住宅関連新聞記事ダイジェスト No.361  2010/11/25~2010/12/1

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住宅関連新聞記事ダイジェスト No.361  2010/11/25~2010/12/1 Vol.1
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【日本経済新聞】

1  地元企業や個人による5億円未満の取得が中心

2  FCレジデンシャル投資法人に解散請求

3 ヒビノが3D表示対応の大型LEDディスプレイを開発

4 FCレジデンシャル投資法人に解散請求

【朝日新聞】

5  住宅用の火災警報器、効果あり 被害半減、死者も減少

6  契約断ると「車でひき殺す」…マンションの悪質勧誘急増

7  新設住宅着工数、5カ月連続増 国交省発表

8  住宅ローン金利、12月から0.20%引き上げ

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1  地元企業や個人による5億円未満の取得が中心  2010/11/26 日本経済新聞系

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停滞続く福岡の不動産市場

日経不動産マーケット情報が福岡市中心部における過去1年半の売買事例を調査したところ、68件の取引が確認できた。取引は、地元の不動産関連会社や事業会社、個人による5億円未満の物件取得が中心だ。ファンドによる物件取得はほとんど見られない。

調査対象は、商業やビジネスの中心地である天神・大名エリア周辺とJR博多駅周辺。2009年4月から2010年10月に取引された土地と建物を調べた。2010年以降は、福岡リート投資法人がキャナルシティ博多を所有するSPC(特別目的会社)の優先出資持分を追加取得したケースを除くと、REIT(不動産投資信託)やファンドによる取得事例は確認できなかった。

福岡市では2011年3月に、九州新幹線鹿児島ルート(博多駅~鹿児島中央駅)の全線開業を控えている。沿線の都市などから博多駅周辺にオフィスを集約する動きなど、地元では開業による経済効果に期待が高まっている。今のところ目立った影響は出ていないものの、博多駅周辺でホテルを建設する動きが見られる。

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2  FCレジデンシャル投資法人に解散請求  2010/11/25 日本経済新聞系

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FCレジデンシャル投資法人は11月24日、筆頭投資主のエスジェイ・セキュリティーズ・エルエルシーから解散請求を受けたことを明らかにした。

投資主は請求の中で、「全資産を売却する手続きを通して、本投資法人の投資主に対して早期に投下資本回収の機会を与えることは、全投資主との関係においても唯一最善の策である」と主張し、投資主総会の開催を求めている。

4月時点の有価証券報告書によると、FCレジデンシャルの簿価ベースの純資産額は1口あたり46万1703円。これに対して投資口価格は24日終値で23万1300円と、50%のディスカウントになっていた。翌25日は解散価値を織り込んで上昇し、前日比15%高の26万6900円で引けた。

エスジェイは米デラウェア州所在の特別目的会社で、米系の大手不動産ファンドが出資しているとみられる。FCレジデンシャルの投資口23.24%(2010年4月時点)を保有。4月にFCレジデンシャルがいちごアセットグループに対する第三者割当増資を発表すると、エスジェイは発行価格を不服として東京地方裁判所に差し止めを申し立て、投資法人に計画を撤回させた。

9月の投資主総会ではエスジェイ側の推薦により、日興シティーグループ証券やクレディ・スイス証券などを経験した高塚義弘氏が投資法人の代表執行役員に選任されている。

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3  ヒビノが3D表示対応の大型LEDディスプレイを開発  2010/11/25 日本経済新聞系

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3D映像表示にはビクターの技術を活用

ヒビノは、3次元(3D)表示に対応するLEDディスプレイを開発した。1画素に相当するLEDを「LEDディスプレイとしては業界最小ピッチ」(同社)という4mmピッチで並べた「ChromaLED 3D4」、および6mmピッチの「ChromaLED 3D6」の2種類がある。いずれも、左目用の映像信号と右目用の映像信号を1ドットおきに交互に配置する「ドット・バイ・ドット方式」を採用する(図3)。各ドットには円偏光フィルターを備えており、パッシブ型の円偏光メガネを掛けることで立体視できる。展示会やコンサートといったイベント会場や博物館、テーマパークのアトラクション、パブリック・ビューイングなどでの3D映像視聴に向ける。

これまで、ヒビノは3D表示に対応するLEDディスプレイとして、「ライン・バイ・ライン方式」に対応するものを開発してきた。ライン・バイ・ライン方式では、左目用と右目用の映像信号を上下1ラインごとに交互に配置する。だが、2次元(2D)表示時に比べて垂直方向の解像度が半減して映像の明瞭度が低下し、例えば斜め方向に伸びる線をきれいに表示できないなどの課題があった。こうした問題を軽減するため、ドット・バイ・ドット方式に切り替えたという。ドット・バイ・ドット方式では水平方向と垂直方向にそれぞれ解像度が30%程度低下するものの、解像度のバランスを均一に保ちつつ解像度が下がるので違和感のない立体映像を得られるとする。ドット・バイ・ドット方式の採用に当たり、視野角を広げられるように、円偏光フィルターを各ドットに被せる方法を工夫したという。

4mmピッチ品の製品化は未定だが、6mmピッチ品を2010年11月22日から販売を開始する。同日開催した発表会では、4mmピッチ品として76型LEDディスプレイ、6mmピッチ品として280型LEDディスプレイを公開し、それぞれで3D映像の表示を披露した。

一方、6mmピッチの280型LEDディスプレイは、画素数が1024×576でアスペクト比が16対9。画面輝度は730cd/m2。画素数が128×96を1単位とする38型モジュールを横方向に8列、縦方向に6列の計48個を組み合わせて280型を構成した。用途に応じて、520型のフルHDまで構築可能とする。6mmピッチで128×96画素を1単位とするLEDディスプレイは、2D表示向けとしてヒビノは世界販売台数2300台(2010年11月の時点)の販売実績がある。

開発品である4mmピッチ品および販売する6mmピッチ品はいずれも、LEDディスプレイと、3Dフォーマット変換およびスケーリングなどを実行する3Dフォーマット・コンバータ「IF-FC1000H」、そして2D映像を3D映像に変換する装置「IF-2D3D1」から成る。このIF-FC1000Hは、日本ビクターとビデオテックに開発を委託したもの。IF-2D3D1は、日本ビクターが2010年に発売したものである。

日本ビクターとビデオテックを傘下に持つJVC・ケンウッド・ホールディングスは、2010年9月に同グループとヒビノの戦略的提携について発表しており、今回の3Dディスプレイ・システム開発へのかかわりは提携の取り組みの一環とする。今回の3D表示対応LEDディスプレイをはじめとするヒビノ製LEDディスプレイ・システムを、JVC・ケンウッド・ホールディングスの映像システムと組み合わせるなどして同社でも販売を開始する。

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4  FCレジデンシャル投資法人に解散請求  2010/11//25 日本経済新聞系

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FCレジデンシャル投資法人は11月24日、筆頭投資主のエスジェイ・セキュリティーズ・エルエルシーから解散請求を受けたことを明らかにした。

投資主は請求の中で、「全資産を売却する手続きを通して、本投資法人の投資主に対して早期に投下資本回収の機会を与えることは、全投資主との関係においても唯一最善の策である」と主張し、投資主総会の開催を求めている。

4月時点の有価証券報告書によると、FCレジデンシャルの簿価ベースの純資産額は1口あたり46万1703円。これに対して投資口価格は24日終値で23万1300円と、50%のディスカウントになっていた。翌25日は解散価値を織り込んで上昇し、前日比15%高の26万6900円で引けた。

エスジェイは米デラウェア州所在の特別目的会社で、米系の大手不動産ファンドが出資しているとみられる。FCレジデンシャルの投資口23.24%(2010年4月時点)を保有。4月にFCレジデンシャルがいちごアセットグループに対する第三者割当増資を発表すると、エスジェイは発行価格を不服として東京地方裁判所に差し止めを申し立て、投資法人に計画を撤回させた。

9月の投資主総会ではエスジェイ側の推薦により、日興シティーグループ証券やクレディ・スイス証券などを経験した高塚義弘氏が投資法人の代表執行役員に選任されている。

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5  住宅用の火災警報器、効果あり 被害半減、死者も減少  2010/11/26 朝日新聞

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2010年版の消防白書が26日の閣議で配布され、住宅用の火災警報器が全国の過半数の世帯に設置され、被害軽減の効果が見えてきたことが盛り込まれた。設置によって住宅の被害が半減し、火災による死者も減少している。来年6月の全国的な義務化まで半年余り。「死者を半減」の目標達成には、警報音が聞こえない聴覚障害者らへの対策が課題になる。

福島県大玉村で4月深夜、お年寄り夫婦の家の廊下に設置してあった火災警報器が鳴った。風呂のかまど付近から出火し、2階建ての木造住宅は全焼した。だが、警報器のおかげで、妻が別の部屋で寝ていた夫を起こしてともに屋外に逃げ、夫婦は無事だった。

総務省消防庁には、住宅用の火災警報器が効果を発揮した事例が今年になって約120件寄せられている。隣の家の警報音に気づき、開いていたドアから入ってガスを止めて火災を防いだケースなども報告されている。

白書によると、警報器の普及率は6月現在で58%。住宅火災による死者は、05年の1220人をピークに減少傾向に転じている。

総務省消防庁は、2007~09年の失火を原因とした約4万4千件の住宅火災を分析。その結果、100件当たりの死者数は、設置してなかった場合の7.5人に対して、設置してあった場合は4.7人だった。損害額や焼失面積も、設置してあった場合はほぼ半減していた。

住宅火災による年間死者数は03年から1千人を超え続けている。高齢者の増加が一因とみられ、6割が逃げ遅れによるものだ。国は04年に消防法を改正し、住宅への警報器の設置を義務づけた。設置率が90%を超えた米国で、死者が半減したことを重視した。

普及が進む一方で、課題もある。警報音が聞こえない耳が不自由な人への対策だ。

音だけの警報器は1台4千円程度からあるが、ストロボなど光も発するタイプは2倍以上の値段になる。聴覚障害者の家庭への設置率は2%程度にとどまるという。

総務省消防庁は、財政的な支援とともに光や振動、においなどによる警報器のあり方の検討を始めた。空港や駅など公共施設への導入をめざす。東京理科大学の菅原進一教授(建築防災学)は「お年寄りや体の不自由な人は、避難するのに時間がかかる。スプレータイプの簡単な消火道具を近くに置いたり、近所の人がどう避難を手伝ったりするかなど総合的な対策が必要だ」と話している。

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6  契約断ると「車でひき殺す」…マンションの悪質勧誘急増  2010/11/26 朝日新聞

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国民生活センターは25日、電話などによるマンション販売の勧誘トラブルが急増している、と発表した。「契約を断ると胸ぐらをつかまれ、足をけられた」など、刑法に触れる悪質事例もあり「絶対に業者と会わず、脅されたら警察に被害届を出してほしい」と呼びかけている。

同センターによると、2005年度に2837件だった相談件数は年々増加し、09年度は5355件だった。特に目立つのが、電話で投資用マンションの購入を迫られ、断ると脅されるケースだ。

全国の消費生活センターに寄せられた相談例では、午前10時~翌日午前1時まで勧誘され続けた(静岡県・50代女性)▽源泉徴収票などを持っていかれた(神奈川県・30代男性)▽一度断った後も4、5回続けて電話があり、「車でひき殺す」と脅された(静岡県・40代男性)などがあった。実際に契約させられたのは05年度以降で計3405件、契約金額の平均は約2500万円だった。

相談で寄せられた業者は数百社あったが、同一業者が名前だけ変えて勧誘している可能性もあるという。また、名前を名乗らない業者も多く、実態は把握できていない。宅建業法は、消費者を困惑させるような勧誘を禁じているが、規制対象は登録業者のみだ。

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7  新設住宅着工数、5カ月連続増 国交省発表  2010/11/30 朝日新聞

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国土交通省が30日発表した10月の新設住宅着工戸数は、前年同月比6.4%増の7万1390戸と5カ月連続で増えた。内訳は、注文住宅が同10.4%増。分譲住宅もマンションが同73.2%増、建て売り戸建ても同16.9%増だった。一方、賃貸アパートなどの貸家は同9.0%減と3カ月ぶりに減少した。

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8  住宅ローン金利、12月から0.20%引き上げ  2010/11/30 朝日新聞

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三菱東京UFJ、三井住友、みずほ、りそなの各銀行は、長期金利が上昇していることを受けて12月1日から住宅ローン金利を引き上げる。各社とも10年固定の店頭金利を0.20%幅上げ、3.95~4.00%にする。変動金利は2.475%のまま据え置く。

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住宅関連新聞記事ダイジェスト No.361  2010/11/25~2010/12/1 Vol.2
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【朝日新聞】

9  マンション耐震診断に助成、募集開始 国交省が新制度

10  危険な地下壕、全国487カ所 陥没で死者・家屋被害も

【読売新聞】

11  避難8年「長かった」勝訴の住民、地下壕周知訴え

12  「移住に親身」隠岐諸島へ続々

13  民間ビル耐震診断義務化 東京の主要幹線道路沿い

14  高齢者宅に会話ロボット

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9  マンション耐震診断に助成、募集開始 国交省が新制度  2010/11/29 朝日新聞

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古いマンションで耐震診断をする場合、国が直接助成する制度を国土交通省が新設し、29日から募集を始めた。来春からの予定だったが、今年度の補正予算で60億円が盛り込まれたため前倒しする。来月22日までに応募したマンションに優先的に助成する。

対象は、建築基準法の耐震基準が強化された1981年以前に建築されたマンション。国交省の調べでは、全国のマンションの約5分の1に当たる106万戸が該当する。

現行の耐震基準に達しているかを診断し、基準に満たない場合は改修工事をする。助成額の上限は、耐震診断が1棟当たり200万円、マンションが緊急輸送道路沿いにある場合や、1階に保育所や高齢者のグループホームなどがある場合は、耐震化工事にも工事費の6分の1(1平方メートル当たり単価4万7300円以内)が出る。来年3月末までに管理組合の合意を得て、業者と契約できる見込みがあることが条件。応募書類を国交省住宅・建築物耐震化緊急支援事業実施支援室(03・6214・5794)に提出する。

補正予算では、マンションと古い戸建て住宅の耐震化工事にも国が一律1戸当たり30万円を助成する枠が用意されたが、窓口となる各市区町村が実施するか否かを判断する。

これまで、マンションや戸建ての耐震診断や耐震化工事で助成を受けられるのは、制度を設けた自治体に限られていた。負担を嫌がって制度を導入しない自治体もあり、国交省は今回の制度で地域間格差の是正を目指す。

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10  危険な地下壕、全国487カ所 陥没で死者・家屋被害も  2010/11/28 朝日新聞

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戦時中、防空用に造られた地下壕(ごう)が全国の市街地に9850カ所あり、崩落などの危険があるものは487カ所にのぼることが、国土交通省の調査でわかった。道路が陥没して通行人が死亡する事故も起きている。29日には旧日本軍の地下壕の崩壊で家に住めなくなった住民が、修理費用の支払いを求めた国家賠償請求訴訟の判決が東京地裁立川支部で言い渡される。

国交省が2009年度に実施した「特殊地下壕実態調査」によると、地下壕が最も多かったのは鹿児島県で2813カ所(危険性のある地下壕は49カ所)。関東地方では神奈川県が510カ所(同9カ所)と多かった。

地下壕は戦時中、旧日本軍や軍需工場、町内会などによって造られ、主に防空壕として使われた。

神奈川県横須賀市の男性(70)宅では昨年3月、自宅脇の防空壕が突然崩れた。2階でパソコンをしていたところ、「ドドドッ」という地響きと共に、防空壕の入り口が崩れ、岩盤が家に押し寄せてきたという。

鹿児島市では05年、防空壕の跡地にいた中学生4人が、一酸化炭素中毒で死亡。同市は事故後、1千カ所以上の防空壕の入り口をコンクリートブロックでふさいだが、今も約460カ所が残っている。鹿児島県では鹿屋市でも00年、県道が陥没して看護師の女性(当時44)が死亡する事故が発生。遺族が国と県に賠償を求めた裁判で、鹿児島地裁が国の責任を認め、約5600万円の支払いを命じた。

国交省と地方自治体は1998~09年度、周囲の建物に影響が出る恐れがある地下壕を中心に、計約53億円かけて195カ所を埋め戻すなどした。しかし、新たに発覚する地下壕が後を絶たず、埋め戻しには多額の費用もかかることから、危険な地下壕はなかなか減らない。

同省の担当者は「地下壕の存在が発覚すると、不動産の評価額が目減りする可能性がある。地下壕があると知っていても公表を嫌う地権者もいて、正確な数が把握できない」と話している。

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11  避難8年「長かった」勝訴の住民、地下壕周知訴え  2010/11/30 読売新聞

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宅地陥没 国に責任

戦争中に旧陸軍が作らせた地下壕(ごう)が崩落したことで東京・日野市の自宅に住めなくなったとして、所有者2人が国を相手に損害賠償を求めた民事訴訟で、地裁立川支部は29日、国の責任を認めた。

崩落から8年。判決後の記者会見で、原告は「長かった。早いうちに避難先を出て、普通の生活に戻りたい」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。

現場は、日野市三沢の丘陵地に作られた住宅街。原告の自営業大田昭彦さん(43)と会社員渋沢秀樹さん(56)の自宅は隣同士で、2000年と1994年にそれぞれ中古の一軒家を購入した。

大田さんの自宅庭が縦5メートル、横4メートル、深さ3メートルにわたって陥没したのは02年10月。大田さんの家の柱は曲がり、建物自体が渋沢さんの方に傾いている。渋沢さんの家も、床にビー玉を置けば転がる状態。2人は今もマンションや市営住宅で避難生活を送っている。

2人の住宅の地下を走っている地下壕は太平洋戦争末期の1945年、都水道局が旧陸軍航空本部の命令で作ったもの。計画では総延長は約4キロ。現・国営昭和記念公園の西側にあった陸軍航空工廠(こうしょう)を疎開させる予定だったが、7割が完成したところで敗戦を迎えた。

判決で村田鋭治裁判長は、建設当時に地下壕を占有していた国の責任を認め、工事中止後に安全対策をしていなかったことを理由に、自宅に住めなかった間の家賃相当額や慰謝料など計約3500万円の支払いを命じた。

2人は立川市役所で行われた記者会見で、「知らなければ対策しようがない。知っていれば買わなかっただろう」と声をそろえた。さらに、渋沢さんは「周りも地下壕なんて知らなかった人ばかり。この結果で皆さんが安心して暮らせると良い」と語り、大田さんは「不動産取引の時に、国が責任を持って地下壕の情報を知らせる制度を作ってほしい」と要望する。

判決を受けて、国は「内容を精査し、関係省庁で調整した上で対応を決めたい」と話している。

地盤沈下、市が監視

国が2009年度、各自治体からの報告をまとめた調査によると、崩落などの危険があるとされた地下壕は都内に9か所ある。

都防災都市づくり課によると、中野区と西東京市の計3か所は同年度、国の「特殊地下壕対策事業」で埋め戻され、危険はなくなったという。

ほかに八丈町に5か所あり、残りが日野市三沢の地下壕だ。

日野市が06~07年に都と共同で行った調査結果によると、当面は周辺で崩落の危険はない。市職員が毎月、2か所で地盤の沈下がないかを確認している。担当者は「多大な予算が必要で、全てを埋め戻すのは難しい」と漏らす。

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12  「移住に親身」隠岐諸島へ続々  2010/11/30 読売新聞

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隠岐諸島の島根県海士町に全国から続々と移住者が訪れている。財政難を乗り切るために、外部の視点を取り入れようと、町が2004年度から移住者を受け入れ始めたところ、今年3月末までにIターン、Uターンで計約400人が移住。人口わずか約2400人の小さな島だが、研修費の補助や就職相談など町の手厚い支援態勢が魅力となっており、移住者向けの町営住宅の整備も追いつかないほどだ。

同町は03年、平成の大合併が進む中、「離島同士ではメリットがない」と、単独町制を決断。しかし、直後に国の三位一体改革で地方交付税を大幅削減され、将来的に財政再建団体に陥る寸前まで財政が悪化。

そこで、自分たちで活路を見いだそうと、04年3月に町自立促進プランを策定。町幹部や職員の給与カットを進めながら、町営住宅を提供して、意欲のある移住者を受け入れ、外部の視点で島の素材を使った商品開発などを進めていくことにした。

町営住宅をあっせんし、就職先を紹介するなど役場が親身になって移住者に対応。その結果、04年度から今年3月末までに、国内外から257人(156世帯)がIターン、157人がUターン。8割ぐらいが定住しているとみられる。隠岐牛の肥育や魚介類の商品開発などの会社が7社誕生し、四つの集落やグループでも梅干しやふくぎ茶などの商品を生産するようになった。

今年3月に大阪府泉大津市から妻(37)と子ども4人でIターンした片松剛さん(38)は、ゼネコンの営業マンだったが、町のサポート態勢や産業にひかれて移住。U、Iターン者が設立した会社「海士いわがき生産」の研修生をしており、4年目での独立を目指している。

同町では、農林水産業などの研修生になると、3年間、毎月約15万円の研修費が支給され、4年目に独立する際にも支援を受けられるメリットがある。

片松さんは元々田舎暮らしに興味があり、移住前に全国の自治体を調べたといい、「研修費があることや、役場も妻の就職先も見つけてくれるなど、親身になってくれて心強かった。必ず良い商品を生産し、一家を養っていきたい」と話している。

町は「島を丸ごとブランドとして志のある人たちと一緒に産業を興し、最先端の島として取り組みを全国にPRしていきたい」としている。

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13  民間ビル耐震診断義務化 東京の主要幹線道路沿い  2010/11/29 読売新聞

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震災時の救助遅れ防ぐ 都知事、30日に表明

 東京都は、震災時に主要幹線道路沿いに立つビルの倒壊による救助活動の遅れを防ぐため、緊急輸送道路沿いのビルやマンションの所有者に対し、耐震診断の実施を義務づける方針を固めた。

石原慎太郎知事が、30日に開会する都議会で表明する。民間の建築物に対する耐震診断の義務化は全国初で、対象となる建物は約6000棟に上る見通し。都は、都民らから意見を求めた上で、早ければ来年度にも条例を施行する。

都によると、対象地域は重要度に応じて1次から3次まである緊急輸送道路のうち、災害支援の拠点となる都庁や空港、港湾などを結ぶ国道や環状線など、1次として指定された重要な幹線道路沿い。診断対象の建築物は、1981年以前の旧耐震基準で建てられ、倒壊した場合に道路の半分超をふさぐ恐れがある中高層建築物としている。

オフィスビルなどの耐震診断費用に対する補助金は、現状では主に区市などが負担し、都や国が上乗せする形で支出される。このためたとえば渋谷区内では8割の補助が出るが、小金井市内では補助がないなど、地域による格差が大きい。新制度では、都の補助金を増やし、最大で9割程度まで増額する。さらに耐震化の実効性を確保するため、診断の結果、耐震改修などの対策が必要になった建物への補助も増やす考えだ。一方で、条例施行後は、対象者に速やかな診断実施を求め、違反者には科料や名前の公表といった罰則を科すことも検討する。

耐震診断は、柱のコンクリートを抜き取るなどの工事が必要で、床面積1平方メートルあたり1000円程度かかるとされる。例えば、延べ床面積が3000平方メートルのビルの場合、診断に必要な費用は約300万円に上る。このため、ビル所有者がテナントの反発を受けて実施に踏み切れない事例や、区分所有者が多いマンションでは費用負担を巡り住民の合意形成が困難になっているケースも多い。

都が昨年度、震災で倒壊の恐れがある緊急輸送道路沿いの建物所有者にアンケート調査を行ったところ、耐震診断の実施率は2割程度にとどまったという。

耐震性が低い建物を巡っては、95年の阪神大震災の際、倒壊したビルが道路をふさぎ、消防による救援活動や被災地周辺からの援助物資の輸送活動などが大幅に遅れる事態を招いた。

緊急輸送道路 大規模な災害が起きたとき、人命の救助や緊急物資輸送を行うための優先道路。都や国で作る協議会が指定する。重要度に応じて3段階あり、もっとも重要な1次には、すべての高速道路と首都高速道路のほか、国道1号や環状7、8号など主要な国道、幹線道路など合わせて約1040キロ・メートルが指定されている。

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14  高齢者宅に会話ロボット  2010/11/29 読売新聞

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外出促し、住民交流促進も

「大宇陀温泉 あきののゆ」に置かれた生活支援型ロボット(宇陀市大宇陀区で) 家に閉じこもりがちな高齢者宅に小型ロボットを配備し、外出を促す――。こんなユニークな実験が、奈良県宇陀市大宇陀区で行われている。NEC(東京)と市が進める「宇陀にこやかロボネット集中実験」。簡単な会話が出来るロボットを、区内の65~75歳の男女計10人に1台ずつ貸し出し、12月3日までの3週間にわたって、使い心地や効果を調べる。65歳の記者宅にも1台が届いたので、早速スイッチを入れてみた。

「オハヨウ、田中サン」

軽やかに話しかけてきたのは、NECが開発した生活支援型ロボット「パペロ」。身長38・5センチで体重6・5キロ。実験ではパペロのほか、歩数計とデータを読み取る登録器などの貸し出しを受けた。パペロの作動キーとなる電子式の歩数計を、登録器にタッチすると、相手を認識して名前を呼び、話しかけてくる仕組みだ。

歩数計持参で1時間10分、日課のウオーキングで汗を流し、翌朝、登録器に歩数計をかざすと、パペロが「昨日、田中サンハ7954歩、歩イタヨ。約5キロ半。近鉄大阪線ノ新青山トンネルト同ジグライダヨ」としゃべるのに驚いた。さらに「コノ調子デ頑張ッテネ」と褒められた。

パペロはインターネットにつながっており、「男ノ料理教室ガアルヨ」「伝言ガアルヨ」などと、地域の情報や実験参加者からの伝言も教えてくれる。

実験では血圧計や体重計を貸与され、自己の健康をチェック出来る。実験に協力している元大宇陀中学校長の安達暉夫さん(66)は「パペロに『血圧を測って』と言われると、自然と血圧計を手にする。家族の勧めより効果的かな」と笑う。

インターネットでは参加者の歩数が順位表示されるため、安達さんは「ついつい頑張ってしまい、散歩の距離が延びた。活動範囲を広げるだけでなく、独居老人の見守りにも活用できるのではないか」と言う。

実験は高齢者の外出を促すだけでなく、ロボットを介した仲間づくりも大きな狙い。地元の温泉施設「大宇陀温泉 あきののゆ」のロビーに置かれた3台のパペロは、来館者を見つけると当日のニュースを基に「面白イ話ダカラ、座ッテヨ」と気安く声をかけ、共通の話題で交流の輪が生まれている。

NECの山口智治・主任研究員は「話し相手としてだけではなく、高齢化が進む地域で住民同士の交流促進に役立つ、生活支援型のロボットを目指したい」と話している。

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住宅関連新聞記事ダイジェスト No.361  2010/11/25~2010/12/1 Vol.3
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【読売新聞】

15  水道メーター盗、狙いは原材料の「砲金」?

16  マンション勧誘のトラブル急増

17  地中熱エアコン装備の家

18  全国地価下げ止まり傾向

19  ごみの中のライター危険! 収集車“火の車”

20  活断層評価、対象を拡大

21  「みんなで除雪」歩道にスコップ

22  都市計画プラン 学生の知恵拝借

23  庭の意匠に感心…春日大社

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15  水道メーター盗、狙いは原材料の「砲金」?  2010/11/29 読売新聞

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盗まれたものと同型の水道メーター(川崎市川崎区で) 川崎市や横浜市で今年に入り、水道メーターの盗難が相次いでいる。

一見、盗む価値がないようにも見えるメーターだが、原材料に使われている「砲金(ほうきん)」が1キロ当たり500円ほどで取引されており、売却目的で盗んでいるとの指摘もある。

川崎市上下水道局営業課によると、メーターの盗難は今年6月以降、計15件発生。うち14件が、市南部の工事現場や建物跡地から盗まれた。工具などを使って持ち去る手口で、道路に近い場所が集中して狙われている。

横浜市では6、7月、市水道局の事業所や委託業者が保管していた計810個が盗まれた。また、東京都でも10月、北区の空きアパート4棟から計93個が盗まれる事件が起きている。目的について、同課の担当者は「メーターの材料に使われている砲金が目当てではないか」と推測する。メーターには市の刻印が押されているうえ、メーターと水道管をつなぐナットの規格が自治体で異なるため、転用目的とは考えにくいという。

砲金は、銅にスズ、ニッケルなどを加えた合金で、銅の比率が8割以上と高く、スクラップとして取引されている。

川崎市内の買い取り業者によると、現在、中国の経済成長で銅の価格が上昇しており、砲金であれば1キロ450~490円で買い取っている。メーターは、ガラス盤と計器以外はほぼ砲金で作られ、1個あたり0・8~1・6キロになり、少数でも換金可能な量が取れるという。回収した砲金は、別の業者が炉で溶かして銅を取り出し、電線などに再利用される。

この業者には新規の持ち込みも多いといい、「仮に市のメーターが持ち込まれても、商売だからせんさくはしない」と打ち明けた。

相次ぐ被害に対し、川崎市は今月、メーター検針の委託業者に対し、解体工事などで居住者のいない建物のメーターは、盗難防止のため一時回収するよう指示。さらに市内の買い取り業者50社にも、メーターが持ち込まれた場合は連絡するよう要請した。横浜市も、事業所の施錠を強化するなど防犯対策を進めている。

犯人はまだ捕まっていない。神奈川県警幸署幹部は「川崎市内に関しては、被害地域が集中して個数も少なく、組織的犯行とは考えにくい」と分析。一方、横浜市のケースは、盗んだメーターを車両で運んでおり、盗難数の多さからも複数犯との見方が強まっている。

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16  マンション勧誘のトラブル急増  2010/11/29 読売新聞

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マンション購入に関する勧誘でトラブルが増加していることが、国民生活センターのまとめで分かった。暴力を振るったり、長時間拘束したりするなど、悪質なケースも目立つという。

同センターによると、昨年度に全国の消費生活センターに寄せられたマンションの勧誘に関する相談件数は5355件で、2005年度の2倍近くに増加。今年度も10月末までで2802件で、前年同期より481件多い。特に投資用マンションの勧誘でトラブルが増えている。

新潟県の50代男性は電話でしつこく勧誘され、仕方なくファミリーレストランで販売員に会うと、暴力を振るわれ土下座までさせられた。このほか、1日10回、1週間続けて勧誘の電話がかかってきたケース、勧誘を断ると「車でひき殺す」などと脅されたケースもあった。

国民生活センターでは「購入予定がなければきっぱり断ること。契約を強要されたら、すぐに最寄りの消費生活センターに相談して」と呼びかけている。

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17  地中熱エアコン装備の家  2010/11/29 読売新聞

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住宅メーカーのトステム住宅研究所(東京都江東区)は、地中の熱を利用したエアコンを装備した住宅=イメージ=を開発した。

地中の温度が年間を通じて約15度に保たれていることを利用し、地下100メートル付近まで埋めたパイプ内に不凍液を循環させる。夏は温まった不凍液が地中で冷やされ、冬季は冷えた不凍液が地中で温められる仕組み。他の省エネ技術と組み合わせると、冷暖房に必要な電気代が約4分の1になるという。「フィアスホーム」ブランドで、山形県内でモニター販売している。

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18  全国地価下げ止まり傾向  2010/11/27 読売新聞

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国土交通省が26日発表した全国主要都市の10月1日時点の地価動向報告によると、調査対象150地区のうち、横ばいは前回(7月1日)より20地区多い61地区だった。

下落した地点は前回より18地区少ない87地区に減少しており、住宅地を中心に地価の下げ止まり傾向が強まっている。

調査は3か月ごとに実施し、今回で12回目。店舗やオフィスが集積したり、高層マンションが立つ地区が調査対象で、地価動向を先行的に把握する狙いがある。

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19  ごみの中のライター危険! 収集車“火の車”  2010/11/26 読売新聞

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使い捨てライターが原因で出火したとみられるゴミ収集車=香川県観音寺市提供 家庭ごみに紛れた使い捨てライターが原因のごみ収集車や処理施設の火災が多発している。

12月には使い捨てライターへの安全対策が義務付けられるが、従来品の廃棄方法や回収についての統一基準はない。

消費者庁などは今後、従来型のライターが使えなくなるとの誤解などから、家庭ごみとして廃棄されるケースが増えると予想しており、「できるだけ使い切るか、ガスを抜いてから捨てて」と呼びかけている。

ライン使用不能に

大阪府四條畷市など4市が運営するリサイクル施設で今年6月、ベルトコンベヤーが燃えて処理ラインが約2か月、使用不能になった。香川県観音寺市でも7月、市の委託業者の収集車が燃えた。大阪市では昨年と今年、各1件の火災が起きた。いずれもごみに混入したライターからガスが漏れ、出火したとみられる。

消費者庁と環境省が今年6~7月、大阪、名古屋両市など99市町村で行った調査では、回答した86自治体の約4割(34自治体)で、ごみ収集時に火災があった。

回収義務なし

「日本喫煙具協会」(東京)によると、ライターの年間販売数は約6億3000万個で、9割が使い捨てだ。

北海道で4月、幼児4人が死亡するなど、子どもの火遊びが原因とみられる火災が相次ぎ、経済産業省が使い捨てライターの安全基準導入を検討。今月5日、政令案が閣議決定された。

基準では、着火する際にストッパーを外す複雑な操作や、着火ボタンを押すのに従来の数倍の力がいる「チャイルドレジスタンス」機能を義務化する。

12月27日に施行し、猶予期間後の来年9月27日以降は、基準外製品の販売が全面禁止されるが、メーカーや販売店に従来品の回収義務は生じない。

分別まちまち

消費者庁などの調査では、使い捨てライターの分別方法は、86自治体のうち41自治体が「不燃ごみ」、21自治体が「危険・有害ごみ」として回収。大阪市など14自治体は「可燃ごみ」としている。収集時にガスの残るライターが紛れていないか確認していなかったり、紛れていてもそのまま収集したりする自治体が8割近くに上った。

名古屋市は6月から使い捨てライターを「発火性危険物」に指定して収集する方法に改めた。四條畷市では家庭ごみ扱いにせず、市庁舎で回収していることをホームページに掲載。2年前に収集車が燃えた滋賀県草津市も市庁舎などに専用の回収箱を置いている。

消費者庁消費者安全課は「ライターにガスが残っていないことを確認し、各自治体の分別方法を守っていれば安全に廃棄、回収できる。正しい処分の仕方を周知したい」としている。

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20  活断層評価、対象を拡大  2010/11/26 読売新聞

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地域防災計画の見直し必要に

 政府の地震調査研究推進本部は25日、巨大な内陸地震が起こる可能性がある活断層の長期評価対象を大幅に見直すと発表した。

これまでは地表の活断層のずれの長さだけで対象地域を選定・評価してきたが、地表のずれが短い活断層でも被害の大きい内陸地震が頻発しているためだ。評価対象となる活断層は2~3倍に増える見通しで、全国の自治体は地域防災計画の見直しも迫られそうだ。

同本部はこれまで、活断層の地表でのずれの長さを地震発生源である地下深部でのずれの長さとみなし、「地表でのずれの長さが20キロ・メートル=マグニチュード(M)7相当」以上の地域を「主要活断層帯」に認定。選定した全国110か所について、地震規模や30~100年以内の発生確率を評価してきた。

しかし、実際には地表のずれが短い活断層でも、被害が甚大な内陸地震が発生している。たとえば岩手・宮城内陸地震(2008年)が起きた地域では、地表のずれは4キロ・メートルだったが、M7・2を記録した。同本部はこのため、地表のずれが短くても、「地下深部のずれが15~18キロ・メートル程度=M6・8」以上の活断層を評価対象に加えることにした。

全国に数百ある活断層のうち、地形などから候補になりそうな地下深部の断層を今年度から4~5年かけて選定。そのずれの長さを地震波による観測やボーリングなどで調べ、最終決定する。さらに、一つの活断層を評価するだけでは地域全体の被害の実態が把握できないため、全国を十数か所に区分した「地域評価」も新たに導入する。

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21  「みんなで除雪」歩道にスコップ  2010/11/26 読売新聞

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交差点近くに設置されたスコップ。「除雪に協力を」と県職員がアピール(福井市大手で) 本格的な冬の訪れを前に福井県は25日、福井市の交差点やバス停近くの歩道に雪かき用のスコップを設置し、除雪の協力を歩行者に求める「みどりのスコップひとかき運動」をアピールした=写真=。

除雪車による道路脇の積雪が排水口をふさぐなどして雪解け水がたまったり、横断を妨げたりするため、県は2005年度から「みんなの 道路 利用しやすく」の頭文字にちなんだ運動に取り組んでいる。

通勤や通学などでよく使用される県内各地のバス停71か所、県道交差点53か所に「信号待ちの時間に、歩道の除雪にご協力お願いします」などと記した看板とともに、緑一色のスコップを順次設置していく。運動は来月13日から、2011年3月15日まで。

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22  都市計画プラン 学生の知恵拝借  2010/11/26 読売新聞

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JR大宮駅東口

さいたま市は、2001年の新市誕生以来の懸案となっているJR大宮駅東口地域の都市計画について、大学生らからプランを募ることにした。埼玉県内最高の乗降客数がある同駅や、氷川の杜(もり)などの観光資源も生かした都市の“未来図”の設計に、次代を担う若い才能を活用したい考えだ。

同駅周辺は商業施設が集中しているが、慢性的な交通渋滞の発生など、都市基盤整備には課題を残している。東口地域では現在、市民らによる14の街づくり団体が活動しており、学生の新鮮なアイデアがこれらの団体に刺激を与える効果も期待している。

“未来図”の設計は、20年後の2030年を想定し、同駅東口から氷川参道までを含む50ヘクタールの地区を対象に行う。テーマは「人の流れを生み出すおもてなし空間の創出」。提案は対象地区の一部のデザインだけでも構わない。

日本都市計画学会との共同企画とし、人口の減少や低炭素社会の実現、コミュニティーの再生など都市が直面する様々な課題を解決できる企画力とデザイン力の発揮を求めている。

応募できるのは、県内の大学、専門学校などの在学者や、県内在住の学生。来年1月11日までに応募登録の上、A1サイズの紙2枚以内に提案をまとめ、別途、提案の趣旨をA4用紙4枚以内で4月11日までに学生提案競技事務局(〒102・0082 東京都千代田区一番町10、一番町ウエストビル6階、日本都市計画学会内)へ提出する。

問い合わせは、同学会(電03・3261・5407)へ。

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23  庭の意匠に感心…春日大社  2010/11/25 読売新聞

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「稲妻形遣水の庭」を眺める参加者(奈良市の春日大社で) 春日大社(奈良市)の「いのちと心の講座」(読売新聞大阪本社後援)が24日、境内の「感謝・共生の館」で開かれ、作庭家・重森三玲(みれい)(1896~1975)が手がけた二つの庭について秋田真吾主事(44)が解説。その後、参加者約200人が庭を見学した。

庭園の公開は昨年に続いて2度目。7、5、3個の石組みがX字形に配置された「三方正面七五三磐境(いわさか)の庭」について秋田主事は、庭を囲む建物のどこからでも7、5、3の組み合わせが見えるように工夫されたと説明した。

石でZ字形の流れを表した川がある「稲妻形遣水(やりみず)の庭」は、本社第一殿の祭神・武甕槌命(たけみかづちのみこと)(武雷命)に由来するなどと解説した。庭を眺めた大和郡山市の無職岡村和夫さん(70)は「すべての意匠に意味が込められてすごい」と感心していた。庭園は今後も年1回、公開される予定。

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住宅関連新聞記事ダイジェスト No.361  2010/11/25~2010/12/1 Vol.4
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【読売新聞】

24  間伐材防音壁に最高賞

【日経産業新聞】

25  大和ハウス、中国江蘇省で富裕層向け400戸建設へ11年度から

26  野村不・三井不レジ、丸井中野本店跡にマンション

27  新日本建物の再生計画成立 全債権者が同意

28  三菱地所、ベトナムで住宅事業参入

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24  間伐材防音壁に最高賞  2010/11/25 読売新聞

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エコプロダクツ大賞 土木資材商社など3団体が開発

農林水産大臣賞に輝いた防音壁と篠田社長 環境負担を減らす製品やサービスに対して贈られる今年の「エコプロダクツ大賞」で、岐阜県内の土木資材商社などが間伐材を利用して開発した防音壁が、製品を対象にした部門の最高賞に相当する農林水産大臣賞に輝いた。道路脇や駐車場での利用を想定した製品で、間伐材の利用促進と環境への優しさが評価された。同社などは「間伐材の防音壁が全国に広がってほしい」と期待している。

同大賞は、環境省所管の財団法人「地球・人間環境フォーラム」などの団体で作る推進協議会が主催。農水省や財務省、厚生労働省などが後援し、2004年から表彰を続けている。

今回、農水大臣賞を受賞したのは、土木資材商社「篠田」(岐南町)、木材加工会社「本庄工業」(岐阜市)、県森林組合連合会(同)の3団体が開発した防音壁「安ら木2」。篠田が中心となって企画し、森林組合から間伐材の提供を受けた本庄工業が製品化した。

開発のきっかけは、篠田の篠田篤彦社長(56)が2001年、ドイツを訪問した際、高速道路で環境に配慮した木製防音壁を使っているのを見たことだった。同社はドイツの木材加工会社と提携し、間伐材の防音壁の開発を進め、02年に「安ら木1」と名付けて製品化。愛知県常滑市のオオタカの営巣地近くを通る農道の防音壁などで実用化された。

今回、受賞した2は、間伐材を組み合わせた長い材木を使うことで、幅を1の2メートルから4メートルに拡大。高速道路などの壁で使われるのを目指し、高速道路の防音壁の規格に合うように設計した。

防音壁は、音を吸収する素材を間伐材で作った木枠で囲う仕組み。従来の金属製に比べて工事費は3~4割高いが、音の吸収率などの機能は金属と同等という。本庄工業の中川稔之社長(46)は「木は金属に比べて光が反射しないため、周辺の森などに熱が伝わりにくく、生態系に与える影響も少ない。今後も環境に配慮した製品を開発していきたい」と話した。

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25  大和ハウス、中国江蘇省で富裕層向け400戸建設へ11年度から  2010/11/30 日経産業新聞

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大和ハウス工業は29日、中国江蘇省で不動産開発用地を落札したと発表した。2011年度から戸建て住宅とマンション合わせて約400戸の建設を開始する。総投資額は約100億円。現地の富裕層向けに12年度の販売開始を目指す。

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26  野村不・三井不レジ、丸井中野本店跡にマンション  2010/11/26 日経産業新聞

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共有部に8図書室 野村不動産と三井不動産レジデンシャルは25日、東京都中野区で開発中のマンション「中野ツインマークタワー」を27日発売すると発表した。共用部に書籍や雑誌などを備えた図書室を8カ所設けるとともに、青山ブックセンターと提携、住人の蔵書整理などの相談に応じるサービスを導入する。12年9月下旬の入居開始を目指す。

マンションはJR中野駅の南口近くにある丸井の中野本店跡地に建てる。地上29階建てで、総戸数は234戸。第1期は130戸を27日から発売する。

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27  新日本建物の再生計画成立 全債権者が同意  2010/11/26 日経産業新聞

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新日本建物は25日、裁判以外の紛争解決(ADR)で事業再生計画が成立したと発表した。同日開催した第3回債権者会議で、取引先の金融機関を含む全債権者が再建計画に同意した。債務免除や債務の株式化(DES)、債務の返済条件緩和を柱とした金融支援を受け、上場を維持しながらの事業再建を目指す。債務総額は123億4427万円。

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28  三菱地所、ベトナムで住宅事業参入  2010/11/25 日経産業新聞

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三菱地所は24日、ベトナムで住宅事業に参入すると発表した。シンガポールの不動産会社2社と共同出資会社を設立し、南部ホーチミン市などでマンションを建設する。総事業費は約180億円。三菱地所は海外事業の拡大を目指しており、欧米に加えて高い経済成長性が続くアジアでも不動産開発を展開して収益の多角化を目指す。

シンガポール大手不動産会社キャピタランドと、シンガポール政府投資公社の不動産投資部門、GICリアル・エステートと共同出資でファンドを設立する。出資比率はキャピタランドが50%、三菱地所とGICリアル・エステートが25%。

2010-12-06 | Posted in 住宅関連新聞記事Comments Closed