住宅関連新聞記事ダイジェスト No.336  2010/5/27~2010/6/2

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住宅関連新聞記事ダイジェスト No.336  2010/5/27~2010/6/2 Vol.1
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【日本経済新聞】

1  4月の住宅着工、0.6%増 17カ月ぶり増 分譲マンションが押し上げ

【朝日新聞】

2  復刻・エコ・直営…質アピール 国内家具メーカー

3  大手4行、住宅ローン金利引き下げ6月から

4  一等地の地価、一部で下げ止まり 国交省調査

5  賃貸マンションの更新料条項は無効 大阪高裁、一審支持

【読売新聞】

6  重厚な梁や二重屋根、築100年の自宅をギャラリーに

7  住宅着工、前年同月上回る

8  住宅ローン金利、大手4行引き下げ

9  特注「金色トイレ」万博・日本産業館に登場

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1  4月の住宅着工、0.6%増 17カ月ぶり増 分譲マンションが押し上げ  2010/6/1日本経済新聞

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国土交通省が31日発表した4月の新設住宅着工戸数は6万6568戸と、前年同月比で0.6%増えた。分譲マンションなどが大幅な伸びとなったためで、前年比プラスは17カ月ぶり。だが前月比でみると着工戸数は一進一退が続く。雇用環境の改善も遅れていることから、国交省は「全体として持ち直しの動きがみられる」との判断は据え置いた。

持ち家の着工戸数は前年同月比2.3%増の2万3496戸で、6カ月連続の増加。分譲住宅も27.4%増の1万8083戸と2カ月連続で増えた。とくに増加が目立ったのは分譲マンションで35.8%増。「東京などではマンションの供給増にもかかわらず、契約率が80%前後と高い」(みずほ証券の石沢卓志チーフ不動産アナリスト)。

ただ前月比でみた着工戸数(季節調整済み)は7.1%の減少。国交省は「雇用・所得環境はなお厳しく、今後の動向を注視する」としている。

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2  復刻・エコ・直営…質アピール 国内家具メーカー  2010/6/1 朝日新聞

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[1]天童木工が復刻した坂倉準三建築研究所「小イス」(51450円/税込み)

[2]柳宗理デザインの「バタフライスツール」(40950円/税込み)

桜製作所の永見眞一会長。右のいすはジョージ・ナカシマのコノイドチェア

[3]カリモク「ニュースタンダード」シリーズのサイドテーブル(価格未定/太田拓実氏撮影)

[4]タイムアンドスタイルのイス「カルロス」

ニトリ、イケアといった家具量販店の低価格商品が話題を呼ぶ中、日本のしにせ家具メーカーが道を模索している。著名デザイナーと共作した歴史的製品を復刻したり、国産の間伐材を使うロハスな新シリーズを発表したり、流通を見直し、直営店を開いたり。共通する売り文句は「長く愛着を持って使える、上質な家具」。「質」を売り込むそれぞれの取り組みは。

■メトロポリタン美術館にも収蔵

山形県天童市、1940年創業の天童木工は近年、著名デザイナーと共作してきた会社の歴史そのものを特色としてアピールする。

今年4月、坂倉準三建築研究所が53年ごろデザインした「小イス」=写真[1]を復刻した。51年完成の東京日仏学院の建物に合わせて作られたものだ。50~70年代の製品も一部復刻し、「天童クラシックス」というシリーズにした。

同社は戦後導入した「成形合板」技術が得意。厚さ1ミリほどの木材をミルフィーユ状に重ねて曲げ、加熱する。複雑な曲面はモダンなデザインを生む。代表作の一つが、柳宗理デザインで、米メトロポリタン美術館にも収まる56年のバタフライスツールだ=写真[2]。

取引先は従来、官公庁や企業が中心で、都庁を始め全国の議場用家具も作ってきた。だがバブル後に受注が減り、一般家庭へターゲット変更を迫られている。

「天童クラシックスはデザインに興味のある人に反響がある。デザイナーと会社との物語は強みになる」と福島幸雄営業本部長。6月初めを目標にネットショップも始めるという。

■ジョージ・ナカシマ美術館

高松市牟礼町にある桜製作所の自慢は、50年近くの間、日系米国人の建築家ジョージ・ナカシマ(1905~90年)の家具を作ってきたこと。無垢(むく)材の木目や節を生かした、重厚で温かみのあるいすやテーブルがある。2年前には敷地内にナカシマの記念館を開き、歴史にかたちを与えた。

創業は1948年。永見眞一・現会長(86)が県立工芸学校の友人に誘われ、木工所を始めた。学校では当時、ドイツのバウハウスを例に、デザインの重要性を教えたという。「形の美しい家具を作りたい」と志す2人の工場を、64年にナカシマが訪れ、米国外で初めて家具製作を任せた。

定番のいすが約20万円、ダイニングテーブルは120万円以上と高価だが「木の自然の形を生かしたよさがある。お客さんの、好きという気持ちの濃さに支えられてきた」と永見会長。

6年前には東京・銀座に直営店をオープン。家具メーカーは伝統的に卸売りが主で、消費者との接点は少なかったが、直営店から価値観を広めようと努める。

■間伐材で環境保護

愛知県東浦町のカリモク家具は1940年創業で、年商約400億円と木製家具メーカーで国内最大級。デザイナー柳原照弘(33)をクリエイティブディレクターに迎えた「カリモクニュースタンダード」シリーズ=写真[3]はそのうち「カラーウッド」、太田拓実氏撮影=を7月に発売する。国内の間伐材を使って環境保護をうたうほか、組み合わせ次第で本棚やテーブルになる家具など、使い手の自由な発想を促す。

同社も直営店を持たないが、将来つくることを検討中。「直営店がないと、製品の裏にある考え方を伝えられない」と加藤洋・副社長(43)。生活全体を提案するため、アパレルなど異業種との提携も視野に入れるという。

■生活スタイル提案

新しい家具メーカーにはデザインから製造、販売までを自社で行う会社もある。92年創業のタイムアンドスタイル(東京都港区)は、都会的でシンプルなデザインが特徴。六本木ミッドタウンなど4店舗で、植木や小物も含めて生活を疑似体験できるように家具を展示する=写真[4]は一例。

「空間の構成のしかたまでを提案するメーカーはこれまで少なかった」と吉田龍太郎社長(46)。「自分たちの製品を使ってどう暮らしてほしいか。製造から販売まで、入り口と出口をつなぐことが理想」

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3  大手4行、住宅ローン金利引き下げ6月から  2010/5/31 朝日新聞

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三菱東京UFJ、三井住友、みずほ、りそなの各銀行は、6月の新規融資分から住宅ローン金利の一部を引き下げると発表した。主力の固定金利特約型10年の場合、三菱東京UFJ、三井住友は5月より0.05%幅低い年4.2%、みずほは同0.05%幅低い4.1%にする。りそな銀行は4.1%で据え置く。

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4  一等地の地価、一部で下げ止まり 国交省調査  2010/5/27 朝日新聞

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国土交通省は27日、全国の一等地150地点の4月1日時点の地価動向調査を公表した。8割以上の地点で3カ月前の前回調査より下落したものの、22地点は下落から横ばいとなり、22地点では下落幅が縮小するなど、下げ止まりの兆しもみられる。

下落は123地点。86地点は3%未満の小幅な下落だった。3大都市圏では大阪府、愛知県、埼玉県、京都府が全地点で下落した。大阪府は6割近い地点が3%以上の大幅下落となった。

一方、上昇は佃・月島(東京)と武蔵小杉(川崎市)の2地点。都心部を中心としたマンション需要の回復が背景にあるとみられる。地価が下げ止まった22地点は、丸の内、二子玉川、吉祥寺(いずれも東京都)、六甲(神戸市)、天神(福岡市)など。主要駅周辺の商業地に加え、高級住宅街を抱える郊外の地域でも下げ止まりの傾向がみられる。

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5  賃貸マンションの更新料条項は無効 大阪高裁、一審支持  2010/5/27 朝日新聞

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マンションの賃貸契約更新料を徴収する契約条項が消費者契約法上、有効かどうかが争われた訴訟の控訴審判決が27日、大阪高裁であった。紙浦健二裁判長は「家主側の利益確保を優先した不合理な制度だ」とし、契約条項を無効とした一審・京都地裁判決を支持。更新料の支払いを求めた家主側の控訴を棄却した。

借り主の男性の弁護団によると、更新料をめぐる高裁レベルの判断は、今回の判決を含めて「無効」が3件、「有効」が1件となった。

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6  重厚な梁や二重屋根、築100年の自宅をギャラリーに  2010/6/2 読売新聞

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築100年の古民家を改装したギャラリー(洲本市五色町鳥飼浦で) 兵庫県洲本市五色町鳥飼浦の陶芸家・西村昌晃さん(31)が、築100年の自宅をギャラリーに改装し、2日にオープンする。

太い梁(はり)や柱を生かし、二重屋根「土(ど)天井」の木の皮を見せた屋根裏など古民家の趣たっぷりで、カフェコーナーも設けた。西村さんは「のんびりできる空間と陶芸作品を通じて、多くの人たちとの出会いを楽しみたい」と話す。

神戸市出身の西村さんは、1999年から丹波・立杭(たちくい)焼の窯元で修業。2005年、祖母が暮らしていた今の場所に移住し、納屋と牛小屋に「樂久登(らくと)窯」を開いた。淡路島外から訪れる客も多く、「都会の喧騒(けんそう)から離れて憩える場所」と評判になった。

そこで、「田舎の雰囲気を更に満喫できるように」と、母屋の木造平屋と棟続きの離れ(計約150平方メートル)の全面改装を、知人の古民家鑑定士で設計事務所代表・平松克啓さん(30)に依頼した。

「瀬戸内のさざ波」をイメージして屋根瓦をふき替え、室内は黒い土壁のギャラリーをメーンに、▽屋外の景色が見渡せる大窓を設けた白い漆喰(しっくい)のギャラリー▽建具などを再利用したカフェコーナー▽屋根裏部屋――で構成。「様々な器が映えるよう、それぞれの空間を演出した」と平松さん。特に屋根裏は、垂木と木の皮を組み合わせた耐熱効果の高い土天井をそのまま生かし、約8か月かけて完成した。

展示作品はすべて、島内の5種類の土を使用。花器のほか、土に泥をかけて模様を入れた「スリップウエア」に取り組む西村さんは、「淡路島の風土から生まれた器をゆっくり見てもらえる場にしたい」と話す。

ギャラリーは午前10時~午後5時(火曜休み)。

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7  住宅着工、前年同月上回る  2010/6/2 読売新聞

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国土交通省が発表した4月の新設住宅着工戸数は前年同月比0.6%増の6万6568戸となり、2008年11月以来、1年5か月ぶりに、前年同月を上回った。

都内で大規模マンションの着工が多かったためだ。

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8  住宅ローン金利、大手4行引き下げ  2010/6/2 読売新聞

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三菱東京UFJ、みずほ、三井住友、りそなの大手4銀行が6月1日から適用する住宅ローン金利が出そろった。

長期金利の下落を受け、4行とも期間5年の固定型金利を0・05%引き下げ、年3・55%にする。10年固定型の金利は、金利を据え置いたりそなを除く3行が0・05%引き下げた。2年固定型の金利は、4行とも年3・10%で据え置く。

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9  特注「金色トイレ」万博・日本産業館に登場  2010/6/1 読売新聞

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日本産業館に設置されるINAX特注の「金色トイレ」 中国で開催されている上海万博の日本産業館に、絢爛豪華な金色のトイレが登場する。

INAX(本社・愛知県常滑市)の最高機種「REGIO(レジオ)」の特注品。金色は中国で縁起が良いとされ、陶器部分に本物の金を特殊コーティングしたという。同館内の「世界一トイレ」に男女1台ずつが設置され、6月12~18日の「ジャパンウイーク」を盛り上げる。

世界一トイレは、同館代表・堺屋太一さんの発案により、「世界で最も心地よいレストルーム」を標榜した施設。便器やハンドドライヤー、タイルなどをINAXが提供した。同社によると、トイレ内には男性用3台、女性用6台の便座があるが、「どれが金色かはドアを開けるまでわからない」(広報室)という。

金色のトイレは、万博閉幕まで利用可能。

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住宅関連新聞記事ダイジェスト No.336  2010/5/27~2010/6/2 Vol.2
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【読売新聞】

10  耐震不足の市営住宅3棟、対策決まらず…富山

11  古民家改装、白壁・格子窓の「日曜診療所」に…倉敷

12  「業者が大胆な改善案」三鷹駅前にパチンコ店出店へ

13  穴吹支援、投資ファンドと大京が共同で

14  天津の「環境都市」に高層住宅…三井不動産

15  鹿沼「木工団地」にアウトレット店オープン

【日経産業新聞】

16  マンションの需給バランス、都内南西部は良好

17  旭化成ホームズなど、照明計画の新手法考案

18  秋田ウッド、再生木材で独自ブランド

19  トステム、急激な温度変化を低減する浴室用内窓 複層ガラスに対応

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10  耐震不足の市営住宅3棟、対策決まらず…富山  2010/6/1 読売新聞

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新規入居停止の状態が続いている奥田団地(富山市奥田寿町で) 152世帯が入居する富山市営住宅奥田団地(富山市奥田寿町)が昨年3月に耐震強度不足で新規入居停止となったものの、修繕や建て替えをするかどうか依然決まっていないことが31日、わかった。

同時期に耐震不足とされた他の4か所の市営住宅はすでに対応が始まっているが、同市は、規模が大きく、転居先のあっせんが容易でないことなどを理由としている。一部の住民は工事の実施などを求めて富山簡裁に一時調停を申し立てるなど、大規模団地が市の耐震対策を巡って揺れている。

奥田団地は、1966年度に完成した1号棟(5階、計64戸)、67年度の2号棟(6階、計80戸)、68年度の3号棟(6階、計60戸)の3棟が、県道沿い約300メートルにわたって横に並び、1階は商店街になっている。いずれも改築などは行われていない。

市が2007年8~11月に調べた結果、耐震強度を表すIs値が基準値の0・3に満たず、大規模な地震に耐えられないとされ、昨年3月には新規入居を停止した。

しかし、住民側には対応策が全く示されなかったことから、同団地のテナントで作る「奥田ビル商栄会」は昨年10月、〈1〉補修か建て替え工事の実施や工期の確定〈2〉工事中に休業する商店への営業補償――などを市に求めて富山簡裁に調停を申し立てた。これに対し、市は工事計画の見通しが立っていないと主張。3回にわたる話し合いが平行線をたどったため、同会は今年2月、調停を取り下げた。

市によると、同様に耐震強度不足が見つかった4か所は、稲荷町、有沢両団地が取り壊し、下赤江団地が補強工事をすでに行ったほか、山室団地で補強工事が予定されている。市は、工事に伴う住民の転居費をすべて負担したという。

奥田団地について市は現在も対応を検討中としながらも、規模が大きいため、工事費が膨大になるほか、入居者全員の転居先のあっせんが困難としている。また、市が新規入居停止直後に行ったアンケートで、できる限り住み続けたいとする回答が約半数に上り、転居を希望したのは1割程度だったことも、建て替えなどに慎重になっている要因の一つとしている。担当の市営住宅課は「耐震強度に問題のある住宅を、そのままにしておくわけにはいかないが……」と頭を抱える。

ただ、水道水の赤水や雨漏りの被害も深刻になっている。市は被害が出た部屋に個別に対応しているが、住民の一部は、抜本的な解決を求めて新たに調停を申し立てることも検討している。

1号棟に約40年住んでいるという無職山田治一郎さん(66)は「昔は暮らしやすくて、にぎやかだったが、すっかり老朽化してしまった。大きな地震があったら怖いが、引っ越すお金もない」と不安げに話した。(小川洋輔)

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11  古民家改装、白壁・格子窓の「日曜診療所」に…倉敷  2010/5/31 読売新聞

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江戸時代の古民家を改装した診療所(倉敷市藤戸町天城で) 岡山県倉敷市藤戸町天城にある江戸時代の古民家に、生活習慣病の患者を中心に、日曜だけ診療を行うユニークな内科医院「天城日曜診療所」が開業した。

新見市の山間地で診療所長として23年間、住民のプライマリーケア(初期診療)に携わった仙田尚人(たかひと)さん(58)が、今後は都市部のお年寄りの健康づくりに力を尽くそうと始めた。1日に診るのは10人以内で、「よろず相談所として診察に時間をかけ、お年寄りが元気で暮らせるお手伝いをしたい」と話している。

仙田さんは、山口大医学部を卒業。松山市民病院勤務時に、無医地区の旧神郷町に請われ、神代診療所に単身赴いていた。倉敷市に住む実母と、妻の両親が80歳を超えて病気がちになったため「面倒をみたい」と、所長の後任が決まった2008年11月に退任、同市に戻った。

医師を志した時から「家族の気持ちで患者と接する医師でありたい」と思い続け、「実践の時がきた」と決意。市内の病院で新しい医療技術を学びながら、実家を診療所に改装するため、開業準備に約1年半を費やした。

藤戸地区は、源氏と平家の「藤戸の戦い」の古戦場で知られ、江戸時代は陣屋町として栄えた。白壁、格子窓の武家屋敷、商家、民家が今も軒を連ねる。実家は、天保13年(1842)の建築で、先祖は天城陣屋を構えた池田氏のお抱え医師だったと伝えられる。仙田さんが戻るまでは実母(84)が一人で住んでいた。

実家なら古民家の形を変えずに活用でき、地域の人たちも訪れやすいと考えた。白壁や格子窓はそっくり残し、玄関付近の3部屋約60平方メートルに診察室、薬局、畳敷きの待合室を設けた。

週1日の条件とあって、看護師を依頼するのに苦労したが、2008年末、市内の総合病院を定年退職した元看護師長が仙田さんの理念に賛同して着任。医療事務は妻の文子さん(58)が受け持つことで、スタッフがそろった。

診療は昼休みを挟み、午前9時~午後6時。風邪など軽い急患と高血圧、糖尿病、脂質異常症などを受け付ける。心臓病などは提携する専門医院に紹介。必要な場合、平日に仙田さんが患者と一緒に専門医院を訪れ、検査結果などを知ったうえで治療を続ける。

今月16日の開業初日には5人が受診。高血圧で受診した近所の女性(82)は「1時間もかけて診てもらい、満足。一人暮らしだけど、これで安心です」と話していた。

仙田さんは「日曜だと家族も一緒に生活指導を聞いてもらえる。診療に追われることがないので、私も元気で患者に向き合える」と話す。待ち時間を作らないよう予約制としている。(木曽田学)

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12  「業者が大胆な改善案」三鷹駅前にパチンコ店出店へ  2010/5/31 読売新聞

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東京・武蔵野市のJR三鷹駅北口のパチンコ店建設問題で、市のまちづくり条例に基づく調整会が29日、同市役所で行われ、まちづくり委員会の柳沢厚委員長は「駐輪場や窓、電飾について、業者側の大胆な改革で、市民の心配の基本的な部分は解決した」と述べ、この日で調整会を終わらせる方針を示した。

これにより、パチンコ店が出店に向けて動き出すことになった。

調整会で、出店を計画している「エリアコーポレーション」(本社・福岡市、平本二朗社長)は、地下に200台分の駐輪場を設置し、開店を待つ客も、地下の待合スペースに並んでもらうなどの新たな設計案を提示。外壁はベージュ色で、窓ガラスもすりガラスにして、外からは中の様子が見えないようにしたほか、屋外トイレも、地下に設置した。また、騒音を低減するため、屋内の扉と屋外の扉の距離を広げることができないか検討を進めていることも明らかにした。

調整会の請求者からは、「西側部分の窓をなくすことはできないか」「地下駐輪場が200台では少なくないか」といった意見も出されたが、同社側は「商業施設として窓をなくすことはできない。窓をなくしたら、その分屋外に広告物を設置する必要が出てくる」「三鷹駅周辺のパチンコ店を調査した結果、200台がすべて埋まることは考えにくい」と答えた。

柳沢委員長は、「業者の大胆な改善案が提示され、基本的な問題の解決の方向性が示された」として、調整会の終了を決めた。今後、市民が提起した運営上の課題については、市が業者に伝える形になるという。同社の担当者は、「市民の要望をできるだけ取り入れた。設計の細部を詰めたうえで着工したい」と述べた。

調整会の途中から姿を見せて傍聴し、結論が出る前に退席した邑上守正市長は「市民の声を受けて、事業者も真摯(しんし)に改善案を検討し、一定の努力をしてきたと思う」などとするコメントを出した。

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13  穴吹支援、投資ファンドと大京が共同で  2010/5/28 読売新聞

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昨年11月に会社更生法の適用を申請したマンション販売大手、穴吹工務店(高松市)の再建をめぐり、投資ファンドのジェイ・ウィル・パートナーズとマンション最大手の大京が共同で支援することが、28日明らかになった。

ジェイ・ウィル社が資金面、大京がマンション事業をそれぞれ支援するとみられる。

穴吹工務店は、地方都市を中心に「サーパス」ブランドでマンション事業を積極的に展開し、2007年には全国マンション販売戸数で大京を抜いて1位となった。リーマン・ショック後の景気悪化で地方のマンション市場が急速に冷え込み、経営に行き詰まった。

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14  天津の「環境都市」に高層住宅…三井不動産  2010/5/28 読売新聞

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三井不動産(本社・東京都中央区)は、中国・天津の環境都市開発プロジェクトに参加することを明らかにした。

プロジェクト名は「天津エコシティ」。同市東部に広がる約30平方キロのエリアに、「環境共生」「省資源」などをテーマにした人口35万人規模の新しい都市を建設する。国家レベルのプロジェクトで、将来、各地で行われる都市開発のモデルになるという。

三井不動産は住宅分譲事業に参画し、高層住宅など約2600戸を供給する予定。

同社は2005年に上海事務所を開設するなど、中国を「戦略エリア」として重視。今後も同国や東アジア各国で事業を推進したいとしている。

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15  鹿沼「木工団地」にアウトレット店オープン  2010/5/28 読売新聞

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販売予定の商品と田代会長(鹿沼市で) 「木工の街」として知られる栃木県鹿沼市の木工関連の事業所12社が共同で、同市内に建具や家具のアウトレット商品などを販売する店舗「Woody Outlet(ウッディ アウトレット)かぬま」を29日、オープンする。

木工関連のアウトレット店は県内で珍しく、価格の安さと豊富な品ぞろえで、木工製品を身近に感じてもらいたい考えだ。売り上げが減少する中、丈夫でぬくもりが特徴の木工製品をPRし、業界全体の活性化につなげたいとしている。

規格外の木工製品やこれまで処分していた建築時に出る端材を生かそうと、森林組合や木工関連業者などが企画。4月中旬に、有志12社が店名と同名の運営団体を設立した。

セールスポイントは豊富な品ぞろえ。扱う商品は柱や板などの資材から、机やイスなどの家具まで100種以上に及ぶ。一般人が作ったラックなども、ガレージセール感覚で販売。商品によっては半額以下で提供していく“破格さ”もポイントで、国産家具だが手が届きにくいイメージはないという。

会員からの出資金(各10万円)や出品者からの手数料(売り上げの20%)などを運営費に充てるなどし、販売価格の抑制に努めるとしている。店は、木工関連業者が集積する鹿沼木工団地(同市茂呂)の空き倉庫(約330平方メートル)を利用する。

キャッチフレーズは「木工の秘密基地」。運営団体の田代博会長(68)は「傷物でも良いものがひそかに売っているなど、どんなものがあるか宝探しのように楽しめる店になるよう願いを込めた」と話す。

木工団地内という立地条件を生かし、建具や資材のサイズが合わない際に、団地内で切断や研磨などの客の要望に応えるサービスも人気を呼びそう。

木工製品は売り上げの減少に伴い、関連業者も1993年の294事業者に対し、08年は134事業者に減るなど、販路拡大や業界活性化が急務だ。将来的には、新製品の発表会や木工教室の開催も計画していくといい、田代会長は「店を通じて、木の良さを知ってもらい、鹿沼の木工業界の再興につなげていきたい」と意気込んでいる。

6月6日までは毎日、その後は毎週金曜から日曜に開店する。営業時間は午前9時から午後5時まで。

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16  マンションの需給バランス、都内南西部は良好  2010/6/2 日経産業新聞

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民間調査 東京都内の城南・城西地区は今後のマンション供給量が少なく、良好な需給バランスが崩れにくい――。マンション関連コンサルティングのトータルブレイン(東京・港、久光龍彦社長)が、こんな調査結果をまとめた。都心に近く人気が高いエリアなうえ、今後の供給量も絞られ供給過剰になりにくいという。

調査対象地域は大田区・品川区・目黒区・世田谷区・杉並区・中野区の6区で、13路線122駅を分析した。

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17  旭化成ホームズなど、照明計画の新手法考案  2010/6/2 日経産業新聞

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旭化成ホームズは1日、東京工業大学大学院総合理工学研究科の中村芳樹准教授と共同で、間接照明と調光機能を使って住空間の明るさを調節する照明計画を考案したと発表した。

中村准教授が提唱する、人が視覚的に感じる明るさを定量化する「明るさ尺度値」という手法を用いた。従来に比べ照明用のエネルギー消費を約6割減らせるという。

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18  秋田ウッド、再生木材で独自ブランド  2010/6/2 日経産業新聞

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【秋田】再生木材を製造する秋田ウッド(秋田県大館市、三浦清久社長)は今月から独自ブランド製品の販売を本格的に開始した。従来はOEM(相手先ブランドによる生産)供給がほぼ100%だったが、リサイクルへの関心の高まりを受け受注が増加しており、専門の営業チームを新設し新規顧客の開拓を図ることにした。

同社は秋田スギなどの廃木材を55%、廃プラスチック40%を混合し顔料を加えて住宅用のデッキやフェンス、公共施設向けのベンチなどを生産している。これまでは住宅メーカーなどへのOEM供給がほとんどだったが、受注の伸びで自社ブランドの販売でも勝算があると判断した。

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19  トステム、急激な温度変化を低減する浴室用内窓 複層ガラスに対応  2010/6/1日経産業新聞

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トステムは浴室用の内窓「インプラス 浴室仕様」を7日に発売する。断熱性能の高い複層ガラスに対応し、冬場などの急激な温度変化を低減する。新築のほか、リフォーム需要も見込む。

設計を工夫し、重量のある複層ガラスも取り付けられるようにした。単板ガラスに比べ断熱性能が高いため、急激な温度変化が原因で生じる「ヒートショック」を防ぎやすくなる。複層ガラスの間の空間に角度を調節するブラインドも設置できる。

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住宅関連新聞記事ダイジェスト No.336  2010/5/27~2010/6/2 Vol.3
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【日経産業新聞】

20  クリナップ、シャワー付きで低価格な洗面化粧台 手入れしやすく

21  大京など、穴吹工務店を支援 マンションの情報共有も

22  東洋エクステリア、自動車2台を並べられるカーポート

23  三井ホーム、エコ仕様の賃貸住宅

24  内田洋行、ビル照明の消費電力を6割削減できるシステム

25  秋山機器とモリテック、震度7でも使える耐震用玄関ドア

26  大光電機、LED照明を拡販 本社ショールームも刷新

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20  クリナップ、シャワー付きで低価格な洗面化粧台 手入れしやすく  2010/6/1 日経産業新聞

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クリナップは普及価格帯の洗面化粧台「BTG」を発売した。シャワー付きでありながら、価格を抑えたのが特徴。扉の色は4色から選べ、同社のシステムキッチン「ラクエラ」やシステムバス「ハイロ」と合わせられる。同時に薦めることで、販売増につなげる。

洗面ボールは陶器製で、長方形のデザインを採用した。間口75センチメートルのタイプの場合、約20リットルの水をためられるため、洗顔がしやすい。陶器の色は白とピンクから選べる。シャワーはホース内蔵式で、水栓まわりの手入れも簡単にできる。

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21  大京など、穴吹工務店を支援 マンションの情報共有も  2010/5/31 日経産業新聞

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大京が投資ファンドのジェイ・ウィル・パートナーズ(東京・千代田)と共同で会社更生手続き中の穴吹工務店を支援することになった。両社による出資会社が28日付で穴吹とスポンサー契約を結んだ。穴吹の更生管財人を務める長谷川宅司弁護士は同日、高松市内で記者会見し「大京という事業会社が(支援に)つくことで、信用補完が可能になる」と述べた。

穴吹は100%減資を実施して株主責任を明確にしたうえで、ジェイ・ウィルのファンドと大京が出資する合同会社から100%の出資を受け入れる。支援額は百数十億円程度としている。このうち大京の比率は1割程度とみられるが、大京と穴吹はマンション用地の情報共有などで業務提携する。

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22  東洋エクステリア、自動車2台を並べられるカーポート  2010/5/28 日経産業新聞

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東洋エクステリアは自動車2台を並べられるカーポート「アーキデュオ ワイド」を6月1日に発売する。シンプルなデザインで、様々な種類の住宅に調和する。主に自動車を2台所有する郊外の住宅向けに販売する。

屋根材にはポリカーボネートを採用。透明のほか、すりガラス調も選べる。屋根を前方に4度傾けており風雨の吹き込みを防ぐ。装飾を最小限に抑えることで、シンプルなデザインに仕上げた。台風が多い地域向けに屋根の補強材も用意した。

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23  三井ホーム、エコ仕様の賃貸住宅  2010/5/28 日経産業新聞

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三井ホームは27日、同社初のエコ仕様賃貸住宅「eco賃貸」を28日に沖縄を除く全国で発売すると発表した。ツーバイフォー工法で、太陽光発電システムやオール電化などを導入し、環境配慮型住宅とした。住宅版エコポイントの発行対象にもなる。

自由設計の「プロパティ・エバーコート・アクティ」と規格型の「プロパティ・プライムコート」の2種類を用意した。太陽光発電では(1)発電した電力をすべての住戸に振り分ける(2)特定の住戸に重点分配(3)共用部の電気設備に分配(4)同一敷地内のオーナー宅に分配――の4方式から選べる。

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24  内田洋行、ビル照明の消費電力を6割削減できるシステム  2010/5/27 日経産業新聞

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内田洋行は韓国サムスン電子と共同で、オフィスビルの照明の消費電力を最大6割削減できるシステムを開発した。明るさを自在に調節できる発光ダイオード(LED)照明と人感センサーや携帯電話を組み合わせ、照明を細かく調整することで消費電力を抑える。主にビルの改装需要を見込み、3年後に100億円程度の売り上げを目指す。

月内に販売する新システム「スマートビルディング」は、サムスン電子傘下のサムスンLEDが製造するLED複合部品(モジュール)を活用。すべての部屋に人感センサーを組み込み、同じ部屋でも人がいる場所の照明を明るく、いない場所は暗くするなど細かく調整する。LED照明の特長を最大限生かした新ビジネスに育てる。

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25  秋山機器とモリテック、震度7でも使える耐震用玄関ドア  2010/5/27 日経産業新聞

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超精密板金などの秋山機器(沼津市、秋山佳彦社長)はドア製造のモリテック・インターナショナル(東京・中央、大庭直己社長)と共同で玄関ドアに避難扉を組み込んだ耐震ドアの生産・販売に乗り出す。震度7の地震でも開閉が可能で、遮音性や断熱性も確保した。国内のほか大地震の被害が相次いでいる中国などで販売、年間5億円の売上高を目指す。

耐震ドア「e―Duo未来守(みらいまもる)くん」は、大地震によって玄関のドアや枠組みが変形して開かず、外部に脱出できなくなるケースを防ごうと、モリテックが開発した。避難扉は内部からのみ開閉でき、不審者の侵入を防ぐ。扉の四方に気密ゴムを組み込み遮音性や断熱性も維持した。

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26  大光電機、LED照明を拡販 本社ショールームも刷新  2010/5/27 日経産業新聞

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中堅照明器具メーカーの大光電機(大阪市)は発光ダイオード(LED)照明を拡販する。6月の新製品投入に合わせて本社ショールームの展示品の8割をLED照明にするほか、展示会の主力も従来型からLED照明に切り替える。需要が伸びている省エネ照明を前面に押し出すことで、住宅メーカーなど約300社の新規顧客を開拓する計画だ。

新しい本社ショールームは住宅メーカーや設計事務所、内装会社向けに6月中旬から公開する。従来1割だったLED照明の展示比率を8割に引き上げ、リビングやキッチン、寝室など住宅内部を再現したスペースも従来の2倍に広げる。飲食や物品販売などの模擬店舗も新たに設けて、来場者がLED照明を採用した場合のイメージが沸きやすいようにする。

2010-06-03 | Posted in 住宅関連新聞記事Comments Closed