住宅関連新聞記事ダイジェスト No.646  2016/08/04~2016/08/10

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住宅関連新聞記事ダイジェスト No.646  2016/08/04~2016/08/10
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【日本経済新聞】
1 三菱商事、米の太陽光発電会社に出資
2 7月の戸建て受注額、5社プラス 低金利追い風
3 あなたも「隠れ貧乏」? 住宅ローンで失敗する人
4 必ずしも相場通りに決まらない 不動産価格の真相
5 コンパクトシティ再挑戦
6 共用部分にも地震保険 集合住宅、負担抑えて加入

【朝日新聞】
7 2020年東京五輪選手村の宿泊施設 三井不レジなど11社が建設 大会後、分譲マンション

8 管理協が国交省に税制改正要望提出
9 特区民泊の最低宿泊 日数、短縮に向け検討
10 7月中古マンション成約件数、3カ月ぶりに増加 東日本レインズ
11 リフォーム事業者のHP作成を支援、ベターライフリフォーム協
12 「住まい選びの新基準」 コスモスイニシアが刊行
13 インスペクション専門会社を設立 JHSと東急リバ
14 無人月極め駐輪場を全国展開 三井のリパーク
15 ラサールと地所、大阪で大型物流施設を開発
16 「家本」を発行 インスペなど掲載 全宅連
17 買取再販に住宅融資保険 中小事業者の借り入れ円滑化 住宅金融機構

【読売新聞】
18 内見したら映画館だった?! 秋田の「映画館付きの家」に行ってきた
19 街開きイベントの企画を入居者が? コミュニティ形成は入居前から!
20 「中野駅」周辺が大改革。サブカルの聖地はどこに向かうのか
21 「恵比寿」まで30分以内・家賃相場が安い駅ランキング
22 耐震性は大丈夫!? 「瓦屋根」の魅力と注意点とは
23 無印良品でマンション・リノベ! 800万円で大満足のお宅拝見

【日経産業新聞】
24 河川の水位や設備稼働 遠隔計測、最大160点に
25 家庭用蓄電池に参入 ループ
26 大和ハウス、愛知でスマートタウン 複数住宅で電力を融通

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1 三菱商事、米の太陽光発電会社に出資 2016/8/10 日本経済新聞
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 三菱商事は10日、太陽光発電事業会社の米ネグザンプ(マサチューセッツ州)に出資すると
発表した。出資額は数十億円とみられ、同社の筆頭株主になる。ネグザンプは遊休地や住宅、
商業施設の屋上を使った分散型の太陽光発電事業を手がけ、北東部を中心に約17メガワットの
発電容量を持つ。三菱商事は成長分野とみて投資を決めた。

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2 7月の戸建て受注額、5社プラス 低金利追い風 2016/8/10 日本経済新聞
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 住宅メーカー大手7社の7月の受注状況(金額ベース、速報値)が10日出そろった。主力の
戸建て注文住宅は前年同月比でパナホームが17%、大和ハウス工業が12%それぞれ増えた。積
水ハウスとミサワホームはともに1%増。戸建てとアパートの合計のみ公表する旭化成ホーム
ズは23%増と昨年11月から8カ月続いたマイナスから脱した。住宅ローン金利が低いことが追
い風だ。
 旭化成ホームズは7月単月として過去最高の受注だった。旭化成建材の杭(くい)打ちデー
タ改ざん問題が昨年10月に発覚して以降に自粛した広告宣伝を今春再開し、効果も出始めたよ
うだ。一方、住友林業と三井ホームはいずれも3%減だった。
 消費増税の再延期で住宅購入を急がなくなった消費者がいるものの「住宅ローン金利の水準
は低いうえに増税も延期されたことで受注全体には追い風が吹いている」(大手メーカー)と
の声が多い。

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3 あなたも「隠れ貧乏」? 住宅ローンで失敗する人 2016/8/10 日本経済新聞
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家計再生コンサルタント 横山光昭
 収入は十分あるのにローンや日々の生活が原因で「隠れ貧乏」になっている、そんなご家庭
によく遭遇します。都市部から少し離れたところに小さな庭と駐車場付きのマイホームを持っ
た、大手企業の部長Dさん(51)もそうでした。
 「こんなにお金がない状態になるとは思わなかった」というDさんは、48歳の時に約4000万
円のマイホームを頭金なし、全額ローン(ボーナス払いなし)で購入しました。頭金がなくて
もローンを組めることに驚いたそうですが、息子さんが中学に進学する時期でしたし、自分た
ちの老後もそろそろ視野に入れなければと決断しました。
 定年後も住宅ローンが残ることは多少気がかりでしたが、繰り上げ返済を重ね、退職金も充
てながら早めに完済する予定でいました。銀行からも「定年過ぎてから完済という人も多いし
、退職金も出るでしょうから……。収入面では全く問題ないですよ」といわれ、月々の返済が
きちんとできれば問題ないと認識していたそうです。
 Dさんのご家族は、整理収納アドバイザーとして収入を得ている奥さん(47)と、小学校の
ころからサッカーに熱を入れている中学2年生の息子さんの3人です。息子さんは将来的に海
外チームでサッカーをプレーしたいという希望があり、中1から夏休みに1カ月ほど語学留学
に行っています。
 整理整頓のプロである奥さんが手入れする家はとてもきれいだそうです。奥さんの収入の元
となる顧客の多くは、Dさんが連れてくる部下やその家族、親しくしている取引会社の方々。
収入としては多くありませんが、資格を生かせ、家庭にも役立っていると満足しています。
 きれいな家に人を呼ぶことは、Dさんにとって最高の楽しみでした。そのため、ケータリン
グで食事を準備し、お酒もそろえ、皆にごちそうする機会が増えました。
 駐車場に置く車も家にふさわしいものが必要だと、全額ローンで新車に買い替えました。家
が広く、来客が多いうえに、こまめすぎるともいえる掃除によって、水道光熱費はいつも高め
。なんだかんだと支出が増え、気が付かないうちに家計は赤字になっていました。
 その赤字はボーナスで補填しますが、息子さんの短期留学費用などを払うと何も残らず、貯
蓄は増えないし、ましてや住宅ローンの繰り上げ返済もできません。
 焦りを感じていたところ、息子さんからぜひ海外の高校へ進学したいと言われ、行き詰まり
を実感しました。希望する全寮制の高校は学費と寮費などで年間400万~500万円ほどかかりま
す。
 Dさんの会社にはいわゆる「役職定年」があり、55歳以降は役職を外れ、年収は今の8割ほ
どになる見込みです。今のままでは、生活費の捻出も、ローン返済も、息子さんの希望する進
学も難しい状況です。とにかく、収入が60万円ほどあるにもかかわらず赤字になってしまって
いる現在のやりくりを改善しなくてはいけません。
 まずは容易だと思われる部分の改善に取り組みました。通信費は格安スマホへの変更で、す
ぐに削減できました。食費はお客さんを招待して振る舞う食事代も含んでいるため、高額にな
っていましたが、お客さんと共に作って食べるなどして楽しみ方を変えたり、お客さんがそれ
ぞれ得意料理を持ち寄ったりする方法に変え、削減することができました。併せて、買い物へ
行く頻度を減らすことなどにも取り組みました。
 水道光熱費は節水グッズやLED電球、スイッチ付タップなどを利用することで、エコな生
活を意識し、支出削減に努めました。日用品や化粧品の購入も節約を心掛けました。
 自動車はDさんが週末に楽しみで運転する程度でしたので、ガソリン代はDさんの小遣いか
ら支払うことにしました。また、被服費も奥さんの「家に合った服を着たい」という見えから
高額になっていましたが、これも必要なものだけを購入するようにしました。
 買い物の仕方や電気などの使い方を変えることで、奥さんが仕事でお客さんに勧めている「
シンプルな片付け」がDさん家族にも浸透し、支出は全部で10万円ほど削減できました。毎月
5万2000円の黒字に転換し、ボーナスで補填する必要がなくなりました。極力ボーナスを使わ
ないでためていくと、年間で240万円ほど貯蓄を増やすことが可能です。
 Dさんご夫婦が節約に取り組む様子を見て、息子さんは「うちは小金持ちだと思ってたので
留学費用ぐらい出してもらえると思い込んでたけど、難しいことが分かった」と海外留学をあ
きらめたそうです。まずはサッカーに熱心な高校に進学し、その後で留学を考えたいと話し、
受験勉強にもサッカーにも懸命に取り組んでいます。
 マイホームを持つとそれに合わせて良いものをそろえたくなったり、客人に振る舞いたくな
ったりと、ちょっとした見えが出て赤字を招きやすくなります。
 それ以前に、住宅ローンについても金融機関のセールストークに乗せられないよう注意が必
要です。Dさんの場合、繰り上げ返済をしなければ60歳時点でローンが2000万円ほど残ってし
まいます。退職金を充てても、払いきれない金額です。こうなると老後資金に大きく食い込み
、老後はかなりつましい生活を強いられることになります。
 家を買うなとはいいませんが、つられて支出が増えないように心掛けることが必要です。

「もうかる家計のつくり方」は隔週水曜更新です。次回は8月24日付の予定です。

横山光昭(よこやま・みつあき) マイエフピー代表取締役。家計再生コンサルタント、ファ
イナンシャルプランナー。お金の使い方そのものを改善する独自のプログラムで、これまで800
0人以上の赤字家計を再生。書籍・雑誌の執筆や講演も多く手掛け、「年収200万円からの貯金
生活宣言」(ディスカヴァー・トゥエンティワン)をはじめとする著書は累計99万部。近著は
「『老後貧乏』はイヤ!」(日本経済新聞出版社)。

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4 必ずしも相場通りに決まらない 不動産価格の真相 2016/8/10 日本経済新聞
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不動産コンサルタント 長嶋修
 不動産の価格には当然、相場というものがある。相場は過去の取引事例やその時々の市況ト
レンドなどを織り込みながら変動する。しかしながら株式や債券とは異なる点がある。不動産
は同じものが二つとないうえ、売り主と買い主の相対取引であるため、必ずしも理論上の相場
価格通りで成約するわけではないところだ。
 いうまでもなく不動産の価格は「需要と供給」の兼ね合いで決まる。新築でも中古でも、引
き合い(需要)が強く、値引きしなくても売れるものはそのままの価格で流通する。中にはあ
まりに引き合いが多く、売値よりさらに高い価格を買い主が提示して成約することすらある。
これには相場価格より安いとか、希少性があるなどケース・バイ・ケースで様々な理由がある

 一方、値引きをしないと売れないもの、つまり需要のないものは買ってくれる人が現れるラ
インまで値下げをすることになる。値下げができない、もしくはしない場合はずっと市場に放
置されることになるばかりか、悪い意味での「比較物件」として取り扱われる。売れ残り物件
が存在することによって、本命物件が相対的により良いものであることを際立たせるわけだ。
 不動産会社などが分譲する新築住宅の場合には、少々事情が異なる。その会社が決算期を迎
えている場合などは、契約や引き渡しをなんとか決算に間に合わせたいなどの理由で早期売却
を目指し、利益が減少することを覚悟で値引き販売することがある。
 また、例えば景気が悪化し株式市場が不調に陥り、住宅の売れ行きが極端に落ちた場合など
に、在庫を抱える体力のない会社は仕方なく、大幅に値引きをして手放すケースがある。
 1990年代後半、消費増税に山一ショックなどが重なった当時は、新築マンションや一戸建て
で500万円引き、1000万円引きといった事例があちこちに見られたし、リーマン・ショック後に
も現場では同様のことが起きた。
 個人が売り主の場合は、まさにケース・バイ・ケース。3000万円の中古住宅が10件売りに出
されている場合、それぞれの売り主の事情や思惑は千差万別だ。
 ある売り主は「特に売り急いでいるわけではないから1円も引かない」と考えているかもし
れない。またある売り主は「1カ月で売れなかったら価格を下げよう」と考えているかもしれ
ない。「とりあえず3000万円で売りに出しているが、ある程度の値引き交渉には応じよう」と
考えている売り主もいるだろう。
 もしくは、先に住み替え先のマンションを契約してしまい、今月中に売れなかったら業者買
い取り価格で買い取られてしまうかもしれないといった事情を抱えているかもしれない。ちな
みに、不動産業者の買い取り価格は一般的に、相場の60~70%程度だ。
 販売価格、売りに出されている価格はあくまでも「売り主のオファー(提示)価格」にすぎ
ない。それに対して買い主は「買い付け証明書」「購入申込書」などの書面を提示し、「いく
らで買いたい」と意思表示をした段階から初めて、双方の提示額が同じ土俵に乗り、交渉が始
まるのだと考えよう。
 こうした書面の提示は購入の意思表示であり安易に出すものではないが、そこで初めて値引
きの可否や売り主の要望などがわかるものなのだ。

長嶋修(ながしま・おさむ) 1999年、業界初の個人向け不動産コンサルティング会社「さく
ら事務所(http://sakurajimusyo.com/)」を設立、現会長。「第三者性を堅持した個人向け不
動産コンサルタント」の第一人者。国土交通省・経済産業省などの委員を歴任し、2008年4月
、ホームインスペクション(住宅診断)の普及・公認資格制度を整えるため、NPO法人日本
ホームインスペクターズ協会を設立し、初代理事長に就任。『「空き家」が蝕む日本』(ポプ
ラ新書)など、著書多数。さくら事務所では利用者数3万5000組突破を記念し、8月24日、25日
に「家づくり・住宅購入」何でも相談室を開催。参加は無料。詳細はhttp://www.sakurajimusy
o.com/natsuyasumiへ

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5 コンパクトシティ再挑戦 2016/8/7 日本経済新聞
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交通網に望み託すが…
 商業・福祉施設や住宅を集約する「コンパクトシティ」に向けた街づくりが広がっている。
かつて注目された先進事例は必ずしも効果を発揮していない。再挑戦は成功するのか。
 新潟県長岡市。昨年8月、JR長岡駅の近隣に高齢者住宅「サクラーレ福住」が開業した。
入居者の佐藤勝三さん(87)は郊外から夫婦で転居。「病院やスーパー、市役所が近いので便
利。冬の除雪も自分ではもうできない。街なかは住みやすい」と話す。

■歩く機会増える
 足が不自由で杖(つえ)を付いて歩く佐藤さんはタクシーでの外出が多い。以前は病院以外
に出なかったが、今はスーパーや本屋にも出掛けるなど、外出先で歩くことが増えた。「最近
は自宅から駅の西側まで歩くこともある」という。
 市の中心部では住宅が増えている。長岡駅1キロ圏内の民間マンションやアパートの供給は2
015年度に146戸と5年前の3倍超。11~15年度で計約500戸に達した。
 背景には都市機能の集約化がある。10年以降、駅の西側に子育て支援や生涯学習の施設が開
業。市役所やスポーツ施設、イベント広場を併せ持つ駅直結の複合施設「アオーレ長岡」も完
成した。市は政府も旗を振る「多極ネットワーク型コンパクトシティ」を目指している。
 街をコンパクト化し、街同士を交通網などでネットワーク化する「立地適正化計画」を作る
動きが全国で活発だ。政府は14年に立地適正化計画制度を創設。中心部への都市機能や居住の
誘導、交通アクセスの充実などを交付金や補助金で支援する。すでに大阪府箕面市など4市が
策定し、長岡市を含む270以上の市町が策定作業を進めている。
 郊外に住宅や店舗ができ市街地が広がり、人口集中区域の面積は40年間で約2倍になった。
だが、少子化で人口が減れば、商業・医療施設が撤退し、行政サービスも手が回らなくなる可
能性がある。市街地を集約し、住民生活の充実と行政の効率化を目指す。

■青森市の教訓糧に
 99年に青森市がコンパクトシティの形成を掲げたが、中核となる複合商業施設の来館者が減
少し、15年度に債務超過に陥った。複合商業施設のみに依存したため、中心部の魅力に乏しい
失敗例との評価が多い。
 富山市も早くからコンパクトシティづくりに取り組む。06年開業のLRT(次世代型路面電
車)を核に、車に頼らずに暮らせる街づくりを志向。街なか居住に財政支援し、中心部の人口
は増えた。
 政府はコンパクトシティづくりの再挑戦ともいえる立地適正化計画の策定にあたり、富山市
のような公共交通網を軸とする計画作りを推奨するが、肝心のネットワークをどこまで広げる
かが課題となる。「平成の大合併」で自治体が広域化したからだ。
 計画策定済みの岩手県花巻市(4市町合併)は、都市機能誘導区域を旧花巻市に1カ所、居
住誘導区域は旧石鳥谷町と合わせ2カ所設定した。一方で他の旧2町は生活拠点として給食セ
ンターなどを整備し、都市機能誘導区域や中山間地への公共交通網を維持するなど地域住民に
配慮した内容となっている。
 生まれ育った土地からの転居に抵抗を抱く人は少なくない。だが地域が拡散したままではコ
ンパクト化を達成できない。自治体が関心を寄せる多極ネットワーク型コンパクトシティは補
助金を絡めた“苦肉の策”ともいえる。
 山本和博・大阪大准教授(都市経済学)は「超長期的には集積度の高い区域には自然と人が
流れる」と指摘する。ただそれまで自治体が財政を維持できるかは不透明だ。
 瀬田史彦・東京大准教授(都市工学)は「受益者負担の問題だ。遠くに住みたい人々には公
共料金や税金を引き上げる。納得すれば行政サービスは続き集落は残るが、そうでなければ転
居が必要になる」と話す。判断するのは住民だ。

 ◇   ◇

■歩いて暮らせる街づくりで医療費も削減
 コンパクトシティが掲げる理想の1つは、車に頼らずに歩いて暮らせることだ。温暖化ガス
排出量の削減につながると期待する声のほか、歩行量が増えることで健康が増進され、医療費
を削減できるという効果も指摘され始めている。
 全国の地方都市で、郊外から転居してきた人々の多くは、商業施設や広場が近くにあると、
自然と出歩きたくなり、歩行量が増えているという。ただ、せっかく中心部に人口を集めても
各施設の配置や公共交通網のルート次第では、「歩きたくなる」気持ちは生まれてこない。筑
波大の久野譜也教授(スポーツ医学)は「自然と歩いてしまう都市づくりが重要」と指摘。そ
の上で「都市のコンパクト化とともに、歩行空間や公共交通の整備、街のにぎわいが必要だ」
と強調する。
 コンパクトシティの事例として国際的に知られるドイツのフライブルク市は、1970年代に中
心市街地への車の進入を原則禁止し、LRT(次世代型路面電車)などの公共交通網を整備し
て歩行空間を形成している。
日本でも兵庫県姫路市が2011年、JR姫路駅北口から姫路城までの大手前通りの一部で、車
道を片側3車線から1車線に減らし、歩道を大幅に拡張する工事に着手。15年4月からは車道
の通行をバスとタクシーに限定し、一般車両の通行を終日禁止にした。すでに姫路駅の高架化
を済ませ、姫路城のある駅北側と市役所のある駅南側の行き来しやすくなった効果もあり、15
年の大手前通りの1日通行量は約7万9千人と11年の約5万8千人から3割以上増えた。姫路
市は現在、大手前通り周辺を核に据え、立地適正化計画の策定を進めている。
 歩くことによる身体的活動量の増加は健康増進に影響する。世界保健機関(WHO)による
と、世界の死亡リスクは1位から順に高血圧、タバコ、高血糖、運動不足、肥満となっている
。高血圧や高血糖、肥満は運動不足が起因していると考えられる。また、ある調査では、東京
都、大阪府、愛知県のうち、自家用車を利用する割合は東京が約3割、大阪が約4割、愛知が
約7割だった。それに比例するように、人口10万人あたりの糖尿病患者の外来数は愛知が200万
人弱で最も多く、大阪が150万人超、東京は150万人未満だった。運動不足は健康に負の効果を
与えている。
 医療費への影響も見逃せない。久野教授らは人の1歩の歩行量で医療費は0.016円削減できる
という研究結果をまとめている。高齢者20万人の都市で1人1日2千歩を歩くと、1日あたり3
2円、1年間で約23億円が削減できる計算だ。「歩くことは運動の基本」と久野教授。にもかか
わらず「無関心な人が意外と多い。いかに正しい情報を確実に提供するかが重要な課題だ」と
いう。
 コンパクトシティに向けた街づくりにあたっては、行政の効率化や中心市街地の活性化や環
境対策の面だけでなく、住民自身の健康増進と将来の社会保障費抑制の観点も踏まえて、施策
を進める必要がある。

 ◇   ◇

■地方創生にメリハリ 過疎化に拍車、懸念
 ツイッターにはコンパクトシティに賛否両論があった。「(地方創生では)成長可能性のあ
るところにメリハリをつけることが必要。いわゆるコンパクトシティ化」「コンパクトシティ
から自動運転車がへき地に送り迎えする未来があってもいい」という声の一方、「コンパクト
シティの正体は過疎地域をさらに過疎化させ住めなくさせる政策です」という意見があった。
 また「空港と接続されたバス!地下鉄!これがコンパクトシティだ!おいでよ福岡!」や「
東京こそ最強のコンパクトシティ」「大阪の方が圧勝」と個別都市を評価する声もあり、認知
度の高まりをうかがわせた。調査はNTTコムウェアの協力を得た。

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6 共用部分にも地震保険 集合住宅、負担抑えて加入 2016/8/3 日本経済新聞
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 災害などで損害を被ったときに補償を受けられる火災保険や地震保険。分譲マンションの各
住戸の「専有部分」に比べ、マンションの玄関ホールやエレベーターなど「共用部分」の関心
は低い。個人でなく管理組合が加入するためだ。負担が少なくて済む保険のポイントをまとめ
た。
 「火災保険料を大幅に減らせた」。東京・渋谷にあるマンションの管理組合の理事長を務め
る赤松信子さん(68)は1月に加入した共用部分の火災保険料を減らせたことを喜ぶ。年間の
保険料は約10万円。損害保険各社が昨年10月以降に火災保険を値上げしたこともあり、30万~7
0万円かかるとされていた事前の試算を大幅に下回った。

日新火災海上保険の「マンションドクター火災保険」は管理状況に応じて保険料を割り引く
 加入したのは日新火災海上保険が2015年7月に発売した「マンションドクター火災保険」。
他社の火災保険の保険料はマンションの広さや補償内容で決まり、古いほど高くなる。一方、
マンションドクターは一般社団法人日本マンション管理士会連合会(日管連、東京・千代田)
を窓口にして派遣されるマンション管理士が大規模修繕工事の実施状況や事故の履歴をもとに
実際の管理状況を診断し、結果に応じて保険料を割り引く。日新火災商品開発部の山村直弘課
長代理は「古いマンションが必ずしも事故発生の確率が高いとは限らない」と指摘する。
 赤松さんの住むマンションは築46年。ただ、事前にマンション管理士の助言をもとに給排水
管や外壁などの改修工事を済ませ、長期修繕計画や管理規約を整備していたことから管理状況
が最も高い評価で判定された。
 マンションの各住戸などの専有部分は通常、入居者が加入する火災保険が補償する。マンシ
ョンの共用部分の損害を補償するのは、管理組合が加入する火災保険だ。名称は火災保険だが
、落雷や爆発、風などの自然災害、外部から石など物が飛んできた際の破損・汚損など幅広い
損害を補償する。最近では「総合保険」などとも呼ばれる。

◇     ◇

 マンション管理組合はほとんどが火災保険に加入しているとみられる。課題は保険料の引き
上げだ。大手では三井住友海上火災保険とあいおいニッセイ同和損害保険、損害保険ジャパン
日本興亜が15年10月、東京海上日動火災保険が16年4月に保険料を引き上げた。値上げ幅は平
均2割程度が多い。
 値上げの主な原因は老朽化による給排水管からの漏水事故の増加だ。給排水管は改修に費用
や手間がかかり、メンテナンスが不十分な例が多い。
 一方、管理組合が保険料を多く支払うには居住者の負担を増やす必要があり、同意を得にく
い。保険料の負担を増やさずに加入し続ける方法としては、契約内容の見直しが効果的だ。
 例えば受け取れる保険金の限度額。木造戸建て住宅に倣って評価額の60%に設定している例
が多いが、マンションはコンクリート造りが主流で火災で全焼する可能性は低い。日管連の瀬
下義浩副会長は「30%程度で十分なこともある」と指摘。また、契約時に設定する自己負担額
である「免責金額」の引き上げで保険料が下がる例もある。

◇     ◇

 火災保険は幅広い損害に対応できるが、地震による損害は補償の対象外。地震への備えとな
るのが地震保険への加入だ。火災保険とセットで加入できる。損害状況によって地震保険金の
5、50、100%を受け取れる。
ただし、マンション管理組合の地震保険への加入はまだ一般的ではない。一般社団法人日本
損害保険協会(東京・千代田)の調べによると、火災保険の契約件数に対する地震保険の付帯
件数の割合を示す「地震保険付帯率」は、マンション共用部分が13年度で37.4%と、戸建て・
マンションの専有部分(75.3%)を大きく下回る。
 戸建て住宅よりも構造的に地震に強いと見なされているうえ、新築時の規約で地震保険が付
帯されていないことも多く、追加負担に抵抗感がある。ただ、三井住友海上火災個人火災保険
チームの藤田勇人主任は「東日本大震災の際、宮城県内のマンションで地震保険に加入してい
たケースの約9割は保険金を受け取っている」と指摘。築年数に関係なくほとんどが損害を受
けたことになる。
 共用部分の地震保険加入を促すため、国土交通省は今年3月に管理組合の運営の基本指針の
ひな型である「マンション標準管理規約」を改正し、加入が想定される保険に地震保険を追加
した。南海トラフ地震や首都圏直下型などの大規模地震の発生が予測されるなか、災害で損害
を被ると管理組合の会計を圧迫しかねないだけに、加入を検討する余地はあるだろう。

◇     ◇

■保険料は上昇傾向
 地震保険料も上昇している。2017年1月に全国平均で5.1%引き上げられる。契約期間は最長
5年なので、引き上げ前に長期契約する手もある。ただし、建物の構造などでは値下げする場
合もある。代理店などと相談して決めるといい。

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7 2020年東京五輪選手村の宿泊施設 三井不レジなど11社が建設 大会後、分譲マンション
に 2016/8/10 朝日新聞
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 東京都はこのほど、東京2020五輪・パラリンピック競技大会の選手村となる晴海五丁目西地
区第一種市街地再開発事業(中央区)の建築者予定者を、三井不動産レジデンシャルを代表会社
とする11社で構成するグループに決めた。再開発事業施行者である都に代わって、大会時に選
手用の宿泊施設として一時使用し、大会終了後に住宅となる建物を建築する民間事業者(特定建
築者)を募集していた。応募したのはこの1グループのみだった。
 事業者グループは三井不レジのほか、エヌ・ティ・ティ都市開発、新日鉄興和不動産、住友
商事、住友不動産、大和ハウス工業、東急不動産、東京建物、野村不動産、三井不動産、三菱
地所レジデンスの10社。

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8 管理協が国交省に税制改正要望提出 2016/8/10 朝日新聞
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 マンション管理業協会はこのほど、2017年度税制改正要望を石井啓一国土交通大臣宛てに提
出した。
 要望事項は、大規模修繕工事にかかる消費税の軽減税率の適用、またはこれに相応する措置

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9 特区民泊の最低宿泊 日数、短縮に向け検討 2016/8/10 朝日新聞
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 内閣府は、国家戦略特区における旅館業法の特例(特区民泊)について、最低宿泊日数の短縮
に向けた検討を始めた。現時点では「2泊以上」を念頭に置いている。

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10 7月中古マンション成約件数、3カ月ぶりに増加 東日本レインズ 2016/8/10 朝日新

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 東日本不動産流通機構(東日本レインズ)は8月10日、7月の首都圏流通動向をまとめた。首都
圏の中古マンションの成約件数は3190件で、前年同月比はプラス13.6%となり3カ月ぶりに増加
した。中古戸建ての成約件数は、1205件で同プラス20.1%。9カ月ぶりに前年同月を下回った前
月から、再び増加となった。

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11 リフォーム事業者のHP作成を支援、ベターライフリフォーム協 2016/8/10 朝日新聞
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 ベターライフリフォーム協会(東京都千代田区、神?茂治会長)はこのほど、国土交通省の平成
28年度「住宅ストック維持・向上促進事業のうちリフォームの担い手支援事業を行うものに対
する補助事業」に採択された(7月1日付)ことを受け、先着90社限定でリフォーム事業者のホー
ムページ作成を支援することを決めた。同事業を活用して同協会に入会を希望するリフォーム
事業者や、ホームページを作成していない既存会員が対象。

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12 「住まい選びの新基準」 コスモスイニシアが刊行 2016/8/9 朝日新聞
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 コスモスイニシアはこのほど、住宅選びにに際して「新たな評価基準」を提示した書籍「住
まい選びの新基準」を刊行した。
 広さや部屋数といった数値化できる要素ではなく、「自分らしいライフスタイルの実現」と
いった視点での住宅選びの指南書。2002年度以来14年連続で住宅分野のグッドデザイン賞を受
賞している同社が、様々な住まい方の可能性を追求している。
 A4版96ページ、定価1200円(税別)。幻冬舎メディアコンサルティング刊。

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13 インスペクション専門会社を設立 JHSと東急リバ 2016/8/9 朝日新聞
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 LIXILグループのジャパンホームシールド(JHS)と東急リバブルはこのほど、共同出資により
、東急リバブルの売買仲介サービスにおいて建物検査・住宅設備検査を専門に行う新会社「フ
ァーストインスペクションサービス株式会社」を設立した。出資比率はJHSが66.5%で東急リバ
ブルが33.5%。
 ファーストインスペクションサービス社は2016年10月から業務を行う予定。

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14 無人月極め駐輪場を全国展開 三井のリパーク 2016/8/9 朝日新聞
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 三井不動産リアルティはこのほど、「三井のリパーク」ブランドで展開している駐輪場事業
で、機械式の無人IC定期券販売機を備えた駐輪場を開発したと発表した。全国展開を図る考え

 開発したのは、ICカード定期券の発行、更新から入出庫管理まで無人で運営できるゲート式
の駐輪場システム。低コストでの機器設置、無人での低コスト運営が可能になったという。シ
ステムはマースウインテックと共同で開発した。
 第1号事業地として、横浜市のJR中山駅前駐輪場に導入。3日間で月極め部分が満車となった
という。同社の駐輪場事業は全国で5万2000台以上展開している。

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15 ラサールと地所、大阪で大型物流施設を開発 2016/8/8 朝日新聞
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 ラサール不動産投資顧問と三菱地所はこのほど、大阪府大阪市にマルチテナント型物流施設
「ロジポート大阪大正」を共同開発すると発表した。2018年1月に竣工する。建物規模は延べ床
面積12万2000平方メートルの地上4階建て。両社の共同開発は、「ロジポート相模原」(2013年8
月竣工)、「ロジポート橋本」(2015年1月竣工)に続く第3弾となる。

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16 「家本」を発行 インスペなど掲載 全宅連 2016/8/8 朝日新聞
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 全国宅地建物取引業協会連合会と全国宅地建物取引業保証協会はこのほど、住まいのガイド
ブック「家本(いえほん)」を発行した。
 改正宅地建物取引業法にインスペクションに関する規定が盛りこまれたことを受け、以前発
刊していた「住まいの購入ガイド」と「住まいの売却ガイド」を改訂して新たに刊行したもの
。本編「家本(買うとき・売るとき編)」、別冊「家本(インスペクション・瑕疵保険編)」の2冊
セットで150円。
 注文は全宅連ホームページ(http://www.zentaku.or.jp/)まで。

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17 買取再販に住宅融資保険 中小事業者の借り入れ円滑化 住宅金融機構 2016/8/8
朝日新聞
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 住宅金融支援機構は今年度から、住宅融資保険の取り扱い商品の一つとして「買取再販特定
ローン保険」の提供を始めている。中古住宅を買い取り、リフォームした上で売却する事業を
手掛ける住宅事業者向けのローンについて保険引受する。適正な市場価値のある担保を有する
ことが条件。保険料率は0.28%。中小事業者が、買取再販に取り組みやすい環境を整備するのが
狙い。

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18 内見したら映画館だった?! 秋田の「映画館付きの家」に行ってきた 2016/8/10 読
売新聞
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今年5月、「物件を借りたら映画館だった」というネットニュースが話題になっていた。物件が
映画館? では、部屋はどうなっているの? 家賃は? 間取りは? と気になることばかり。
ということで、さっそく現地に行き、気になる「住み心地」や「満足度」について、話を聞い
てきた。
映画館では、子ども2人と夫妻、映写技師の5人が暮らす
「閉鎖になった映画館をサラリーマンが引越してきて、再開した」。そんな、映画を地で行く
ような話の舞台となったのは、秋田県北部の大館市。青森県にも隣接する人口7万人超の小さな
まちだ。
2014年に再開されたのは「御成座(おなりざ)」。東北地方では独立した建物としては、唯一
の名画座だ。ちなみに筆者が訪れた日は、再開2周年&大館にちなんだ作品ということで、『ハ
チ公物語』を上映していた。そう、渋谷にもいる忠犬ハチ公は、大館出身なのだ。
「あー泣いたよー」と目をこすりながら、登場したのはこの映画館の支配人・切替(きりかえ)
義典さん。現在、妻と子ども2人、映写技師さんとともに、この映画館に暮らしている。ただ、
切替さんはもともと千葉出身、現在も千葉県に一戸建て(しかも新築で購入!)を所有してい
るという。
「千葉の家は、まだ築3?4年だし、住宅ローンもたっぷり残っているよ。だから必死で働かない
と」と笑う。現在は切替さんの母親が住んでいるという。切替さん自身は出張が多いため、こ
の秋田の映画館兼住まいは、妻と子ども、映写技師さんが長い時間を過ごすそう。
2012年ごろから秋田県での仕事が増えたため、自分とスタッフが寝泊まりする場所と事務所を
兼用した建物を探すところからスタートした。あくまでも、会社員の仕事の一部として探した
のがはじまりだ。
「このあたりは空き家も多いんですが、駐車場が付いて建物が使えて、寝泊まりできるとなる
と、ピンとくる物件もなくて。ただ、何度かこの建物の前を通り過ぎたことがあり、気になっ
てなかを内見させてもらいました」
第一印象は、ひと言でいうなら最悪に近く、「とにかく怖かった」と話す。それもそのはず、9
年間も空き家でろくに手入れもされておらず、外観からは映画館とは想像もつかなかった。ガ
ラスは割れたままで、扉代わりに板を打ち付けていて、電気もつかないので真っ暗。懐中電灯
をかざしながらの見学となった。
「でも、どうやら普通の家じゃなさそうだったので、気になって不動産の担当者に聞いたんで
す。そしたら“ああ、前は映画館だったんだよ”って返事が返ってきて。先に教えてくれよと
思うんですが、そこで初めて映画館だと知ったんです(笑)」
建物はすべてセルフリノベ。DIYで塗って、張ってを繰り返す!
第一印象こそ最悪だったものの、もともと大の映画好きということもあり「ここで映画を見た
い」と、その気になりはじめた切替さん。部下3人にも見てもらったが、「ココはちょっと……
」という反応だったとか。それでも「スクリーンで思い切り映画を見てみたい」「でも怖い」
と葛藤が続き、思い切って不動産会社に家賃を聞いたそう。
「そしたら、『えっ、借りるんですか?』って驚かれてね。じゃあ、5万円でいいよという話に
まとまりました」。正式契約となったのは2013年8月。また、のちに映画館部分とは別に、住居
部分を借りることにもなり、現在、家賃は合計7万5000円を支払っているという。
入居が決まってからは、セルフリノベの日々。DIYの手ほどきも知識もまったくなかったが、ま
ずは電気がつくようにし、ペンキを塗り、畳を捨ててフローリングに張り替え……。リノベー
ションにあたってプロに依頼することはなかったという。
「今にして思えばですけど」と前置きしながら、「仕事柄、作業用のライトバンに乗っている
んですが、夕方になると、その車で乗りつけてきて、建物内部をペンキで手入れしている男が
いる。周囲から見たら、どう見ても映画館を復活させるようにしか見えないですよね」と振り
返る。そう、切替さんが建物をリノベーションしている姿をみて、周囲の人は「どうやら映画
館が再開するらしい」とウワサしていたのだった。
「その都度、『いえいえ、住むところを掃除しているんですよ、でもたまに映写会できたらい
いですね』って話していたんですけど、でも、問い合わせに来る人が1人、2人じゃないんです
。ほぼ毎日、何かしら聞かれるんです。すると、頭のどこかで『再開するにはどうしたらいい
んだろう』って考えるわけですよ」
課題を一つひとつクリア。そして念願の映画館再開へ!
ただ、映画館の再開に向けては課題も多く、特に(1)建物の耐震性、(2)消防法をクリアで
きるか、(3)映写機と映写技師をどうするかということという壁にぶち当たった。まったく門
外漢・なおかつサラリーマンの切替さんには、コネクションも予算もなかった。
「ひとまず、県庁に問い合わせて、建物の耐震性について聞きました。そこでは図面も残って
いて、『大丈夫でしょう、どうぞ再開してください』と言われてね。正直、一番費用面でネッ
クになると思っていたのが、この耐震性だったので、拍子抜けしました」
次いで、映写機と映写技師の問題。まずは映写技師を人づてに頼って、なんと御年90歳超、か
つての映写技師さんに、映写機を使って試写をしてもらった。「はじめは1時間の予定だったん
ですけど、気付けば6時間が経過していてね。スクリーンに映った姿を見たら、本当に感動した
なあ」と切替さん。映写技師さんはその後、何人か入れ替わり、現在の男性スタッフに行き着
いた。
最後に残るハードルとなったのが、消防法を順守すること。スプリンクラーや火災報知機、排
煙設備なども当初はDIYしようと考えたのだが、施工に資格が必要とあって、プロに依頼。なん
と300万円の出費となってしまった。そう、気付けば完全に、「映画館を再開する」方向で話が
進んでいたのだ。その間、切替さんはこの社宅兼オフィス兼映画館で寝泊まりを続け、社員や
周囲の人も巻き込みながら、2014年7月、約1年で映画館はなんとか再開にこぎつけた。
そしてほぼ同時期、気が付けばほとんどの時間を秋田で過ごしていた切替さん、家族でいっし
ょにこの家で暮らしたいと考え、2人の子どもと妻を千葉から呼びよせた。子どもは転校にする
こととなり、うさぎの「てっぴー」もいっしょにやってきた。では、現在の家の住み心地はど
うだろうか。
「悪いです(笑)。隙間風もあるし、お風呂もないので、近所の温泉通っていますし、家族も
大変だと思います。新築の家と比べたら、住み心地は比べものになりません」という。ちなみ
に、妻にも聞いたところ、「まわりから見れば完全に美談ですよね、実情は大変なんですよ」
と苦笑いをしている。確かに出張の多い切替さんに代わり、実質、映画館を切り盛りする妻は
、特に大変そうだ。
「それでも、普通に暮らしていたらできない体験や出会いがたくさんある。本当に貴重な日々
、思い出をもらっています」(切替さん)という。振り返れば映画さながらのような2年間。今
後、これからどんな出来事が起きるのか、もしかしたら切替さん自身がいちばん楽しみにして
いるのかもしれない。

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19 街開きイベントの企画を入居者が? コミュニティ形成は入居前から! 2016/8/8 読
売新聞
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浴衣姿の住民女性の司会のもと、阿波踊りが披露されマンション住民や子どもたちも楽しそう
に踊りに参加する。マンションに店舗を構える飲食テナントによる模擬店では生ビールやソー
セージ、イカの姿焼きなどが供され、ボールすくいやわなげ、的当てなど子ども向けの縁日の
出し物は住民有志で運営されている。住民たちが大人も子どもも和気あいあいと楽しんでいる?
??。これは、2016年7月16日(土)、武蔵浦和SKY&GARDEN(スカイアンドガーデン)の中庭「オ
アシスコート」での街開きイベント「Hello!! 776 空庭祭(そらにわさい)」の様子だ。
入居前から“まちづくりサポーター”を募集、多世代共生型の街づくりを目指す
武蔵浦和SKY&GARDEN(埼玉県さいたま市南区)は埼京線と武蔵野線が交差するターミナル駅・J
R武蔵浦和駅から徒歩3分。再開発によって生まれた776戸の大規模マンションだ。2016年3月に
竣工・引き渡しされ、3?4月から順次入居が進んでいる。
住民への引き渡しから約4カ月。マンションの街開きイベントは、入居から間もない住民らも企
画・運営に関わり開催されたのだという。武蔵浦和SKY&GARDENの開発を行った新日鉄興和不動
産(株)住宅事業本部都市創造部の宇津木雄一さんは「入居前から当時は契約者である入居予
定者に“まちづくりサポーター”を募集します、と呼びかけ、住民らによる自発的なコミュニ
ティ形成を考えました」と話す。
というのも武蔵浦和和SKY&GARDENは、首都圏初の「一般ファミリー向け」と「アクティブシニ
ア向け」分譲マンションを一体的に設置した大規模複合再開発で、さいたま市の街づくり構想
の理想を実現する為にコンセプトとして「多世代共生型の街づくり」を掲げる。多世代で暮ら
すことで、シニアの見守り、子育て世代の支援、災害時の助け合い、世代を超えた学び等が実
現されることを期待する。
住宅の内訳は、ファミリー用の住宅が536戸(B・C・D棟)、シニア向け住宅が160戸(グランコ
スモ武蔵浦和・E棟)、SOHO住戸が80戸(A棟)という構成だ。住宅のほかにも業務棟には地元
の高田製薬のほか、認可保育園やレストラン・カフェ、クリニックなど商業生活サービス機能
も有する複合開発だ。
「空庭祭」のネーミングは住民主導での打ち合わせで決定
宇津木さんは、大学時代に都市計画を専攻し住民参加によるまちづくりについて学んだことが
あり、自らの仕事に活かす機会をうかがっていたという。
「私たちデベロッパーは、お客様にマンションを引き渡すと手を離れてしまい、そこで仕事と
しては終わってしまいます。住民のみなさんは、そこから見ず知らずの住民同士で、新しい暮
らしがはじまります。この物件のコンセプトである“多世代共生型の街づくり”を実現してい
くうえで、デベロッパーができることとして、住み始める前から住民のみなさんへまちへのか
かわりを促し、住み始めてからも住民自らの手でより積極的にまちづくりに参加してもらえる
よう考えました」と打ち明ける。
そこで、宇津木さんは分譲マンションのコミュニティ支援を行う会社・フォーシーカンパニー
の協力を得ながら、入居より約1年前の2015年4月、契約者向けにサポーター募集の案内を送っ
た。5月の似顔絵講座をはじめに、8月には写真塾、9月には建設地仮囲いを利用した街づくりプ
レアートイベントを有志サポーターの参加を得て行った。
11月には第1回街開きパーティー企画会議を実施し、入居後も住民主導での打ち合わせを複数回
重ねながら今回の「 空庭祭」の開催に至っている。「空庭祭」のネーミングも物件名である「
武蔵浦和SKY&GARDEN」を住民の意見で和名にしたものだ。さらに、マンション住民だけでなく
、この街の一員である高田製薬、半田屋、エスプレスカフェ、あおば保育園、日鉄コミュニテ
ィ、コスモスライフサポート、近隣のロッテにも街づくりのスタートに協力をしてもらった。

入居前から友人・知人をつくりやすい、新生活への不安が払しょく
■マンション内で国際交流のサークルを立ち上げたい
共に60歳代で一般ファミリー向けのタワー棟に入居する石原晴次さん、みわ子さんご夫妻は、
隣接する川口市からの転居だ。
「まちづくりサポーター」の案内を知って、すぐに参加してみようと考えたという。晴次さん
は「定年退職して、第二の人生は仕事も好きなことをやっていこうと、前職での海外経験を活
かして外国人に日本語を教える仕事をはじめました。駅から歩いて20分ほどの一戸建て住宅で
は何かと不便だったので駅から近いことが第一条件。それから住民の多い大規模マンションが
第二条件。買い物に便利で共用施設も充実している、友人も得やすいと考えました。ここは、
その要望にピッタリでした」と話す。
また「まちづくりサポーターの呼びかけに参加する人たちは、友人・知人を得たい同じ思いの
人たちだろうと入居前でも積極的にかかわろうと思いました」と言う。妻のみわ子さんは「こ
れからマンション内に国際交流のサークルを立ち上げ、活動をはじめます」と笑う。

■同じ小学校のお母さん方と入居前から知り合いに
草加市から移り住んだ40歳代のHさんは、「息子が小学校2年生になるタイミングでもあり、こ
ちらの小学校にお子さんを通わせるお母さん方と入居前から知り合えたことは心強かった。ま
た、ここの街の性格上、子育てを終えた上の世代の住民の方とお付き合いができることも良か
った」と、入居前からの住民交流を好意的に受け止めている。

■小学生のお子さんの企画が夏祭りで実施できた!
地元、近隣から転居してきた30歳代のMさんは、以前の住まいでも自治会活動に参加していたと
いう。「まちづくりサポーターは、住まいが近かったこともあり、魅力も感じて参加しました
」という。「街開きのイベントには、小学校4年生になる娘も企画段階から参加しました。子ど
もたちから“的当て”をやりたい、という要望が出たところ、その道具を準備してもらい、私
も運営にかかわりました。娘も思いが実現して喜んでいます」と話す。

■シニア棟に入居しつつ、若い世代とも交流できる点が魅力
この日の「空庭祭」の司会を務めたのは、長谷川悦子さん(63歳)だ。夫と二人、シニア向け
のグランコスモ武蔵浦和に移り住んできたという。
「私も、ほかの方々と同じく、まちづくりサポーター募集の呼びかけに応じて参加しました。
ここを選んだのも、シニアだけでなく若い世代とも交流できることを評価したからです。入居
前の昨年11月、はじめて参加した集まりは30人ほどで、シニアからの参加は2?3人だけでした」
と話す。
ただ、入居後5月のミーティングには、シニアや子どもたちも含め50名ほど、多様な住民の参加
があったという。長谷川さんは「街開きのイベントが、こんなに住民主体で行われるとは正直
思っていませんでした。司会はどうしよう……ということになって、仕事でイベント司会をや
った経験もあり、成り行きで私が引き受けることになってしまいました」と笑う。「みんなの
今日のユニフォームも、ブルゾンにするかハッピにするか、私たちがみんなで選んだんですよ
」と話す。
「空庭祭」は、広場でのイベントのほかにも、コミュニティハウス棟のジムやマルチスタジオ
、ダンススタジオ、クラフトルーム、ライブラリーなど多数あるマンション共用施設を巡るス
タンプラリーを行った。入居間もない住民に共用施設に親しんでもらいたいと、「まちづくり
ミーティング」に参加した住民サポーターたちが提案した。

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20 「中野駅」周辺が大改革。サブカルの聖地はどこに向かうのか 2016/8/8 読売新聞
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中野といえばブロードウェイのイメージが抜けないかもしれないが、駅前では再開発が進み、
少し前とはずいぶん様子が変わっている。サブカルの聖地はどこを目指してひた進んでいるの
か、区役所の担当者に聞いてみた。
中野駅北口の大規模再開発で昼間人口が2万人増えた
中野駅周辺では駅北側の中野四丁目地区で大規模な再開発が進み、芝生が広がる中野四季の森
公園を囲むようにオフィスや大学、住宅などが4年ほど前に整備された。公園に面して飲食店や
ランチカーが並び、休日・平日を問わずオフィスワーカーや学生、親子連れなどでにぎわって
いる。
「就業者や学生などで2万人ほど昼間の人口が増えました。外資系企業に勤める外国人や留学生
なども多いので、グローバルな雰囲気です。なにより、以前に比べて家族連れの姿を多く見か
けるようになったと思います」と話すのは、都市政策推進室副参事で中野駅周辺計画担当の石
井大輔さんだ。
サンプラザは1万人収容の大アリーナに変貌
なるほど、サブカルの街はグローバルな老若男女が集うさわやかな街に変身しつつあるのかも
しれない。ところでこの中野四丁目地区の一角には、築50年近い区役所と、かの中野サンプラ
ザがどっしりと構えている。ここの風景だけは昔と変わらないようだが、じつはこの2つも建て
替え計画が進んでいるのだ。
「新しい庁舎は2021年度に完成する予定で、四季の森公園に隣接する場所に移転します。その
後に現庁舎とサンプラザを解体し、その敷地と中野駅の新北口駅前広場を一体で新たな施設を
整備する構想です」(石井さん)
この新しい施設には1万人規模のアリーナがつくられるという。サンプラザのホールの実に5倍
近い規模だ。このアリーナはコンサートのほかにスポーツイベントなど多目的に使われるよう
で、中野に新たなコンテンツと幅広い集客を呼ぶのではなかろうか。
さらに新施設には高層棟もあり、オフィスやホテル、住宅も整備される。このほど野村不動産
を代表とする企業グループが事業協力者に選定された。完成は2025年度の予定だ。
タワーマンションやオフィスビルも続々登場
中野駅周辺の街づくり計画はこれだけではない。中野四丁目地区とJRの線路に挟まれた囲町地
区でも再開発事業が都市計画決定されており、タワーマンション2棟やオフィス、店舗がつくら
れる。
駅の南口地区では、都の公社住宅の建て替えとあわせて、周辺の再開発でオフィスとタワーマ
ンションを建てる計画も進んでいる。今はやや手狭な南口の駅前広場も拡張されるという。ま
た、駅の南西側の中野三丁目地区では土地区画整理事業も進められている。
「最近では南口の中野通りを挟んだレンガ坂の周辺には、新しい飲食店などが増えており、多
くの人でにぎわってきています。これらの再開発でさらに人の流れが変わるでしょう」(石井
さん)
築50年のブロードウェイは!?
さらに中野駅では線路の上に南北自由通路と新たな改札が整備される計画や駅ビル構想もあり
、完成すれば駅の利便性はぐっと高まるだろう。
こうしてみると、これから10年前後の間に中野駅周辺は様変わりしそうな勢いだ。サブカルの
聖地などと呼ばれたのも昔の話に……だが、待てよ、聖地の総本山ともいえるブロードウェイ
はどうなるのか。
今年50周年となるブロードウェイに行ってみたが、平日でも多くの人でにぎわい、外国人の姿
も少なくない。芸術家・村上隆氏プロデュースのギャラリーやカフェもあり、発信力は衰える
どころか、ますますパワーアップしている。周辺の飲食店街も相変わらず個性的な店が目につ
く。経年が気になるところであるが、上層階が分譲マンションということもあり、建て替えな
どの合意を得るのはかなり難しそうだ。
どうやら中野駅周辺がいくら近代的な街に生まれ変わっても、ブロードウェイ近辺はほとんど
手付かずの状態が続きそうなのだ。東京の、いや全国のサブカル信者たちよ、ご安心召され。

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21 「恵比寿」まで30分以内・家賃相場が安い駅ランキング 2016/8/5 読売新聞
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先日発表したSUUMO「2016年版 みんなが選んだ住みたい街ランキング 関東版」で、1位に輝い
たのは東京都渋谷区の恵比寿駅。以前からおしゃれな街として知られていたものの、1位になっ
たのは2010年の調査開始から初めてのこと。しかし「住みたい街」に選ばれたとはいえ、都心
部の家賃を考えると気軽に恵比寿に住むのは難しそう。そこで今回は、そんな注目の街・恵比
寿から、30分以内で行けるエリアの家賃相場が安い駅トップ15を紹介しよう。●恵比寿駅まで3
0分以内の家賃相場が安い駅TOP15
順位/駅名/家賃相場(沿線/所在地/恵比寿駅までの所要時間/乗り換え回数)
1位 妙蓮寺 6.03万円(東急東横線/神奈川県横浜市港北区/約30分/2回)
2位 日吉本町 6.76万円(横浜市営地下鉄グリーンライン/神奈川県横浜市港北区/約29分/
2回)
3位 梶が谷 6.84万円(東急田園都市線/神奈川県川崎市高津区/約25分/3回)
4位 菊名 6.87万円(JR横浜線、東急東横線/神奈川県横浜市港北区/約26分/1回)
5位 大倉山 6.90万円(東急東横線/神奈川県横浜市港北区/約27分/2回)
6位 溝の口 6.92万円(東急田園都市線/神奈川県川崎市高津区/約21分/2回)
7位 日吉 7.03万円(横浜市営地下鉄グリーンライン、東急東横線/神奈川県横浜市港北区/
約20分/1回)
8位 武蔵新城 7.05万円(JR南武線/神奈川県川崎市中原区/約26分/2回)
9位 鹿島田 7.07万円(JR南武線/神奈川県川崎市幸区/約25分/1回)
10位 浜田山 7.10万円(京王井の頭線/東京都杉並区/約28分/1回)
11位 二子新地 7.16万円(東急田園都市線/神奈川県川崎市高津区/約23分/3回)
12位 千川 7.18万円(東京メトロ有楽町線/東京都豊島区/約22分/1回)
13位 鶴見 7.19万円(JR京浜東北線、JR鶴見線/神奈川県横浜市鶴見区/約30分/2回)
14位 小竹向原 7.23万円(西武有楽町線、東京メトロ副都心線・有楽町線/東京都練馬区/
約25分/1回)
15位 平間 7.26万円(JR南武線/神奈川県川崎市中原区/約25分/2回)
横浜市へと向かう東急東横線から4駅がランクイン
最も家賃相場が安かったのは東急東横線・妙蓮寺駅。駅東口を出ると駅名にもなった妙蓮寺が
立つほか、周辺には市立小学校や、夏場の市民の憩いの場となるプールを備えた「菊名池公園
」も。駅前の商店街を抜けると一帯には静かな住宅街が広がっており、のんびり暮らすにはよ
さそうな街だ。
この1位・妙蓮寺駅を含め、東急東横線はトップ15に4駅が入っている。恵比寿駅から東京メト
ロ日比谷線で1駅の中目黒駅から乗り換える東急東横線は横浜市へと伸びており、都内よりもリ
ーズナブルな家賃の物件が沿線に多いためだろう。
東急東横線4駅のなかでもう一つ注目の駅を挙げるなら、恵比寿駅からの所要時間がトップ15中
で最も短い約20分という7位・日吉駅。日吉駅~JR東海道貨物線 横浜羽沢駅付近間では、「相
鉄・東急直通線」の開業が2019年4月に予定されている。ますます便利になる今後は、家賃相
場も上がるかもしれない。
安く住みたいなら恵比寿の南西方面が狙い目。ちなみに乗り換えなしの駅なら…?
駅の立地に目を向けてみると、恵比寿駅から南西方面に位置する横浜市・川崎市の駅が6駅ずつ
ランクイン。先ほど取り上げた東急東横線のほか、東急田園都市線とJR南武線の駅が数多い。
そのうち川崎市に位置する9位・鹿島田駅はJR南武線の快速停車駅。さらに駅から西へ300mほ
ど歩くとJR横須賀線・新川崎駅があり、周辺住民は行き先に応じて2駅から選択できる点が魅力
だろう。この2駅の間には2015年3月にショッピングビル「新川崎スクエア」が開業し、その隣
接地には47階建高層マンション「パークタワー新川崎」も今年10月の完成を目指して工事中。
進化の途上にあり、これから人気の高まりが予想される。
トップ15には都内の駅も3駅のみながらランクインした。10位・浜田山駅は杉並区に位置する京
王井の頭線の駅。渋谷駅までは約20分という都心でありながら、大きな一戸建てが点在する落
ち着いた街並みだ。駅の南北には個人商店やスーパーがひしめく商店街があり、駅から7分ほど
歩くと広大な森と芝生広場を備えた「区立柏の宮公園」にたどりつく。
さて、調査の基点にした恵比寿駅は、山手線をはじめとするJR各線と東京メトロ日比谷線の停
車駅。山手線も日比谷線も主に都心部を走る路線のため、「30分以内で行ける家賃が安い駅」
を探したところ、ランクインしたのは乗り換えが必要な駅ばかりという顔ぶれになった。
ちなみに恵比寿駅から30分以内かつ乗り換えなしという条件で探すと、JR埼京線の駅が浮上し
てくる。そのうち最も家賃相場が安かったのは、JR埼京線の通勤快速で約18分、東京都北区に
ある十条駅。家賃相場は7万3200円で、今回のランキング条件では18位だった。1位・妙蓮寺駅
と比べると家賃相場が1万2900円高くなる半面、“18分・乗り換えなし”というアクセスの良さ
に魅力を感じる人もいるだろう。所要時間や家賃相場といった条件に加えて、どんなタイプの
街が好きかなど、自分なりの優先順位をつけながら、住まい探しをするのがいいだろう。

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22 耐震性は大丈夫!? 「瓦屋根」の魅力と注意点とは 2016/8/5 読売新聞
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2度の震度7に見舞われた熊本地震では住宅の倒壊が目立ちました。全壊した瓦屋根の家の映像
などによって、「瓦は重いから地震に弱い」という印象をより強くした方は少なくないかもし
れません。でも本当にそうなのでしょうか? 瓦屋根の家に住む人、新築やリフォームを考えて
いる人にとって気になる耐震性。この機に改めて瓦屋根の利点や注意点について知っておきま
しょう。
主犯は瓦屋根ではない! 倒壊の主な原因は構造躯体と地盤の弱さ
「瓦は重いから他の屋根材に比べて耐震性が低い」といった風評がよく聞かれますが、本当に
屋根材の違いによって家の耐震性に差が生じるのでしょうか? 屋根と耐震性について、一般財
団法人全国工務店協会(JBN)の政策調査委員で、坂下工務店社長でもある坂下託一さんに伺い
ました。
「屋根の重さによって家の耐震性が変わることは確かです。家の構造が同じ場合、屋根が軽け
れば軽いほど建物の揺れは小さくなります。しかし、『瓦屋根だから倒壊する・軽い屋根だか
ら倒壊しない』ということではありません。問題は建物の構造なのです。先日、熊本地震の状
況を視察しましたが、倒壊している家のほとんどは構造が脆弱な家や地盤の弱い土地に建って
いた家ばかり。地震に弱い原因は屋根だけにあるのではないのです」(坂下さん)
「脆弱な構造とは、[壁の量が少ない][梁が太くない][基礎が堅固でない][開口部の位
置やバランスに偏りがある]ということ。こうした構造では、いくら屋根が軽くても揺れが大
きくなります」(坂下さん)
また、屋根も含めて建物全体が強固に一体化しているかどうかも耐震性に影響します。
1981年6月に改正された建築基準法では、屋根の重さを考慮した構造計算が義務づけられており
、屋根重量に応じた壁量、柱・梁の太さ、強固な基礎等が確保されます。そのため、瓦屋根の
家が軽い屋根の家に比べて、耐震性が劣るということはありません。
また、全日本瓦工事業連盟が1999年に定めた「ガイドライン工法」によって葺かれた瓦屋根の
場合、従来の瓦屋根に比べて瓦を強固に接続するので、耐震性や耐風性が飛躍的に高まってい
ます。
しかし、改正前の建築基準法は現行法に比べて耐震基準が弱く、その基準に沿って建てられた
家は細い柱や梁を使ったり筋交いが少なかったりと、耐震強度に問題がある家が多いのも事実
です。
一方、本来の日本家屋は瓦の重さに耐えられるよう太い柱や梁を使って建てられていたため、
築35年以上の古い家でも耐震性に問題のない家も多く存在します。
弱い構造の家は、構造の耐震補強や屋根材の葺き替え、減築等の工事が必要な場合もあるので
、心配な人は耐震リフォーム、屋根リフォームを行っている工務店・建築会社・屋根職人に相
談してみると良いでしょう。
耐震診断や耐震リフォームは思った以上に費用が掛かりますが、自治体からの補助金も受けら
れます。地震大国の日本で暮らすのだから、安心費用として前向きに考えたいものです。
屋根材はライフサイクルコストで選ぶのがお勧め
そもそも屋根材には瓦を含めてどんな物があるのか、それぞれの特徴は何かを確認しましょう

主な屋根材は下図の通り、[瓦][セメント瓦][化粧スレート][ガルバリウム鋼鈑]の4タ
イプあり、耐久性の高さ、メンテナンスの頻度など、素材ごとに特徴が異なっています。
瓦の最大の特徴は耐久性の高さ。長年に渡って美しさを保ちます。他の屋根材が20?50年ほどで
葺き替えが必要になることを考えると、100年間もつ屋根というのは魅力です。
「初期コストはかかりますが、製造→維持管理→廃棄までトータルで考える『ライフサイクル
コスト』で見ると、瓦が一番のお勧めです」(坂下さん)
重量のある瓦屋根にする場合、軽量な屋根の家に比べて耐力壁(建物を支える壁)や通し柱の
確保等で、設計の自由度が若干減ったり、構造を強固にするために建築コストが若干増す等の
注意点もあります。
「ガルバリウム鋼鈑もメンテナンス性や軽量である点で魅力がある屋根材です。シャープでモ
ダンな住宅デザインに仕上げられるので、特に建築設計事務所等ではよく採用されています」
(坂下さん)
「あまりお勧めしていないのは化粧スレートです。製品にもよりますが、20年ほど放っておく
と割れやすくなるので、10年ほどで塗装、20?25年で葺き替えといった維持管理が欠かせません
。その都度、施工費や材料費の他、足場代だけで100万円ほど掛かってしまうこともあるので注
意が必要です。家を建ててから10年後というと教育費が一番掛かる時期と重なるお施主さんも
多く、メンテナンス費用が掛けられないという状況も多いですね」(坂下さん)
上記の他、[トタン](亜鉛をめっきした薄い鋼鈑屋根材)や[銅板]も住宅の屋根材として
見られます。
トタンは安価で軽量ですが、防錆・防音・断熱・耐久性が劣ります。庇など部分的に使われる
ことが多い銅板は、軽くて防錆・耐久性が高く、基本的にメンテナンスがほとんど不要ですが
、高額です。
今、選ぶなら[軽量防災瓦]と[自然石粒付鋼鈑]
屋根材は以前より性能が進化しているようですが、注目すべき新製品や新素材はあるのでしょ
うか。
「瓦屋根にするなら、[軽量防災瓦]がお勧めです」と坂下さん。
軽量防災瓦とは一般的な瓦の特徴を持ちつつ、重量を1割ほど軽量化し、瓦同士がかみ合う構
造によって、台風や暴風での浮き上がり、地震でのずれ、大雨での雨水侵入等を防ぐ屋根材で
す。価格は製品にもよりますが、瓦とほぼ同程度か若干高めです。
坂下さんの地元、三重県志摩市では台風の被害や塩害が多いことを考えて、全てのお施主さん
に防災瓦を勧めているそう。「海水、雨、湿気など水に強いのも瓦の魅力です」(坂下さん)
「また、ガルバリウム鋼鈑の表面を自然石粒でコーティングした[自然石粒付鋼鈑]もどんど
ん普及してきています」と坂下さん。
自然石粒付鋼鈑の良いところは、ガルバリウム鋼鈑のメリットはそのままに、遮熱性、防音性
、防錆性、防傷性を高めている点。価格は瓦と同程度でガルバリウム鋼鈑よりは高額になりま
す。
日本瓦や洋瓦の形をしたタイプもあり、デザインの自由度が高いのも特徴。日本家屋の伝統的
な屋根「入母屋」は複雑な形状で瓦の数が多く、重量のある屋根ですが、自然石粒付鋼鈑によ
って軽量に仕上げることも可能です。
屋根のメンテナンスやリフォームで家の寿命を延ばす
屋根のメンテナンスは家の耐久性や住み心地を保つ点で大切です。雨漏りしてから屋根の隙間
を防ぐのでは遅いからです。
「瓦は基本的にメンテナンスフリーではありますが、築年数の経っている家は、瓦の隙間を塞
いでいる漆喰が劣化したり、棟(屋根の一番高い部分)の瓦がずれていたりすることも多く、
定期的な点検が必要です」(坂下さん)
一番劣化が早い化粧スレートの屋根は、今後のメンテナンスを考えて、耐久性が高く軽量な屋
根材への葺き替えを検討しましょう。「元のスレート屋根に防水シートを敷き、その上に軽い
屋根材を葺く[カバー工法]を採用する人が多いですね」(坂下さん)
カバー工法は比較的低コストで工期も短いですが、重量が増すので、構造が脆弱な家は負担が
かかる可能性を工務店に考慮してもらう必要もあります。

おわりに
現在、新築住宅で最も多く使われている屋根材は化粧スレートだそうです。理由は、屋根や構
造躯体の建築コストが最も安く済むから。デザインの洋風化、簡素化が進み、重い屋根材は地
震に不向きという風評から、瓦を敬遠した結果ということもあるかもしれません。
しかし、化粧スレートはメンテナンスや葺き替え、廃棄まで含めたトータルコストでは結果的
に高くつく可能性が大きい屋根材です。
それに比べると瓦は結果的にトータルコストが安く済みます。懸念の耐震面でも建築基準法で
倒壊しない構造計算の元、建てられていることや、軽量防災瓦の使用、ガイドライン工法での
強固な屋根構造によって、古い家に比べて耐震性は格段に高まっています。
そもそも日本で瓦が普及してきたのは、[防火・類焼対策としての性能が高い][高温多湿に
合ったほどよい通気性や断熱性がある][台風や強風でも屋根が吹き飛びにくい重さがある]
といったように、日本の気候風土に合った性能を持ち合わせているから。また、デザイン的に
も日本の景色に似合う落ち着いた装いです。今改めて、日本の風土に適した瓦の魅力を感じる
人も増えているのではないでしょうか。
「屋根も家も、命を守る役目を担っているものです。地震や災害に強い家にすることを最優先
に考えたいですね」という坂下さんの言葉が印象的でした。

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23 無印良品でマンション・リノベ! 800万円で大満足のお宅拝見 2016/8/4 読売新聞
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前編「無印良品がはじめたマンション・リノベ!住宅購入の新しい選択肢」で、紹介した無印
良品のマンション・リノベーション事業。この後編では、実際に中古マンションを購入して「M
UJI INFILL 0」のリノベーションをしたお宅を訪問し、施主さんに直接お話を伺ってみること
にした。
30歳前半で超都心にマンション購入!? リノベなら実現
訪問したのは東京都新宿区。地下鉄2路線の駅から歩いてすぐ、都会のド真ん中にあるマンショ
ン。大通りから一本入っているので、意外と静かな住宅街になっている好立地。こんな場所に
なかなか新築マンションは建たないし、できても億ション級だなぁと思いながらタイル張りの
マンションに訪問。
築19年の管理が良さそうなマンション、その2階が今回リノベーションしたお宅。玄関を入ると
、カッコいい自転車が出迎えてくれた。
玄関を入って左手、真っすぐに段差無しで伸びた廊下がLDKに続く。
そして、リビングキッチンが開放的に広がる。天井設備があらわしのまま白を貴重にした、こ
れぞ“MUJIリノベ”らしい空間だ。
このお宅にお住まいなのは……こんな、若い女性でビックリ!? 今年3月から入居で、まだ4カ月
程度の新居だ。
どうしても、まず「このような都心マンション、どうやって資金調達したのですか?」と購入
経緯を聞きたくなってしまった。
「結婚後1年は賃貸住宅でしたが、夫の両親の勧めもあって購入を検討することになりました」
と、ご両親の資金援助があったことを教えてくれた。現在の特別な税制度で、子どもの住宅購
入資金に関する贈与税の非課税制度があるので、ご両親も相続対策等を考えられたのであろう

では何故、中古住宅+リノベーションという選択をしたのでしょう?
「夫の仕事上、都心エリアが前提なので、一戸建てだと狭い3階建てになって好きじゃなかった
。新築は宣伝とか経費がかかってそうなので(笑)中古マンションを探し、半年くらいで購入
決定しました」
Nさんの場合、先に物件を見つけてから、無印良品の有楽町リノベーションセンターに行ったそ
う。
「Webやメールで、リノベーションの情報を知ったので」。運営するMUJI HOUSEによると、既に
物件が決まっていて来場するケースが30%、未決定で提携不動産会社を紹介するケースが70%
ということだ。
「他のリフォーム会社にも提案依頼をしましたが、見た目のデザイン的なリフォームだけ。『M
UJI INFILL 0』」はフルスケルトンで一から整備する点に惹かれました」と、Nさんが選んだ理
由を語ってくれた。
今回の「MUJI INFILL 0」までのリノベーション費用は、約800万円(63m2)。デザインにもこ
だわったオプションなど、+αの費用をかけたNさんのお宅。詳細を拝見させていただこう。
回遊型の動線は「家事がしやすくて大満足!」
こちらのマンション、購入時は63m2の3LDK。リノベーション後は夫の仕事室以外をフルオープ
ンで回遊できる2LDKに。ウォークイン・クローゼットも、寝室からの動線上に配置され効率の
良い収納設計だ。
「キッチンをアイランド型にしたのが特に良かったです。夫婦2人で料理をする事もあるので、
手前からも出入りできるのが便利です」
現在は、キッチンカウンターに座って食事をするため、オプションでキッチンの奥行きを80cm
に広くしたそうだ。
「ガスコンロは主人のこだわりですが、食洗機をビルトインしたのも大正解でした」と、大満
足のNさん。動線の工夫は、キッチン→クローゼット→バス・洗面→洋室(寝室)→玄関へも回
遊できるようにデザインされている。
「その上、音も遮断してくれて静かなのです」と、断熱プラスαの効果を実感したNさん。
取材時にNさんも、「リビング用のスタッキング・シェルフ(収納棚)を発注したところなんで
す。ソファやデスクは以前使っていたもので、ちょっと合わないかなと思いつつ。徐々に買い
替えて行ければと」
自分たちのペースで、自分たちらしく住まいを編集してゆく。「MUJI INFILL +(プラス) 」進
行中の、Nさんを拝見し……家と共に成長していくような30代Nさん家族の将来が、羨ましく思
えた50代筆者でした。

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24 河川の水位や設備稼働 遠隔計測、最大160点に 2016/8/9 日経産業新聞
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 無線システムなどの西菱電機は今月、河川の水位などをみる遠隔監視装置(テレメーター)
の高性能品を発売する。1台で管理できるデータ点数を業界最多の最大160点に増やし、ゲリラ
豪雨対策のため観測網を広げたい自治体の需要にこたえる。仮想移動体通信事業者(MVNO
)回線を利用できる仕様とし、費用を抑えやすくした。

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25 家庭用蓄電池に参入 ループ 2016/8/9 日経産業新聞
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 太陽光発電システム販売のLooop(ループ、東京・文京)は家庭向け蓄電池事業へ参入
する。容量や仕様を自社で企画した蓄電池を太陽光パネルと組み合わせて販売する。2017年度
にも価格が100万円を下回る製品を投入する考え。太陽光で発電した電気が、将来的に売電から
自家消費へと移行することをにらみ、蓄電池事業を新たな収益源に育てる。

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26 大和ハウス、愛知でスマートタウン 複数住宅で電力を融通 2016/8/9 日経産業新

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 【名古屋】大和ハウス工業は、愛知県豊田市で建設中のスマートタウン 「セキュレア豊田柿
本」〔資料請求する〕 を公開した。一部の住宅では中部圏で初めて、複数の住宅間で電力の融
通ができるシステムを導入した。複数の蓄電池や高性能の断熱工法を導入しエネルギーを自給
できるモデル住宅を建設した。
 スマートタウンは21区画の宅地からなる。このうち3戸の太陽電池やリチウムイオン蓄電池と
、集会スペース、調整池の上に設置した太陽電池を一体運用し、大和ハウス子会社の電気小売
事業者の大和エネルギーと売買電力契約を結ぶ。発電した電気を売却するほか、街路に設けた
電気自動車の充電器や防犯灯、防犯カメラにも電気を供給する。複数の家庭を束ねることで有
利な売電条件になるという。

2016-08-15 | Posted in 住宅関連新聞記事Comments Closed