住宅関連新聞記事ダイジェスト No.644  2016/07/21~2016/07/27

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住宅関連新聞記事ダイジェスト No.644  2016/07/21~2016/07/27
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【日本経済新聞】
1 住宅ローン金利下げ 三菱UFJ銀など
2 東海大生死亡のアパート、公費解体に着手 熊本・南阿蘇村
3  中古住宅、「リフォーム済み」物件に潜む落とし穴
4 貯蓄はあっても油断禁物 年の差夫婦の老後リスク
5 地方移住という選択 仕事と家、自治体支援
6 住宅会社、木材買いやすく 森林所有者と取引仲介
7 徳島県規制改革会議、民泊推進「条例改正を」 知事に提言
8 空き物件再生 自分たちで 和歌山市(まちは語る)
9 月決め駐車場、1日単位で貸し出し 京急電鉄 羽田や川崎で
10 広島銀、解錠に地域電子マネー 来春めどマンションに導入
11 猫飼う人対象のリフォーム事業 大京、引っかき傷に強い床・壁

【朝日新聞】
12 成長力拡大へ 不動協が税制・政策要望  
13 格査定マニュアル改訂へ マンションと住宅地 不動産流通推進C
14 日本財託、合鍵作製の割引サービス開始へ ミスターミニットと提携
15 東北、九州で下落 6月中古マンション価格天気図 東京カンテイ
16 天然素材の多機能建材「モイス」 アイカ工業が販売
17 若年世帯の既存住宅取得支援措置、創設へ 政府が経済対策案を提示 聞
18 投資セミナー5000人突破、専用HPリニューアル リズム
19 フラット35に新商品、10月開始 「中古リノベ一体」低金利で
20 6月中古マンション売り価格 首都圏6カ月連続の上昇も都市中心部では弱含み
21 国際不動産市場の透明度ランク 日本は19位
22 国交省 空き家・民賃活用の新セーフティネット 検討会の中間まとめへ聞
23 前年同月比4カ月連続減 首都圏6月の賃貸成約 アットホーム調べ
24 「リノベでまちづくり」支援 信金中金、民都と協定 国交省
25 2016年4~6月期中古マンション成約件数 5期連続で増加
26 世界の不動産投資額、12%減 JLL第2四半期

【読売新聞】
27 実践者だから発見できた”まちを変える”プレーヤーとその共通項
28 子どもも大人も魅了!日本唯一の建築模型専門ミュージアムに行こう
29 ヤモリが部屋に現れた! どうすればいい?
30 トランペットも吹けちゃう賃貸「ミュージション」 人気の秘密は?
31 「趣味」と「実用性」を兼ねた家づくり・空間づくりのコツは?

【日経産業新聞】
32 住友不、大阪・梅田のマンション計画にホテル追加 訪日客などの需要見込む
33 アーク溶接ロボにAI 安川電機

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1 住宅ローン金利下げ 三菱UFJ銀など 2016/7/27 日本経済新聞
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 大手銀行が8月に適用する住宅ローン金利を引き下げる。三菱東京UFJ銀行は27日、10年固定型の最優遇金利を0.05%下げて過去最低の年0.50%にすると発表。引き下げは3カ月連続だ。みずほ銀行も同型の最優遇金利を0.10%下げて過去最低となる0.65%にする方向。三井住友信託銀行は0.05%下げて0.35%と過去最低を更新する。

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2 東海大生死亡のアパート、公費解体に着手 熊本・南阿蘇村 2016/7/27 日本経済新聞
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 熊本県南阿蘇村は27日、公費による家屋の解体に着手した。まずは東海大阿蘇キャンパスに通う大学生1人が死亡した河陽地区の学生アパートが対象。本格的な解体は8月からで、二次災害の危険性が高い住宅を優先して作業を進める。
 村は解体が必要な建物は約800棟に上ると見込んでおり、処理が終わるまでに最大2年かかるとみている。
 工事に先立ち、学生アパートの前で関係者が犠牲者を追悼。大家の渡辺武さん(70)は「つぶれた1階部分から学生たちの荷物を取り出せるよう、一日も早く解体してあげたかった」と話した。
 アパートに住んでいた東海大農学部2年、広田敦さん(19)は熊本市から駆け付け「解体は仕方ないが、やっぱり阿蘇に戻りたい」と寂しそうだった。

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3  中古住宅、「リフォーム済み」物件に潜む落とし穴 2016/7/27 日本経済新聞
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 中古住宅といえば、かつては新築に比べて相対的な位置付けが低く、「新築が買えないから中古を」というようなイメージがあった。また住宅ローンの使い勝手も悪く、中古住宅を買うために住宅ローンを組もうとすると支払期間が新築よりも短かったり、リフォーム費用は別途現金で用意する必要があったりした。
 現在はこうした不具合はほぼ解消されているし、この数年、国が中古住宅市場・リフォーム市場に力を入れ始めたこともあり、徐々にではあるが中古住宅市場は拡大してきた。不動産業界では中古住宅にリフォームやリノベーションを組み合わせて事業を手掛けるプレーヤーが増大している。
 業者がよく手掛けるパターンが「リフォーム済み中古住宅販売」だ。中古住宅をいったん買い取り、リフォームなどを施してきれいにしたうえで利益をのせて再販売するというもの。新築に比べて相対的な割安感があり、売れ行きは比較的好調といえよう。
 神奈川県某市に建つ築9年の木造住宅は、宅建業者による買い取り再販物件。Mさんが入居して数カ月すると雨漏りが発覚した。これはもちろん業者の負担で補修をしてもらえるが、まずは雨漏りの箇所を特定し、被害の程度に応じて補修方法を決定するためホームインスペクター(住宅診断士)が立ち会った。
 雨漏り箇所はサッシまわりに多く見られ、柱や梁(はり)といった構造材に被害が及んでいる(写真1)。雨水の浸入は長期にわたっていたようで、腐食が進行して十分な耐力が期待できない状態だ。サッシまわりの防水が不十分だったことが原因のようだ。
 雨漏りが明確に発生した部分への対策工事は「梁や柱を交換する」「開口部周りを防水する」といったところだが、雨漏りが確認されていない箇所に多くのクラック(ひび割れ)が発生しており、他の面のサッシ周りも今後、同じ症状が出る可能性がある(写真2)。
 補修を進める過程で被害や補修を必要とする範囲がもっと広いことがわかったため、補修箇所以外も十分な調査をして進めることが必要だ。状況から判断すると業者が買い取った時点ですでに雨漏りしていたはずで、業者は事前調査を入念にしておくべきだった。
 昨今は中古住宅の扱いについて経験や実績に乏しい業者も中古市場に多く参入している。たとえ保証や保険は付いていても、ひとたびこうしたトラブルが発生すれば、工事部分には立ち入ることができないし、工事中は立ち会う必要に迫られるなど、生活に不便が生じる。
 業者選びの際には、その実績をよく確認したい。また、住宅診断を行った結果がどうであったのか、そのうえでどう判断したのかといったいきさつをヒアリングしよう。必要に応じて第三者である建物の専門家に相談されることをお勧めする。

長嶋修(ながしま・おさむ) 1999年、業界初の個人向け不動産コンサルティング会社「さくら事務所(http://sakurajimusyo.com/)」を設立、現会長。「第三者性を堅持した個人向け不動産コンサルタント」の第一人者。国土交通省・経済産業省などの委員を歴任し、2008年4月、ホームインスペクション(住宅診断)の普及・公認資格制度を整えるため、NPO法人日本ホームインスペクターズ協会を設立し、初代理事長に就任。『「空き家」が蝕む日本』(ポプラ新書)など、著書多数。さくら事務所では、7/30(土)不動産業者&物件選びの極意をホームインスペクターが教える『戸建て購入セミナー』を開催。詳しくはこちらhttp://www.sakurajimusyo.com/160730

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4 貯蓄はあっても油断禁物 年の差夫婦の老後リスク 2016/7/27 日本経済新聞
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家計再生コンサルタント 横山光昭
 「マイホームを買うなら、頭金をできるだけたくさん入れてローンを少なくし、早く返すべきですよね!」。こう言いながら威勢よく相談にこられたのは会社員のKさん(51)と専業主婦の奥さん(40)ご夫婦です。
 定年まで10年を切ったので、今のうちにマイホームが欲しいとのこと。貯蓄3000万円のうち2500万円ほどを頭金にし、借入額を少なくして早期返済を目指したいとおっしゃいます。貯蓄3000万円の大半は独身時代からためていたお金で、退職金も出る(推測1600万円ほど)ので、老後資金も問題ないだろうと見込んでいるようです。
 家族はご夫婦と2歳の娘の3人暮らしです。おふたりは結婚9年目ですが、ようやくお子さんに恵まれたということで、子どもと暮らす生活環境を整えたいという気持ちが強いようです。奥さんはできればもうひとり、お子さんをつくりたいとも考えています。
 住宅購入の際に頭金をたくさん入れ、ローン負担を減らすという考え方は正論です。でもKさん夫婦の家計にとっては、中長期的にかなりバランスを悪化させる行動だといえます。
 小さなお子さんがいて、さらにもうひとりと考えているのであれば、いくら収入が高く貯蓄があるといっても、老後貧乏まっしぐらの可能性があります。なぜならKさんが定年退職を迎えるころ、お子さんは小学生。その後、どんどん教育費がかかるからです。
 私がライフプラン表を作成したところ、特に不安に感じたのはお子さんの教育費のことでした。この予定でいくと教育資金はショートしてしまう見込みなのです。
 しかも、奥さんはKさんより10歳以上若いので、老後期間は通常の家庭よりも長くなることが予想され、資金もその分多く必要になります。退職金は1600万円の見込みでKさん夫婦は楽観しているようですが、非常に不安が残りました。
 Kさん夫婦には理想と現実の違いを意識していただき、頭金の額を減らす、つまり貯蓄をある程度手元に残しておくことを検討しました。そして貯蓄にいそしみ、教育資金と老後資金のバランスをみながら繰り上げ返済で住宅ローンの早期完済を目指すという方針です。
 そのためには家計状況を整えることが必須です。56万円もの収入がある3人暮らしのご家庭なので、黒字ではありましたが、支出は膨らんでいて節約はまだまだ可能な家計です。
 まずは楽に削減できるところから支出を見直しました。生命保険は様々な保障が入った主契約に多くの特約がついた総合保障のアカウント型保険でしたので、必要な保障について再考しました。保険の3要素である医療・死亡・貯蓄のうち「医療」と「死亡」に重点をおく内容のものに入り直し、支出を減らしました。通信費は迷わず格安スマホを取り入れ、削減しました。
 Kさんは年下の奥さんがとてもかわいいようで、洋服代や化粧品代などが高いことを容認していました。ここも抑え、奥さんが毎月もらっている小遣いのなかでやりくりすることにし、被服費、美容費、日用品費等を削減しました。
 食費は財布の中身の減り具合で使いすぎかどうか判断しているそうで、比較的抑えられています。それでももう少し節約を心がけたいという奥さんの努力で、減らしました。
 おふたりとも病気はないと話していましたが、医療費が高額です。聞けば、ふたりめのお子さんを望んでいるので不妊治療中とのこと。今までは自治体の助成金を利用しながら治療を受けていましたが、40歳を過ぎると助成金を受けられる回数が減り、43歳になると助成金を受けることすらできなくなるため、治療を継続するか否か考えているというお話でした。
 時間をかけてご夫婦で話し合い、後々後悔しないように最低限の治療のみ続け、あとは自然に任せることにしました。
 最後に住居費です。今まで18万5000円の賃貸に住んでいましたが、マイホーム購入にあたり頭金を約1500万円いれ、ボーナス返済なしでローンを組むと、毎月の返済は11万3000円になりました。ローンを抱えるリスクはありますが、支出削減できたことで貯蓄はしやすくなりました。支出削減額は合計16万1000円。今までの黒字分と合わせ、19万7000円を貯蓄に回せる家計に変わりました。
 現状は非常に良好な状態ですが、将来的な収入については不安が残ります。そこで、奥さんの発案で子どもが幼稚園に入るまでに資格を取り、いずれは仕事に就くという計画を立てました。実現するとKさんが定年後再就職などして収入が下がっても、貯蓄を保ちながら生活していけるかもしれません。老後の見通しはかなり明るくなります。
 Kさんご夫婦のように年齢差のあるご夫婦によく出会います。お伝えしたいのは、経済的に安定しているからと子どもや住宅にお金をかけすぎると、将来、自分たちの首が締まってしまうということ。そして、教育費がかかるころに収入が途絶える可能性が高いということ。
 今はよくても、将来的にどうなるかを見越し、夫婦で力を合わせていってほしいと思います。
「もうかる家計のつくり方」は隔週水曜更新です。次回は8月10日付の予定です。

横山光昭(よこやま・みつあき) マイエフピー代表取締役。家計再生コンサルタント、ファイナンシャルプランナー。お金の使い方そのものを改善する独自のプログラムで、これまで8000人以上の赤字家計を再生。書籍・雑誌の執筆や講演も多く手掛け、「年収200万円からの貯金生活宣言」(ディスカヴァー・トゥエンティワン)をはじめとする著書は累計99万部。近著は「『老後貧乏』はイヤ!」(日本経済新聞出版社)。

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5 地方移住という選択 仕事と家、自治体支援 2016/7/26 日本経済新聞
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ひとり親一歩踏み出す(下)
 ひとり親家庭の皆さん、どうぞ我が町に――。子育て中のひとり親世帯に向けて移住を呼びかける自治体が増えている。人口減で介護などの人材不足に直面し、住居や経済面で支援し就労を促している。ひとり親は収入に加え住まいの確保に苦労することが多いだけに、安定して子育てできる利点がある。介護以外でも受け皿となる職域を広げる動きが出始めている。
 北海道・旭川駅から車で約40分の幌加内町。ソバの収穫量日本一で知られ、緑のソバ畑が広がる。6月、道内の中核都市から一人のシングルマザーが移り住んできた。7月から町内の特別養護老人ホーム「テルケア」で介護助手として働くBさん(43)だ。
 Bさんが利用したのは同町が昨年10月に始めたひとり親向けの移住支援制度。中学生以下の子どもと同居する60歳未満の町外在住者が対象だ。介護サービス事業所で働くことを条件に、月額17万円の給与を保証し、月3万円の養育補助や20万円の支度金を出す。一定期間定住すれば奨励金もある。
 もともと介護の仕事に就いており、長男(3)が小学校に入学する前に心機一転、転居することにした。東京も候補地だったが「家を決めるまで何度も通うことになる」と、手続きの大変さを心配。幌加内町では、町営住宅を紹介され、すぐに入居できた。
 同町では町立保育所の保育料と、子どもが中学生までの医療費は無償。「一人で子どもを育てるにはお金をためないといけない」というBさんには魅力的な制度だ。移住後は子どもと遊ぶ時間がしっかりとれ、長男は自宅にある畑を耕し「前よりたくましくなった」。今の暮らしを楽しんでいる。

ひとり親が困っていること

母子家庭(%)父子家庭(%)



家計(45.8) 家計(36.5)


仕事(19.1) 仕事(17.4)


住居(13.4) 家事(12.1)


自分の健康(9.5) 自分の健康(9.9)


その他(5.7) 親族の健康・介護(8.8)


親族の健康・介護(5.1) 住居(7.8)
7位
家事(1.5) その他(7.5)
厚生労働省の2011年度「全国母子世帯等調査」

 幌加内町が移住制度を取り入れたのは「人口が減り、子どもがいないと地域は活気に欠ける。移住支援で人を呼び込みたい」(中河滋登・保健福祉課長)ためだ。
 参考にしたのが、同制度を全国に先駆け昨年5月に実施した島根県浜田市。引っ越し費用の一時金30万円や月3万円の養育費を支給。現在6世帯が居住する。説明会ではデメリットも隠さず話す。「コンビニが多くあるわけではないこと、スーパーは午後7時で閉まることも最初から説明する」と浜田市宇津光政策企画課長は言う。
 制度開始から2年目。課題も見えてきた。説明会までは足を運ぶものの、最終的に制度利用を見送る例もある。「いかに浜田で明るい未来を描いてもらえるか」。長期に地域にとどまってもらうためには、安定的に暮らせる環境整備が欠かせない。
 ひとり親対象の移住制度は各地で増えている。三重県鳥羽市、大分県国東市などだ。介護就労を条件としたり、福祉分野の資格取得を支援する例もある。Bさんもホームヘルパーの資格を保有していた。だが、ひとり親が必ずしも介護就労を希望するとは限らない。
 「浜田モデル」を参考に今年度から移住支援制度を始めた長野県は、製造業や小売業も就労条件に追加。こども・家庭課の中村竜生企画幹は「介護には向き不向きがあるから、長く仕事をしてもらうために業種を広く考えた」と話す。23日に東京・銀座で開いた説明会には22人が参加。「キャリアを生かしたい」と、介護以外の仕事を問い合わせる人もいた。
 移住制度は、人口減に悩む自治体と、職と住まい、子育てを安定させたいひとり親の双方に利点がある制度だがマッチングは容易ではない。

 シングルマザー支援のNPO法人リトルワンズ(東京・杉並)の小山訓久代表理事は「自治体による移住支援のパンフレットが観光情報になっていることも多く、情報提供が十分ではない例も少なくない」と指摘する。仕事や住居に加え、学校や病院などにも目を向け「親と子ども双方の人生に長く関わることという意識を持って環境整備していくことが重要」と話す。

■「困ること」上位に仕事・住居
 厚生労働省による2011年度の「全国母子世帯等調査」によると、母子家庭が困ることの第1位は家計(45.8%)で、第2位は仕事(19.1%)、第3位は住居(13.4%)だった。住居は、保証人が必要なことや母子家庭だと収入が安定していないなどと見られ断られる場合もある。仕事と住居を用意するひとり親移住支援制度はこれらの悩みを一挙に解消するものだ。
 一方、自治体にとっては増える空き家の対策にもなる。島根県浜田市は空き家バンク制度をつくっており、移住してくるひとり親世帯にも職場から近いところを紹介している。リトルワンズは11年に国土交通省の空き家対策のモデル事業として東京都豊島区の空き家に、母子家庭が暮らせる仕組みを構築。ほかの区や市へも広げている。敷金、礼金が不要な物件を中心に、リトルワンズがひとり親家庭の物件探しから入居まで支援する。母子家庭と住居問題の2つを解決する「全国唯一の取り組み」(小山訓久代表理事)という。

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6 住宅会社、木材買いやすく 森林所有者と取引仲介 2016/7/26 日本経済新聞
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 林業向けシステム開発のウッドインフォ(東京・中野)は9月、森林から産出された木材のトレーサビリティー(生産履歴の追跡)システムを運用する新会社を立ち上げる。森林で伐採した木材の種類や加工の段階をシステムで管理し、住宅メーカーなどが木材を買い取りやすくする。同システムでは合法的に伐採されたと証明できる木材のみを取り扱う。
 新会社「フォレストワン」(仮称)の資本金は1000万円。住宅メーカーの伊佐ホームズ(東京・世田谷)が6割、ウッドインフォが4割を出資する。
 新会社は、森林のオーナーから伐採や木材の加工などを受託する。ウッドインフォのトレーサビリティーシステムを使い、一本一本にQRコードを付け、加工の段階や在庫などを管理する。丸太の販売量に応じて住宅メーカーから手数料を受け取る。新会社はまた、森林オーナーに対して「森林経営計画」の策定も支援し、合法的に伐採された木材のみを取り扱う。
 住宅メーカーはシステムを利用して、どの種類のどんな等級の木材がいつ入手できるか把握できるようになる。
 まず関東圏の森林オーナーと連携し、半年で丸太7000本の取り扱いを目指す。秩父広域森林組合(埼玉県秩父市)と秩父樹液生産協同組合(同市)が参加するほか、関東を中心に森林オーナーに参加を働きかけている。需要家は首都圏で高級戸建てを手掛ける伊佐ホームズを含む5社の住宅メーカーが参加する見込み。
 木材の流通は、原木市場で売買された丸太を角材にする製材加工業者や、工務店、問屋、合板などに加工するプレカット工場などの間で転売が繰り返されるなど複雑だ。このため必要な素材があっても出向いた市場で必ずしも売りに出されているとは限らず、住宅メーカーは輸入材を使う場合も多い。
 新会社は森林のオーナーから原木を買い取るなどして、協力会社に製材加工などを一括発注する。流通の無駄を省けるため、森林オーナーが受け取る代金は従来より高くなる。国内の産地や加工が追跡できる付加価値を訴え、一般的な国内材よりも高い値段で買ってもらう。
 新会社は半年後をめどにネット通販も始める計画。2年後に70万本の取り扱いを目指す

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7 徳島県規制改革会議、民泊推進「条例改正を」 知事に提言 2016/7/26 日本経済新聞
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 徳島県規制改革会議の床桜英二座長(徳島文理大学教授)は25日、同会議がまとめた初の提言書を飯泉嘉門知事に提出した。住宅の空き部屋などに観光客を有料で泊める「民泊」を推進するため、県条例の改正や国への政策提言などを求めた。
 同会議は今年4月に設置され、県内の規制に関する現状と課題について産学官で議論している。地方版の規制改革会議は全国で初めてという。
 提言書では民泊について、国が4月から客室の延べ床面積基準やフロント設置要件の規制を緩和したことを受け、それと合わせる形に県条例も改正する必要があるとした。また普段は宿泊場所としている場所を災害時に避難所として活用する「シームレス民泊」を推進するため、必要な規制緩和を検討すべきだとした。
 民泊推進のほかにはイベント開催時の飲食提供や、タクシー営業など観光振興の分野で、県民目線に立って適切な規制のあり方を検討するよう求めた。
 提言書を受け取った飯泉嘉門知事は「しっかりと咀嚼(そしゃく)をさせていただき、具現化をする方向で取り組んでいきたい」と話した。

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8 空き物件再生 自分たちで 和歌山市(まちは語る) 2016/7/23 日本経済新聞
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補助金に頼らず宿泊施設や日本酒バー
 和歌山市の和歌山城近くの中心市街地で、行政の補助金に頼らず、民間主導で空き物件を再生する試みが広がっている。担い手を生み出しているのは、市が2014年2月から開催している「リノベーションスクール」。まちづくりへの関心が高い受講生が数日間集まって事業プランを考え、新たな利用方法を不動産オーナーに提案する。今年1月にゲストハウス、5月には日本酒バーが開業。人口減対策に取り組むまちの活性化に一役買いそうだ。
 江戸時代後期から180年余りの歴史がある「ぶらくり丁」の商店街。その近くで開業したゲストハウス「RICO(リコ)」は共同住宅として利用されている築47年のビルの5階部分などを約1200万円をかけて改装した。最大37人が宿泊でき、ほぼ半分は外国人宿泊客だ。
 「今日はパラグライダーに乗ってきた」――。受付を兼ねた1階のラウンジでは、出迎えたスタッフと台湾から訪れた女性2人連れの会話が弾んでいた。1泊3200円と旅慣れた層にも歓迎される料金水準で、利用客は今月、累計900人を超えた。欧米系と、台湾、香港などのアジア系が半々をしめる。
 遊休不動産を活用した民間まちづくり会社、ワカヤマヤモリ舎が運営する。地元タクシー会社、ユタカ交通(和歌山市)の豊田英三社長が代表取締役を務める。ビルのオーナー兼受講生として参加した14年11月開催の第2回スクールで知り合った一級建築士の宮原崇さんや和歌山県田辺市のゲストハウス経営者、桜井保典さんと15年4月に設立した。
 ただ泊まるだけでなく、将来は地元住民との交流を促す場所にする計画だ。1階のラウンジとイベントスペースなどの仕切り壁をなくし、ワンフロアにシェアキッチンを新設する。「海外からのゲストが自国の料理を住民に振る舞ったり、逆に住民が作るご飯を海外のゲストと一緒に食べたりする」(宮原氏)
 こうした試みが動き出したきっかけの一つに、インバウンド(訪日外国人)急増がある。和歌山市内は関西国際空港からバスで約40分と近い。15年の市内外国人宿泊者数は前年比約1.8倍の10万7381人と初めて10万人の大台を突破した。
 5月にオープンした日本酒バー「水辺座」の店主、武内淳さんも「日本の文化を知ってもらえる機会になれば」と話す。
 和歌山市街にはもともと和歌山城の外堀だった川が流れている。水辺座は、酒造会社の世界一統(和歌山市)の酒蔵が対岸に見える立地を生かし、川側に広い窓を設けて、水辺の風景をうまく取り入れている。15年11月に開いた第3回リノベーションスクールでの事業提案から生まれた。
 日本酒は純米酒を中心に和歌山県内の酒蔵10社の20種類を出す。武内さんは元県職員で「今後は和歌山のクラフトビールを生で飲める設備を導入したい」と話す。
 「農業をベースに、稼ぎながらしっかりと社会的な活動もしたい」。14年10月に紀州まちづくり舎を発足した吉川誠人さんも、きっかけは同年2月の第1回スクールだ。
 吉川さんらは15年2月、こだわりの野菜の農園レストラン「石窯ポポロ」をぶらくり丁商店街アーケード内に開業した。パンを焼く石窯をはじめ天井張りや壁塗りなど、できることは全て自分たちで手掛けた。
 今年4月には向かい側に無農薬野菜と野菜スイーツの店「almo(アルモ)」をオープンし、商店街への再投資を進める。6月には石窯ポポロの2階にゲストハウス「macomo(マコモ)」を開業し、事業の幅を広げている。

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9 月決め駐車場、1日単位で貸し出し 京急電鉄 羽田や川崎で 2016/7/23 日本経済新聞
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 京浜急行電鉄は自社が運営する月決め駐車場の空きスペースを、1日単位で貸し出す事業を25日から始める。羽田空港近くや京急川崎駅前などの駐車場の250台分でスタートし、成果を見て拡大を検討する。駐車場の稼働率を高める狙いだ。
 駐車場シェアリングサービスのakippa(アキッパ、大阪市)と提携する。利用者はパソコンやスマートフォンを使い、アキッパのサイトやアプリで地名や名所などをキーワードに駐車場を検索。予約したい日を選択し、クレジットカードなどで料金を支払う。駐車料金は場所により異なり、1日当たり500~2250円に設定した。

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10 広島銀、解錠に地域電子マネー 来春めどマンションに導入 2016/7/23 日本経済新聞
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 広島銀行は運営する地域電子マネー「HIROCA(ヒロカ)」に、マンション入り口の解錠機能などを付加した多機能ICカードを来春をメドに発行する。デベロッパーのGAパートナーズ(広島市)と提携し、来春完成予定の分譲マンションに導入する。マンションのセキュリティー機能と複数の店舗で使える電子マネー機能を搭載するカードは全国でも初めてになるという。
 ヒロカはスーパーなど広島県内の加盟店で、支払いの際にかざすだけで決済が可能な地域電子マネー。GAパートナーズと提携してマンションの集合エントランスの自動ドアや宅配ロッカーの解錠機能をヒロカに追加する。

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11 猫飼う人対象のリフォーム事業 大京、引っかき傷に強い床・壁 2016/7/21 日本経済新聞
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 大京は21日、猫を飼う人を対象にしたリフォーム事業を始めると発表した。猫の引っかき傷に強い床材や壁材などを使ったリフォームを提案する。AHB(東京・江東)が運営するペットショップ(同・港)の一角に、リフォームの提案コーナーを同日設けた。まずは2017年3月期末までに40件のリフォーム需要の獲得をめざす。
 大京子会社の大京リフォーム・デザイン(同・渋谷)がリフォーム事業を手がける。改装費は1回につき100万~1千万円かかるという。

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12 成長力拡大へ 不動協が税制・政策要望 2016/7/27 朝日新聞  
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 不動産協会はこのほど、「成長力の拡大に向けた税制・都市・住宅に関する政策要望」をまとめた。
 税制改正要望では、長期保有土地等に係る事業用資産の買い換え特例の延長・拡充、土地の登録免許税の特例の延長、都市再生促進税制の延長、国家戦略特区に係る特例の拡充などを掲げた。
 良好な住宅ストックの形成に資する税制としては、住宅の登録免許税の特例の延長、住宅の買い取り再販に係る不動産取得税の特例の延長・拡充などを挙げた。

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13 格査定マニュアル改訂へ マンションと住宅地 不動産流通推進C 2016/7/27 朝日新聞
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 不動産流通推進センターは8月4日、宅建業者向けに提供している価格査定マニュアルの「マンション」編と「住宅地(土地)」編の内容を改訂する。昨今のトレンドを反映させつつ、使い勝手をよくするのが目的。
 取引事例比較法を採用しているマンション編では、維持管理状況における項目について内容を一部変更。類似の物件事例における管理情報が入手困難である実態を踏まえ、査定に必要な資料集めが「宅建業者が調査可能な範囲」に収まるようにする。例えば「修繕積立金」は、従来は長期修繕計画に照らして妥当かどうかを査定の判断基準としていた。改訂後は、修繕積立金の額そのものに焦点を当てる。額が大きければ評点が下がり、小さければ上がるイメージだ。従来の基準で査定する場合は管理組合の資料が必要になるが、修繕積立金の額であれば、物件資料によって把握できる。
 利用料はマンション編、住宅地編共通で、新規登録が年間3000円(税別)、更新の場合は同2000円(同)。なお同マニュアルは2015年に、従来のCD-ROM方式からウェブ方式に移行した。IDを登録して利用する。

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14 日本財託、合鍵作製の割引サービス開始へ ミスターミニットと提携 2016/7/27 朝日新聞
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 投資用マンション販売と賃貸管理などを手掛ける日本財託グループは、ミスターミニットを運営するミニット・アジア・パシフィックと提携し、入居者向けの合鍵作成の割引サービスを8月1日に開始する。
 ミスターミニットは靴修理・合鍵作成のチェーン店舗。国内では約300店舗が運営されている。今回の提携により日本財託の入居者限定で、ミスターミニットの通常価格の20%割引で鍵が複製できる。

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15 東北、九州で下落 6月中古マンション価格天気図 東京カンテイ 2016/7/26 朝日新聞
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 東京カンテイは7月26日、6月の中古マンション価格天気図(70平方メートル換算、売り希望価格)をまとめた。
 三大都市圏では好調を維持したが、東北や九州地方での下落が目立った。「晴れ」は14地域に増加し、6カ月連続で最多を記録するなど依然として多いが、価格が前月比下落となった地域は前月の14地域から6月は20地域に増加し、大都市圏と地方圏の動きに明確な違いが見られる。価格は、全国的にも上昇しているとはいえない状況だ。

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16 天然素材の多機能建材「モイス」 アイカ工業が販売 2016/7/26 朝日新聞
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 アイカ工業は8月1日、天然素材のみでつくった多機能建材「モイス」の販売を開始する。
 モイスはけい酸カルシウム板をベースに、天然鉱物のバーミキュライトや珪藻土を配合した不燃建材。有害物質を含まず、土に還すことが可能だという。
 販売するのは耐力面材の「モイスTM」と、内装材の「モイスNT」の2種類。年間販売目標は10億円。

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17 若年世帯の既存住宅取得支援措置、創設へ 政府が経済対策案を提示 2016/7/26 朝日新聞
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 政府はこのほどまとめた経済対策の案に、住宅関連ではインスペクションの実施と瑕疵保険への加入促進など、若年世帯による既存住宅の取得を支援する措置を盛り込んだ。このほか、耐久・環境・耐震性能に優れた新築住宅の普及を促進する。三世代同居対応への支援を含む。

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18 投資セミナー5000人突破、専用HPリニューアル リズム 2016/7/25 朝日新聞
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 リノベーション賃貸「リズム」をブランド化しているリズム(東京都渋谷区)は、不動産投資セミナー受講者が5000人を突破したことを記念して、不動産投資セミナーの専用ホームページをリニューアルした。
 同社では、資産形成の考え方や不動産が長期運用に適している理由、不動産投資のリスクなどの幅広い情報を解説する無料セミナーを2010年から開催している。これまでに222回開催した。

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19 フラット35に新商品、10月開始 「中古リノベ一体」低金利で 2016/7/25 朝日新聞
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 住宅金融支援機構は長期固定金利住宅ローンのフラット35について、中古住宅購入とリフォームを一体的に行う場合に借り入れ金利を引き下げる制度「フラット35リノベ」を創設する。一定の基準を満たす性能向上リフォームのほか、インスペクションや瑕疵保険の付保などを行うことが要件。10月1日から2017年3月末までの申込受付分に適用する。

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20 6月中古マンション売り価格 首都圏6カ月連続の上昇も都市中心部では弱含み 2016/7/25 朝日新聞
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 東京カンテイが発表した6月の中古マンション価格(70平方メートル換算、売り希望価格)によると、首都圏は、前月比0.6%上昇の3473万円となった。6カ月連続の上昇。東京都が24カ月連続上昇、神奈川県、埼玉県も小幅ながら上昇した。特に千葉県は、他県に比べて大きく2.2%上昇し、3月に記録した直近1年間での最高値を上回り1876万円となった。ただ都心6区のうち、横ばいだった千代田・中央・港区が弱含みとなり、価格水準が高い行政区を中心に頭打ち感が鮮明となってきた。

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21 国際不動産市場の透明度ランク 日本は19位 2016/7/22 朝日新聞
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 ジョーンズラングラサール(JLL)とラサールインベストメントマネジメントがこのほど発表した「2016年版グローバル不動産透明度インデックス」によると、日本の順位は19位だった。26位だった前回(2014年)から7位順位を上げた。
 同インデックスは、世界の不動産市場の透明度を数値化した両社の独自調査レポート。2年に1度発行している。今回上位だったのは、1位イギリス、2位オーストラリア、3位カナダ、4位アメリカ、5位フランスなど。

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22 国交省 空き家・民賃活用の新セーフティネット 検討会の中間まとめへ 2016/7/22 朝日新聞
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 空き家や民間賃貸の空室を活用する住宅セーフティネットの新制度について、国土交通省は近く検討会の中間まとめを策定する。7月22日に開いた3回目の会合で事務局が案を提示した。中間まとめを踏まえて、必要な施策を2017年度予算の概算要求に盛り込む方向。予算措置だけでなく、法制度やガイドラインなど複数の手法を組み合わせ、制度の骨格を固めていく。

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23 前年同月比4カ月連続減 首都圏6月の賃貸成約 アットホーム調べ 2016/7/22 朝日新聞
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 アットホームの調査によると、6月の首都圏における居住用賃貸物件成約数は1万8109件だった。前年同月比8.6%減となり、4カ月連続のマイナス。東京23区も8045件で、同10.3%減と同4カ月連続で減少した。ただ、単身者向けマンションの成約数は同5カ月連続の増加となった。千葉県では新築アパートを除き減少に転じ、同7カ月ぶりにマイナス。埼玉県ではマンションが牽引して同3カ月連続のプラス、神奈川県は同11.5%減と大きく減少した。

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24 「リノベでまちづくり」支援 信金中金、民都と協定 国交省 2016/7/21 朝日新聞
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 国土交通省はこのほど、信金中央金庫と民間都市開発推進機構との間で、空き店舗のリノベーションや公的不動産(PRE)の活用などによるまちづくり事業の推進に向けてパートナー協定を締結した。三者が情報を密に共有することで、まちづくりのノウハウや資金が不足している地元企業などが、民都機構からの支援を受けやすくする。

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25 2016年4~6月期中古マンション成約件数 5期連続で増加 2016/7/21 朝日新聞
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 東日本不動産流通機構(東日本レインズ)はこのほど、2016年4~6月の首都圏流通動向をまとめた。首都圏の中古マンションの成約件数は9364件で、前年同期比はプラス4.9%となり、5期続けて前年同期を上回った。昨年度の成約件数で、2年ぶりに前年度を上回った勢いが継続している。
 成約価格については、平米単価、成約価格共に前年同期比で上昇。平米単価は14期連続で、成約価格は15期連続で前年同期を上回った。

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26 世界の不動産投資額、12%減 JLL第2四半期 2016/7/21 朝日新聞
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 JLLがこのほど発表した投資分析レポート(速報)によると、2016年第2四半期の世界の商業用不動産投資額は1480億ドル(前年同期比12%減)だった。

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27 実践者だから発見できた”まちを変える”プレーヤーとその共通項 2016/7/26 読売新聞
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もともと一つの建物の再生を指す ”リノベーション”。しかし、それがあるエリアで同時多発的に起こることで、エリア全体の雰囲気が変わり始める。『エリアリノベーション : 変化の構造とローカライズ』はその現象を「エリアリノベーション」と名付け、6つのエリアの事例から「何が基本構造で、何がローカライズされた特殊解なのか」を浮かび上がらせた。行政主導の「都市計画」でもなく、助成金や市民ボランティアに依存する「まちづくり」でもない、新しいエリア形成の手法とは? 著者のOpenA代表 馬場正尊さんに聞いた。
自らの経験からまちの変化の共通項を探った
良書は、読後に「言いたいことを言ってくれた」「薄々気づいていたことが整理された」と納得感が伴う。その意味で、『エリアリノベーション : 変化の構造とローカライズ』はまさに、膝を打つような本だ。しかし、日本各地で勃発的に起きるエリア形成の流れを見極め、共通項を探すのは並大抵のことではない。本書は、著者自身がエリアリノベーションの実践者で、その経験に裏打ちされた思考を持ったからこそ描けた世界だとも言えるだろう。
2003年、空きが目立ち始めた日本橋や神田周辺の都心東エリア(CET:Central East Tokyo)に、アーティストがポツポツと入り風景が変わり始めた。馬場さんはその活動の一員だ。アート・アクティビストとして「まちに影響を及ぼすなんて思ってもみなかった」が、CETから東京R不動産が生まれ、単なるアートイベントを超えた広がりを目の当たりにして、「これからの都市をつくるヒント」があると直感したという。CETとは何だったのか? 何を残したのか? その言語化をしたいという思いが、本書に詰まっている。
本書は、各地の実践者が9つの質問に応える形で描かれる。対象の6エリアは「目に見えて風景が変化していること」「変化が継続し、日常化していること」「経済的に自立していること」「デザインがかっこいいこと」の4基準で選んだが、最後の「デザインがかっこいい」を基準に加えたことが本書の勝因だ。極めて感覚的だが、「心地よさ」「賑わい」「活気」の素地となり、まちで最も大切な要素とも言えるだろう。

●対象となった6つのまち
・東京都神田・日本橋(CET)
・岡山市問屋町
・大阪市阿倍野・昭和町
・尾道市旧市街地
・長野市善光寺門前
・北九州市小倉・魚町

「歩いていて気持ちがいい。歩くうちに視界に入ってくるグラフィック(看板やフライヤーなど)に気分が上がる」「集まる人々の質感が、かしこまってなくてフランク」「人におすすめしたくなる」のが、馬場さんの言う「デザインがかっこいいこと」がもたらす効果だ。いずれも人の想いが隅々にまで届いているからこそ生まれる、ある種の心地よさなのだろう。
まちを変えるトリガーとなった4つのキャラクター
本書の最も大きな発見は、それぞれのエリアリノベーションの共通項を探り当てたことだ。その共通項とは、4つのキャラクター(役割)が必ず存在しているということだ。特に、4つのキャラクターを見出したことは、類似の課題を抱えた他の地域に、一つの大きな示唆を与えたとも言えるだろう。
この4つのキャラクターは、それぞれ「不動産キャラ(調整する人)」「建築キャラ(空間をつくる人)」「グラフィックキャラ(世界観をかっこよく表現する人)」「メディアキャラ(情報を効果的に発信する人)」と呼ばれる。彼ら4プレーヤーがそろうことが、まちを面で変える一つのトリガーだとは、これまで誰も考えなかったのではないか。
また、馬場さん曰く、これらの4キャラクターは皆、「昔」に比べてその形や動き方が大きく変化しているという。要約すると以下のようになる。

●不動産キャラ
旧来の「できるだけ手間をかけず」収益を得る開発や土地転がしから脱却し、見捨てられた空間の魅力を発見して活かし方の妄想を描き、オーナーや使い手に寄り添って中長期的に地域の価値を上げる人々が紹介される。異業種からの参入者が多いのも特徴だ。
●建築キャラ
「かっこいい図面が描けて、オーセンティックな建築誌に自作品が掲載される」のが良いとされた以前に比べ、「図面書きも工事も手がけ、少ない予算で工夫を楽しむ」人びとが出現している。それは、「建築家」よりも「工作家」のように建築と関わっていく姿勢にも見える。
●グラフィックキャラ
従来の肩肘張った「作品づくり」から、デザインのフィールドを広げ、ポスターやまちのグラフィティ、サイン、小規模店舗のフライヤーまで軽やかに工作し手早くリリースする柔軟性が際立った人々がまちを変える一役を買う。
●メディアキャラ
昔の出版社や版元のように「マス」で「アノニマス(特徴のない・匿名の)」な存在ではなく、小さなエリアにおいて個人・小規模グループでエッジを効かせた発信が主体になってきている。個人のメディア化の流れがはっきり出ている。
本書を通して従来からある業態の変容を見ていると、かつて、経済成長とともに分業化と専門性の特化が進んだ個々の仕事が、かつての役割の域を超えて、他領域を少しずつお互いにカバーすることで、チームプロジェクトとして機能しまちを変える仕組みが見える。馬場さんは「まちのつくり方も、従来のマスタープラン型から、ネットワーク型へ」と指摘しているが、誰か偉い人が描いた「計画」を専門家がバラバラにつくる時代は終わり、素人が「工作的」な感覚で関わり作るまちの方が説得力を増す、そんなパラダイムシフトが今、6つのエリアで起きている。
最後に、本書で描かれる6エリアの地理的な共通項を見ておこう。それぞれの面積は実は10?20ha程度とそろっており、1時間あれば歩いて一通り回れるほどの大きさになる。また、それぞれ「経済後背圏(馬場さん)」とも言える人口40万人以上の都市を近くに備えている。この小さな範囲×経済後背圏という立地に4つのプレーヤーがそろうチームができると、5?10年で100弱のプロジェクトが集中的に起こり、点から面へ、まちの風景が変わる可能性がある。
全国には本書で取り上げた6つのエリア以外にも、条件に合致する地域は数多ある。「自分のまちがどんどんつまらなくなっていく」と悶々とする読者には、明日からすぐに動けるたくさんのヒントを得られるだろう。また、一緒に組む相手を探し始めるなど、より広範にエリアを捉えるきっかけにもなるだろう。また、たとえ立地条件が合致しなくても、自分が始めた小さなプロジェクトがまちに波及するイメージを思い描くには最適の本だ(なんでもイメージできなければ始まらない)。いずれにせよ、「まちづくり」という言葉に引っかかりを持つ人は、本書を手に取っていただきたい。

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28 子どもも大人も魅了!日本唯一の建築模型専門ミュージアムに行こう 2016/7/26 読売新聞
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2016年6月、東京・品川区に建築模型の専門ミュージアム「建築倉庫ミュージアム ARCHI-DEPOT(以下、建築倉庫ミュージアム)」が誕生した。あまりなじみがない「建築模型」を展示・保存する、日本唯一のミュージアムなのだが、休日にはなんと350人以上が訪れることもあるという。では、その魅力とは? 子どもも大人も魅了する、建築模型の世界へGO!
建築家20名以上、200以上もの建築模型作品が集結
建築模型とは、建築完成予想を模型として示したもので、マンションのモデルルームなどで目にしたことがある人もいるかもしれない。そもそも、一般の人が図面を渡されても、どのような建物になるのかは、なかなかイメージが湧きにくいもの。そこで立体の模型をつくることで、どのような雰囲気になるのか、つかむことができるようになる。
今年6月に誕生したのは、この「建築模型」専門のミュージアム。日本を中心に活動する建築家20名以上の作品、約200点以上を展示・保管している。広さは約450m2とけして大規模とはいえないながらも、週末などにはなんと350人以上が訪れるとあって、注目度の高さが伺える。ちなみに運営をしているのは、保存・保管や管理のプロ「寺田倉庫」だ。
「ここまで多くの方に来場してもらえるとは思っていなかったので、とてもうれしいです」と話すのは、この「建築倉庫 ARCHI-DEPOT」の館長を務める徳永雄太さん。
しかし、なぜ今、建築模型専門のミュージアムをつくることになったのだろうか。
「建築模型は、海外では資料的価値などが認められ、コレクションとして扱われることも多いのですが、日本では建築事務所によって扱いが異なり、残念ながら捨てられたり、もしくは海外に流出したり、とあまり大切に扱われてこなかったんです。明治初期の浮世絵と同じですね」という。
このままではいけないとの危機感から、この建築模型専門の展示・保管するプロジェクトが産まれたという。
「私どもはあくまでニュートラルな立場で、できるだけ多くの建築関係者にご参画いただきたいと考えています」(徳永さん)
写真撮影やスケッチもでき、大人も子どもも楽しい!
2016年7月現在、「建築倉庫 ARCHI-DEPOT」には、日本を代表する建築家でもある、隈研吾氏や坂茂氏、青木淳氏といったそうそうたる面々の建築模型がズラリと並んでいるのだが、どれも精巧でぐっと見入ってしまう。
「実は、このミュージアム誕生前の昨年、イタリア・ミラノ万博で建築模型展を開催したのですが、そのときもすごく好評でした。大人が子どものように見入っているのがすごく印象に残っています。もちろん、子どもたちも、この小さな世界が大好きですよ」と笑う。
さらにすばらしいのが、写真撮影やスケッチがOKであるということ! 日本の多くのミュージアムでは、撮影やスケッチをすることができないが、これは珍しい。写真撮影やスケッチをしていると、建築の世界観に入り込めて、実に楽しいもの。建築を学ぶ学生なら、かっこうのリアルな教材といえそうだ。
「お客様には積極的に写真を撮影して、SNSなどで発信してもらえたらと考えています。また、館内は建築模型を主人公にしたく、必要な情報を極力おさえました。そのためQRコードを表示し、そのページにいくと作家の情報などが読み取れるようにしてあるのです」と話す。こうした、今までの美術館にはない、イマドキの仕掛けも大変おもしろい。
「私どもはここで建築模型の展示・保管をしながら、新しい出会いの場、情報発信の場にもしていきたい。今、日本で思われている以上に、日本人建築家の建築模型はコンテンツとして需要があるんです。また、日本を訪れる外国人旅行客にも、ぜひ訪れてほしいですね。既存の美術館で日本のコンテンツを発信しているところは、実は少ないんですよ」と徳永さん。
こうした海外へ価値を発信する試みと並行して、子どもたちを対象にしたイベントやワークショップ、建築を学ぶ学生たちを対象にした講義なども行う予定だとか。
ミニチュアのようで楽しい「建築模型」の世界は、一つひとつが、建築家の魂でもあり、小さな宇宙のよう。温度も湿度も管理されているので館内は快適、夏に出かけるにはぴったりだ。ぜひ、親子で出かけて、小さくて大きな「建築模型」の世界にふれてほしい。

入館料:大人1000円、高校生以下および18歳未満は500円(ともに税込)

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29 ヤモリが部屋に現れた! どうすればいい? 2016/7/26 読売新聞
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夏になり、ヤモリを見かけた方もいるのでは? 筆者の部屋にも稀にサッシの隙間から侵入してきます。そんなとき、ヤモリが好きな筆者はそっと捕まえて外に逃がすのですが、苦手な人は触るのなんて無理ですよね。虫と違って殺生もできないし…。ヤモリ対策について、爬虫類を多く飼育する熱帯倶楽部 東川口本店の高橋店長にお話しを伺いました。
ヤモリは田舎ではなく都会に現れやすい
敵(?)と戦うには敵を知ることから。ということで、まずはヤモリの生態を教えてください。
「ヤモリは春先~秋の終わりにかけて活動する夜行性の生き物です。寒い時期は木の隙間などでひっそりとしてほとんど活動しません。チョロチョロ動く小さい虫が好物で、寿命は5年くらいですね。みなさんが遭遇するヤモリは“ニホンヤモリ”という種類になります」
ちなみに、現在都内に住む筆者は、緑の多い田舎の出身です。が、実家にいたころはヤモリを見たことがありませんでした。ヤモリは都会に住む生き物なのでしょうか?
「そんなことはありません。田舎では緑のあるところに虫が生息している=ヤモリも生息しているということで、人の住むところに出てこないというだけです。なので、緑の少ない都会の方がヤモリを目にする機会が多くなるんだと思います。ゴキブリと同じですね」
ひぇー。ヤモリは全く平気でもゴキブリが苦手な筆者としては、“ゴキブリと同じ”と言われるとなんか嫌な感じがします……。
「ヤモリ嫌いな方も薄々お気づきかと思いますが、ヤモリは害虫を食べてくれる益獣(?)で、生態系を守ってくれています。漢字で書くと“屋守=家を守る”ですよね。不衛生なゴキブリと違って害はないので特別嫌がることなどをしなければ噛まれたりする、ということはありません」
虫対策をすれば、ヤモリも侵入してこない
では本題です。ヤモリが部屋にいたら、どのように対処すればいいのでしょうか。
「素手が無理なら網や箱などで捕まえて、逃がすしかないですね(笑)。捕獲がどうしても無理ならそのまま放っておけば数日で外に出て行ってしまうと思います」
とはいえ、ヤモリが苦手な方にはどちらもなかなかハードルが高いですね……。ヤモリが活動的になる今の時期に、部屋に侵入させないようにする方法はないのでしょうか?
「ヤモリは苦手なものがないので、『ヤモリ対策』というのはこれといってありません。だた、当たり前ですが、餌となる虫のいるところに現れます。なので、虫が部屋に侵入しないように対策をすればヤモリが侵入することはないと思います。ゴキブリの子どもが好物なので、ゴキブリ対策(※)をしっかりするのと、ヤモリが通れてしまう1cm程度の隙間をふさぐ、というのが具体的な対策になると思います。
あとは、最近“LEDは電球に比べて虫が寄ってこない”ということが分かったそうなので、玄関の灯りやマンション通路の電灯をLEDにするのも対策になるかもしれませんね」
※参考:春到来! わが家のゴキブリを徹底的に退治するには?
あの蛍光灯に群がる虫はもはや夏の風物詩ですが、LEDにすることで虫が寄らなくなるなんて! マンション共用部などはすぐには難しそうですが、一戸建てならすぐにできる対策ですね。
「部屋に現れたヤモリを逃がすときは、素手でも道具を使ってでもそっと優しく捕まえて、余裕があれば夜間に虫が集まる街灯の下に逃がしてあげてください」と、ヤモリ愛溢れる高橋さん。
ゴキブリと違ってこちらに向かって飛んで来るようなトリッキーな動きはしないので、どうしても触ったり、箱で捕獲なんて無理! という場合は長い棒などで(ヤモリに触れないように)ちょいちょいと出口まで誘導する、という方法もあるとか。
なにはともあれ、部屋の中で絶対にヤモリを見たくない方、まずはゴキブリ対策から始めましょう。

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30 トランペットも吹けちゃう賃貸「ミュージション」 人気の秘密は? 2016/7/25 読売新聞
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特定の趣味や嗜好を持つ人たちをターゲットにした「コンセプト型賃貸」。最近はバイク乗りのために設計された物件やアイドル監修の物件など、さまざまなタイプが展開されている。そのなかでも先駆け的なシリーズであり、着実に棟数を増やしているのが「ミュージション」。音楽を愛する人、ミュージシャンを志す人などに人気で、シリーズ全棟の入居率は9割を超えるという。何が入居者を惹きつけるのか、その魅力を探ってみたい。
トランペットの音もほぼ無音にする遮音性の高さ
ミュージションを展開するのは、個性的な賃貸住宅などの企画運営・管理を行うリブラン。同シリーズのマンションは、現在東京、埼玉、神奈川に9棟存在するという。今回訪れたのは「ミュージション野方brio」。バンドマンの街、高円寺にも近く、楽器店や音楽スタジオも点在するエリアにある。ミュージション史上最高の遮音性能を叩きだし、現在シリーズのなかでも人気の高い物件だ。
ミュージションシリーズの特徴について、ミュージション事業部の椎名晃子さんに話を聞いた。
「最大の特徴は、やはり遮音性です。一般的な賃貸マンションの場合、部屋と部屋の間にある壁芯(コンクリート)の厚みは約12cmですが、ミュージションは18cmから20cmです。加えて、壁の中にグラスウールを入れることで、音を吸音して隣の部屋に伝わらないようにしています。また、必要に応じて窓も二重サッシになっている物件もあり、外に音がほぼ漏れない仕様になっています。野方brioでは部屋を仕切る扉に音楽スタジオでも使われている音漏れを防ぐ密閉性の高いものを採用しており、密閉性が高いので音を廊下に漏らしにくい構造となっています」(椎名さん、以下同)
いずれも遮音性への徹底したこだわりを感じる。実際のところ、どれくらいの音をカットできるのだろう?
「野方brioに関しては、人の声と同じ程度の500Hz帯の周波数ですと、最大85db(デシベル)カットすることができます。普通の話し声が60dbほどですので、発声練習などで大きな声を出してもまったく漏れません。また、部屋のなかでトランペットなどの金管楽器を演奏しても隣室には響かず、ほぼ無音といっていいでしょう」
音に配慮し尽くした同物件だけあって、やはり音楽を趣味にしている人、仕事にしている人がたくさん集まってくるようだ。
「入居者は音大生の方、趣味で楽器をやっている社会人、演奏活動を仕事にしている方などです。一番多いのは趣味で演奏を楽しみたいという方ですね。楽器演奏をしない方でも、例えば音響にこだわっていて、大音量で音楽や映画を楽しみたいというニーズもあります。また、なかにはピアノ教室やギター教室を開催している方もいらっしゃいます。賃貸マンションかつ遮音性が高い物件となるとなかなかないので、低予算で教室をスタートされたい方にも喜んでいただけています」
また、遮音性だけでなく、ハイスペックな音響機器に対応できるよう200Vの電源を入れるといった配慮も。少しでも快適な音楽ライフを送ってもらうべく、入居者の意見を柔軟に反映させているようだ。
人気のひみつは音楽好きのニーズ+α
ちなみに、オーナーからの反響はどうなのだろう?
「空室が少なく、入居者にも長く住んでもらえるとのお声をいただいています。ミュージション以外にも何棟か賃貸住宅を経営されているオーナー様もいらっしゃるのですが、『ミュージションはいつも満室だよね』っておっしゃっていただけますね」
一般的なマンションよりも建築コストがかかるため、相場より家賃は2割程度高くなるが、それでも満室とはよほどニーズがあるのだろう。日常的に楽器演奏をする人にとってはスタジオ代を節約できるため、賃料が割安と感じる方も多いようだ。
「私も音大卒なので分かるのですが、音楽は日常生活と切っても切り離せないものです。たとえば、本番前に朝早くに家で最終確認をしてから出発することができたり、お勤めをしながら趣味の楽器を続けたりする場合どうしても音を出せるのは夜中しかない、という方もいらっしゃいます。作曲にしても演奏にしても、アーティストにとって24時間音楽に触れられる環境って、とても有難いものだと思うんです」
好きなときに楽器に触れ、好きなときに歌う。確かに、音楽に最も必要な感性を育むうえでは、重要なことなのかもしれない。
なお、同物件では入居者同士のつながりを後押しする取り組みも実施しているという。
「入居者さんから、『音楽家同士で情報交換がしたい』という声をいただいたことから、『ミュージションズクラブ』というコミュニティを展開しています。セッションパーティーやライブなどの音楽イベントだけでなく、仕事に役立つセミナーやバーベキューといった懇親会などのイベントを開催していて、700人近い会員とのつながりから新しい仕事が生まれています。
私を含め、ミュージションのスタッフは元プロのドラマーやオペラ歌手など、入居者さんと同じく音楽を愛している者ばかり。住まいのことに限らず、音楽活動の悩みにも耳を傾ける“相談窓口”の役割を担っているので、入居者さんとの信頼関係を何よりも大切にしています」
音楽生活を暮らしの面から支えるミュージション。“高い遮音性を誇る部屋“というハードの魅力だけにとどまらず、入居者同士をつなげるコミュニティも活発なことが、根強い人気と高い入居率の秘密なのかもしれない。

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31 「趣味」と「実用性」を兼ねた家づくり・空間づくりのコツは? 2016/7/21 読売新聞
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遊び心のある趣味スペースに憧れながらも、「子育てや家事との両立は難しそう」と諦めている人は多いのでは? しかし、アイデア次第で遊びと実用性を兼ね備えた住まいはできるはず。子育てや家事のしやすさに配慮しつつも、趣味を楽しむためのスペースを実現するポイントを建築家の中佐昭夫さんに尋ねた。
フリースペースを設けて、スペース不足を解消
最近は「広さや間取りといったスペック面だけでなく、家に『個性』や『面白さ』を求め、自由に家づくりを楽しむ人が増えている」という建築家の中佐昭夫さん。
とはいえ、中には広さがネックになって、「欲しかった趣味空間を断念した」という人も。子育てや家族だんらんと、趣味空間を両立するためには「スペースの解決」がカギとなる。中佐さんがその解決策として提案するのが、ライフスタイルの変化や子どもの成長に応じて、変化させられる自由度の高い空間をつくっておくことだ。
「例えば子どもが小さい時期はワンフロアの広い空間として子どもの遊び場や趣味空間として使い、成長後は個室として仕切れるような空間をつくることは、省スペースに役立ちます。ただし、そのためには現在の暮らしだけでなく、20年、30年後の暮らしを想像することが重要。その上で、どこで趣味と実用性のバランスを取るか決めていくといいでしょう」
一緒に遊べる空間をつくって、親子の時間をより楽しく
音楽やスポーツ、読書など家族が共通の趣味をもっているなら、その趣味を一緒に楽しむための専用空間をつくるのもよいだろう。例えば吹抜けを利用したクライミングウォールやみんなで演奏できる音楽室があれば、子育てをしつつ、趣味の時間をシェアできる。自分の趣味や嗜好を思い切り表現した空間をつくることで、家への愛着もより深まるだろう。
「家族」と「個人」の空間を分けて、気持ちを切り替える
普段は家族とにぎやかに過ごしつつ、時には1人で趣味に集中する時間も欲しい。そんな人は「家族と個人」「大人と子ども」「来客に見られるパブリック空間と家族だけのプライベート空間」など、それぞれの空間でがらりと雰囲気を変えてみるのも手だ。
「空間ごとに内装の素材や色、天井高を変えれば、コンパクトな空間でも気持ちを切り替えられます」
互いの趣味に興味をもてる空間づくりを
プライベートでは、10歳と5歳の息子の子育て中でもある建築家の中佐さん。2009年に建てた神奈川県の自邸では、「車」「料理」「音楽」という夫婦の趣味を存分に楽しみながらも、毎日の暮らしやすさや子育てのしやすさに配慮したアイデアを実験的に取り入れている。
そのひとつが、家族みんなで過ごすLDKを中心に、右側には夫のガレージ、左側には妻のキッチンを配置した間取り。LDKの両脇にガレージとキッチンを配置し、家族の空間と趣味空間を完全に切り離すのではなく、見える場所に置くことで、家族が互いの趣味を好意的に受け入れられるという。
「例えば僕が車の手入れをしていたり、妻がパンを焼いていたら、子どもたちも自然と『何してるのかな?』と興味をもつし、親がどんなものを好きなのか、自然と理解する。それも家族のコミュニケーションのあり方だと思います」
また、敷地内に母屋と離れという2つの建物を作ったのも特徴。もともと離れは二世帯住居の予定で建てたものだが、現在は夫のホビールームとして使っている。
「将来は子ども部屋や、人に貸したりすることも考えています。こうした“流動性のある空間”をつくっておくのも、趣味と実用の両立につながります」
どんな趣味空間をつくるのかを決める過程も、家づくりの楽しさ。家族でじっくり話し合い、遊び心のあるわが家を手に入れよう。

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32 住友不、大阪・梅田のマンション計画にホテル追加 訪日客などの需要見込む 2016/7/25 日経産業新聞
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 住友不動産は大阪市中心部の梅田地区に200室のホテルを含む複合ビルを建設する。タワーマンションを計画中だったが、土地を購入した2014年当時に比べて訪日客が急増し、観光地として人気のある関西は今後もホテル需要が堅調に推移すると判断。階数を従来計画の52階から56階へ積み増してホテルを追加導入する。
 高層部にマンション900戸、中層部にホテルを配置する。マンションは間取りを工夫し、従来計画戸数を維持する。繁華街の「お初天神通り」に面しているため、低層部は商業施設にする。敷地面積は6900平方メートル、延べ床面積は12万平方メートル、高さ193メートル。18年春に着工し、22年春の完成を予定する。

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33 アーク溶接ロボにAI 安川電機 2016/7/21 日経産業新聞
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 安川電機は人工知能(AI)機能を搭載し、アーク溶接の効率を高めるロボットを今秋にも投入する。細かい動作設定を省ける一方、溶接の品質を熟練工並みに引き上げられるのが特徴。ロボットの故障を予知する機能もあわせて提供する予定だ。将来は塗装向けなどアーク溶接以外にもAI導入を広げていく方針で、工場の生産効率向上を後押しする。

2016-07-28 | Posted in 住宅関連新聞記事Comments Closed