住宅関連新聞記事ダイジェスト No.436 2012/5/31~2012/6/6
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【日本経済新聞】
1 さいたま市、地域防災計画を改定 放射能汚染にも対応
2 アキュラホーム、約380棟で耐火不足か 不適切な施工の可能性
3 フラット35、最低金利が2カ月連続低下
4 岡山市、太陽光発電導入を補助 国の制度に上積み
5 飛島建設など、丸太を使った液状化対策工法を公開
6 不動産中堅のヒューリック、浅草・雷門にホテル開業8月
7 4月の住宅着工10%増 金利低下追い風
8 福岡県、地震の災害想定見直し 死者数を大幅に増やす
9 「家庭向けエコ診断」実施企業に10社選定 環境省
【朝日新聞】
10 外断熱一体型の外壁タイル防止工法 東邦レオが開発
11 不動産業の景気動向 2か月連続の減 帝国データ調べ
12 6月7~9日、池袋で共同住宅・借地・貸家の相談会 東京共同住宅協
13 2012年度宅建試験 試験日は10月21日 不動産適取機構
14 掲載料、反響・成約課金もナシ 売買ポータルサイトが運用開始
【読売新聞】
15 新婚向け賃貸 入居率3割、条件緩和へ
16 空き家の手入れ「代行」NPOなど、有料で見回りサービス
17 「ごみ屋敷」対策…撤去支援の一方、氏名公表も
18 東電子会社を大和ハウス買収
【日経産業新聞】
19 岩手県釜石市、防災拠点にスマートシティ
20 通風口つき室内ドア、LIXILが発売 空気循環させ冷房使用抑制
21 マンション耐震工法、改修工期半分に 三井住友建設
22 住宅への電力供給システム、トヨタはPHVで
23 窓周辺の断熱性、カバーで向上 トーソーが発売
24 スマートグリッド実験 電力料金、需給で変動 北九州市、使用抑制狙う
25 東急不動産、マンション共用部の植栽 専門スタッフが維持・管理
26 東芝、標準通信規格に対応したHEMS用機器 省エネ制御など
27 YKKAP、リモコンで鍵を開け閉め 電気錠ドアで
28 NTTスマイルエナジー、家庭の節電遠隔制御を実験 今夏に
29 住友不、渋谷の新ビルあす完成 都心最大級のホールも
30 電気自動車から家庭に給電、日産が実用化 ニチコンと
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1 さいたま市、地域防災計画を改定 放射能汚染にも対応 2012/6/5 日本経済新聞
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さいたま市は東日本大震災の教訓を踏まえて地域防災計画を改定した。帰宅困難者対策を強化したほか、放射能汚染が起きた場合の対応も新たに盛り込んだ。防災計画の改定を受けて今年度内に、防災に関するまちづくり計画を見直すほか、事業継続計画(BCP)を策定する。
帰宅困難者対策では駅前に滞留した人を一時滞在施設などに円滑に誘導したり、従業員が一斉に帰宅しないよう事業所に協力を依頼したりする。放射能汚染への対応では、空間放射線量を測定したり、食品などを検査したりするよう定めた。
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2 アキュラホーム、約380棟で耐火不足か 不適切な施工の可能性 2012/6/5 日本経済新聞
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木造注文住宅のアキュラホーム(東京・新宿、宮沢俊哉社長)は5日、準耐火建築物として施工した住宅約380棟について、建材を適切に取り付けていないなど、建築基準法に違反する施工法だった可能性があると発表した。耐火性能が不足している恐れがある。同社は「違反を確認できた住宅は今後、改修する」としている。
国土交通省などによると、約380棟は1993年6月以降に同社が準耐火建築物として建てた。地域は東京都や神奈川県、大阪府など少なくとも8都府県にわたる。
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3 フラット35、最低金利が2カ月連続低下 2012/6/4 日本経済新聞
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住宅金融支援機構は4日、民間金融機関との提携による長期固定金利の住宅ローン「フラット35」の6月の適用金利を発表した。主力の21年以上は取扱金融機関の最低金利が2.01%と前月比で0.06%低下した。20年以下も1.71%と前月と比べ0.05%低下した。2カ月連続で金利が下がった。フラット35制度が始まった2003年以来最低の金利を更新した。
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4 岡山市、太陽光発電導入を補助 国の制度に上積み 2012/6/2 日本経済新聞
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岡山市は住宅用太陽光発電設備の導入にかかる費用を補助する。補助額は太陽電池モジュールの公称出力1キロワット当たり2万5000円で、上限は10万円。4日から受け付けを開始し、事業費の1億9000万円に達した段階で締め切る。
市内住居に最大出力の合計値が10キロワット未満の太陽光発電設備を導入し、今年4月1日以降に着工していることなどが条件になる。共同住宅や店舗・事務所を兼ねた住居に設置した場合も申請可能。国の「住宅用太陽光発電導入支援補助金」の対象であることも補助要件となっており、利用者は自動的に国と市の両方から助成を受けられる。
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5 飛島建設など、丸太を使った液状化対策工法を公開 2012/6/1 日本経済新聞
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飛島建設と兼松日産農林、昭和マテリアルは1日、千葉県浦安市で実証試験中の丸太を使った液状化対策工法を公開した。丸太を打ち込むことで地中の砂の密度を高めて地盤を強固にし液状化を防ぐ。2012年度中に設計・施工法などを確立。その後、公園や学校、戸建て住宅などの対策で実用化を目指す。
昨年の東日本大震災で液状化現象が起きた浦安市運動公園で実験。直径20センチ程度・長さ4メートル程度の丸太を用意。5メートル四方のなかに丸太を100本、同じく64本、36本などと配置本数を変えながら打ち込んで効果を検証する。
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6 不動産中堅のヒューリック、浅草・雷門にホテル開業8月 2012/6/1 日本経済新聞
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不動産中堅のヒューリックは8月10日、東京・浅草に都市型ホテル「ザ・ゲートホテル雷門 バイ・ヒューリック」を開業する。地上14階建ての建物の13階にフロントやレストランを配置し来館時や食事の際に東京スカイツリーの眺望を演出、観光需要などに応える。
全額出資子会社のヒューリックホテルマネジメント(東京・台東)が運営する。都心の中規模オフィスビルが主体のヒューリックにとってホテル運営は初めて。
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7 4月の住宅着工10%増 金利低下追い風 2012/5/31 日本経済新聞
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国土交通省が31日発表した4月の新設住宅着工戸数は7万3647戸となり、前年同月比10.3%増えた。住宅ローンの金利低下が追い風となり、3カ月連続で増えた。東日本大震災の被災3県では、前年同月と比べ2~3倍の着工があり、復興需要の盛り上がりが確認された。
持ち家、貸家、分譲住宅ともに前年実績を上回った。特に分譲マンションは27%増と近畿圏を中心に大幅に増えた。被災地では、岩手県が3倍、宮城県が2.7倍、福島県が2.2倍と、震災直後だった昨年の反動で高い伸びとなった。
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8 福岡県、地震の災害想定見直し 死者数を大幅に増やす 2012/5/31 日本経済新聞
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東日本大震災を踏まえた震災対策を強化するため、福岡県は30日、県防災計画の見直しについて協議する官民の県防災会議(議長・小川洋知事)を福岡市内で開いた。県内の活断層による地震の災害想定を修正し、死者数は大幅に増やした。原子力発電所の事故対応では、9月にも具体的な対策を防災計画に盛り込む方針を決めた。
地震の想定は、県内の主要活断層7つのうち4つについて見直した。例えば県南部を東西に走る水縄断層はマグニチュード(M)を6.5から7.2に、死者数を8人から1482人に修正。ただ、今後30年以内に発生する可能性は「ほぼ0%」(県)としている。
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9 「家庭向けエコ診断」実施企業に10社選定 環境省 2012/5/31 日本経済新聞
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環境省は31日、それぞれの家庭に合った省エネルギー対策を助言する「家庭エコ診断」の実施企業に、TOTOやミサワホーム、セコムなど10社を選んだ。企業の従業員が各家庭を訪れ、無料で電気の使用状況などを調べる。節電や二酸化炭素(CO2)削減に役立つ情報を提供する。
実施企業はほかにLIXIL、日本興亜損害保険、JX日鉱日石エネルギーなど。各企業は一般から診断を希望する世帯を募る。診断ではCO2排出量を計算するとともに、給湯や冷蔵庫など機器ごとの排出量も詳しく示し、具体的な省エネ策を助言する。
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10 外断熱一体型の外壁タイル防止工法 東邦レオが開発 2012/06/06 朝日新聞
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緑化や外断熱の施工事業などを手掛ける東邦レオ(東京都豊島区)は6月13日、RC造建築物の外壁タイルの落下防止と、外断熱改修を組み合わせた工法の提供を開始する。商品名は「エクセル外断熱ピンネット工法」。
施工費は2つの工事を同時に行うことで削減を図り、1平方メートル当たり1万5000円(税別、仮設足場代などが含まず)に設定。10年間の瑕疵(かし)保証制度も付帯する。
躯体全体を魔法瓶のように覆う外断熱は、居室間の温度差を少なくし、室温を安定させることで冷暖房効率を高めることができる点が特徴。建物の耐久性向上も見込める。
同社は12年前から外断熱事業に取り組み、公営住宅や福祉施設などを中心に1200件の施工に携わってきた。現在は1平方メートル当たり9800円で提供している。2011年には内断熱事業を廃止し、今後は外断熱の普及に更に力を入れていく方針だ。これまで件数の少なかった既存マンションの需要を掘り起こす考えで、現在施工価格の見直しに着手しているという。
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11 不動産業の景気動向 2か月連続の減 帝国データ調べ 2012/06/05 朝日新聞
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帝国データバンクの調査によると、不動産業の5月の景気動向指数(50が判断の分かれ目)は37.9で前月比0.3ポイント減少した。2か月連続ので悪化した。
現在の景況感について事業者からは、「賃貸の空室率が低下し、稼働率が向上している」という意見がある一方、「地方都市では所得水準の低下や企業収益の低下によって購買意欲が低下し、流通も鈍化している」や「入居率に変化はないが、賃料の下げ圧力が変わらない」といった声が聞かれている。
景気動向調査は、2万2955社に対して実施。1万467社(不動産業は263社)から回答を得た。
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12 6月7~9日、池袋で共同住宅・借地・貸家の相談会 東京共同住宅協 2012/06/04 朝日新聞
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東京共同住宅協会(東京都渋谷区)は6月7~9日、東京池袋の西武百貨店池袋本店7会「暮らしの相談コーナー」で「共同住宅・借地・貸家なんでも相談会」を開催する。時間は午前11時から午後5時まで。同協会の相談員が相談、アドバイスする。相談料は無料。
相談内容は、貸アパート・マンションの賃料滞納トラブル、境界問題、土地の有効活用など不動産に関する幅広い問題に対応。この相談会は、20年以上毎年行われており、不動産に関する悩みを解決する一助となっている。
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13 2012年度宅建試験 試験日は10月21日 不動産適取機構 2012/06/01 朝日新聞
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宅地建物取引業主任者試験の指定試験機関である不動産適正取引推進機構は6月1日、2012(平成24)年度の試験を10月21日に行う旨の実施公告を行った。
これによると試験日時は、10月21日(日)午後1時から3時。登録講習修了者は、午後1時10分から3時。試験時間中の途中退出はできない。
申込書(試験案内)の配布は7月2日(月)から31日(火)まで。申込書郵送期間も同じで、31日の消印有効。
インターネット申し込みは、7月2日(月)9時30分から17日(火)21時59分まで。同機構のホームページ(http://www.retio.or.jp/)から行う。受験手数料は7,000円。受験資格はなく、原則誰でも受験できる。申し込みは申込時に住所を有している都道府県に行う。
合格発表日は12月5日(水)。
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14 掲載料、反響・成約課金もナシ 売買ポータルサイトが運用開始 2012/05/31 朝日新聞
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システム開発などを手掛けるアールイーエス(東京都世田谷区)は6月1日、掲載料などの諸費用が掛からない不動産売買ポータルサイト「ドコスム」の運用を開始した。現時点での物件掲載数は約3万件で、全国200社が利用している。
掲載は月100件まで無料。101件目から、100件を超えるごとに月額3150円を支払う。反響や成約がある度に料金が発生する仕組みは採用しておらず、同社はアフィリエイト(サイト閲覧者が、表示されたリンクを経由しその企業のサービスなどを利用すると、リンク元のサイト運営者に報酬が支払われる仕組み)などを収益源とする。
「掲載無料」の特徴を生かし、重複物件を排除。物件の詳細ページを開くと、それを掲載する複数の事業者が表示される形とした。同社がコメントの分量などで物件情報の開示度を判断し、より開示度の高い事業者が上位に表示される。「情報開示率100%」と言われる米国のポータルサイトを参考にしたという。
現在、大手ポータルサイトとの提携を進めており、物件情報を1度入力すれば各サイトに自動掲載される機能を追加する予定。物件掲載数は年内に10万件を目指す。
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15 新婚向け賃貸 入居率3割、条件緩和へ 2012/06/06 読売新聞
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愛知県豊田市が新婚カップルを対象に賃貸しているマンション(同市聖心町、8階建て)の入居率が約3割と落ち込んでいる。全48戸のうち空き部屋が34戸にのぼり、家賃の高さと入居条件の厳しさが不人気の理由という。市は8日に開会する6月議会に、初の家賃引き下げと入居条件の大幅緩和を盛り込んだ条例改正案を提出する。8月からの実施を目指す。
このマンションは、若者が魅力を感じる町づくりの一環として建設され、1993年に供用を開始。部屋の広さは1K(約33平方メートル)で、入居期間は最大3年とし、家賃は1年目が月3万8000円でその後、毎年5000円ずつ上がる。半円状で丸みを帯びた斬新な建物が当初は若いカップルに好評で、全戸が埋まっていたという。
しかし、一昨年春頃から次第に空室が増え、昨年10月、入居中の19世帯と退去後5年以内の110世帯の計129世帯を対象にアンケート(73世帯が回答)を実施したところ、「築年数の割に家賃が高く感じる」「3年しか住めない」と不満があることが分かった。
改正条例案によると、家賃を一律、月3万5000円に引き下げ、入居期間も最大5年に延長する。さらに、3か月以内に婚姻届を提出しているか、または半年以内に婚姻予定があるかを入居資格としていたが、1年以内の婚姻届提出、または婚姻予定も1年以内ならば入居可能とする。
また、入居者のどちらかが2年以上、市内在住または在勤が条件だったが、双方が国内在住でも受け入れる。2人の年齢がいずれも40歳未満で、合計が65歳未満に限るとした要件は廃止する。
市建築住宅課は、「これだけ大きな引き下げは魅力になるはず」と入居者の増加に期待を寄せている。入居に関する問い合わせは、同市営住宅管理事務所(0565・34・6681)。
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16 空き家の手入れ「代行」NPOなど、有料で見回りサービス 2012/06/05 読売新聞
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人口減少や核家族化などが影響し、全国で空き家が増えている。適切な手入れをしなければ、防災や防犯面で問題になるため、所有者に代わって管理をするサービスが登場。一方、所有者が管理しないため、倒壊寸前の空き家も多く、自治体が解体を働きかけるケースも出てきている。(西内高志)
人口減で需要増
秋田市のJR秋田駅から南に2キロの住宅街。その一角にある木造平屋建ての空き家は庭に雑草が茂り、ポストに郵便物やチラシが入ったままだった。管理を請け負う有限責任事業組合「あきた空き家かんり」の作業員が玄関や窓が壊れていないかなど確認。不要なチラシを取り分け、玄関先の雑草を鎌で刈り始めた。
一人で住んでいた80代の女性が、市内の老人保健施設に入った3年前から誰も住んでいない。千葉市に住む義理の息子(63)が昨年4月から同組合に見回りを月1回(1回3500円)と雑草の刈り取りを年2回(1回8000円)依頼。「近所の空き家で以前、放火があった。荒れた状態では近所の迷惑になってしまう」と、この男性は話す。今後、屋内の掃除や換気も頼むつもりだ。
秋田県内の空き家管理を目的に、農業や建築業に携わる6人が出資して4年前に組合を作った。組合員の杉渕公咲(きみさく)さん(61)は「団塊世代を中心に首都圏などに出て行ったまま、実家を継がないケースが増え、空き家が増えている。所有者の代わりに管理をしないと、家が朽ちて地域の環境にもマイナスの影響が出かねない」と話す。
2008年の総務省の統計によると、全国の空き家は賃貸用や別荘などを除き、268万戸。20年前から倍増している。核家族化で高齢の居住者が亡くなったり施設に入ったりした後、子どもが家を継がないためだ。手放そうにも借り手や買い手が付かず、放置されているケースも多い。
空き家の所有者が遠方にいると、管理が行き届かなくなるため、建築関連の会社やNPO法人が近年、管理を請け負うケースが出てきた。定期的な見回りや掃除のほか、台風などの緊急時に点検し、修理が必要であれば所有者に報告する。
浜松市の「千年杉建築事務所」も昨年12月から、静岡県西部でこうした管理サービスを始めた。最初に建物の劣化状況を調査し、管理を始める。代表で1級建築士の小林正幸さんは「所有者に、建物の状況を十分に理解した上で管理の方針を立ててもらいたいからです」と話す。
空き家は大都市圏の住宅密集地でも目立つ。京都市のNPO法人「古家(ふるいえ)改修ネットワーク」は昨年10月、市中心部などの空き家となっている町家の管理サービスを始めた。道路に接している敷地が2メートル未満しかないなど、建築基準法の基準を満たさないため、建て替えができず老朽化したケースも多い。理事長の荒木勇さんは「実家を離れていても京都に戻ってくるつもりで、それまで建物を維持したいと考える人も多い」と話す。
住宅関連の調査研究機関「日本住宅総合センター」主任研究員の行武憲史さんは「人口減などで、今後も空き家は増えていくだろう。所有者が適切に管理するのが原則だが、自らできないケースもあり、管理サービスの需要が増えるのではないか」と話している。
防犯防災対策 解体費助成も
適切な管理が行われていない空き家が近隣に迷惑をかけ、その対応に自治体も頭を悩ませている。
国土交通省が2009年に全国の市区町村を対象に行った調査(1217自治体が回答)によると、「(雑草が生い茂るなど)管理水準の低下した空き家などがある」とした自治体は4割近く。周辺に与える影響については「景観の悪化」「防災や防犯機能の低下」「ゴミの不法投棄を誘発」を危惧する回答が多かった。
東京都足立区では昨年度の調査で、瓦や外壁が落ちる恐れなどがある空き家が200軒以上あり、うち40軒弱は解体の必要があった。ただ、所有者が解体を積極的に進めるケースは少ないという。同区建築安全課は、「費用がかかる上、建物がなくなると土地が活用されていないと見なされ、固定資産税などの減免がなくなる。空き家の所有権を持つ人が複数いる場合が多く、合意に至るのが難しいといった理由もある」とする。
そこで同区は昨年11月、所有者に解体を勧告できる条例を施行。その際、解体費用の半額(上限は木造50万円、非木造100万円)を助成する。すでに空き家4軒の所有者が助成を受けて解体した。
このうち1軒は、30年以上前から人が住んでおらず、2階の屋根が崩れた状態だった。今年5月に解体が済み、現在は更地になっている。隣家の女性は「台風が来ると、トタンの壁がバタバタと揺れて怖かった。大地震の際に倒壊するのではないかと心配だったが、ひとまず安心です」と話す。
国土交通省によると、4月現在、全国で50以上の自治体が、空き家の適正管理を求める条例を施行している。埼玉県所沢市のように、管理が不十分な所有者に必要な措置を取るように命令し、従わない場合は、名前と住所を公表するといった内容が多い。過料などの罰則を設けるケースもある。
解体の行政代執行を条例で定めた自治体もある。秋田県大仙市はその一つだ。1月に条例を施行した。積雪の重みで倒壊の恐れなどがある危険な空き家が60軒以上あったためだ。うち1軒について所有者に解体を命令したが応じないため、3月に代執行した。ただ、解体にかかった180万円を所有者に請求しているが、支払われていないという。
空き家問題に詳しい上智大学教授の北村喜宣(よしのぶ)さんは「地域で空き家の所有者を調べて対応するのは難しく、行政が条例を制定して取り組むことには意味はある。ただし、行政が解体費用の助成などをするにしても、財政には限りがある。結局、指導や勧告止まりになる恐れもある」と指摘している。
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17 「ごみ屋敷」対策…撤去支援の一方、氏名公表も 2012/06/04 読売新聞
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ごみを自宅にため込み、近隣住民に迷惑をかける「ごみ屋敷」対策に、東京都足立区が“アメとムチ”を駆使した包括的な条例で取り組む方針を決めた。
撤去に応じない場合は家主の氏名を公表するなどの強硬策をとる一方で、撤去費用の補助や、収集癖がエスカレートした家主への精神面でのサポートも盛り込む。国土交通省によると、「ごみ屋敷」は全国各地で問題になっているが、「ここまで包括的な条例は聞いたことがない」としている。
国交省によると、2009年の調査で全国の250市区町村でごみ屋敷が確認されている。近隣住民から「悪臭がひどく、害虫やネズミが入ってくる」「放火が心配」などの苦情が寄せられても、家主から「ごみではない」と主張されれば行政が介入することは難しく、多くの自治体は対応に頭を悩ませているのが実情だ。
足立区が検討している条例案は、ごみ屋敷を「ごみや樹木などにより、周辺住民の健康を害し、生活環境に悪影響を与える状態」と定義。弁護士や精神科医ら第三者による審議会が認定すれば撤去勧告や命令を行い、従わない場合は個人名を公表するとともに、行政代執行法に基づく強制撤去も行えるようにする。
また、撤去費用がない場合は費用を補助して、家主の納得を得やすくしたり、何度も繰り返しごみを集めるなど過度の収集癖のある家主に専門の医療機関を紹介したりする。
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18 東電子会社を大和ハウス買収 2012/06/04 読売新聞
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大和ハウス工業は1日、同日付で東京電力の子会社「東電ライフサポート」(東京都港区)の全株式を取得し、社名を「大和ハウスライフサポート」に変更したと発表した。取得金額は公表していない。
東電ライフサポートは、東京、神奈川の3か所で介護付き有料老人ホームを運営しており、東電は経営合理化の一環として株式を売却した。大和ハウスは、グループ会社が介護付き有料老人ホームを運営しており、福祉関連事業に力を入れている。
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19 岩手県釜石市、防災拠点にスマートシティ 2012/6/6 日経産業新聞
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防災拠点として整備する内陸の鈴子地区でスマートシティ(環境配慮型都市)を構築する。新日鉄エンジニアリングなどと共同で同地区に集積させる防災施設と自家発電設備をネットワークで結ぶ。災害時に最低限の電力を自前で確保し、平時は各施設で使う電気や熱を一元管理する。2015年度までの完成を目指す。
鈴子地区はJR釜石駅を中心にした一帯。海岸から約600メートルの地点にあった消防本部を同地区に移し警察署の移転も検討中。駅前の物産センターに市の災害対策本部を置く。
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20 通風口つき室内ドア、LIXILが発売 空気循環させ冷房使用抑制 2012/6/6 日経産業新聞
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住生活グループのLIXILは扉を閉じた状態でも家の中の空気を循環させる通風口つきの室内用ドアを発売した。通風口を開け閉めでき、室内の暑さや湿気を廊下や玄関に効率的に逃がすことができる。省エネ志向が高まるなか、冷房の使用が抑えられる点をアピールし、リフォームや新築向けに提案する。
「通風建具」は片開きのドアと引き戸の2種類。扉の表面に「ルーバー」と呼ばれる自在に開閉できる羽根形の部品を設けており、それを開放することで部屋から部屋に空気を通す仕組み。
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21 マンション耐震工法、改修工期半分に 三井住友建設 2012/6/6 日経産業新聞
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三井住友建設はマンションの住人が一時退去せず居住したまま施工できる耐震改修工法を開発した。バルコニーの壁面に補強フレームを設置するだけで建物の耐震性能を向上できる。フレームの製作期間を除くと一般的な耐震改修工事の2分の1程度の工期で済むという。大規模な工事が不要な点をアピールし、首都圏などで改修需要を掘り起こす。
「Tボーン耐震改修工法」はバルコニーの外壁に厚さ25センチの鉄骨造のフレームを取りつける。マンション全体のうち、8割程度の住戸に取りつけて建物を補強する。旧耐震基準のマンションのうち一定水準以上の耐震性能がある物件が対象で、1981年に制定された新耐震基準の建物同等の耐震性を確保できるという。
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22 住宅への電力供給システム、トヨタはPHVで 2012/6/5 日経産業新聞
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トヨタ自動車は4日、プラグインハイブリッド車(PHV)から住宅に電力を供給するV2H(ビークル・トゥー・ホーム)を開発したと発表した。12年末から、愛知県豊田市で実証中の次世代省エネ住宅「スマートハウス」約10棟に導入して安全性などを検証し、早期の実用化をめざす。電気自動車(EV)からの電力供給に比べ、ガソリンも活用できるため、非常時などに長期の電力供給が可能という。
節電のための電力ピーク抑制や、非常用電源などに使う想定だ。
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23 窓周辺の断熱性、カバーで向上 トーソーが発売 2012/6/5 日経産業新聞
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カーテンレール最大手のトーソーはブラインドやカーテン上部からの空気の流出入を防いで、窓やその周辺の断熱性を向上するカバーを発売した。カーテンレールなどの窓枠上部を覆う。
カバーの「マルチバランス」はカーテンレールやブラインドの大きさに合わせて注文する。木製が16色、布製が167色で部屋の内装に合わせて選択できる。施工費別の価格は幅2メートルのもので木製、布製いずれも1万2600円。
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24 スマートグリッド実験 電力料金、需給で変動 北九州市、使用抑制狙う 2012/6/5 日経産業新聞
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北九州市は同市八幡東区で、電力の需給状況に応じて電気料金を変動させるスマートグリッド(次世代送電網)の実証実験を始めた。電気料金を変動させることで需要家に電気使用の抑制を促す送電網のシステムは世界でも先駆的といえる。
200世帯弱の家庭や約50の事業所に需給状況と料金が分かるスマートメーター(次世代電力計)を設置。各メーターと送電線、発電設備、大型蓄電池を通信網で結び、需要が増えれば電気料金が上がり、需要家に使用抑制を促すなどする。
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25 東急不動産、マンション共用部の植栽 専門スタッフが維持・管理 2012/6/4 日経産業新聞
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東急不動産はマンションに社外の専門スタッフを定期的に派遣して共用部分の植栽を維持・管理する取り組みを始める。植物の状態や季節に合わせて剪定(せんてい)するなどし景観を保つ。都会でも緑豊かな環境で暮らしたいという人が増えているとみて、自社で販売するマンションの付加価値とする考えだ。
専門スタッフは「グリーン・コンシェルジュ」。1カ月に1~2回訪問して対象物件の建物周囲や中庭などの植栽を管理する。東急不動産と契約する設計会社の専門家に状態を報告しながら、株分けや肥料の使い方などの指示を受けて作業する。
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26 東芝、標準通信規格に対応したHEMS用機器 省エネ制御など 2012/6/4 日経産業新聞
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東芝グループは、次世代省エネ住宅「スマートハウス」の中核となる家庭内エネルギー管理システム(HEMS)用の機器を開発・発売すると発表した。新開発の機器は、家電製品の消費電力の「見える化」や省エネ制御ができるのに加え、経済産業省が昨年12月から推奨している標準通信規格「エコーネット・ライト」に対応したのが特徴だ。
同通信規格に対応する家電機器であれば、異なるメーカーの機器に対しても、省エネ制御や電源のオン・オフが可能になる。
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27 YKKAP、リモコンで鍵を開け閉め 電気錠ドアで 2012/6/1 日経産業新聞
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YKKAPは取っ手部分に電気錠ユニットを組み込んだドアの鍵を離れた場所から開け閉めできるリモコン式の電子キーを6月18日に発売する。最大で3メートル離れたところからボタンを押すだけで簡単に施解錠できる。ドアと電子キーを合わせた売上高で2013年3月期に120億円をめざす。
停電などの影響でドアに組み込んだ電気錠ユニットが反応しなくなった場合に備え、電子キーに非常用のカギもセットにして常時、持ち歩けるようにした。発売済みのシール式のキーやカード式のキー「ピタットKey」と合わせて品ぞろえを強化する。
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28 NTTスマイルエナジー、家庭の節電遠隔制御を実験 今夏に 2012/6/1 日経産業新聞
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NTT西日本とオムロンの共同出資会社NTTスマイルエナジー(大阪市、谷口裕昭社長)は5月31日、電力会社の電力供給を増やさず需要家の電力消費を抑えて需給バランスをとるデマンドレスポンス(需要応答)サービスの実証試験を今夏実施すると発表した。家庭を対象に、メールを通じて特定時間帯の節電を依頼し、電力使用量をどれだけ抑えられるかを検証する。
NTTスマイルエナジーの電力使用量を可視化するサービスと、ベンチャーのグラモ(埼玉県新座市、後藤功社長)が手掛ける家電遠隔制御システムを使う。
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29 住友不、渋谷の新ビルあす完成 都心最大級のホールも 2012/5/31 日経産業新聞
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住友不動産は30日、開発を進めてきたビル「住友不動産渋谷ガーデンタワー」(東京・渋谷)が6月1日に完成する見通しになったと発表した。貸室面積は約3万4000平方メートルで、渋谷エリア周辺で屈指の規模となる。都心で最大級の広さを持つ多目的ホールを併設、使い勝手の良さが支持を集め、テナントの成約率で100%を達成した。
1階部分などに併設した大型多目的ホール「ベルサール渋谷ガーデン」の広さは約3700平方メートルで都心で有数の規模。株主総会のほか展示会、販売会などで有効利用でき、併設するオフィスの利便性が大幅に高まったという。
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30 電気自動車から家庭に給電、日産が実用化 ニチコンと 2012/5/31 日経産業新聞
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日産自動車とニチコンは30日、EV(電気自動車)から家庭に電力を供給するV2H(ビークル・トゥー・ホーム)システムを実用化すると発表した。ニチコンが開発した電力制御装置を使うことで、停電時や電力ピーク時にEVの電力を活用する。今夏は電力需給が逼迫する可能性が高まっており、EVが家庭用蓄電池という新しい役割を果たしそうだ。
日産系のディーラー経由で6月中旬から電力制御装置を販売する。工事費込みの価格は57万円で、政府が策定中の補助金(24万円)を差し引くと実質価格は33万円になる。6月の発売までには補助金制度が利用できる見通し。