやけどした」などの情報が2件寄せられたという。
同社は、2008年2月ごろから異常過熱の不具合を把握し、これまでに286件の自主修理を行っていたが、「やけどする確率は極めて低い」として、顧客に周知していなかった。
名古屋市内で記者会見した森錦司・執行役員は「判断が甘かった」と謝罪した。
リンナイは4月中旬から、対象機種の修理を始める。問い合わせは専用フリーダイヤル(0120・005・020)。
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17 発電用パネル、落雪に注意 2011/2/4 読売新聞
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国民生活センターは3日、住宅の屋根に設置された太陽エネルギー発電用のパネルが滑りやすいとして、積雪の際に落雪事故に注意するよう呼びかけた。
発表によると、パネルからの落雪で車のボンネットがへこんだり、隣家の外壁が壊れたりしたという苦情が2001年度以降、計12件寄せられている。人への被害は報告されていないが、同センターは、業界団体に対策を要望した。
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18 「八幡瓦」復活へ専用窯…滋賀 2011/2/3 読売新聞
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近江八幡・かわらミュージアム
「八幡瓦」の発祥の地、滋賀県近江八幡市の市立かわらミュージアムが今春、八幡瓦を焼く専用窯を初めて造ることになった。最盛期には市内に約30軒あった瓦業者も、住宅様式の変化で需要が減り、今ではわずか1軒が残るだけ。専用窯の新設には八幡瓦の〈伝承〉という狙いもあり、ミュージアムの担当者は「多くの人に八幡瓦の魅力を伝える拠点にしたい」と期待している。
朝鮮通信使の休憩場所などとして使われた本願寺八幡別院(近江八幡市北元町)で、屋根がふき替えられた江戸時代中期に京都から多くの瓦職人が移住し、八幡瓦が広まった、とされる。
八幡堀にたまった泥を田んぼに運び、堆積させてできた上質の粘土を使うため、原料費が安価で自然にも優しい。寒暖差に強く、いぶし銀の色合いも美しいと、近江商人屋敷や周辺の寺院などで好んで使われたが、洋風建築が広まった1970年代をピークに需要が減り、瓦業者も次々と廃業していった。
危機感を強めた市は、優れた技術と八幡瓦の伝統を守ろうと、95年にミュージアムを開館し、観光客らに魅力を紹介する体験教室などを開催。瓦業者に委託する焼成のための手間や時間など、負担を減らすため、専用窯をミュージアムの敷地内に造ることにした。総事業費は約600万円。
駐輪場を改装し、高さ1・45メートル、幅1・3メートル、奥行き1・9メートルのガス窯を置く。ガス窯は、1100度の高温で一気に焼いた後、980度まで下げて「いぶし」をかける八幡瓦用に設定。業者委託で最大2か月かかっていた焼成が、半月~1か月で可能になる。
体験教室の受講者は年約1100人で、ミュージアムは窯の新設で受講者を数倍に増やしたい、とする。3月中に完成させ、5月の稼働を目指しており、奥村恭代副主幹は「今後、ものづくり工房としての活用も検討していきたい」と話している。
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19 INAX、トイレを全面刷新 水量が業界最少、清掃しやすく 2011/2/9 日経産業新聞
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INAXは8日、家庭用トイレを全面刷新すると発表した。使用水量が4リットルと業界で最も少ない節水トイレや、清掃をしやすくした製品を投入、シェア上昇を狙う。女性の感性を商品開発に取り入れた点を売り込む。トイレの売上高を2013年度に10年度比2割増まで高める目標だ。
4月1日に4製品を発売する。高価格帯の製品である「サティス」とタンク付トイレの「アメージュZ」は一度の洗浄に必要な水量を、従来より約2割少ない4リットルに抑えた。内部に水を圧縮して勢いよく排出する仕組みを搭載、少ない水で汚物を効率的に流す。
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20 ニッタン、25%薄くした住宅用火災警報機 音は業界最大級 2011/2/9 日経産業新聞
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住生活グループ傘下のニッタンは薄型の住宅用火災警報機「けむタンちゃんスリム」と「ねつタンちゃんスリム」を4月1日に発売する。専用の電池を採用し、従来機種に比べ25%程度薄くして目立ちにくくしたほか、業界最大級という92デシベルの警報音を備える。インテリアにこだわる層に向けて売り込む。
けむタンとねつタンはそれぞれ煙と熱を感知して住民に警告する。天井や壁に張り付けて使う。厚みは、けむタンが3センチメートル、ねつタンが3.3センチメートルで従来機種の4分の3程度に薄くした。表面の光沢を抑えた仕上げとし、平常時には目立ちにくい。
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21 東洋エクステリア、デザイン自由な門扉枠 2011/2/9 日経産業新聞
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東洋エクステリアは門扉用部品の新製品を発売する。パネルや枠を自分で組み合わせられる「デザイナーズパーツ」シリーズに対応しており、好みに合わせてデザインを変更できる。年間5000万円程度の売上高を目指す。
「縦張り用」と「横張り用」の門扉枠2種類を3月1日に発売する。それぞれ木材の板やパネルなどを好みに合わせて取り付けられる。現場で施工する際、幅を現場で切り詰めてサイズを調節できる。これまで門扉を取り付けていなかった戸建て住宅向けに販売する。
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22 ノーリツ、太陽光発電システム参入 ガス給湯器と一体化 2011/2/8 日経産業新聞
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【神戸】給湯器メーカーのノーリツは7日、太陽光発電システムの生産に参入すると発表した。給湯器と一体としたシステムの販売により、一般家庭向け需要の開拓に取り組む。4月に発売し、初年度は施工数で3000件、売上高で60億円を目指す。
多結晶タイプの太陽電池モジュールを3月29日から加古川工場(兵庫県加古川市)で生産する。標準モジュール寸法は高さ1336ミリメートル、幅1008ミリメートル、厚さ46ミリメートル。出力は190ワットで、太陽光を電力とする変換効率は14.1%。
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23 レオパレス、1月の入居率9カ月ぶり8割超え 2011/2/7 日経産業新聞
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レオパレス21は同社運営物件の1月の入居率が9カ月ぶりに8割を超えたと発表した。法人需要の開拓に加え、製造業の稼働率が上昇、同社が得意とする単身者向けアパートの需要が回復していることが背景にある。
1月の入居率は80.9%で前月比1.2ポイントの上昇。8割を超えたのは2010年4月以来9カ月ぶり。前年同月比では1.4ポイントのマイナスだが、前月比では3カ月連続のプラスとなった。法人の社宅需要の伸びに加え、中部地方などを中心に製造業で雇用が増えつつあることが寄与した。
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24 INAX、収納機能高めた洗面化粧台 2011/2/7 日経産業新聞
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INAXは洗面化粧台「Piara(ピアラ)」を改良し、4月1日に発売する。洗面ボウルのデザインを刷新して使い勝手を高めたほか、収納機能も強化。施工時に高さ調節が可能な鏡を選べるようにするなどリフォームにも対応する。
ボウルの間口を拡大して、広く使えるようにした。底が平らなので洗面器やバケツを置ける。右脇には眼鏡や化粧品などを一時的に置ける棚を設置。左には水切り用の棚を配置し、コップや泡立てネットなどぬれるものを置いて乾かせる。排水口内部にしかけを施し、髪やゴミがまとめて集めるため、水はけが良い。水栓は水量を20%程度削減できる節水タイプで、水はねも少ない。価格は11万5500円からで、工事費が別途かかる。月間6千台の販売を見込む。
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25 三井ホーム、都市部の営業強化 2011/2/4 日経産業新聞
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三井ホームは3日、都市部の営業戦略を強化すると発表した。4月1日付で全国の中堅地方都市に設けている営業所やモデルルームを閉鎖し、現地の営業人員を近接の大都市や三大都市圏に集約する。売り上げの大半を占める都市部の需要を開拓する狙い。併せて資材供給の子会社3社を統合し、資材調達の効率化やコスト削減につなげる。
営業所を閉鎖するのは盛岡、山形、山梨、奈良、和歌山、長崎などの9カ所。現在は100人強の営業人員を配置しているが、広島など近接の大都市や、東京、名古屋、大阪の三大都市圏に再配置する予定。営業所を閉鎖した地域は近接都市の営業人員がカバーする。詳細は3月に決める。
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26 東洋エクステリア、防犯性高めた車庫用門扉 2011/2/4 日経産業新聞
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東洋エクステリアは3日、防犯性能を向上させた車庫用門扉「オーバードアS」を3月1日に発売すると発表した。盗難やいたずらから自動車を守れる点を売り込む。デザイン性も高めた。戸建て住宅に向けて販売し、年間15億円の売上高を見込む。
防犯性を意識して、新たに高さ131センチメートルのパネルを追加した。これまでの120センチメートルに比べ乗り越えにくくい。デザインも全8種類から選べるようにするなど、自由度を高めた。色は最大11色から選べる。
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27 住生活グループ、スチール建材事業を再編 2011/2/3 日経産業新聞
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住生活グループは2日、スチール建材事業を再編すると発表した。シャッターを手掛けるトステム鈴木シャッター(東京・豊島)を存続会社とし、鉄製ドア製造のグループ会社などを統合する。事業規模を拡大するとともに固定費や変動費の低減を狙う。
4月1日付で統合会社「LIXIL鈴木シャッター」を設立する。トステム鈴木シャッターを存続会社とし、鉄製ドア製造のトステムSD(東京・豊島)と合併、集合住宅向けドア製造・販売のコスモ工業(岩手県一関市)の営業部門も統合する。