住宅関連新聞記事ダイジェスト No.648  2016/08/18~2016/08/24

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住宅関連新聞記事ダイジェスト No.648  2016/08/18~2016/08/24
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【日本経済新聞】
1 自宅を早く高く売るための3つのステップ
2 三栄建築設計、販売戸数増
3 ビッグデータで迅速審査、リクルートが中小向け金融
4 建機出荷額、3年ぶり増加見通し 17年度見通し

【朝日新聞】
5 若年者の既存住宅取得・リフォーム支援で新規事業 補助額は最大65万円
6 土総研・7月業況調査 分譲業14期連続プラス
7 不動産情報のオープンデータ推進 国交省
8 住団連・4~6月業況調査 賃貸住宅供給に減速感
9 上級定借アドバイザー 資格認定講座を開催 近畿定借機構
10 6月都市部マンション着工 3ヵ月連続減少 国交省調べ
11 維持修繕技術者試験 試験日は1月29日 管理協
12 民泊、利用「したくない」理由は 「トラブル対応に不安」5割
13 ヒートショック対策で研究委員会 ベターリビング
14 不動産業の倒産、2カ月連続で増加 東京商工リサーチ7月調べ

【読売新聞】
15 築37年の木造住宅を耐震リフォーム、決意から耐震診断まで
16 いくらで建てた? 頭金は? 600人に聞いた「家づくりのお金」
17 集まった村民1500人超! 「シェアビレッジ」1年の収穫と課題は?
18 愛犬家住宅コーディネーターに聞く、犬のためのリフォーム術
19 日本発、近未来の住まい12の提案?HOUSE VISION 展 2016?

【日経産業新聞】
20 制震装置 軽量・低価格で 大成建設
21 つながる住宅で覇権狙う ソニー・東電
22 積水ハウス、1億円超える木造住宅
23 光る床や話す壁 凸版印刷が未来の住宅提案

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1 自宅を早く高く売るための3つのステップ 2016/8/24 日本経済新聞
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不動産コンサルタント 長嶋修
 自宅を早く高く売るために、まず何をすればいいだろうか。
 自分がこれから売り出す中古住宅が、仮に駅徒歩15分、4LDK、築18年で3000万円だとし
よう。3000万円前後で、ほかに売りに出ている周辺物件にはどんなものがあるだろうか。同じ
駅で似た条件の物件をまずはピックアップしてみよう。もし同じ駅になければ周辺駅で同様の
物件がないか探してみる。
 なぜこんなことをするのか。実はこの作業は、あなたの住宅を買ってくれるかもしれない潜
在購入者の動きと同じだ。あなたの住宅を購入候補に入れる人が、ほかにどんな物件を検討す
るのか、つまり競合を把握するのだ。
 物件のピックアップができたらぜひ、それらを見に行ってみよう。その際には「駅までの距
離と道のりの安全性や快適性」「建物の見栄え」「日照や通風」「周辺嫌悪施設の有無」「間
取りの使いやすさ」など、あなたの物件より相対的に優れているところ、劣っているところを
比較してみよう。
 すると、おのずと自分の物件の良いところ、悪いところが浮かび上がってこよう。同価格帯
の物件と比べて有利な点が多いなら、もう少し高くても売れるかもしれない。逆に不利な点が
多い場合は、価格付けが高い可能性が考えられる。
 築18年程度というのは外壁や屋根の耐久性を考慮すれば、すでに修繕を行うサイクルだが、
過去一度も屋根や外壁などの修繕をしていない場合は、それなりに劣化した見栄えになってい
ることだろう。もし競合物件が外装のリフォームを終えていれば、明らかに見劣りがしてしま
うはずだ。
 総床面積30坪程度(約100平方メートル)の住宅の屋根・外壁などを一通り修繕する場合、ト
ータルで120万円から150万円程度のコストがかかる。外壁の修繕作業をする際には建物周辺に
足場を組むから、ついでに屋根にも手を入れたほうが結果的に割安に済む。外壁と屋根は同時
に工事を行うのがよい。
 売却前にこうしたコストをかけた場合、少なくともコスト分以上は高く、また早く売れると
考えてよいだろう。これは私がかつて不動産営業をしていた頃の経験から実証済みだ。
 人の意識はたぶんに「第一印象」「見た目」に左右される。住宅も「見た目」が大事なのだ
。購入動機にはもちろん駅までの距離など多様な諸条件があるが、それらはあくまで理屈であ
り、まずは「なんとなく気に入った」といった感情ありきで、諸条件はその上で検討されるも
のだ。
 不動産業界には中古一戸建てや中古マンションを買い取り、リフォームやリノベーションを
施したうえで一定の利益を乗せて再販売する、いわゆる「買い取り再販」というビジネスモデ
ルがある。このような事業は市場価格3000万円の物件を70%程度の2000万円で買い取り、500万
円のリフォーム費をかけたうえで経費・利益を乗せ、3000万円で再販売するというイメージだ

 中古住宅市場で売りに出されている物件はそのほとんどが個人の所有だが、早く高く売るこ
とを志向してあらかじめリフォームなどを施すようなケースはほとんどみられない。投資対効
果が不明なためだ。だからこそリフォーム済み物件は早く高く売れる。買い取り再販事業は個
人の多くが早く高く売るための工夫をしていないがために成立している業態だとみることもで
きる。

米国では居住中の家にも装飾が施されて販売される
 欧米では自宅を売りに出す前に、屋根や壁を自分でリフォームしてしまうのはもちろん、水
回り設備の交換なども自分で行ってしまうことが多い。例えばキッチンを交換するのも、リフ
ォーム業者に依頼するのは全体の30%程度にすぎず、70%は自分で工事する。
 それだけではない。米国では自宅をより早く、高く売るため、インテリア専門のコーディネ
ーターを雇う。自宅に合うカーテンやテーブルクロスから、テーブルやソファに至るまで、自
宅売却までの一定期間レンタルしてくれる。自宅の見栄えをよくして、少しでも早く高く売ろ
うというのだ。このようなサービスを行う「ホームステージング」を行う会社が米国には無数
に存在している。
 ホームステージングにかける費用は一般的に15万~30万円程度。これも自宅の第一印象を上
げるための工夫の一つである。米国では、空き家はもちろん居住中の物件であってもほぼ例外
なく、こうした装飾が行われている。自宅を早く売るためにはまず、第一印象を上げるための
戦略を立て、必要に応じて実践したい。

長嶋修(ながしま・おさむ) 1999年、業界初の個人向け不動産コンサルティング会社「さく
ら事務所(http://sakurajimusyo.com/)」を設立、現会長。「第三者性を堅持した個人向け不
動産コンサルタント」の第一人者。国土交通省・経済産業省などの委員を歴任し、2008年4月
、ホームインスペクション(住宅診断)の普及・公認資格制度を整えるため、NPO法人日本
ホームインスペクターズ協会を設立し、初代理事長に就任。『「空き家」が蝕む日本』(ポプ
ラ新書)など、著書多数。

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2 三栄建築設計、販売戸数増 2016/8/24 日本経済新聞
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【販売戸数増】16年8月期は都心部や関東近郊で戸建て住宅の販売が増える。不動産請負は従
来の商圏である京都市・滋賀県に加え大阪市で受注が増加。増収。好採算の3階建て住宅の好
調、工期管理の徹底で利益率が高まる。営業増益。17年8月期は収益物件の賃貸収入や海外事
業が伸び増収。営業増益。

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3 ビッグデータで迅速審査、リクルートが中小向け金融 2016/8/24 日本経済新聞
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 リクルートホールディングスは24日、中小企業向けの金融事業に参入すると発表した。広告
や人材派遣など幅広く手がける事業で蓄積したビッグデータを活用。融資の申し込みや審査が
オンラインで完結する仕組みを築き、成長余地がある中小企業に素早く融資する。事業開始は2
017年夏ごろの予定。3年間は本格稼働までの検証期間とし、金融事業の成長の可能性を模索す
る。
 金融事業の全額出資会社であるリクルートファイナンスパートナーズ(東京・中央)を設立
し、貸金業登録を申請した。資本金は2500万円。リクルート本体にも10月1日付で専門組織を
つくる。
 リクルートは国内中小企業向けに広告仲介など業務支援サービスを提供している。中小企業
との取引を通じて、中小企業には簡易な審査や手続きで資金を迅速に借りられるサービスの潜
在需要が十分にあると判断した。
 リクルートは今年に入ってからスルガ銀行の金融サービスを仲介したり、メガバンクなど複
数の金融機関に対して住宅ローンの事前審査を一括で依頼したりできるネットサービスを打ち
出し、金融関連事業の手応えを確かめてきた。今回は自ら貸金業として登録し、金融事業に一
段と踏み込む。
 3年間の検証期間中は既存の金融機関やフィンテック(金融とITの融合)企業との提携も
検討する。今月8日には、商品の受発注や伝票処理などを電子化するサービスを手がけるイン
フォマートと協業検討の開始で合意した。具体的な協業分野などは未定だという。
 中小企業の中には事業が急ピッチで成長しているのにもかかわらず、財務面での評価が追い
つかず、十分な与信を得られない会社もある。自前のビッグデータを使ってこうした企業に貸
し出す取り組みは広がりつつある。楽天は電子商取引(EC)サイト「楽天市場」に出店する
企業を対象に、最短で翌日に融資するサービスを15年に始めた。有望企業の掘り起こしにつな
がることも期待できる。

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4 建機出荷額、3年ぶり増加見通し 17年度見通し 2016/8/24 日本経済新聞
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 日本建設機械工業会は24日、2017年度の建設機械の本体出荷額が16年度比横ばいの1兆8550
億円になりそうだとの予測を発表した。国内で建設投資が堅調であるほか、油圧ショベルの反
動減が底打ちし、全体として3年ぶりに増加に転じる見込み。一方、海外は北米以外の地域が
厳しく、需要回復は17年度下期以降になるとしており依然として不透明感が残る状況だ。
 「底打ち感は出ているが、ここ数年が正念場だ」。同日記者会見した同工業会の辻本雄一会
長(日立建機社長)はこう指摘した。底打ち感が見えつつあるものの、回復に向けた明確な材
料に欠けるのが建機業界を取り巻く現状だ。海外出荷額は1%減の1兆330億円。北米は住宅向
けが堅調だが、最大市場である中国などの市況回復が来年度下期以降になる見通しだ。
 16年度の全体の出荷額は1兆8469億円と、今年2月の発表時から1099億円下方修正した。辻
本会長は「国内での反動減が長引いており、中国や資源国の回復も遅れている」と分析する。
 足元では円高が進んで建機各社の収益を圧迫しており、建機産業は依然として厳しい環境に
ある。
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5 若年者の既存住宅取得・リフォーム支援で新規事業 補助額は最大65万円 2016/8/24
朝日新聞
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 政府は8月24日、2016年度第2次補正予算を閣議決定した。国土交通省関係では、既存住宅流
通・リフォーム市場の活性化に向けた新規事業が創設される予定だ。社会全体の所得と消費の
底上げが目的。250億円を計上する。
 新規事業の1つは、若年者による既存住宅の取得・リフォームに対する支援措置。40歳未満の
若年者が既存住宅を取得し、省エネ改修などのリフォームをする場合の費用を補助する。既存
住宅売買瑕疵保険への加入やインスペクション(瑕疵保険の加入時に必要な現場検査の基準を満
たすもの)の実施を条件とする方向。補助額は、瑕疵保険・インスペクションに係る費用を含め
て戸当たり50万円。耐震改修を行う場合はこれに15万円上乗せする予定。なお、上記の要件を
満たせば買取再販も対象となる。

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6 土総研・7月業況調査 分譲業14期連続プラス 2016/8/24 朝日新聞
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 土地総合研究所は、不動産業における7月1日現在の経営状況を指数算定した。「住宅・宅地
分譲業」は前回より4.5ポイント改善の30.3ポイントで14期連続のプラス。「不動産流通業(住
宅地)」は前回より7.6ポイント悪化の-11.4ポイントで2期連続のマイナス。「ビル賃貸業」は
前回より1.3ポイント悪化し、8.7ポイントで9期連続プラス。3ヶ月後の見通しについては、「
住宅・宅地分譲業」は前期より0.2ポイント改善の-3.0ポイント。「不動産流通業(住宅地)」は
0.7ポイント悪化の-9.8ポイント。「ビル賃貸業」は2.0ポイント改善の4.3ポイントとなった。

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7 不動産情報のオープンデータ推進 国交省 2016/8/23 朝日新聞
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 国土交通省は、不動産情報のオープンデータ化を推進する。地価公示の価格判定に当たって
不動産鑑定士に求める鑑定評価情報のうち、公開している評価額など以外の、還元利回りや賃
料といった情報を早期に公開する予定。不動産取引価格情報についても、個人情報保護法との
関係を整理しつつ物件の特性に関する非公開情報の公開を検討する。

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8 住団連・4~6月業況調査 賃貸住宅供給に減速感 2016/8/23 朝日新聞
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 住宅生産団体連合会はこのほど、会員各社の支店・営業所・展示場等の営業責任者を対象に
四半期ごとにアンケートを実施している2016年度2回目の住宅業況感調査をまとめた。これまで
堅調に推移してきた低層賃貸住宅の受注に、減速感が強く表れる結果となった。
 4~6月期における全国の受注実績(指数)を見ると、総受注戸数はマイナス7ポイント、総受注
金額もマイナス5ポイントとなり、プラス指数を維持していた前期実績(1~3月)から悪化。予測
も大幅に下回った。

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9 上級定借アドバイザー 資格認定講座を開催 近畿定借機構 2016/8/22 朝日新聞
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 近畿定期借地借家権推進機構は9月2日、大阪産業創造館で平成28年度「上級定借アドバイザ
ー」資格認定講座を開催する。
 不動産賃貸借の専門家を育成する認定資格で、講義終了後に認定試験を実施する。受講対象
者は定借アドバイザー認定登録者、受講料は1万5000円(テキスト代、資格認定登録料・消費税
込)。申込締切は8月26日。受講時間は午前9時50分~午後4時50分。
 問い合わせは同機構、電話06(6479)1333まで。

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10 6月都市部マンション着工 3ヵ月連続減少 国交省調べ 2016/8/22 朝日新聞
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 国土交通省の調べによると、都市部(東京都23区、大阪市、名古屋市)における6月の分譲マン
ション着工戸数は5380戸だった。前年同月比は11.6%減。3カ月連続の減少で、減少幅も拡大し
た。
 東京23区は3592戸(前年比12.5%減)、大阪市は1542戸(同15.0%減)、名古屋市は246戸(同50.0%
増)。

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11 維持修繕技術者試験 試験日は1月29日 管理協 2016/8/19 朝日新聞
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 マンション管理業協会はこのほど、2016年度マンション維持修繕技術者試験を2017年1月29日
に行うと発表した。受験申込案内の配布と受験申込受付期間は10月3日~11月8日。
 出題範囲はマンションの維持修繕にかかる一般建築・設備・修繕知識、区分所有法等法律関
連知識、管理組合対応など。試験開催地は、東京、大阪、札幌、仙台、名古屋、広島、福岡。
受験料は1万800円。合格発表は2017年2月24日の予定。
 同資格は、マンションの維持・修繕に関して一定水準の知識と技術を有していることを審査
・認定するもの。2016年8月1日現在の登録者数は3680人。

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12 民泊、利用「したくない」理由は 「トラブル対応に不安」5割 2016/8/19 朝日新

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 総務省はこのほど、2016年版情報通信白書をまとめた。日本を含む欧米・アジア各国での、
民泊に関する実態調査結果を紹介している。
 日本における民泊の認知度は72.0%。調査を実施した国(米国、英国、ドイツ、韓国、中国、
オーストラリア、インド)の中で最も低い。日本において民泊を利用する意向が「ある」と答え
た人は31.6%で、認知度と同様に調査国の中で最も低かった。
 利用意向「なし」と答えた人に「利用したくない理由」を聞くと、日本では53.6%が「事故や
トラブル時の対応に不安があるから」と回答。他国と比べて高い割合を示した。
 調査は2016年2月、各国の20~60代の男女を対象にウェブ上のアンケートによって実施した。

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13 ヒートショック対策で研究委員会 ベターリビング 2016/8/18 朝日新聞
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 ベターリビング(井上俊之理事長)はこのほど、新たに設置した「住宅における良好な温熱環
境実現研究委員会」の会合を開催した。
 2016年度からの2年間、住宅における良好な温熱環境の実現を目的とした検討を行う。具体的
には住宅全体の高断熱・高気密化、冬場の室温が低く健康への影響が大きいと考えられる浴室
、脱衣室、トイレなどの水回り空間の対策(ヒートショック対策)など。

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14 不動産業の倒産、2カ月連続で増加 東京商工リサーチ7月調べ 2016/8/18 朝日新聞
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 東京商工リサーチの調べによると、7月の不動産業の倒産件数は19件(前年同月比11.76%増加)
だった。2カ月連続で前年同月を上回った。
 同社は「不動産業の倒産件数は少ないが、業績好調企業と不振企業の二極化が進んでいると
いう懸念を払しょくできないため、今後について手放しで楽観はできない」と指摘している。

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15 築37年の木造住宅を耐震リフォーム、決意から耐震診断まで 2016/8/23 読売新聞
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熊本地震以降、家の耐震性が気になるという人は増えています。千葉県市川市に暮らすTさんも
その1人。Tさんと同居しているTさんのご両親が、耐震補強工事を行って安心してわが家で暮ら
せるようになるまでを追っていきます。今回は、リフォームを決めたところから耐震診断を受
けるまでの経緯と、補助金制度について紹介します。
築37年。実家をリフォームする
Tさんのご両親が市川の地に一戸建てを購入して37年。今年、60歳になった両親が暮らす実家の
リフォームを行うことになったきっかけは、1階の和室の柱に見つけた虫食い穴でした。「これ
はシロアリか、まずい」と思ったTさん。シロアリ駆除は2年前に行い5年保証がついているの
で、おかしいと思い調べていくと、外壁の隙間から雨が侵入していたもよう。
「これから高齢化していく両親が暮らしていくこの老朽化した家を、ずっとどうにかしないと
いけないと思っていたんです」とTさん。T邸がある周辺は昔、蓮畑だったそうで、液状化エリ
アにも指定されている地盤の弱いエリア。やはり地震が心配です。
この家の耐震性、劣化状況、高齢者にとって暮らしにくい間取りなどを考えると、マンション
等への住み替えも候補としてあがっていました。「家を売却してマンションに買い替えること
も検討しました。査定では2000万円+α。自分が資金を出してもいいですし。近所にはご家族
でマンションに買い替えて、娘さんとマンション内近居をしている方もいらして、それもいい
なって思っていました」(Tさん)
ただ、お父様が10年ほど前から体を壊し、現在要介護3の状態で、週に3度は病院へ通う必要も
あります。そんなお父様を支えているお母様は、「40年近く住み慣れたこの場所が自分たちに
は合っています。普通に暮らせるなら新天地でもいいのですが、夫の体のこと、通い慣れた病
院、やり慣れた介護を考えると、一から新しい暮らしを始めるのはしんどいですね」とご家族
をいたわる気持ちが伝わってきます。
そうしてTさん家族は、不安のある耐震性能、バリアフリー機能、断熱性能を向上させることを
中心にリフォームすることを決めました。「やりたい箇所はいくつもありますが、費用との兼
ね合いです。両親は貯蓄も年金も潤沢というわけではありませんから、優先順位を決めて改善
していければ。もっと安心して暮らせる家にしたいですね」とTさん。

T邸のリフォーム概要
〈物件概要〉
●所在地:千葉県市川市
●建築年:1979(昭和54)年竣工、翌1980年10月に入居の一戸建て。
●規模:4LDK、延床面積83m2
●家族:父60歳、母60歳、長男34歳
●リフォーム歴:20年前に外装、ベランダ、浴室をリフォーム

〈今のところ考えているリフォーム内容〉
●耐震改修
●システムキッチンの交換、室内リフォーム
●トイレと洗面の設備交換、間取りを広げてバリアフリー化
●窓と壁の断熱工事
●軽量な瓦に葺き替え

リフォームを決めたTさんはまず、「誰でもできるわが家の耐震診断」(日本建築防災協会:編
集)というサイトで、ざっくりT邸の耐震性について調べてみました。その結果、「専門家に診
てもらいましょう」という判定が出て、さっそく耐震診断を申請することにしたのでした。
耐震診断&耐震補強には多くの自治体で補助制度あり
耐震診断を申し込むことにしたTさん。耐震診断の費用は、図面の有無や建物の形状、築年数に
より異なりますが、おおむね10万~20万円程度が相場。耐震改修工事のほうは100万~150万円
で行われるケースが多いそうです(日本建築防災協会調べ)。
費用は高額になりがちですが、助成制度を利用すれば負担を減らせます。全国の自治体では、
住宅の耐震診断にかかる費用を助成したり、無料で耐震診断士を派遣するなどしています。さ
らにその結果、耐震補強工事が必要となった場合、多くの自治体がその費用も助成する制度を
設けています。
この補助制度の対象は、1981(昭和56)年5月31日以前に着工された住宅であることが必須条件
となっています(ほかにも条件あり)。現在の耐震基準は1981年6月に改定されたもので、それ
以前の旧耐震基準で建てられた「震度5程度の地震に耐えうる住宅」では倒壊の恐れがあります
。耐震診断および耐震補強工事を行って、震災時の被害を減らすという目的でできた制度なの
です。
内容は自治体によって異なります。例えば、Tさんの暮らす千葉県市川市の制度を見ると、補助
金額は次の通り(諸条件に合致する家が対象)。
●耐震診断
 費用の3分の2(1000円未満の端数切り捨て)を助成(ただし上限8万円)
●耐震改修設計費
 費用の3分の2(1000円未満の端数切り捨て)を助成(ただし上限5万円)
●耐震改修工事・工事監理費
 費用の23%(1000円未満の端数切り捨て)を助成(ただし上限40万円)
●耐震改修に伴うリフォーム工事費
 費用の23%(1000円未満の端数切り捨て)を助成(ただし上限23万円)
上限額で見ると条件次第では、耐震診断に8万円、耐震改修(設計+改修工事+リフォーム工事
)に68万円の補助金を受けることが可能になります。

また、「耐震改修促進税制」によって次の税金が安くなるという、うれしい制度もあります(
諸条件に合致する家が対象)。
●所得税
耐震改修費もしくは耐震工事に係る耐震工事の標準費用のいずれか少ないほうの10%相当額が
、その年の所得税額から最大25万円控除されます(対象:2019年6月30日までに工事を行った物
件)
●固定資産税
改修費用が50万円以上かかった改修家屋の固定資産税額の2分の1が、1年間減額されます。
さらに、リフォームローンを組んだ場合、住宅ローン減税の対象となり、年末ローン残高の1%
が10年間にわたり所得税から控除されます(工事費100万円超が対象)。
該当する建物に住んでいる方は、これらの制度をうまく利用して地震に備えたいもの。耐震診
断と耐震改修補助制度の内容は自治体によって異なるので、ホームページや役所で調べましょ
う。
T邸はバリアフリー工事や断熱工事なども行うので、耐震改修工事費以外にも費用がかなり掛か
ることになりますが、住宅金融支援機構の「高齢者向け返済特例制度」付きリフォーム融資で
まかなう予定です。この制度については次回の記事で詳しく紹介します。
耐震診断では家の何を見るの?
耐震リフォームを行うには、耐震診断で建物の細かい状況を把握する必要があります。
市川市が設けている「耐震診断助成制度」を利用することにしたT邸に、6月21日、耐震診断(
精密診断)を行うため木造住宅耐震診断士が来訪しました。市川市役所建築指導課に登録され
ている木造住宅耐震診断士の会社から2社を選び、相見積もりをとって1社に絞り込み、依頼し
た会社です。

木造住宅耐震診断士による耐震診断では、周辺地盤の状態、建物の基礎の状態を確認した上で
、天井裏から床下、壁裏まで細かく次の4点をチェックします。
(1)壁量 建物を支える壁である「耐力壁」の強度のこと
(2)劣化対策 雨やシロアリによる被害への対策(防腐防蟻処理薬剤塗布など)
(3)耐力壁のバランス 耐力壁の位置に偏りがないか
(4)柱の抜け防止 地震の揺れによって柱が抜けないような対策がなされているか

古い家は図面通りでないことがあったり、それまでに遭遇した災害の影響、増改築の有無によ
っても耐震性が左右されたりするので、細かいチェックが必要です。
T邸の今回の耐震診断は3人で行い、3時間程度で終わりました。家の規模や図面の有無によって
時間は左右されますが、大抵は半日で終わるとのこと。狭くて暗い中をのぞき込んだり、潜っ
たりと、計測・確認は細かくて大変な作業だと感じました。
こうして計測したデータを元にT邸の耐震性の総合評価が出され、それによって耐震改修の内容
を固めていくことになります。耐震診断結果が出るまで1カ月から1カ月半ほどかかるので、そ
の報告はまた次回に行います。
今回、耐震リフォームとバリアフリー化をすることで、ご両親が安心して快適に過ごせる家を
目指すことにしたTさん。無事、耐震診断が終わり、結果を待つのみです。次回は耐震診断結果
と高齢者向けのリフォームローン、具体的なリフォーム計画を紹介します。

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16 いくらで建てた? 頭金は? 600人に聞いた「家づくりのお金」 2016/8/23 読売新

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家づくりに先立つものは、やっぱりお金。どんなタイミングで、どのくらいお金がかかるのか
が気になるところだが、初めて家を建てる人にとってはわからないことだらけ。そこで、家づ
くりを成し遂げた先輩たちにお金に関する実態とホンネを聞いてみた。かかった費用のデータ
と体験談をもとに、家づくりのお金のキホンを知り、漠然とした不安を解決しよう。
Q1 家っていくら位で建てられるの?
A 建物の総費用の平均は3120万円。予算オーバーしないように優先順位付けを
建物工事の総費用は、予算オーバーしないようにコスト調整した人が大半で、3000万円未満で
建てた先輩たちが多い。希望のプランを叶えつつ、予算内に収める秘訣は、希望内容に優先順
位をつけること。譲れないこだわりや、後から替えにくい部分にはある程度お金をかけつつ、
削れる部分はなるべく費用を抑える工夫が大切だろう。

Q2 預金はいくら位あればOK?
A 用意した自己資金は400万円未満という声が目立つ。自己資金は計画的に貯めて頭金に回す先
輩が多いようだ
アンケート調査では、親からの援助もあり高額な自己資金を準備している先輩がいるが、400万
円未満だという人の割合が28.2%と最も高い。一方で頭金を貯めるよりも、早く住宅ローンを
借りて、定年までの返済を重視している人もいる。しかし、頭金以外にも税金などの諸費用を
支払う必要があるので、ある程度の自己資金は必要と考えた先輩が多いようだ。

Q3 住宅ローンはどう選べばよい?
A 3つの金利タイプから自分たちに合うものを。借り方にもいろいろあるので慎重に調べよう
住宅ローンの金利タイプには主に「全期間固定型」「変動型」「固定期間選択型」の3つがある
。金利は低いが、上昇するリスクがあるのが変動型。固定型は金利変動はないが、金利は高め
だ。調査では変動型が多数だが、【フラット35】など固定型も少なくない。金利タイプを組み
合わせる方法もあるので、自分たちに合ったローンの借り方を見つけよう。

Q4 月々のローン支払い額はいくら位?
A 毎月のローン支払い額は10万円未満の人が大半を占める
アンケートでは月々のローン返済額は10 万円未満の人が全体の7割を占めた。今まで払ってい
た家賃やマイホーム用の貯蓄など、家のためにかかっていた金額と同程度の支払いだと負担が
増えず、実際に、以前の家賃と同等かそれ以下の支払いに抑えたという先輩の声もあった。家
を建てて住み始めると固定資産税なども毎年かかってくるので、それらの負担も考慮して適切
な返済額を決めよう。

Q5 土地ってみんなどうしてるの?
A 約7割の先輩が土地を購入。依頼先とも相談して条件を見極めよう
アンケートによると約7割の先輩が土地を購入し、そのうち土地代に1000万円以上かけた人は6
割を超えた。土地と建物にかけるお金はバランスが重要。土地代をかけすぎると、家にかける
予算が減る。また、希望の家が建てられる土地かどうか、条件の見極めも大切だ。建物の依頼
先と土地を並行して探せば、費用配分や建築条件についても相談できる。

注文住宅を建てて予算がオーバーしてしまった話はよく聞く。家づくりの資金計画は無理しな
い予算で組むことがキモだ。これらの調査結果を参考にしつつも、自分のライフスタイルや家
計に合った家づくりの資金計画を立てよう。

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17 集まった村民1500人超! 「シェアビレッジ」1年の収穫と課題は? 2016/8/19 読売
新聞
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「年貢を納めて村民になろう!」というちょっとユニークなコピーで、2015年に話題を集めた
のが、以前当サイトでも紹介した「シェアビレッジ」。秋田県五城目(ごじょうめ)という小
さな町にある古民家を「村」に見立て、年貢(会費)を負担すると村民になれて、古民家での
暮らしを体験できるというもの。開村から1年、運営して得られた収穫と課題とは? 茅葺き屋
根の古民家で話を聞いてきた。
みんな村民になりたい? 集まった村民は1500人超!
シェアビレッジがあるのは、秋田県五城目町という小さな町。秋田県といえば高齢化率や人口
減少率といった、ややさみしいニュースで耳にすることが多いが、今、この五城目町には、こ
のシェアビレッジをはじめ、新たな移住者がやってきていて、にぎわいをみせているという。
「村民はいつでも自分の村に行き、古民家で暮らしを体験できるというコンセプトや、年貢や
一揆、寄り合いというネーミングなどが、インパクト大だったようです。あわせて“村長”が
各地で講演したり、視察が訪れたりしていくうちに、ジワジワと村民が増えていったかたちで
す」と話すのは、古民家の家守をする半田理人さん。地元秋田県出身で、もともと村民だった
が、現在はスタッフとして「シェアビレッジ」に関わっている。
そう、現在のシェアビレッジ村民はなんと1667人にものぼるという! 村民の多くは20代?30代
半ばが中心で、首都圏など都市部に在住、男女比でいうとやや女性のほうが多いそう。
「もともと、この築130年超にもなる古民家を今後100年先に残すために、ということで村長が
はじめた企画です。この古民家の姿そのものが、若い世代を惹きつけているのかもしれません
。以前のオーナーさんも、若い世代にこの家を利活用して欲しいと望んでいたので、それは良
かったなと思っています」と話す。
現在、スタッフが事務所として利用するスペースなどには絵が飾られているが、それも以前の
オーナーさんのもの。「オーナーさんがリノベーションをしていたおかげで、僕たちはトイレ
やお風呂といった最低限のリフォームで済ませることができました」。こうした建物を残した
いという思いが、次世代に引き継がれているかっこうだ。
課題は村民を「お客さま」にしないこと!
順調に村民は集まっているようだが、課題はあるのだろうか?
「多すぎて思いだせないですが(笑)、1つは地元の人の理解を得ること、また、できる限り体
験を提供すること、に尽きると思っています。現在の収益の柱は宿泊ですが、これだとどうし
ても村民のみなさんの目線が『消費者』になってしまう。そうではなく、足を運んで学びがあ
るような、村民としての経験を得ていってほしいですね」(半田さん)
現在でも、自転車でサイクリングをしたり、茅葺き屋根の修繕をしたり、羽釜(はがま)でごは
んを炊いたりと、ワークショップや体験メニューもあるが、もう少し内容を充実させたいとい
う。
一方で、建物の維持・管理も悩みのタネにもなっている。
「茅葺き屋根はすべて葺き替えると1000万円はかかるといわれています。ただ、そうした費用
を捻出するのは難しく、この集落では屋根を4方向ごとに分けて、数年ずつ葺き替えを行ってき
ました。知恵ですね。昨年11月には、茅葺き屋根の原材料となるすすきの刈り込みをワークシ
ョップとして開催したんですが、地元の人からは、『なんで労働力を提供するのに、さらにお
金まで払わなくてはいけないの?』という声もあり、なかなか理解を得るのは難しいなあと。
一方で都会からは“体験”を求めて多くの人に参加していただき、本当に助かりました」とい
う。
2016年の夏には、プロジェクト発足後2回目の茅葺き屋根の葺き替えを行うという。もともと、
茅葺き屋根の葺き替えは、集落でお互いに協力しあいながらやってきた。集落に人が減ってし
まった今、こうしたインターネットでゆるやかにつながりながら、「建物」を維持していくと
いうアイデアはとても現実的な方法かもしれない。
「これは、私個人の思いですが、今までのような地域のつながりとは違って、風のようにゆる
やかに、助けあったり、何かを提供しあう。遠くに暮らしていても、思いをはせる。そうした
思いが集まるコミュニティであれば、これからも維持していけるのではないでしょうか」と力
説する。
地方を取り巻く環境は、依然として厳しい。それでも、こうした新しい取り組みや出会いが、
地域を少しずつ、でも確実に元気にしていくのかもしれない。

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18 愛犬家住宅コーディネーターに聞く、犬のためのリフォーム術 2016/8/18 読売新聞
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昔と違って犬は室内飼いが基本の昨今。里親募集でも譲渡の条件は“室内飼い”となっている
ことが多い。
そんな時代、“愛犬家住宅コーディネーター”という肩書きで、住宅デザインを提案する人た
ちがいる。どんな住宅が犬にとって良いのか? 筆者も愛犬コーギーのために興味津々。リフォ
ームした実例と共に、そのキモを教えていただいた。
“愛犬家住宅”って、どんな家?
犬種にもよるが、犬は集団生活を好む生き物。家族の一員として、家族と遊び家族を守るのが
彼らの思い。しかし、人にとって住みやすい家が、犬にとって住みやすいとは限らない。
“愛犬家住宅コーディネーター”という資格を設定し、教育・普及活動を推進しているワンオ
ンワン社によると、“愛犬家住宅”とは、愛犬と愛犬家の目線で「安全・安心・快適」に暮ら
せる、さまざまな工夫とアイデアにあふれた家ということ。コーディネーターは、愛犬の「育
て方」と愛犬の「住まい方」を両軸で“愛犬家住宅”を提案するスペシャリスト。現在の資格
者は全国に3671名(2016年7月時点)。
今回は愛犬家住宅へのリフォームを自邸でも実践し続けている、人気コーディネーターの池田
千夏子さんにお話を伺った。
今回のリフォームには、屋内外37項目にものぼる工夫ポイントがあるそう。ここでは、特に大
切なポイントを中心に紹介してもらった。
「お散歩は毎日数回行う、愛犬にとって楽しみで愛犬家にとっては手間のかかるものですよね
。それを、スムーズにストレスなく行えることが、お互いの日常をHappyにすること。まずは、
玄関まわりでお散歩と犬のケアが完結するよう設計します」と、池田さん。
筆者が驚いたのは、シャワーが玄関外ではなく、内側に付いている点!?
「中・大型犬は外での足洗い後、足が汚れないように担いで家の中に入るのも難しいですよね
。なので、家の中で洗って、そのまま部屋に上がれるようにします。玄関内は“室内”として
、人も玄関外で靴を脱ぐスタイルです」
タイル敷き玄関は清掃性が高いだけでなく、夏場はヒンヤリ気持ちよいのでワンちゃんが好む
場所。
わが家の愛犬も、暑い日は玄関タイルに寝そべっている……それを容認するなら、玄関タイル
は室内として人間がきれいに使えば良いという納得の発想!
「モノが散らかると人はストレスがたまる、そのイライラが犬に伝わって犬のストレスになり
、もっと散らかされてしまうことに! モノは使いやすい場所に全て収納し、外に置かないよう
にします」
大切なのは、犬の居場所づくり
人のイライラや感情を読み取る犬の感性はスゴい。筆者も犬にはつくり笑いをしてでも、安心
させようと努めている(笑)。
犬が安心して過ごすためには、飼い主の愛情以外にも大切なことがあると池田さん。
「犬にとって落ち着くのは、穴蔵のような場所。家の天井高が2.4mとすれば、犬の体高30㎝の8
倍。これって、人で言うと体育館くらい高い天井!落ち着きませんよね」
なので、天井の低い犬の居場所をつくってあげることは必須とのこと。
基本的に犬は家族の近くに居るほうが安心するので、家族が集まるリビングルームに居場所を
つくってあげると良いようだ。
わが家のコーギー犬も、テーブルの下や20cmほどの高さの隙間にもぐり込むことがある……居
場所をつくってあげなきゃ(反省)!
隠し収納&ストレス発散で、部屋は荒らされない!
家の中で犬がモノを噛んだり、壊したりして困った話しをきくこともあるが「まず、モノを犬
が届く所に置かないことが一つ。収納はビルトイン型で収め、お水のボールを床に直接置かな
いほうがお掃除もラクですよ」と、池田さん。
「あと加えて、犬がストレスをためないように、お散歩以外でも適度な運動が家でできる動線
をつくると良いですね」
池田さんのお宅では、収納ユニットまわりは回遊できる設計になっている。
実は、2階も吹き抜けまわりの廊下を回遊できる設計アイデア!
このような少しずつの工夫で、犬も飼い主もストレスが少ない住まい=愛犬家住宅になるのだ

「おウチが片付いていると、時間と心にゆとりが生まれます。その時間でワンちゃんと遊んで
あげられるし、家族皆がハッピーになりますよね!」
そんな愛犬家住宅コーディネーター池田さんのお話に共感して、早速わが家も玄関を掃除し室
内化した。
今日も気持ち良さそうにタイルで涼をとる愛犬を見て、気持ちが安らぐプチ愛犬家住宅!

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19 日本発、近未来の住まい12の提案?HOUSE VISION 展 2016? 2016/8/18 読売新聞
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「HOUSE VISION」はテ?サ?イナーの原研哉氏がディレクターを務め、家を中心に未来の暮らし
を考えようという活動。【企業×クリエイター】によって、発想を広げながら少し先の未来に
実現可能な暮らしを提案するもの。
東京・お台場で、2013 年「新しい常識て?家をつくろう」をテーマに第1回の展示会を開催(「
名建築家たちの提案が一堂に!―HOUSE VISION展― Part.1」「『新しい常識で家をつくろう
』―HOUSE VISION展― Part.2」)、2回目となる今回のテーマは、「CO-DIVIDUAL 分かれてつ
なか?る/離れてあつまる」。12の実物大エキジヒ?ションハウスを体験し、近未来の住まいを【
前編】【後編】でレポートします!
(会期:2016年8月28日まで)
木であふれる展示場。隈研吾が手がけた会場構成
105mm角材を積み上げ、井桁造りでデザインされたエントランス。第1回を踏襲したデザインで
あるが、今年は真夏開催とあって日よけになるよう上部が長く庇(ひさし)風に。(ちなみに、
角材は再利用されている)
住宅建築用、どこにでもある角材を積み上げるだけで、これだけダイナミックにデザインでき
るところがヤッパリ天才・隈研吾!
今回の会場広場には、こんな大木が登場。ナント、推定樹齢1000年のオリーブの樹!?
圧巻の横に広がる枝ぶりは、実を採りやすくするために何世代にもわたって仕立てられた結果
という。
近未来を提案する展示会で、いきなり角材や古木に迎えられ…まず、そのメッセージを考えさ
せられる。日本人のアイデンティティや現代までの時間軸を感じることで、これからの未来は
どうありたいか?と。
木の展示に囲まれているだけで、都心に居ても心地よい風や香りを感じることができ素直に自
然への欲求は高まる。
宿泊型コミュニティハウス ー【吉野杉の家】Airbnb×長谷川豪?
民泊を世界でネットワークするAirbnbが出展したのは、奈良県吉野町と企画した家。会期後、
実際に吉野町へ移築し民泊運営を計画しているので、完成度の高い住宅になっていた。
この家を設計デザインしたのは建築家・長谷川豪氏。吉野川沿いの風景になじむ、素晴らしい
プロポーションに感動!(実は筆者、吉野町が本籍地という御縁)
HOUSE VISION企画コーディネーターの土谷氏に、1階のコミュニティ空間でお話を伺った。
「展示会テーマである『CO-DIVIDUAL 分かれてつなか?る/離れてあつまる』が、この吉野杉の
家では“地域(地方)”と“ゲスト(国内外)“をつなぐ役割として実現しそうです」
そして、2階の宿泊ゾーンに上がってみると…あの三角窓から見える景色が、これ!
美しいだけでなく、こんな機能的な工夫も…
吉野町の地域組織がホストファミリーになる【吉野杉の家】。
今回見学できなかった方も、移築後、Airbnbで予約して吉野へ行ってみるのはどうでしょう!
人を呼ぶ木&緑&水?【市松の水辺】住友林業×西畠清順×隈研吾?
会場全体の構成も手がけた、住友林業グループと、プラントハンターの西畠清順氏・建築家の
隈研吾氏がコラボしたのは、家ではなく水辺の提案。
同じく105mm角材を15本並べた、約1.5m四方の市松模様に、木と緑と水を配置した空間。水と木
陰によって都会の「涼」を演出し、人が自然と集まってくる水辺になっていた。
プラントハンター西畠氏は、「隈さんのつくった鉢に入れた盆栽」をイメージして、赤と緑の
カエデを選定し展示期間に合わせて葉振りを整えたそう。
「こんな日本らしい癒やしのスペースを、東京オリンピックのころにはたくさんつくりたい」
と、住友林業さん。
まず紹介した2展示は、近未来というキーワードからは逆行したような伝統的な日本の空間。し
かし、これこそが未来に残したい、日本の住まいと暮らしデザイン。美しい日本の原風景を未
来につなぐ、それには技術革新も欠かせない。そんなことを考えさせるイベントなのだ。
外国人も興味津々、日本の住まいと未来
HOUSE VISION展には外国人の来場者が多く見られる。と言うのも、中国はじめアジア諸国でも
同じスキームでHOUSE VISIONは展開中。WEBによる情報発信もあり、世界から関心をもたれてい
ることを実感する。
来場していた外国人の方に、お話を聞いてみた。
オランダ人の60代夫婦。「未来の暮らしって提案に興味をもって来たよ」、全12展示を見て回
ったとのこと。
夫は【LIXIL×坂 茂】、妻は【TOTO・YKK AP×五十嵐淳・藤森泰司】の展示が面白かったと話
してくれた。
今回は展示でも、IoTによる近未来の暮らしを提案しているが、会場見学ツールとしても、モバ
イルアプリによる音声ガイダンスを採用。流れる美声の解説は、展覧会ディレクターの原研哉
氏によるもの。
「夜8時までオープンしているので、夕暮れに展示場を回って、ビール片手にトークセッション
を聞くのもあり!」と、土谷氏のオススメ。オランダ人夫婦のように、二人でデートがてら訪
れるのもスマートですね!

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20 制震装置 軽量・低価格で 大成建設 2016/8/24 日経産業新聞
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 大成建設は、震源から遠く離れた超高層ビルを大きく揺らす「長周期地震動」を抑える低コ
ストの技術を開発した。ビルの屋上に設置する制震装置のおもりの重量が3分の1程度になり
、設置のコストが7割ほどに抑えられる。ビルに与える荷重も減るので、地盤の弱い場所でも
使いやすい。今年度中の実用化を目指す。24日から開かれる日本建築学会で発表する。

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21 つながる住宅で覇権狙う ソニー・東電 2016/8/24 日経産業新聞
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 ソニー傘下のソニーモバイルコミュニケーションズ(東京・品川)と東京電力ホールディン
グス傘下の東京電力エナジーパートナー(EP)は23日、業務提携に向けた検討開始の基本合
意を結んだと発表した。あらゆるモノがネットにつながる「IoT」を使った家電制御やスマ
ートホームなどの住宅サービス分野で協業し、ソニーは住宅分野に本格的に乗り出す。今後も
外部との提携を模索し、「つながる住宅」でIoTでの覇権を狙う。

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22 積水ハウス、1億円超える木造住宅 2016/8/23 日経産業新聞
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 積水ハウスは22日、木造住宅「シャーウッド」の最高級ライン「グラヴィスステージ」を発
売したと発表した。1棟あたりの単価が1億円を超える「億邸」で、国内住宅業界で最高水準と
なる。開口部の広さや自由な設計が可能な点を強調し、月10棟の販売を目指す。
 価格は1坪(3.3平方メートル)あたり100万円からで、敷地面積100坪以上の「邸宅」を想定
している。壁面を強化し開口部をより広くとれるようにした。

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23 光る床や話す壁 凸版印刷が未来の住宅提案 2016/8/19 日経産業新聞
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 凸版印刷が建築資材を軸に快適な住まいづくりを提案する事業に乗り出した。床や壁に使う
化粧材や壁紙を使い、人々の健康改善や省エネにつながる仕組み作りを始める。国内の建材市
場は中期的な人口減を背景に頭打ちが見込まれる。社内で培ってきたIT(情報技術)などを
組み合わせて新たな市場を開拓する。

2016-08-25 | Posted in 住宅関連新聞記事Comments Closed