住宅関連新聞記事ダイジェスト No.429 2012/04/12~2012/04/18
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【日本経済新聞】
1 墨田区、ゴミ対策など準備急ピッチ スカイツリー開業控え
2 エスバイエル、3世代対応省エネ住宅 家族だんらんを想定
3 千葉県内自治体、新規就農を後押し 研修補助など
4 天竜木材、東北の製材製販強化 仙台に営業所
5 東京楽天地、浅草に複合施設 全国の名産集め14年末開業
6 トキワ荘跡地に記念碑 豊島区、漫画にちなんだ街おこし
7 石川・富山で食堂付き学生マンション展開 アシーズ
8 穴吹興産、高齢者向け賃貸や有料ホームを関西・九州でも展開
9 復興住宅、スピード生産へ 中小業者が企業グループ
【朝日新聞】
10 電気料金値上げ、共用部除外を マンション管理士会要望
11 2×4協会 高齢者福祉施設の設計手引き書
12 首都圏マンション供給、3月は6%減 不動産経済研調べ
13 首都圏・中古マンションの成約が大幅増 東日本レインズ
14 長期優良住宅、2011年度は10.5万戸
15 首都圏、再び弱含みの兆し 3月の分譲マンション賃料 東京カンテイ
【読売新聞】
16 日本一長いつり橋着工 歩行者用400メートル
17 独自の蓄発電システム、実証運転へ
18 旧日銀をホールに改修、建築学会賞
【日経産業新聞】
19 大和ハウス、賃貸マンション3棟建設 名古屋駅南側の再開発
20 住友林業ホームテック、既存住宅に電力計測・断熱 省エネ改修提案
21 東芝、EVバス実験 今夏めど都内で、環境省事業に
22 ミサワホーム、木質パネルの都市向け戸建てを追加 採光性向上
23 三井ホーム、売上高3500億円目標 17年度、高断熱性住宅の販促強化
24 シャープ、家庭向け電力見える化システム コンセント活用
25 住宅での太陽光発電、「余剰買い取り制度」維持へ 経産省算定委
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1 墨田区、ゴミ対策など準備急ピッチ スカイツリー開業控え 2012/4/16 日本経済新聞
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5月22日の東京スカイツリー(東京・墨田)の開業を控え、墨田区が観光客を迎え入れるための準備を急ピッチで進めている。多くの人出でにぎわうことが予想されるなか、懸案は大量のゴミ発生や交通渋滞だ。シルバー人材センターと連携してゴミの「ポイ捨て」防止に力を入れるほか、渋滞緩和策として交差点の改良工事などを進めている。
「ゴミが落ちていないか、かがんで植え込みを確かめて」。墨田区シルバー人材センターでは4月初めから街の美化活動の研修を始めた。平均年齢は約70歳。すでにたばこの投げ捨てなどが増えているといい、毎日午後1時から5人が2グループに分かれ、スカイツリー周辺を巡回している。
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2 エスバイエル、3世代対応省エネ住宅 家族だんらんを想定 2012/4/16 日本経済新聞
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エス・バイ・エルは28日、太陽光発電システムなどを採用した省エネ住宅の「希(のぞみ)」を発売する。3世代の同居生活を想定し、リビングを住宅の中央に配置するなど家族が交流しやすいように設計した。
太陽光発電のほかに、リチウムイオン蓄電池や発光ダイオード(LED)照明を採用。玄関には屋外パーティー用のテーブルセットや自転車などを保管できる大容量の収納スペースを確保した。掘りごたつなど、高齢者の足腰への負担が少ない空間作りも重視した。
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3 千葉県内自治体、新規就農を後押し 研修補助など 2012/4/16 日本経済新聞
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千葉県内で農業の担い手を育てる取り組みが広がっている。県は農業を始めるため研修を受ける45歳未満の受講者に対し、補助金を出す。柏市はイオン子会社の農場で野菜やコメの栽培方法を学ぶ就農希望者を募集する。県は2012年度の新規就農者数を前年度実績より4割多い400人に増やす目標を掲げている。新規就農のハードルを下げ、後継者不足の解消を目指す。
県は6月にも、若手就農者を育てる支援制度を設ける。農業を始めるため、先進的な農家や農業大学校などの教育機関で研修を受ける場合、年間150万円を最長2年間給付する。45歳未満が対象。金銭面での負担を軽減し就農を促す考えだ。
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4 天竜木材、東北の製材製販強化 仙台に営業所 2012/4/14 日本経済新聞
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天竜木材は東北地方で建築用製材の生産を強化する。昨年の東日本大震災で被災した石巻工場(宮城県石巻市)に、公共施設などに使う大型製材を生産できる新設備を導入し、4月から生産を再開した。仙台市内に営業所を設け、工務店や設計事務所に販路を拡大。復興需要を追い風に東北の事業を立て直し、2013年3月期の売上高を震災前から3割増やす。
石巻港に隣接した同工場では、カナダの子会社から輸入した原木を、建築用の製材に加工し、青森県以外の東北5県に出荷する。昨年3月の震災で津波被害を受け、建屋と機械が破損したため、操業を停止。がれきを撤去し、新しい機械を搬入した上で今月本格的に再稼働した。7月には事務所も新設する。
工場復旧には2億4000万円を投資。新型の機械を導入し最大8メートルと従来より長い木材が加工できるため、大型施設の柱などで使う製材の生産が可能になる。生産能力は月間1000立方メートルと震災前の水準と同じだが、受注量が増えた場合は現在10人いる従業員を増やし、8時間2交代制にするなどして増産する。
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5 東京楽天地、浅草に複合施設 全国の名産集め14年末開業 2012/4/14 日本経済新聞
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東京楽天地は13日、2006年に閉館した映画館「浅草東宝会館」(東京・台東)などを解体し、ホテルや物販店などが入居する複合施設を建設すると発表した。投資額は約100億円で14年末に開業する予定だ。「まるごと日本プロジェクト」をテーマに全国各地の民芸品や食品を扱い、浅草を訪れる観光客や外国人客に日本の文化や魅力をアピールする。
新施設は地上14階、地下2階建てで延べ床面積約2万4500平方メートル。名称は未定。4階までの低層階は物販店などが集まる商業スペースとし、年間売上高50億円を目指す。高層階にはロイヤルホールディングス子会社のアールエヌティーホテルズ(東京・世田谷、成田鉄政社長)が運営する「リッチモンドホテルプレミア浅草(仮称)」(約300室)が入居する。
東京楽天地の山田啓三社長は記者会見で「各地域の隠れた名産を発掘し、地域振興につなげたい」と述べた。商業スペースでは全国の名産品の販売や地域のユニークな観光情報を発信するイベントを開く。店舗は直営と、地元浅草や全国各地から募ったテナントで構成。賃料は売上高の10~15%程度の歩合制とし、基本的な内装や飲食店の厨房設備などは東京楽天地が負担する。
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6 トキワ荘跡地に記念碑 豊島区、漫画にちなんだ街おこし 2012/4/13 日本経済新聞
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手塚治虫さんや赤塚不二夫さんら多くの漫画家が青春時代を過ごしたアパート「トキワ荘」があった東京都豊島区はこのほど、地元商店街などで組織する「トキワ荘通り協働プロジェクト協議会」と連携し、アパート跡地にモニュメント(記念碑)を設置した。同区ゆかりの漫画家の展示イベントも始め、漫画にちなんだ街おこしに力を入れている。
モニュメントは同区南長崎3丁目のトキワ荘跡地に設置した。黒御影石でアパートを再現した。高さと横幅はそれぞれ約1メートル、奥行きは65センチ。トキワ荘は1982年に取り壊され、跡地には現在、日本加除出版の社屋が建っている。敷地は同社が無償で提供した。
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7 石川・富山で食堂付き学生マンション展開 アシーズ 2012/4/12 日本経済新聞
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建設業のアシーズ(金沢市)はブッフェ式の食堂を併設した学生用の賃貸マンションを石川、富山両県で展開する。管理栄養士が常駐しバランスの取れた食事を出す。学生向けのマンション、アパートは、学生数の減少や受験生の地元大学志向から空室を抱える物件が目立つ。建て替え時期を迎えた家主に入居率向上対策として提案する。年間3~4棟、合計100室程度を施工し、工費5億円の売り上げを見込む。
第1弾として石川県野々市市内に鉄骨3階建ての「ハッピーマンション3」がこのほど完成した。ワンルーム形式の30室で、1室の広さは25平方メートル。1階には配膳室を含め36平方メートルの食堂があり、1度に20人が食事できる。近隣の金沢工業大学の新入生を中心に2月中に全室が埋まった。
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8 穴吹興産、高齢者向け賃貸や有料ホームを関西・九州でも展開 2012/4/12 日本経済新聞
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穴吹興産は介護関連事業を本格展開する。訪問介護拠点などを併設した高齢者向け賃貸マンションや住宅型有料老人ホームを5年後をめどに現在の3棟から約40棟に増やす。中四国に加え関西や九州にも開設。同事業の売上高を全体の1割にあたる50億~60億円に増やす。主力の分譲マンション事業が伸び悩む中、成長が見込める高齢者市場に活路を見いだす。
同社は訪問介護拠点を併設した高齢者向け賃貸マンションを高松市に、有料老人ホームを広島市と広島県福山市に持つ。今月、子会社のあなぶきメディカルケア(高松市)を通じて福山市に開設した老人ホームは、訪問介護と通所介護(デイサービス)の拠点を併設する。穴吹興産グループがデイサービスを手掛けるのは初めて。部屋数は約50室で、入居時にかかる一時金は約36万円、月額費用は14万円前後。デイサービス拠点を建物の1階部分に設置し、老人ホームの利用者や周辺に住む高齢者に向けて入浴介助やリハビリ訓練、食事などのサービスを提供する。
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9 復興住宅、スピード生産へ 中小業者が企業グループ 2012/4/12 日本経済新聞
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東日本大震災の被災地で復興住宅の生産を推進するため、地場の製材業者や中小工務店が約300の企業グループを発足させた。岩手、宮城、福島3県の建築士事務所協会などでつくる「地域型復興住宅推進協議会」が呼びかけた。地域密着の中小企業が連携し、品質を保ちつつ住宅のスピード生産体制を整える。
企業グループは原木供給、製材、建材流通、プレカット、設計、施工などの専門業者らが集まって結成。1つのグループに平均20~30社の業者が集まる。協議会が作成した住宅モデルプランを活用し、地域に適した安価な住宅の効率生産を目指す。被災者への普及活動も進め、大手ハウスメーカーに対抗する。
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10 電気料金値上げ、共用部除外を マンション管理士会要望 2012/04/11 朝日新聞
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東京電力が4月に始めた大口向けの料金値上げについて、日本マンション管理士会連合会(東京都)は10日、マンションの共用部分などで使う電気が影響を受けるとして、値上げの対象から外すように求める要望書を経済産業省に出した。
機械式駐車場やエレベーターなどの共用部分は、住人でつくる管理組合が各家庭の部屋とは別に東電と契約するのが一般的。値上げ対象の50キロワット以上で契約しているマンションも多く、管理費が上がる要因となる。同連合会は共用部分の電気の契約について、小口の家庭用と同様な認可料金にするように訴えた。
同連合会によると、影響を受けるマンションがどれくらいかはわからないが、大型物件は対象となることが多いという。瀬下義浩副会長は「家庭用の料金も今後値上げされると、マンションの住人は二重の打撃を受ける」と話した。
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11 2×4協会 高齢者福祉施設の設計手引き書 2012/04/17 朝日新聞
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日本ツーバイフォー建築協会はこのほど、高齢者福祉施設の計画・設計の手引書を制作した。内容は「今なぜ、ツーバイフォー工法なのか」「ここが知りたいツーバイフォー工法による高齢者福祉施設の疑問」「設計上のポイント」「施工上のポイント」など。そのほか実施例も紹介している。
同協会は2004年に、カナダ林産業審議会と共同で耐火構造大臣認定を取得した。高齢者福祉施設の着工の目安となる認定仕様の使用承諾書の発行は60件を超え、そのうち直近2年で40件近くにのぼるという。
同協会では、今回の手引き制作を契機に、同工法による福祉施設の計画を、地方自治体や施設経営者などに訴求していく計画。
A4サイズ、全102ページ。価格は1200円(税込)。
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12 首都圏マンション供給、3月は6%減 不動産経済研調べ 2012/04/17 朝日新聞
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不動産経済研究所の調査によると、3月に首都圏で供給されたマンションは、前年比6.1%減の3462戸だった。契約率は前年比0.5ポイントダウンしたものの79.2%と高水準。好調ラインの70%を7カ月連続で上回った。
また、1戸当たりの価格は4668万円、1平方メートル当たりの単価は66.4万円だった。
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13 首都圏・中古マンションの成約が大幅増 東日本レインズ 2012/04/16 朝日新聞
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東日本不動産流通機構(東日本レインズ)は4月16日、首都圏不動産流通市場動向をまとめた。それによると、2012年1~3月期の中古マンションの成約件数は8612件(前年同期比9.5%)に増加し、2期連続で前年同期を上回った。2010年1~3月に記録した8249件を大幅に上回る高水準となった。
平均成約価格は2539万円(2.2%下落)に下落したものの、前期比では5期ぶりに上昇した。3000万円以上の価格帯の比率が前期の31.7%から33%に拡大した。
成約物件の平均専有面積は65.56平方メートル。平均築年数は18.61年で、古い物件にシフトする傾向が見られた。
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14 長期優良住宅、2011年度は10.5万戸 2012/04/13 朝日新聞
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国土交通省の調査によると、2011年度に認定された長期優良住宅は10万5505戸となった。前年度(10万3741戸)比2%増。戸建ては10万2767戸、共同住宅などは2738戸だった。
また、これにより、制度運用を開始した2009年6月からの累計は、26万6380戸(うち、戸建てが26万762戸)となった。
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15 首都圏、再び弱含みの兆し 3月の分譲マンション賃料 東京カンテイ 2012/04/12 朝日新聞
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東京カンテイ(東京都品川区)がまとめた3大都市圏における3月の分譲マンション賃料(1平方メートル換算)によると、首都圏(2524円、前月比0.2%下落)は2011年末に底打ちの兆しを見せていたが、再び横ばい~弱含みの基調で推移し始めている。都県別では、東京都(2933円、同0.3%下落)と神奈川県(2029円、同0.3%下落)が下落し、千葉県(1546円、同0.1%上昇)はほぼ横ばい。埼玉県(1623円、同1.1%上昇)のみ上昇したが、これは平均築年数がやや新しくなった影響が大きく、ほぼ同じ築年数(約20年)だった2011年12月(1638円)を下回っている。
近畿圏(1701円、同1.0%下落)は前年比の下落幅も拡大しており、2010年下半期以来続いていた安定推移に陰りが見え始めた。大阪府(1774円、同0.2%下落)が小幅な下落にとどまった一方で、兵庫県(1633円、同1.3%下落)の弱含み傾向が顕著に。前年比も3%下落している。
中部圏(1494円、同0.2%下落)は愛知県(1516円、同0.2%下落)と共に、底値圏の賃料水準を維持している。
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16 日本一長いつり橋着工 歩行者用400メートル 2012/04/18 読売新聞
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静岡県東部でパチンコ店などを経営する「フジコー」(三島市壱町田)が、三島市に歩行者用としては日本一長い全長400メートルのつり橋「箱根西麓・三島大吊橋」の建設に着手し、17日に地鎮祭が行われた。2015年12月に開通する計画だ。
同社によると、つり橋は同市笹原新田付近の山林約5ヘクタールを整備して建設。幅1・6メートル、全長400メートルで、現在日本一の長さを誇る歩行者用のつり橋「九重“夢”大吊橋」(大分県、390メートル)を上回る。標高415メートル地点に建設され、地面から橋までの高さは73メートルで、富士山や駿河湾が一望できる。総事業費は約30億円。
箱根や伊豆半島から三島市に観光客を呼び込むのが狙いで、約380台収容の駐車場や地場産品を販売する休憩所なども併設する。通行料は、大人500~700円程度で、年間180万人の集客を見込む。
地鎮祭では、同社の宮沢俊二社長や豊岡武士・三島市長らが刈り初め式などを行った。宮沢社長は「三島を活性化できるものを提供したかった。素晴らしい景色を楽しんでほしい」と話し、豊岡市長も「三島の観光一大拠点となり、大勢の観光客に来てもらえると確信している」と期待を寄せた。
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17 独自の蓄発電システム、実証運転へ 2012/04/18 読売新聞
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住友電気工業は17日、独自の大型蓄電池を使った蓄発電システムを開発し、7月から実証運転を始めると発表した。
太陽光発電と組み合わせ、2014年頃にシステムの発売を目指す。
同社の横浜製作所内に、5000キロ・ワット時分の蓄電が可能な「レドックスフロー電池」と、レンズで光を集めて発電する出力200キロ・ワット分の「集光型太陽光発電装置」を設置する。太陽光発電や夜間の電力を蓄電し、事業所で昼間に使用することで、ピーク時に1000キロ・ワットで5時間分の節電に役立てる考えだ。
レドックスフロー電池は、大型蓄電池として一般的なナトリウム硫黄電池(NAS電池)と比べて安全性が高く、電池残量を正確に把握できる。天候に左右される再生可能エネルギーを安定的に利用するのに適しているという。
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18 旧日銀をホールに改修、建築学会賞 2012/04/16 読売新聞
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残響、耐震性…歴史的建造物再生評価
旧日銀岡山支店を多目的施設であるルネスホールに改修する工事に力を尽くした岡山県岡山市北区清輝本町の建築家佐藤正平さん(62)=写真=が、2012年の日本建築学会賞(業績)を受賞した。地方に残る貴重な歴史的建造物を、再生させた技術が高く評価された。
佐藤さんは「県とNPO法人メンバーの意見を調整しながら工事を行うのは大変だったが、多くの人の意見を取り入れたことで地域に根ざした施設にすることができた」と話している。
旧日銀岡山支店は1922年に長野宇平治氏の設計で建築された。4本の柱が正面に付けられ、コリント式と呼ばれる様式が特徴。87年に日銀岡山支店が移転した後、89年に県が約21億円で買い取ったが、図書館として再利用する計画が頓挫した。
「取り壊すべきだ」との声もあったが、岡山商工会議所が中心となって99年に「旧日銀岡山支店を活かす会」が設立され、佐藤さんは同会座長の荒木雄一郎さんに熱心に誘われ、常任委員として参加。県民から活用方法に関するアイデアを募集し、演奏会などを開ける多目的ホールとして改修することが決まった。
2003年11月、同会の役員を中心にホールの管理運営を行うNPO法人「バンクオブアーツ岡山」を設立。県の補助を受けて04年6月から一期工事を開始した。
まず取りかかったのがロビーの多目的ホールへの改修。ロビーはレンガ作りで残響時間が3秒以上と音楽施設として適さなかったため、レンガの中にモルタルを注入するなどして、ホールの広さに見合った残響時間である1・56秒に作り替えた。また、四方に柱を設置し、耐震性を高めると同時に柱の内部に照明や空調、スピーカーを取り付けることで、元の雰囲気を損なわずに多目的ホールとして再生することに成功した。
オープンは05年9月で、10年5月からは二期工事が始まり、地下にスタジオを設けたほか、新たにギャラリーも併設。以前に比べ、市民が芸術や学術に触れる機会が増えている。
佐藤さんは、日本建築学会賞(同)を西澤英和・関大教授、バンクオブアーツ岡山、岡山県とともに受賞。「今後、県内に限らず、全国で旧日銀岡山支店のような文化的に優れた遺産を、新しい公共空間として再生・利用する動きが活発になってほしい」と話す。授賞式は5月30日東京都港区で行われる。(望月尭之)
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19 大和ハウス、賃貸マンション3棟建設 名古屋駅南側の再開発 2012/4/17 日経産業新聞
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大和ハウス工業はJR名古屋駅南側の再開発地区「ささしまライブ24地区西街区」に賃貸マンションを建設する。7686平方メートルの土地を都市再生機構(UR)から取得した。取得額は非公表。2012年度内に着工し、15年末の完成を目指す。
名称は「ロイヤルパークスささしま(仮)」。地上19階建てのマンションなど3棟を建設する計画。総戸数は502戸で、低層階部分には飲食店などのほか、有料老人ホーム(居室数約100室)や保育所(定員約100人)なども設ける。
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20 住友林業ホームテック、既存住宅に電力計測・断熱 省エネ改修提案 2012/4/17日経産業新聞
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住友林業の子会社でリフォーム事業を手掛ける住友林業ホームテック(東京・千代田、高桐邦彦社長)は、既存住宅をスマートハウス(次世代省エネ住宅)に改修・増改築する提案サービスを始めた。耐震と断熱改修、太陽光発電システムや蓄電池などの設備の設置をまとめて提案する。消費電力の抑制による節約効果などをアピールしながら、2013年3月期に20億円の売上高を目指す。
新たに始めるリフォーム提案は「スマートリフォレスト」。従来も太陽光発電システムなど各設備の設置は提案していたが、新商品では家電などの消費電力の計測器や蓄電池、空気熱を利用する電気給湯器「エコキュート」などの設備を組み合わせる。耐震・断熱改修も同時に提案して、住宅性能を高められる利点を前面に打ち出す。
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21 東芝、EVバス実験 今夏めど都内で、環境省事業に 2012/4/16 日経産業新聞
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東芝は今夏をめどに東京都港区で同社のリチウムイオン電池を搭載するEV(電気自動車)バスの運行実験を始める。環境省の2012年度「地球温暖化対策技術開発・実証研究事業」に採択された。実証実験は14年度まで実施する。
EVバスにはリチウムイオン電池「SCiB」を搭載し、1日に6~8回程度急速充電する。リチウムイオン電池は急速充電の回数が多いと寿命が短くなるという課題があったが、電圧を低くしたため、劣化が少なくなった。この結果、電池寿命がのびるため、電池買い替えのコストを抑えられる。
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22 ミサワホーム、木質パネルの都市向け戸建てを追加 採光性向上 2012/4/13 日経産業新聞
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ミサワホームは木質パネルの戸建て住宅「ジニアスシリーズ」で、採光性などを高めた都市部向けの「ユーディー」を20日に発売する。リビングや階段ホールで窓の設計を工夫し、近隣住宅との間隔が狭い都市部でも室内の明るさを確保しやすいという。40代を中心に戸建て住宅を建て替えたい消費者に提案し、2013年3月期に1000棟の販売を目指す計画だという。
都市部では日当たりを確保するため2階にリビングを設けることが多いが、出入りがしやすいように1階にリビングを設けたいという消費者の要望に対応した。リビングの角に窓を配置、光を通しやすいガラスで階段の手すりをつくり、採光性を高めた。
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23 三井ホーム、売上高3500億円目標 17年度、高断熱性住宅の販促強化 2012/4/13日経産業新聞
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三井ホームは12日、2013年3月期から6カ年の中長期経営計画を発表した。連結売上高を18年3月期に12年3月期見込みに比べて6割増の3500億円に増やす計画だ。東名阪での営業をテコ入れして、ツーバイフォー工法による断熱性の高い木造住宅の販促を強化。蓄電システムなどスマートハウス(次世代住宅)用の設備も拡充してシェア拡大を目指す考えだ。
全館空調システムなどの従来設備に加えて、太陽光発電システムや、今月から販売している蓄電池などをまとめて提案。「東日本大震災後、スマートハウスの認知度が高まっている」(生江隆之社長)ため、電気料金を減らしたい家庭の需要を取り込む。
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24 シャープ、家庭向け電力見える化システム コンセント活用 2012/4/13 日経産業新聞
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シャープは12日、エアコンやテレビなどの消費電力をリアルタイムで確認できる家庭内エネルギー管理システム(HEMS)を5月11日から順次発売すると発表した。消費電力データを無線で送信する測定器を家庭のコンセントに差し込み、中継器を通じて専用タブレット(多機能携帯端末)でデータを確認する。配線工事が要らず、手軽に設置できるという。
7型画面の専用タブレットと電力測定器、中継器をセットにした「電力見える化システム」を発売する。エアコンやテレビ、冷蔵庫など機器ごとの消費電力に加え、リビングや寝室など部屋ごとに電気の無駄遣いをチェックできる。同社の太陽光発電システムを設置している場合、運転状況や発電・売電量も表示できる。
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25 住宅での太陽光発電、「余剰買い取り制度」維持へ 経産省算定委 2012/4/12 日経産業新聞
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経済産業省は11日、太陽光など再生可能エネルギーでつくった電気の買い取り価格、期間を議論する調達価格等算定委員会を都内で開いた。住宅での太陽光発電による電気については全量買い取り制度の対象とせず、現在、余った電力を電力会社に売っている「余剰電力買い取り制度」を維持する方向が大勢となった。
住宅の太陽光発電は再生エネルギー特別措置法案の国会審議で、余剰買い取り制度を続ける方針が示されてきた。ただ、民主、自民、公明の3党協議による法案修正後は同制度維持について国会で明確にされていなかった。