住宅関連新聞記事ダイジェスト No.640  2016/6/23~2016/6/29

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住宅関連新聞記事ダイジェスト No.640  2016/6/23~2016/6/29
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【日本経済新聞】
1 住宅が「価値貯蔵機能」を持つ日が来る
2 豊洲市場、新たな夜景の名所に
3 小笠原空港「建設に協力」 丸川環境相、計画前進に前向き
4 移住相談、長野がトップ 総務省「アクセスの良さ人気」
5 京都、ホテル容積率を最大300%上乗せ 訪日客向け客室増
6 東武鉄道、松原団地駅を「獨協大学前」に改称へ

【朝日新聞】
7 511人が合格 合格率は32.6% 鑑定士試験・短答式
8 日本戸建管理、金融機関と提携 割引サービスなど実施
9 点在する空き地を集約 「宅地バンク」制度化検討 国交省
10 既存住宅流通量、3年連続で上昇 FRK調べ
11 東京23区マンション価格、19~20年がピーク 不動研調べ
12 家賃保証の登録制度創設へ 新住宅セーフティネットの一環
13 民泊検討会、新制度の最終報告書を公表
14 前年同月比3カ月連続減 首都圏5月の賃貸成約 アットホーム調べ
15 首都圏・新築マンション供給、6カ月連続減少 不動研調べ
16 外国人対応を支援 実務マニュアルなど整備へ 国交省
17 5月中古マンション売り価格 首都圏5カ月連続の上昇も都心6区で天井感

【読売新聞】
18 ライダーの夢を叶えたリノベ[前編]1階の7割がガレージ!
19 都民以外も無料で見られる「東京防災」から、役立つ情報拾い読み
20 LGBTの住宅事情。住まい探しの苦労とこれからの課題とは
21 イマドキの「別荘」最新事情 リノベ物件や無印の小屋も登場
22 小スペースでも設置可能? 憧れの「ハンモック」のある暮らし
23 賃貸住宅にキケンを感じたら「いやや(188)!」に相談

【日経産業新聞】
24 イー・ガーディアン 「VR酔い」チェックサービス
25 天井クレーン 揺れにくく 東京農工大
26 木の粉燃やすボイラー、IHI環境エンジとラサ工業
27 曲がる太陽電池、家庭に みんな電力が米社製品発売
28 LIXILグループ、南ア工場で生産効率を底上げ
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1 住宅が「価値貯蔵機能」を持つ日が来る 日本経済新聞 2016/6/29
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今後、中古住宅は価値が落ちない物件と落ちる物件に両極端に分かれそうだ(都内の住宅街)
 不動産には資産としての「価値貯蔵機能」がある。不動産を保有することで将来に備えて価
値を蓄えることができるし、必要ならば貨幣やモノと交換することができるという意味だ。
 しかし、住宅については価値貯蔵が機能不全を起こしている。戦後の高度経済成長期からバ
ブル期までは、地価が断続的に上昇したためこの問題が隠蔽されてきたが、バブル崩壊以降、
「建物に価値貯蔵機能はない」という日本特有の欠点が露呈している。
 今では多くの人が知るようになったが、建物の価値が25年程度でゼロになるのが当たり前な
のは、先進国で唯一、日本だけである。
 国民全体が保有する土地や建物などの資産から負債を差し引いた「国富」(国全体の富=正
味資産)は3108兆5236億円(2014年度国民経済計算)。日本の場合、住宅資産に占める土地と
建物の比率はおおむね7対3だ。しかし、他の先進国では土地と建物が逆転していて、例えば
米国では土地1、建物3の割合だ。
 土地資産額は1600兆円あったバブルのピーク時に比べすでに60%以下になったが、今後本格
的な人口・世帯減の中でさらなる減少は必至。もちろんその内訳は文字通りバラバラで、価値
が落ちるところとそうでないところが極端なコントラストを描くというイメージをしておくと
よいだろう。
 これから空き家問題が深刻化するうえ、過大に評価されてきた地価の歪みが修正されていく
のではないだろうか。
 例えば都心や都市部の好立地。その他地域では「立地適正化計画」に基づき自治体が「人口
密度を維持する」と宣言する立地などは価値を維持できる可能性が高く、一部では上昇も見ら
れるだろう。それ以外の多くの地域はその価値を限りなくゼロに向け下げていくしかない。
 人口密度が保たれる地域において、建物の状態について一定のコンディションが確認できる
ものについては中古住宅として市場価値を維持できる可能性が高い。
 価値が落ちない、落ちづらい住宅市場であるなら、住宅購入は家計にとってまさに「貯蓄」
になる。所有者はこれを原資に住み替えも容易になる。
 数千万で買ったり建てたりした住宅の価値が全く評価されないために、住み替えたいのに住
み替えられないという、多くの住宅所有者がこれまで抱えてきたジレンマから解放され、住宅
を購入することがまさに資産形成になる。
 また「自宅を売却することなく住み続けながら、その資産価値を現金化できる仕組み」とし
て各政党のマニフェストにしばしば散見された「リバースモーゲージ」も、画餅に終わること
なく活用でき、一生をかけて住宅資産を使い切ることも可能になる。このようにして住宅所有
が資産効果をもたらすことが内需経済に与える影響は大きいだろう。
 住宅市場の変化は、国の経済構造にも変化をもたらす。例えば新築販売時の売り上げや利益
は業界側(販売側)のものだが、中古住宅の評価は一個人の資産として計上される。
 建物の価値が落ちる現在の状況下では、中長期的に見れば住宅所有者は非所有者に比べて消
費を抑えることや、家計内債務超過に陥っているケースが多いことなどがわかっている。短期
的に内需を喚起する住宅投資も、長期的に見れば内需を傷めていた可能性が高いのだ。
 また土地そのものへの投資は、当初の開発以降はほぼ新たな投資を生まないが、建物の場合
は修繕やリフォームへの投資が断続的に行われる。リフォーム市場規模は現在6兆7000億円(2
015年矢野経済研究所)で、倍増させることは十分に可能だ。我が国の住宅投資に占めるリフォ
ーム投資の割合は30%弱と、他先進国の半分程度にすぎない。
 住宅市場は「新築主導で、買ったそばから価値が下がる」といったこれまでのあり方から、
「選ばれた立地で建物のコンディションが良好なら価値を持ち続ける中古住宅主導」へと、時
間をかけて切り替わっていく。そのような過渡期に住宅購入をするなら、その際の判断に必要
な事柄はこれまでのコラムを参照されたい。

長嶋修(ながしま・おさむ) 1999年、業界初の個人向け不動産コンサルティング会社「さく
ら事務所(http://sakurajimusyo.com/)」を設立、現会長。「第三者性を堅持した個人向け不
動産コンサルタント」の第一人者。国土交通省・経済産業省などの委員を歴任し、2008年4月
、ホームインスペクション(住宅診断)の普及・公認資格制度を整えるため、NPO法人日本
ホームインスペクターズ協会を設立し、初代理事長に就任。『「空き家」が蝕む日本』(ポプ
ラ新書)など、著書多数。

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2 豊洲市場、新たな夜景の名所に 2016/6/28 日本経済新聞
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 11月7日に開業する東京都の豊洲市場(江東区)で、都は建物を江戸文化の家の柵からもれる
「もれ光」をイメージしたライトアップをする。レインボーブリッジや台場のビルとともに夜
景に溶け込む工夫を凝らし、東京の新たな観光名所としてPRする。
 豊洲に移る築地市場(中央区)の業者からなる築地市場協会がこのほど開いた市場竣工の報
告会で、ライトアップなど施設の特徴が紹介された。設計に当たった日建設計の担当者による
と、市場の案内表示の文字も江戸文化を意識した字体を使う。市場の屋根は短冊状とし、周囲
の水辺や広場と調和するデザインにしたという。

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3 小笠原空港「建設に協力」 丸川環境相、計画前進に前向き 2016/6/26 日本経済新

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 丸川珠代環境相は26日、建設計画が停滞している小笠原空港について「日本の宝というべき
小笠原の自然環境を守る中で、空港建設に協力していく」と述べ、空港建設の計画を前進させ
る考えを示した。小笠原諸島の世界自然遺産登録から5周年を記念し都内で開かれたイベントで
発言した。今後、東京都や各省庁と協議していく方針だ。
 空港計画は巨額の整備費や環境保護などを理由に進んでいない。都心から約1000キロ離れて
いる小笠原諸島は片道20時間以上かかる定期船が唯一の交通手段で、急病人に対応しにくいな
どの問題を抱えている。

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4 移住相談、長野がトップ 総務省「アクセスの良さ人気」 2016/6/25 日本経済新聞
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 総務省は25日までに、2015年度に全国の都道府県と市区町村が受けた移住相談が14万1683件
だったと発表した。都道府県別に集計すると、トップは長野の1万2054件。次いで高知の8276件
、北海道の6945件だった。調査は今回が初めて。
 自治体に寄せられた電話やメールの本数と、都市部のアンテナショップなどに設置した窓口
やイベント時の相談件数を合計した。
 総務省の担当者は長野県について「首都圏からのアクセスの良さと自然の豊かさが人気を呼
んでいる」と分析。14年10月に東京・銀座で長野県のアンテナショップを開き、相談窓口を設
置したことも一因とみられる。

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5 京都、ホテル容積率を最大300%上乗せ 訪日客向け客室増 2016/6/25 日本経済新聞
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 東京都は24日、ホテル用地の容積率を原則として最大300%上乗せする運用基準を発表した。
容積率の緩和を促す国土交通省の通知を受けた措置で、都心のホテルの不足解消に役立てる狙
い。2020年の東京五輪・パラリンピックに向けて訪日外国人客がさらに増えるとみられること
から、高層で客室数が多いホテルを建てやすくする。
 容積率は敷地面積に対する建物の延べ床面積の割合。今回対象となるのは、客室の床面積が
シングルルームで15平方メートル以上、ツインルームで22平方メートル以上あるホテル。

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6 東武鉄道、松原団地駅を「獨協大学前」に改称へ 2016/6/23 日本経済新聞
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東武鉄道は22日、東武スカイツリーライン松原団地駅(埼玉県草加市)の名称を2017年春か
ら「獨協大学前」駅に変えると発表した。副駅名には国の名勝に指定されている「草加松原」
も加える。市などの要望を受けての変更。文教都市と観光を発信できる駅名で街のイメージア
ップを図る。
 松原団地は都市再生機構(UR)が老朽化に伴う建て替えを順次進めており、新しく建てら
れたマンションには「コンフォール松原」という名称を使っている。草加市や商工会議所は鉄
道駅を代表する新たな周辺施設として独協大学や、14年に国指定の名勝地となった草加松原を
選定。東武鉄道に対して駅名の変更を要望していた。

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7 511人が合格 合格率は32.6% 鑑定士試験・短答式 朝日新聞 2016/6/29
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 国土交通省土地鑑定委員会は6月29日、2016年不動産鑑定士試験短答式試験の合格者を発表し
た。
 今回の受験者数は1568人で、511人が合格。合格率は32.6%だった。平均年齢は37.8歳、最高
齢81歳、最年少は19歳。昨年と比べて受験者は95人、合格者は60人増えている。合格点は総点
数の63.75%以上(科目別に設定された必要最低得点比率を満たさない者を除く)、平均得点比率
は54.7%だった。
 合格者は、8月6日~8日までの3日間で行われる論文式試験を受験できる。

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8 日本戸建管理、金融機関と提携 割引サービスなど実施 朝日新聞 2016/6/29
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 戸建て住宅専門の管理業務「家ドック会」を運営する日本戸建管理(大阪市中央区)は池田泉
州銀行と提携し、同銀行の住宅ローンの借り換えやリフォームローンの新規利用者向けに特典
を用意する。
 6月30日から、戸建ての維持・管理に役立つサービスが初年度1年間無料及び2年目以降10年間
の会費割引サービスを実施する。家ドック会は、住宅の維持管理の相談先として、また自身で
住宅メンテナンスを行うことが困難な戸建てオーナーの利用を見据えて誕生した。毎年実施す
る自宅の定期点検をはじめ、修繕計画の立案や無料駆け付けサービスなどを実施している。

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9 点在する空き地を集約 「宅地バンク」制度化検討 国交省 朝日新聞 2016/6/29
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 国土交通省は空き地の活用に向けて、所有者と行政、民間事業者との間に介在する公的機関
の制度化を検討している。空き地を集約し、所有者と利用希望者とのマッチング機能を担うイ
メージ。農地を集約して活用する「農地中間管理機構(農地集積バンク)」の仕組みを参考にし
、その「宅地版」を制度化できないか検討する。課題が多岐にわたるため、慎重に検討を進め
ていく。

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10 既存住宅流通量、3年連続で上昇 FRK調べ 朝日新聞 2016/6/28
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 不動産流通経営協会(FRK)はこのほど、既存住宅の年間の流通量を推計する「既存住宅流通量
の地域別推計」を発表した。
 それによると、平成25年の既存住宅流通推計量は51万4000件で前年比4万1000件増加。3年連
続の増加となった。
 既存住宅流通比率は、新設住宅着工戸数の増加に伴い、前年から0.5ポイント減少し、34.4%
となった。

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11 東京23区マンション価格、19~20年がピーク 不動研調べ 朝日新聞 2016/6/28
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 日本不動産研究所の調査によると、15年に8.9%上昇した東京23区のマンション価格について
、16年は2.5%上昇、17年は1.2%上昇と横ばいに近づき、19~20年をピークに21年以降はわずか
な微減傾向が続く模様だ。

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12 家賃保証の登録制度創設へ 新住宅セーフティネットの一環 朝日新聞 2016/6/27
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 国土交通省は、新しい住宅セーフティネットの構築の一環で、家賃債務保証業の登録制度の
創設を検討している。このほど開催した、新たな住宅セーフティネット検討小委員会の2回目の
会合で明らかにした。
 小委は、増加する高齢者世帯や低廉な賃貸住宅を必要とする若年・子育て世帯など住宅確保
要配慮者の裾野が広がっていることを受けて、従来の住宅セーフティネットを補完する新しい
仕組みをつくる目的で設置された。新しい住宅セーフティネットは民間賃貸の空き家・空室の
活用を前提に、地方自治体ごとの登録制度を設ける方向。

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13 民泊検討会、新制度の最終報告書を公表 朝日新聞 2016/6/24
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 厚生労働省と観光庁が共催する「民泊サービスのあり方に関する検討会」がこのほど、最終
報告書を公表した。 
 同検討会は昨年11月に発足。計13回にわたって議論し、新法の基づく民泊の新制度の基本的
な考え方をまとめている。

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14 前年同月比3カ月連続減 首都圏5月の賃貸成約 アットホーム調べ 朝日新聞 2016/
6/23
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 アットホームの調査によると、5月の首都圏における居住用賃貸物件成約数は1万7605件で、
前年同月比4.4%減となり、3カ月連続のマイナスとなった。東京23区で新築アパートが減少に転
じ、同4.1%減と3カ月連続の減少。一方で埼玉県、千葉県ではシングル向きアパートが好調で、
埼玉県は同2カ月連続、千葉県は同6カ月連続の増加となった。

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15 首都圏・新築マンション供給、6カ月連続減少 不動研調べ 朝日新聞 2016/6/23
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 不動産経済研究所の調査によると、5月に首都圏で供給された新築分譲マンションは3002戸で
、前年を14.1%下回った。これで、6カ月連続の前年比減となった。
 1戸当たりの販売価格は5692万円(前年比18.3%上昇)、1平方メートル当たり単価は82.3万円(
同21.2%上昇)だった。価格、単価ともに12カ月連続して上昇している。初月契約率は70.9%で、
3カ月ぶりに好不調ラインの70%を上回った。
 6月の供給予想は、前年を約500戸下回る3000戸程度。

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16 外国人対応を支援 実務マニュアルなど整備へ 国交省 朝日新聞 2016/6/23
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 国土交通省は今年度、不動産事業者に対する外国人対応の支援を行う。外国人客との取引を
想定した実務マニュアルを作成するほか、媒介契約約款をはじめとする法的文書の外国語対応
など必要な環境整備を進める予定。
 不動産業界で外国人客との取引実績が増加している中で、今後「外国人が購入した不動産を
売却するとき、体制が整っていなければ不動産事業者のビジネス領域が狭まってしまう可能性
がある」(国交省)。そのため支援を通じて、事業者が体制面で整備しきれない部分をカバーす
る考えだ。

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17 5月中古マンション売り価格 首都圏5カ月連続の上昇も都心6区で天井感 朝日新聞 2
016/6/23
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 東京カンテイが発表した5月の中古マンション価格(70平方メートル換算、売り希望価格)によ
ると、首都圏は前月比0.7%上昇の3452万円となり、5カ月連続で上昇した。東京都が23カ月連続
上昇、神奈川県と埼玉県も上昇している。一方で千葉県は小幅ながら2カ月ぶりに弱含み、他の
エリアとの価格差が広がっている。ただ、都心6区は同0.4%マイナスの7146万円と3カ月ぶりに
弱含み、中央区以外では軒並み下落。天井感が強まっている。近畿圏(2005万円、同1.6%下落)
は連続上昇がストップしたものの、2000万円台の大台は維持した。中部圏(1611万円、同2.0%上
昇)は3カ月ぶりに上昇した。

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18 ライダーの夢を叶えたリノベ[前編]1階の7割がガレージ! 読売新聞 2016/6/28
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何かしらの趣味を突き詰めている人であれば、それに没頭できる専用のスペースをもちたいと
思うだろう。例えばバイク。お気に入りの愛車を整備したり、ニヤニヤ眺めたりする「マイガ
レージ」は、多くのバイカーの憧れだ。
今回は中古一戸建てをリノベーションし、超本格的なガレージをこしらえてしまった方のお宅
を訪問。こだわりポイントや苦労話、物件探しのこと、住宅ローンのことなど、ガレージリノ
ベにまつわるアレコレを聞いた。

1階の7割をバイク用ガレージが占拠
やってきたのは東京・北区にある一戸建て「Oさん邸」。外観は周囲の住宅街に溶け込む築34年
の木造2階建ての住宅だが、とにかく中身がスゴかった。玄関扉を開けたすぐそこに「バイク用
ガレージ」があり、屋外の駐車スペースにも愛車のMINIコンバーチブルと小型バイクのホンダ
・スーパーカブが置かれている。1階部分のほぼすべてが車とバイクで占められているのだ。
大型の単車2台をゆったり置ける土間スペース、壁には無数の工具やパーツ類がかけられている
。さらに、ガレージの真横にわざわざお風呂をレイアウト。ガレージ側にガラス窓を設け、湯
に浸かりながら愛車を鑑賞できる設計となっている。ガレージでバイクをぴかぴかに磨き上げ
、お風呂で油まみれの体を洗い流しつつ、湯に浸かりながら車体を眺めて悦に入る。Oさんは日
々、そんな最高すぎる趣味の時間を過ごしている。
「前の家もガレージ付きの賃貸一戸建てだったんですが、本来は車1台分のスペースにMINIとバ
イク3台を無理やり置いていたのでとにかく狭くて。かといって、都内で駐車場を借りるとバイ
ク1台だけでもけっこうかかるんですよね。ちゃんと屋根付きでセキュリティも確保されてない
と嫌なので、それだと1台1万5000円とかかかってしまう。それも馬鹿らしいので、いっそ中古
一戸建てを購入して、理想のガレージをつくってしまおうと」(施主・Oさん)
まさに、バイク乗りの夢。1階部分のほぼすべてを費やし居住空間を圧迫しようとも、どうして
も手に入れたい価値だったようだ。
だが、そんなOさんは既婚者である。しかも、妻はまったくバイクに興味がないときている。リ
ノベーションプランを練る際には往々にして夫婦の領地争いが勃発したりするものだが、夫の
趣味全開のスペースにここまで空間を侵食されて妻は反対しなかったのだろうか?
「なんで許したの? ってよく聞かれるんですけど、私自身は家にそんなにこだわりがなかっ
たので、ある程度は夫の好きなようにと。それに、夫が勝手に暴走して進めてしまったわけで
はなくて、私に『こういうふうにしたい』って提案してきましたから。私は『ふーん、まあい
いんじゃない』って感じで。“説明”はされましたけど、“説得”は特にされていないですね
」(妻のEさん)
「それに、私自身も大学時代に演劇の舞台美術をやっていたので、DIYは好きなんです。だから
私が作業するときはバイクを1台外に出して、工房としても使える。ふだんはバイクに占拠され
ていますけど、2人の作業スペースという感じですね」(Eさん)
こだわりが強すぎる夫と、それを優しく許容するおおらかな妻。いや、恵まれてますねー、Oさ
ん。
DIY好きならではの工夫も随所に
なお、ともにDIY好きというだけあって、夫婦の手による「カスタマイズ」も随所に施されてい
る。
「例えば、ここは玄関ドアを開けたらすぐにガレージなので、シューズボックスとかも何もな
い。そこでガレージ脇に壁掛け収納を手づくりしました。安いOSB合板をホームセンターで買っ
てきて、靴がとりやすいように、角度が変えられる棚受け金具を使って少し斜めに設置してい
ます」(Oさん)
さらに、2階の居住スペースにもDIYの手は及んでいる。
「まず壁と天井は全部私たちが塗りました。床張りはさすがに職人さんにお願いしましたが、
ここも仕上げの塗料は自分たちで。オスモカラーのフロアクリアーというオイルステインを使
いました。あとは冷蔵庫や、天井を抜いてむき出しになった梁の黒い部分は黒板塗料ですね。
そうそう、『猫用の吊り橋』も自作したんですよ」
できることは自分たちで。そのぶん圧縮したコストを、材質やデザインにまわす。限られた予
算内でのやりくりが垣間見えるが、それもすべてこだわりを追求するための工夫なのだ。
家とは単に体を休めるための箱ではなく、人生を豊かにするベースであることを改めて教えて
くれるようなOさん邸。マイホームを買う際は、少し無理してでも、パートナーと多少もめても
、自分が楽しむための空間を確保しておくべきなのかもしれない。
次回の後編では、ガレージリノベに適した物件の探し方、特殊な事情であるがゆえの住宅ロー
ンにまつわる思わぬ苦労などについて紹介する。

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19 都民以外も無料で見られる「東京防災」から、役立つ情報拾い読み 読売新聞 2016/
6/28
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2015年9月から、東京都の各家庭に無料配布された『東京防災』。わが家にも1セットある(冒
頭の写真)。配布された当初から「内容が濃い」「デザインがいい」などと話題になっていた
が、具体的に「やるべきこと」を「分かりやすく」解説した防災のマニュアル本として、たし
かにすぐれものといえる。その情報の一部を紹介しよう。
「分かりやすさ」や「行動喚起」がお役立ち度を高める「東京防災」
なにかと世間を騒がせた舛添要一氏だが、都知事時代に発案して誕生したのが「東京防災」だ
。340ページにおよぶ防災のマニュアル本で、災害に対する備えから、発災直後や避難生活の際
の注意点、生活再建までの幅広いお役立ち情報が分かりやすく書かれている。
具体的にどういった情報が掲載されているのか、見ていこう。
まず、次のクイズにどの程度回答できるか、やってみてほしい。
「地震の揺れを感じたら、まず何をすべき?」「地震が起きたとき、火を使っていたらどうす
べき?」「避難をするときに注意すべきことは?」など、どれも万一のときに、知っておきた
いことばかりだ。
もちろん、回答となる詳しい解説が”答え”のページでまとめられている。例えば、Q5「地震
が収まってすぐにしてはいけない行動は?」については、画像2のように絵入りで、具体的に分
かりやすく解説している。大人であれば、読めばしてはいけない理由も理解できるし、絵があ
るので子どもにもNG行動が伝わる。
このように、あらゆる都民が理解できるように「分かりやすさ」を追求して制作されているの
は、公的機関が制作したものとしては画期的だ。
さて、「東京防災」は5章構成となっている。
(1)大震災シミュレーション……東京に大地震が起きたときの発生時から避難、生活再建まで
をシミュレートして取るべき行動を説明したもの
(2)今やろう 防災アクション……今すぐできる防災の備えをまとめたもの
(3)そのほかの災害と対策……地震だけでなく、集中豪雨から感染症まで幅広い災害と対策に
ついてまとめたもの
(4)もしもマニュアル……止血の仕方、消火器の使い方、簡易トイレのつくり方、簡易ベッド
のつくり方などの知恵や工夫を図解したもの
(5)知っておきたい災害知識……地震や津波などの基礎知識や災害対応イエローページ、記入
できる安全のしおりなどをまとめたもの
分かりやすさが追求されていることに加え、「今やろう」をスローガンに行動喚起に重きが置
かれているのも注目点だ。340ページすべてを読み通す時間がない場合には、「今やろう」のマ
ークだけでも拾い読みして、できることから始めようと促す構成になっている。
みなさんは、「今やろう」(画像3)の内容を行っているだろうか?
筆者の場合は、日常備蓄や非常用持ち出し袋の準備、家具類の転倒防止などは実施済みだ。が
、東日本大震災のときに用意した備蓄品を見たら、賞味期限が切れているものがあったので、
今入れ替えているところだ。
今やっておきたい「室内の備え」
次に、筆者の専門である住宅と関連深い、「部屋の安全確認」について見てみよう。
巨大地震を再現した室内映像などを見ると、テーブルやキャスター付きの収納などは、部屋の
端から端まで何往復も移動するなど、家具が凶器になることがうかがえる。画像4の「室内の備
え」のページでは、家具の下敷きにならないようなレイアウトや避難経路の確保などの注意点
が解説されている。
「東京防災」という名称が示すように、都民向けの防災マニュアルなので、東京に住む人のラ
イフスタイルを想定して情報が掲載されている。マンションに関するページも多いし、人混み
や地下での避難などについても記載されている。
しかし、防災マニュアルとして注目度が高いことから、東京防災サイト上での無料公開をはじ
め、書店での販売や電子書店での取り扱いもされ、都民に限らず情報を入手できるようになっ
ている。さらに、東京都のホームページでは、英語版や中国語版、ハングル版も公開され、外
国人にも情報提供がされている。
さて、地震や土砂災害などの災害が頻発するいま、防災に関する備えはしっかりしておきたい
ものだ。届いた「東京防災」を本棚の奥にしまっている人、「東京防災」について知らなかっ
た人は、今からでも読んで災害に備えることをお勧めする。
ちなみに、この記事のために「東京防災」を読み直したら、ページの右下の子どものサイのキ
ャラクター「防サイくん」がパラパラ漫画で動くことに気づいた。公的機関らしくない遊び心
も、大歓迎だ。

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20 LGBTの住宅事情。住まい探しの苦労とこれからの課題とは 読売新聞 2016/6/27
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ゲイやレズビアン、トランスジェンダーなどの、いわゆるセクシャルマイノリティ。最近は「L
GBT」という言葉も広く浸透し、偏見や風当たりも、ひと昔前に比べれば薄れてきたように映る
。しかし当事者にしてみれば、まだまだ苦労も少なくない模様。そのひとつが「住まい」。マ
イノリティであるがゆえ、物件探しで壁にぶつかることがあるというのだ。
LGBTの住まい探し。当事者が語る苦労とは?
去る5月4日、そんなLGBTの住まい事情について思いを共有し、語り合うトークセッションが、
東京・中野で開催された。なお、中野区はLGBT当事者の人口密度が最も高いと言われる街らし
い。なかのZEROで開催された本イベントに参加した登壇者、見学者も中野区在住のLGBT当事者
が多かった。
イベント前半は、そんな中野に住むLGBT当事者3名が登壇してのトークセッション。
まず、2011年から中野区在住の河津レナさん。交際9年目の同性パートナーと愛犬と区内の一戸
建て賃貸で暮らしているが、現在の住居に行き着くまではやはり苦労もあったようだ。
「まず、私たちの条件に合う物件を探すとなると、そもそもの選択肢がかなり狭まってしまう
んです。いくら夫婦同様とはいえ、世間的には『お友達』。なので、友人同士のシェアがOKで
あること、さらに私たちの場合はペットがOKであること。そうした条件に加え、パートナーが
派遣社員として働いていて収入面での不安定さもあり、それでも住めるところとなると、かな
り妥協せざるを得なくなる。幸運にも最終的にはとてもいい家が見つかったんですが……その
物件に出合うまでは結構いろいろありましたね……。
例えば、女性同士で物件の内見に行くと『どういう関係なんですか(ニヤニヤ)』みたいに聞
かれたり。あとは不動産会社にLGBT当事者であることを明かし理解してもらっても『大家さん
には言わないでください』ということは結構言われましたね。大家さんに知られると、やはり
入居審査ではじかれる可能性が高くなる現実はあると思います」
続いて、トランスジェンダーの浅沼智也さん。なお、浅沼さんは性別適合手術を経て、現在は
戸籍上も男性として暮らしている。
「僕は今年、中野に転居してきました。今回の引越しは性別も変更済みでしたので特に問題な
くスムーズでしたが、戸籍変更前の部屋探しでは壁にぶつかることもありましたね。外見上は
男なのに、戸籍上は女性ですから、不動産会社に身分証を提示したときにやはり聞かれてしま
うんです。そこでどうしても自分のセクシャリティをカミングアウトしなければならなくなる
。河津さんがおっしゃったように、不動産会社は親身になって頑張ってくれても、大家さんが
受け入れてくれないというケースも結構ありました」
最後に編集者・ライターの山縣真矢さん。ゲイ活動家として「NPO法人 東京レインボープライ
ド」共同代表理事を務める山縣さんは、中野に住んで20年になる。
「20年の間、同じ中野区内で5~6回は引越しています。現在はパートナー名義のマンションで
二人暮らしですね。中年男性2人で暮らしていると、やはりそれなりに周囲から不思議な目で見
られたりはします。隣室が管理組合の理事の方なのですが、つい最近『どういう関係なんです
か? 兄弟ですか?』って質問を受けました。顔も全く似ていないので、多少ゲイだと疑われて
いるのかなとは思いつつ、そこはうやむやに対応しています」
いかに中野にLGBT当事者が多く住むといっても、3者が例に挙げたようにマイノリティであるが
ゆえの苦労は少なくない。今後、同じ境遇の人たちが部屋を探しやすく、より暮らしやすい街
にしていくためには何が必要なのだろうか?
山縣さんは、「僕らのように年をとってくれば、将来何かあったときのために近所づきあいも
それなりにしておくべきなのかもしれない。でも、やはり深い近所付き合いをして詮索された
くないという人も多いと思うんです。ですから、例えば中野区が行政の立場で地域の人にセク
シャルマイノリティの人が隣に暮らしているのが当たり前の時代なんですよ、中野区もそうい
う街なんですよ、といった情報を流していただくとか。そうした雰囲気が区全体として醸し出
されるようになっていけば、もっと住みやすくなるかなと思いますね」と、さらに多様性を受
け入れる文化、空気感の醸成を望む。
また、浅沼さんからはこんな意見も。「部屋を借りるときに自分のセクシャリティを開示しな
くてはならないストレス、大家さんに受け入れてもらえるかの不安や恐怖感。そうしたことが
少しでも取り除かれるといいですね。例えば、不動産会社のホームページに『LGBT当事者受け
入れ可能物件です』などと書いていただければ、スムーズに部屋探しができるのかなと思いま
す」
物件の大家はLGBTの入居希望者をどう見ている?
一方、イベント後半にはリクルート住まいカンパニーの田辺貴久氏が登壇。自らも社内でカミ
ングアウトしている田辺氏はLGBTの住まいの実態を探るべく、当事者と大家にアンケートを実
施。その内容の一部を紹介した。
「物件のオーナーさんに『LGBTの方が入居を希望してきたらどう思うか』聞いたところ、男性
同士のカップルの場合で『入居してほしくない』という回答が27.2%、女性カップルで19.4%と
いう結果でした。2~3割のオーナーは住んでほしくないと考えているようですが、これはLGBT
に限らずマイノリティな属性を持つ人を敬遠したり、『男性同士だとうるさそうだから』とい
う理由もあるのではないかと思われます。現に、ゲイとは限定していない『男性の友人同士の
ルームシェア』でも『入居してほしくない』という回答は28.2%でした。
なお、LGBTの入居を敬遠する理由としては、オーナー自身が生理的に嫌だからとか、経営者の
観点から他の入居者の方が嫌がるんじゃないかとか、心理的な面が大きいようです。しかし、
集合住宅に住むストレート(異性愛者)の方に聞くと、『単身のゲイの方が隣に住んでいたら
入居しなかった』と答えた人は10%程度。ですから、他の入居者への配慮という点では、オー
ナーが思うほど近隣は“気にしていない”ケースが多いのではないでしょうか」
また、10%のLGBT敬遠派も、その理由を聞くと「なんとなく」という回答が多くを占めたとい
う。今後LGBTに対する理解が進めば、この数値はさらに下がっていくだろうと田辺氏は読む。
「企業活動でも多様性を認める『ダイバーシティ』が注目されていますが、街でも同様に多様
な人たちが住める環境は魅力や活力を生む源泉のひとつではあるはずです。ですから、このよ
うなイベントをきっかけに中野区が先陣を切り、個性派の人を受け入れる街となるといいなと
思いますね」(田辺氏)
まだまだ「特殊な事情」とみなされ、窮屈な思いを強いられているLGBT当事者たち。近年は単
身高齢者をはじめ、住まい探しが困難な人を行政が支援する取り組みも進んでいるが、今後は
高齢者のみならず、LGBTを含む多様なケースをサポートする仕組みが望まれる。
●取材協力
・中野LGBTネットワーク にじいろ

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21 イマドキの「別荘」最新事情 リノベ物件や無印の小屋も登場 読売新聞 2016/6/24
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多くの人にとって、別荘といえば富裕層が持つぜいたくなイメージが強いかもしれない。実際
、手が届きそうにもない高額な別荘は今も存在するのだが、一方で手ごろな価格で所有したり
、利用できたりするセカンドハウスも登場している。そんな最新事情をリゾート物件のポータ
ルサイト「別荘リゾート.net」を運営する唐品知浩さんに聞いてみた。
“持つ”ことよりも“どう使う”か、別荘へのニーズが変化している
そもそも別荘が高嶺の花と言われたひとつのピークは昭和50年~60年ごろ。バブル景気の最中
、多くのリゾート地が開発され、軽井沢や箱根、熱海では高額物件も登録抽選になるほど需要
があった時代である。その後、バブル崩壊、リーマンショックの波にもまれてリゾート開発は
激減。景気の低迷とともにリゾート物件の取引も減少。バブル期に建てられた別荘やリゾート
マンションは築年数が古くなり、売却価格が下がっている。
この流れが変わるきっかけとなったのが東日本大震災である。原発事故による電力不足の影響
もあり、都会以外に家をもう一軒持つという考え方が生まれた。そこで再び、リゾート地が注
目を集めるようになる。リゾート地には保養所が多いように風光明媚(めいび)、海や山が近
く自然が豊か、夏涼しい、温泉があるなど、もともと都会人が憧れる立地である。しかも中古
別荘は価格が下がっているから、セカンドハウスを求めるには好機到来といったところ。ここ
数年、シニア層を中心に中古物件の取引はコンスタントに続いて今に至っている。
ここで注目したいのは、さらなる新しい波だ。若い世代の二地域居住というライフスタイル。
もっとカジュアルに田舎暮らしをできないかと考える人が出てきた。「別荘族と呼ばれる富裕
層は今も存在しています。でも一方で、別荘のような使い方だけどもっとライトに使いたい。
ステータスでなく実際に使いたい人が増えてきました。年齢的には40代が主流で、そんな世代
のニーズに合う今までにないリゾート物件が出てきています」と語る唐品さん。
そのひとつが「リノベーション別荘」という。「今、多くの別荘地はバブル期に購入したオー
ナーが高齢化、建物も古くなっています。子どもが相続しない場合、手放すことになりますが
、その建物を購入してフルリノベして販売するのです」と唐品さん。都会ではすでに中古住宅
のリノベーションがメジャーになっているが、リゾート分野では壊れた設備の修繕などのリフ
ォームはあっても、建物全体の間取り変更や大幅なデザイン変更などのリノベーションの実績
はほとんどない。
その先陣をきったのが山中湖にある富士急山中湖畔別荘地だ。オーナーの売却依頼を受けた別
荘をそのまま販売するのでなく、さらに長く使ってもらえるようにリノベーションして販売す
るというもの。その際、リノベーション後のセンスやテイストにこだわり東京の世田谷、目黒
で実績のあるリノベーション会社・空間社とコラボしたのが特徴だ。築35年の中古別荘の間取
り、水まわりの位置、インテリアテイストをガラリと変え、おしゃれに仕上がった別荘は、若
い世代の心をつかむだけでなく、別荘地全体の資産価値を上げることにもつながっているとい
う。
コンパクトな「小屋」を拠点にする新しい発想
また最近は「小屋」ブームでもある。2015年7月に、長野県茅野市で開催された「小屋フェス」
(SuMiKa主催)には20棟の小屋が建てられ、都心から遠い立地にも関わらず1万人以上の来場者
を集めた。「小屋のニーズは高いです。小屋フェスの後、無印良品が『MUJI HUT』を発表しま
したが、こちらも集客が多く、コンパクトな規模で拠点として使いたいという人が増えている
ことを実感しました」と唐品さん。
そして、「この秋には、千葉県房総半島の南端、白浜町で廃校になった小学校のグラウンドに
無印良品が手掛ける小屋『MUJI HUT』の分譲地ができる予定。小屋の分譲は日本初です」(唐
品さん)とのこと。廃校になった旧長尾小学校の敷地は3000坪あり、6棟構成の校舎が約1000坪
を占め、残り約2000坪が校庭である。校舎はシェアオフィスやカフェにリノベーションされ、
校庭に無印良品が手掛ける小屋を順次建設。最終的に23棟設置されるというのが「シラハマ校
舎」の全体計画だ。
小屋の敷地は1区画80m2~90m2、小屋の広さは10m2~20m2を予定。週末の宿泊小屋として活用さ
れる予定で、校舎のトイレやシャワーが利用でき、庭では家庭菜園やガーデニングが楽しめる
。購入者は土地の賃貸料や管理費として月1万5000円~2万円がかかる。「無印良品の小屋のコ
ンセプトはキャンプ以上別荘未満。10m2~20m2の規模で土地は賃貸ですから価格も安く購入で
き、二地域居住を手軽にスタートできると思います」(唐品さん)
シェアハウスやシェアオフィスの賃貸で二地域居住
次に紹介するのは賃貸。「購入にこだわらなければ、賃貸で安く二地域居住は実現します」(
唐品さん)。ちなみに前述した「シラハマ校舎」の開発を手掛ける不動産管理ウッドは白浜町
にある「シラハマアパートメント」を運営。すでにシェアハウスで実績を上げている。4階建て
の建物の一部を約12畳のシェアハウスとして賃貸しており、家賃は駐車場、電気ガス、インタ
ーネットなど込みで月額4万円から。主に二地域居住者が入居しているという。「年齢は20代か
ら50代まで幅広く、なかにはファミリーもいます。南房総はロードバイクやトライアスロン、
釣りなどいろいろなスポーツのメッカ。週末にこちらに来て楽しんで帰るという使い方をされ
ています」とウッド代表の多田さん。
自治体でシェアオフィスを運営するところもある。例えば八ヶ岳山麓に位置する長野県諏訪郡
富士見町には「富士見 森のオフィス」と呼ばれるシェアオフィスがあり、コワーキングスペ
ースとして使えるようになっている。富士見町では2015年12月から事業をスタート。現在30数
名がコワーキング登録をしているが富士見町へ移住し、「富士見 森のオフィス」を日常的な
仕事場として利用する人に対して、月額8万3000円の家賃補助制度を設けている。
「登録者は30代が中心でファミリーもいます。富士見町のアパートに住み、都会と富士見町を
行ったり来たりしながらテレワークをしている人が多いようです」と担当者。4月から2016年度
のコワーキングを募集しており、10数名が現地まで見学に来ているとのこと。「シェアオフィ
スのニーズは増えており、テレワークやフリーランスの人など二地域居住は手軽にはじめられ
ます」(唐品さん)
最後に、唐品さんにこれから二地域居住を考えている人へのアドバイスを伺った。「今は土地
を購入して新築別荘を建てるというよりも中古物件を購入したり、賃貸物件を借りたりするな
どバリエーションが広がっています。こまめに探すのがお勧めです。住みたいエリアが絞れて
きたら、地元にあるペンションに泊まって話を聞いたり、町おこしに関わっている人に頼った
りするのもひとつの方法です」と答えてくれた。

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22 小スペースでも設置可能? 憧れの「ハンモック」のある暮らし 読売新聞 2016/6/2
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木陰の下のハンモックに身をまかせウトウトお昼寝。そんな贅沢な過ごし方に誰もが一度は憧
れたことがあるはず。しかしハンモックを設置する場所は限られ、実現するのはなかなか難し
い。ところが最近では、家の中にハンモックを設置して楽しんでいる人も少なくない。そこで
昨今のハンモック事情を取材してきた。
季節によって使い分けるユーザーが増加中!
ハンモックのトレンドを知るべく、日本で数少ないハンモック専門サイト「ハンモックライフ
」を16年前から営み、ハンモックのあるライフスタイルを提案してきた店主・梶原寛さんに話
を伺うことにした。
同店で取り扱うのは、中南米で伝統的な手法でつくられたハンモック。種類としては、ベッド
部分が一枚布でできた「ブラジリアンハンモック」と「コロンビアハンモック」。そしてベッ
ド部分がメッシュ地になった「メキシカンハンモック」の3種類がそろっている。ブラジリアン
、コロンビアは、ベッド部分が一枚布なので、体がすっぽり包まれた状態で横になることがで
きる「プライベート感」が自慢。一方のメキシカンは、メッシュのベッド部分が抜群の通気性
の良さを誇る。いずれも素材はコットン100%で肌にも優しい。
売れ行きの傾向としては「暑い時期は通気性に優れたメキシカン、寒くなると一枚布のブラジ
リアンやコロンビアが人気」と梶原さん。最近では一度どちらかを購入したお客さんが、その
使い心地の良さから「メキシカンと一枚布タイプの両方をそろえて、季節によって使い分ける
人も増えてきた」という。「ハンモックは夏のアウトドア」という、旧来の使い方のイメージ
から徐々に変化し、日常生活のアイテムとして浸透しつつあるようだ。
コンパクトなスペースでも楽しめるチェアハンモック
最初に紹介したのは前後2カ所を固定してゴロンと横になれる一般的なハンモック。梶原さんい
わく「6畳くらいの部屋なら設置が可能」とはいうものの、都市部の厳しい住宅事情では、フッ
クの取り付けの可否や、ほかの家具の位置の影響を受けるため、設置にはなかなかハードルが
高いかもしれない。
そこで次に紹介するのが、よりコンパクトなスペースでハンモックの魅力を楽しめる「チェア
ハンモック」。チェアハンモックはその名のとおり、ハンモックに腰をかけてソファ代わりに
利用できるハンモック。ゆらゆら揺れるハンモックの心地よい浮遊感はそのままに、コンパク
トなスペースでハンモックのある生活を実現できる。
チェアハンモックの種類も一般的なハンモックと同様に、ブラジリアン、コロンビア、メキシ
カンがそろう。取り付け方法は天井の梁などからぶら下げる方法と、自立式のスタンドを使用
する方法の2種類。しかし天井からぶら下げるとなると、賃貸物件などでは実現不可能に近い。
そこで人気を集めているのが自立式のチェアハンモックスタンドだ。
日本の住宅事情に適したスタンドを自作!
「ハンモックライフ」で販売しているチェアハンモックのスタンドは、日本製のオリジナル。
そこでこの製作を請け負っている「多摩製作所」の野瀬宏一郎さんにも話を伺うことにした。
野瀬さん自身もハンモックユーザーの1人だ。
野瀬さんがこのスタンドの開発を思い立ったのは2013年、自宅を新築した際にまでさかのぼる
。念願のマイホームを手に入れ、憧れのハンモックの導入を考えた野瀬さん。しかし設置に適
した条件が整わず、海外製のハンモックスタンドの購入を検討する。しかし「サイズが大きす
ぎたり、つくりが華奢だったり、私が求めているスタンドがありませんでした」と野瀬さん。
そこで家業が板金加工業だったこともあり、思い切って自作を決意する。
開発に当たっては「同じように悩んでいる人や、ハンモックの導入を躊躇(ちゅうちょ)して
いる人もいるはず」とユーザーのニーズを探るべく、ハンモックライフの梶原さんにも相談。
梶原さん自身も「いつかは自社製品のスタンドをつくりたかった」と互いの思いが一致。半年
間試行錯誤をくり返し、2015年に製品化へこぎ着けた。
同社のハンモックスタンドの最大の特徴は、高さの調整機能と揺れたときの静寂性。高さは日
本の住宅事情に合わせ133?160cmの範囲で調整できる。低くすれば小さな子どもでも安心してく
つろげる。またハンモックが揺れることで発生する金属音は、固定するためのパーツを鉄の棒
から一つずつ削り出すことで抑えることに成功した。
収納性や耐久性にも優れているこのハンモックスタンド。中南米産の伝統的なハンモックの魅
力を最大限に引き出すスタンドを、日本の町工場の職人技がつくり上げているというのも興味
深い。
遊び心と笑顔をもたらすハンモックのある生活
最後に紹介したいのが、2点固定式の一般的なハンモックをリノベ住宅に取り入れた、なんとも
うらやましい事例だ。大阪府の古野靖典さんの自宅に、施工店「シンプルハウス」の提案で、
ブラジリアンハンモック(シングルサイズ)がやってきたのは2015年の11月。
「それまで特に憧れていたわけではないですが、ちょうど設置に好都合な柱があったので」と
いう古野さん。築35年の住宅をリノベーションして、壁を取り払った際に出てきた柱にハンモ
ックを設置した。24畳という開放的なリビングダイニングにハンモックが自然となじむ。普段
は片側を外してフックにまとめてぶら下げるので動線を遮ることもない。
「横になるとついウトウトしてしまうほどですよ」というほどの快適性。ご自身が使用しない
ときは、子どもたちの格好の遊び場にもなっている。特に7歳になる末っ子にとっては、大のお
気に入りの場所。「友人が来たときにも、まずはみんな真っ先にハンモックにワイワイと寝転
がりますよ(笑)」と古野さん。大人も子どもも不思議と引きつけられるのが、ハンモックの
もつ力なのかもしれない。
あきらめかけていた憧れのハンモックのある生活も、チェアハンモックスタンドなどを活用す
れば賃貸でも実現可能だ。ハンモック自体の新商品もときどき発売されるので、選択肢も増え
つつある。また、家にハンモックがあるだけで古野さん宅のように、家族や友人たちのコミュ
ニケーションツールのひとつにもなる。家庭に笑顔をもたらす新たなアイテムとして積極的に
導入してみてはいかがだろうか。
●取材協力
・ハンモックライフ
・多摩製作所

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23 賃貸住宅にキケンを感じたら「いやや(188)!」に相談 読売新聞 2016/6/23
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安全であるはずの住まいで、命に関わる事故が起きているーー。なにやら気になる情報を発信
したのは、消費者庁。2009年から2016年1月までの間に、「生命身体に危害を及ぼす不具合情報
」が実に653件寄せられているという。ではその内容とは? 大家さん/不動産管理会社に相談
しても対応してもらえない場合はどうしたらいいのかを解説していこう。
賃貸住宅の不具合件数は毎年100件程度、寄せられている
今年3月、消費者庁から「賃貸住宅の建物及び付帯設備に不具合はありませんか?」というお知
らせが発表された。その内容はというと、賃貸の建物や設備が原因で、大小さまざまなトラブ
ルが起きているというもので、最悪のケースでは1人が死亡、ケガなどが発生した事故情報も32
3件ほど寄せられているという(2009年9月?2016年1月まで)。1年間にするとおよそ50件前後の
事故情報が寄せられているということになる。
では、具体的にどのような事故が起きているのか、データをみていこう。
まず、不幸な死亡事故というのは、換気扇が故障した状態でガス瞬間湯沸かし器を使用したこ
とにより、一酸化炭素中毒を起こしたというもの。ケガをして治療が必要になったケース(323
件)のうち、医者にかからずというケースが103件、治療期間不明125件もあり、危害としては
軽度のものが多いようだが、一方で、治療に1カ月以上かかったケースは25件、3週間?1カ月と
いう人が12件という結果に。
次に事故が発生している場所についてチェックしていこう。いわゆる付帯設備(ガスや電気設
備、給排水設備)が最も多く、338件と半数以上をしめている。例としてはガスでは給湯器や瞬
間湯沸かし器、電気コンロやエアコンなどのトラブルで、発火やガス漏れなど、命に関わる事
故が発生している。なかには、初めて浴槽に足をいれたところ、底が抜けて右足関節捻挫の重
症になった人も。
こうした設備まわりの製品は毎日使うだけに、経年による劣化は避けられない。適切なメンテ
ナンスが必要になるが、基本的には大家さんの負担で修繕してもらわねばならない。そこにこ
の問題の難しさがあるといえそうだ。
消費者庁のホットラインは「188」。「いやや」の呼び方で覚えておこう
また怖いのは、事故は起きてないものの、「定期点検でガス湯沸かし器が危険と判定され、使
わないよう言われた」「電気コンロがリコール対象製品だった」というものも。これもひとた
び間違えば、火事や大怪我を招きかねないだけに、注意したいところ。
設備以外にも建物関係での不具合も多く、外壁や天井の落下、手すりの腐食といったトラブル
も起きているよう。「エレベーターに閉じ込められた」「外階段の腐食がはげしく、踏み板が
ガタガタしていた。階段から落下してケガをした」なんてケースもあれば、「雨漏りが原因で
カビがはえ、子どものアレルギーが発症した」や「床が傾いて、めまいがする」という事例も
報告されている。「今どきでもあるんだ……」と思ってしまうが、設備同様、建物も適切な修
繕が行われていないと、こうした不具合は発生してしまう。
こうした事例の多くを見ていると、不具合が起きた場合に大家さん/不動産管理会社に一報を
いれていて、対処をお願いしている。だが、問題はそれからで、「都市ガスの定期点検で危な
いといわれたが、不動産会社が対応してくれない」「何度伝えても、放置される」という切実
な声があがっている。
消費者庁では、こうした場合の対応として、賃貸住宅に関する相談窓口や消費生活センターに
相談しよう、と呼びかけている。また、電気やガス、水道といった供給事業者に、一度意見を
聞いたうえで連絡するのも良いとアドバイスしている。もちろん、賃貸住宅に入居前には、ガ
ス器具や電気器具等の状態をよく確認し、気になる点は十分な説明を受けてほしい。
ちなみに、消費者ホットラインは188(いやや)というもので、全国共通。身近な消費生活相談
窓口を案内してくれる。ほかにも、相談先としては、「賃貸住宅管理協会の相談コーナー」「
公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センター電話相談 住まいるダイヤル」「宅建協
会の不動産無料相談所」などがある。
家や住まいの不具合は、放置しておいて直ることはない。「困ったな」と思ったら、すみやか
に対処し、安全に暮らしてほしい。

●参考
・消費者庁/賃貸住宅の建物及び付帯設備に不具合はありませんか?
・公益財団法人日本賃貸住宅管理協会/相談コーナー
・公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センタ/電話相談 住まいるダイヤル
・47都道府県宅建協会/不動産無料相談所

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24 イー・ガーディアン 「VR酔い」チェックサービス 日経産業新聞 2016/6/27
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 ネット投稿監視のイー・ガーディアンは27日、仮想現実(VR)の技術を使ったゲームや映
像の品質検査サービスを始める。企業が開発中のコンテンツを視聴し、気分が悪くなる「VR
酔い」が性別やゲーム経験年数などの違いで起きる度合いを調べる。ゲームや不動産、教育な
どの企業がVRに関心を持ち始めており、最大約700人のテスト要員がチェックを担っていく。

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25 天井クレーン 揺れにくく 東京農工大 日経産業新聞 2016/6/24
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 東京農工大学の田川泰敬教授らは、コンピューターシミュレーション(模擬実験)を活用し
、物流の拠点などで天井からぶら下がる大型クレーンの揺れを抑える制御技術を開発した。貨
物を運ぶ際に生じる揺れをあらかじめ想定し、クレーンの動きを細かく調節して揺れを打ち消
す。熟練者が少ない海外市場などで円滑な荷役作業を支援する。7月3日から英サウサンプト
ン大学で開く国際学会で発表する。

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26 木の粉燃やすボイラー、IHI環境エンジとラサ工業 日経産業新聞 2016/6/24
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 環境装置メーカーのIHI環境エンジニアリング(東京・江東)とラサ工業は、木の粉を燃
料とするバイオマスボイラーを共同で開発した。木質チップを燃料とする従来型のボイラーに
比べ、着火や消火が簡単にできるため効率的に使える。木の粉を作る粉砕機などとボイラーを
組み合わせた熱利用システムとして、林業が盛んな自治体などに提案する。

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27 曲がる太陽電池、家庭に みんな電力が米社製品発売 日経産業新聞 2016/6/23
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 新電力ベンチャーのみんな電力(東京・世田谷、大石英司社長)は、薄くて曲げられる家庭
向け太陽電池パネルを月内に発売する。米国製で、厚さはわずか2.5ミリメートルだが、発電効
率は一般的な従来品と同水準という。建物の壁面や自動車の屋根などに搭載しやすくなり、用
途が広がる。環境意識の高い層を中心に、新規顧客開拓を目指す。

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28 LIXILグループ、南ア工場で生産効率を底上げ 日経産業新聞 2016/6/23
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 LIXILグループは2014年に買収した南アフリカの住宅設備会社で、衛生陶器や水栓金具
の製造工程を見直す。日本から派遣した技術者を常駐させ、現地工場でオペレーションの改善
を指南する。2018年3月期をめどに、衛生陶器で現在5割に達している不良率を1割に引き下
げる。

2016-06-30 | Posted in 住宅関連新聞記事Comments Closed